49 / 255
17-2 妹の部屋
しおりを挟む会長と先生と俺の関係をいきなり聞いてくる妹に
「えーーっと、なに?」
とりあえず、すっとぼけて見た、妹はよくかまをかけてくる。
「え?、聞こえなかった?、お兄ちゃんてラノベの主人公なの?」
妹の顔が真顔に変わる。
こえええええええ、こんな怖い妹は初めて見た、でも怖いけど、言う訳には行かない。
そもそもこないだの直後に言わなかった時点で、すでに隠し事、今、言ったら言ったでさらに何か疑われるし、やはり言うなって言われている事をいくら妹でも……。
別に悪い事したわけでも、浮気したわけでもない、そもそも今は彼氏なわけじゃない。
「えっと、生徒会長は、こないだ言ってた通りだよ」
「ふーーーん、あんな短い時間で名前までおしえて、ゴミまで取って貰って、イチャイチャしてたんだーふーーん」
「いや、ゴミじゃなくて虫」
「どっちでもいいよ、お兄ちゃん」
「物凄く怖いんですけど栞さん」
「え?何で、私普通に聞いてるだけだよ?」
絶対に普通じゃない。
「それで、何があったのかなー? 怒らないから言ってお兄ちゃん」
顔は笑っていても、目が笑っていない、あとそのコップを握っている手、プルプルしてるけどコップ割らないでケガするから。
「いや、すでに全然怒ってますよ栞さん」
「えーー私がお兄ちゃんに怒る訳ないじゃない、浮気したって怒らないよー」
「へーー、栞は俺が浮気しても怒らないんだー凄いなー偉いなー、まあ今は彼氏じゃないけど」
「うん、怒らないよ、サクッとしちゃうだけ」
「サクッって何ですか!」
「えーー?聞いちゃう?15禁設定しちゃう?」
「えっと、大丈夫?なんか、異世界に行ってるよ?」
「今はそっちの方が流行りだからいいんじゃない?」
今度は妹の目がぐるぐるし始めている、そして俺もちょっと妹の顔が面白くなっている。
「おーーーい、帰ってこい~~」
「お兄ちゃんこんな所にいないで、私と、異世界に冒険しに行こうよ、魔法攻撃が2回使える妹は好きですか?とか、異世界は妹と共にとかどう?」
「どうって、それ書いたら盗作だから、BANされちゃうから、てか俺小説とか書かないから、おーーいもどってこーーい」
「それで、会長さんとは何があったのかなーお兄ちゃん」
「戻ってきたら結局それですか……」
しかし、何を言われても、これは言えない、言うなと言われたからには……
「本当に、何もないよ、俺と会長の間には何の関係もないよ」
しばらく、俺を見つめていた妹は、一度目をつむり考え込み、納得したような顔をして言った。
「わかったよお兄ちゃん、多分何か言えない事があるんでしょ、私も友達から絶対内緒ねって事はお兄ちゃんにも言わないし」
「でもね、何か困った事があったら絶対言ってよね、私は何があってもお兄ちゃんの味方なんだから」
「あ、ああそうだね、ありがとう」
ようやく納得してくれた、これで開放されると思いきやもう一つ残っていた。
「で」
「で?」
「白井先生とは何があったの?」
「な、なんで?」
「何度言ったら分かるかなー?、私はお兄ちゃんの事を見続けているんだよ、何かおかしかったらすぐに分かるの」
「えーーーっと、なんかおかしかった?」
妹は、はあっとため息をついてから
「昼休みから帰ってきたお兄ちゃん、なんかそわそわして、ふわふわして、あと、私になにか言いたそうだったよ」
この妹、怖いんですけど……、今になって恐ろしさをヒシヒシと感じる、友達が多いのも、こんな、人を見る目が凄いからなんだろうか?
「えーーっと、何か言いたかったのは、午後に一緒に帰れないって事を」
「それで、お兄ちゃんはあんな風な感じにはならないよ、あと白井先生、生徒会室に入った時に、凄く嬉しそうにお兄ちゃんの名前呼んでた」
「えーーっと、それは最初に断ったからじゃないかなー? すっぽかさずに来てくれたみたいな?」
「お兄ちゃん、そういう時はホッとした感じになるんだよ、あの白井先生はなんか、うーーん、例えば、全然なついてくれない子犬がようやくなついてくれた時のような感じがした」
「えーーっと抽象的でわかりずらいんだけど?」
「要するに、昼休み、な、に、か、あったって事だよ!」
「えーーーーーー」
もう全部ばれてる、妹の彼氏は絶対に浮気出来ない……
今、彼氏じゃなくて良かった……のか?
俺はもう駄目だと潔く負けを認める。
「はい、ありました……」
ああ、警察の取り調べよりきついんじゃないか? この妹は
「じゃあ、こっちは聞かせてくれるのね、お兄ちゃん」
にっこり笑って俺を見つめるが目は相変わらず笑っていない……
まあ、先生に口止めされた訳じゃないし、妹なら他人に話さないだろうし。
俺はあの日の昼にあった事を、先生が号泣した事は隠して話し始めた。
「えーーっと、前にラブレターの話しをしたよな」
「うん12話だね」
「いや、まだ異世界にいるのか? その数の意味は分からんけど、で、そのラブレターの時のお姉さんが」
「お姉さんが?」
「白井先生でした……」
妹は、そのままの姿勢で固まった。
「しおり?」
俺が名前を呼ぶと妹はその場で、朝礼の時の貧血の子供の様に後ろに倒れる。
「し、栞、大丈夫か!!」
俺は慌てて妹に近寄り抱き起こす。
妹は、息も切れ切れに小さな声で言った。
「う、う、う」
「う?」
「うらやまし過ぎる……」
「はい?」
俺はどこかの刑事の様に尻上がりにはい?と言ってしまうと、妹は突然俺の腕から起き上がり、
「お、お兄ちゃんから、大好き結婚してくれなんて手紙……うらめやまし過ぎる」
「恨めしいと羨ましいが合わさってるぞ」
「お兄ちゃん!私にも言って!!」
「やだよー」
「じゃあ書いて!!」
「えーーラブレターを書くの、やだよー」
「ううん、それじゃあ先生と一緒だからやだ!」
「じゃあなにを?」
「婚姻届」
「やだよー、そもそも結婚できねえよ、兄妹だし、年齢もだし」
「やーーだーーーやーーーだーーーかーーいーーてーーー」
買い物の時に、物を買ってもらえない時の駄々っ子の様に、寝っ転がりながらごねる妹を、どうする事も出来ない俺は落ち着くまでじっと見ていた。
パンツ見えてるぞ、そこまでメイドっぽくしなくても、縞パン………
0
Twitterやってます。https://twitter.com/niinaamesyou
お気に入りに追加
257
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。
後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。
しかし、そこに香奈が現れる。
成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……
オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕!
※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。
「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。
【今後の大まかな流れ】
第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。
第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません!
本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに!
また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます!
※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。
少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる