妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

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23-4 天国に一番近い海

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 海岸沿いに歩くと、ペイ浜と言うビーチに到着する。
 はっきり行って誰もいない、そして名前はちょっと変だが、ニシ浜から続いているだけに負けず劣らず美しい、そしてニシ浜は他の島が見えるが、ペイ浜は何も見えない、水平線だけ……


 4人はその景色に暫し声を失う。

 もう何かずっと見ていたい、そんな気分だったが、沈黙を破り麻紗美が皆に声をかける。

「じゃあ、浜辺でぇあそぼうか~」
 ボーッとしているのも良いけど、やっぱりあの綺麗な海に入りたい、そんな口調だった。


「じゃーーーん、お兄ちゃんどう?」
 美智瑠に続き、妹も着ていたシャツとスカートを脱ぎ、水着を披露する。
 青と白のマリンボーダホルターネックのビキニ、結構ハイレグで足が目茶苦茶長い

「ほら、お兄ちゃんの好きな縞パンだよ~」
 両手で後ろの髪をかきあげ、腰をくねらせベタなポーズをとる。

「何で俺が縞パン好きって事になっとる、まあ、でも可愛いぞ」

「えへへへへやったー」

「いいなぁー、みんなぁ細くてぇ」
 そう言って麻紗美が脱ぐと、カラフルな花柄のワンピース、ただし胸の所が結構開いていて、こぼれそう……さすがだ麻紗美!


 あれそう言えばと辺りをみまわすと……

「……」

 美智瑠がいじけてる……
 木陰の下で膝を抱えている美智瑠、ちょっと面白いからほっとこう。

「さあ、みんなぁゆうに見せたからぁ、上にTシャツ着ようねぇー」
 脱いだばかりの麻紗美がそんな事を言い出した。

「え?なんで?」

「あのねぇ栞ちゃん、こっちの日差しは凄いんだよぉ、水着だけでぇ日差しの下にいたらぁ火傷するよぉ」
 そう言ってバックから日焼け止めを出す。

「その前にぃこれ塗った方がいいよぉ、栞ちゃんもぉ、美智瑠ちゃんもぉ、はいゆう、みんなのぉ背中にぃ塗ってねぇ」

 そう言って俺に日焼け止めクリームを渡すって、え?、俺が塗るの?


「うん、わたしぃレジャーシート引いたりぃしてるからぁ、最初にぃ脱いだぁ美智瑠ちゃんにぃ塗ってあげてぇ」

「え!!!、ぼ、ぼ、僕はいいよ、その焼けたいし」

「ダメだよぉ、そんな真っ白い肌でぇ日焼けなんかしたらぁ、明日からぁ動けなくぅなっちゃうよぉ」

 顔を真っ赤にして、俺を見ている美智瑠、すると妹が俺の前に来て

「美智瑠ちゃんはいいって、はい私塗ってねぇお兄ちゃん」
 そう言って後ろを向く

「ず、ずるいぞ、栞君!やっぱり僕、塗って貰う!、さあ、ゆう!塗れ、早く塗れば良いだろ!!」
 塗れば良いだろって、そんな頼み方あるか!

 美智瑠は俺の前で背中を向ける。
 なんでだよって思ったが、美智瑠の白い背中、赤いビキニの紐が凄く生え、艶かしい、すでに肩の辺りが若干赤くなっているのがわかる。

「どうした、早く塗れ!」

「じゃあ、失礼して」
 手に日焼け止めをつけ、恐々美智瑠の背中に……

「ふわあ、あ、あん、や」
 いつも男言葉の美智瑠から女の子の様な色っぽい声が……

「うわうわうわああああああ」
 やめてくれードキドキするだろおお

「栞!無理!、はい!続きよろしく!!!」

 そう言って妹にクリームを渡し麻紗美の方に走って向かう。

「えええええええええ」
「えええええええええ」

 美智瑠と妹が同時に不満の叫びをあげるが、無理っす!ヘタレでさーせん。



 二人の叫びを無視し、少し離れた所の木陰にレジャーシートを敷いている麻紗美を手伝いに行く。

「麻紗美、俺も手伝うよ」

「塗り終わったのぉ?、もう敷終わるからぁ大丈夫だよぉ」

 そう言って、麻紗美はシートを広げ終わり、そこに腰をおろした。
 俺もその隣に腰をおろし妹と美智瑠を見ると、妹が美智瑠の背中にクリームを塗りたくり、その塗り方に文句を言っていた。

「麻紗美って以外と世話女房なのなー、皆に気を使って、色々調べて、見直したよ」

「えー、そんなことぉないよぉ、みんなを誘ったのぉ私なんだからぁ、当たり前だよぉ」

「でも、麻紗美ってもっとこう、おどおどしてたからさー、今の麻紗美は自信持ってる感じがしていいぞ!」

「うーーん、だとしたらぁ、ゆうのおかげだねぇー」

 そう言ってこっちを見て笑う、目が無くなる程細くなったその笑顔は、タヌキから、撫でられてグルグル言ってる子猫のようで、つい頭に手が伸びて撫でてしまった。

「ふええええ!」
 麻紗美のその奇声に我に帰った俺は、その髪のさらさらした感覚に惜しみつつ、慌てて手を離す。

「あ!、ごめん!つ、つい……」

「あ、ううん、嫌じゃなくてぇ、びっくりぃしてぇ」
 麻紗美は真っ赤になってうつむいている。

「ご、ごめん」
 もう一度謝った時に気がついた、ものすごい殺気に



「お兄ちゃん、なんしとん?」
 えっと、栞さんどこの出身でしたっけ?

「ゆうううううううううううううう」
 えっと、美智瑠さんなんでそんなに怒ってるのかなー?


「いや、えっと、これはつい……あ、俺も日焼け止めを塗らないと、えーっと栞さんか美智瑠さん塗ってくれ……いってえええええ」


 日焼け止めをおもいっきり顔にぶつけられる。

 ナイスボール、妹はコントロールも完璧だった……
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