妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

文字の大きさ
上 下
46 / 255

15-4 俺の嫁?

しおりを挟む
 
 妹は若干顔を赤らめ、興奮した様子で会長に、敵意まるだしで問いかけている。

「ふふふ」

 会長が笑う

 俺の中でゴングがなる カーーン

「何がおかしいんですか!、私は真剣に聞いているんです!」
 周りは呆気に取られている、白井先生に至ってはのけ反って椅子から落ちそうになっている。テレポーテーション使うなよ。

 一度不敵な笑みを浮かべ、再びアルカイックスマイルに戻して会長が答え始めた。

「笑ったりしてごめんなさい、栞さんはお兄様の事が大好きでいらっしゃいますのね、羨ましいですわ、でもご安心下さい、あなたの大事なお兄様を取ったりはしませんから」

 妹はぐっと前に出た、恐らく答えになって無いとでも言おうとしたんだろう
 しかし機先を制して会長が答える。
「あれは、外でお食べになっていたので、頭に虫がついておられましたの、失礼とは存じましたが、払って差し上げただけですよ」

「会長さんが悪い虫だったんじゃないんですか?」

「ふふふ、栞さんは楽しいお方ですのね、私もあなたの沢山のお友だちの一人として、お仲間に入れていただきたいわ、私たち仲良くなれると思いますよ」
 丁寧な口調で丁寧に返事をした。

「失礼しました」
 仲良くなれる、つまり手を出すつもりはない、その隠れた言葉を読んだのか? 妹は席に座り、周りにという体で謝罪する。

「ありがとうございます、分かって頂けてうれしいわ」

 怖いよー、怖かったよー、会長の裏の顔と、妹の俺に対する思いを知ってるだけに、何もいえなかったよー
 俺はすっかりびびってしまい、ただでさえ周りは女子ばっかり、まさに何かの弾みで、なろうの上位にランキングされたら、周りがみんな書籍作家ばっかりだった時のように怯えてしまう。


「えっと、誤解も解けた所で、今後の事を決めましょうか」
 さすがにこのままではと、白井先生が冷えきった空気の中で提案する。

「そうですわね、でも今からお話しもちょっと遅いですわね、とりあえず次回からにしましょう、さしあたってお二人の来週のご予定はおありで?」

「特には」
 それほど長い時間は経ってないので、今からでも良いだろうとは思ったが、この空気では恐らく何も出てこないだろうからなー。

「では、次回は来週の火曜日にいたしましょうか、そこで今後のお話しもしましょう」

 と言うことで一旦解散、というか俺と妹だけ解散なんだが二人外に出る。

「お兄ちゃん」

「ふぁいっ!」

「帰ろっか」

「あ、うん」
 おもいっきり噛んだ俺を気にせず家路に着く。

 そろそろ暑い日もあり、冬服では日中汗ばむ時もある5月の終わり、衣替えまでもうすぐだが、夕方はまだ少し肌寒い、そんな中での妹との帰り道。
 いつもはよくしゃべる妹が、今日はあんな事があったせいか、全くしゃべらない。
 心配になって声をかけようかと思った時に、ようやく妹が話し始めた。

「お兄ちゃん、ごめんなさい……あんな事言うつもりなかったんだけどつい」

「あ、うん、大丈夫だよ」

「私、あの会長さんを見たら、何か我慢出来なくって……」
 何に我慢が出来なかったのか、俺と会長の仲を疑った事をなのか、そう考えていると。

「あの会長さん、何か嘘っぽい、何がとはわからないけど、だから怒らせてみたの……」

「え?」
 その妹の言葉を聞いて一瞬背筋に寒気が走る。

「でも、それってお兄ちゃんを困らせる事になるって考えなかった、私最低だね」
 一瞬会長の裏の顔をここで言ってしまおうと思った。
 しかしあの会長の、『ビックリでも偶然でも自分の意思に反してでも同じよ、ばらしたらただじゃおかない』言葉を思いだし躊躇してしまう。
 妹がその話しを他の人に言うとは思えなかったが万が一でもと考えてしまってる間に妹が話し始めてタイミングを逃す。

「駄目だなー私、お兄ちゃん最優先なのに、あんな事しちゃって」

「今日だけじゃないけど、栞は凄いんだから、俺の事なんて気にしないで、もっとどんどん自分の事を優先してほしいな」
 妹はじっとこっちをみる。

「えーーっと、それってあれでしょ?、最後に私の為に身を引く決意をとかっていうお決まりのエンディングとか考えてるんでしょ」

「えーーーと?誰に言ってる?」

「お兄ちゃんに決まってるでしょー、そうは問屋がおりません、絶対に離れてやらない、何があっても離れられないんだからねーだ」
 妹は俺を見てべーーっと舌をだす。

「ふっふっふっふ」
 その妹の言葉を聞いて、ついに来たと笑ってしまう。

「ん?」
 その笑いに意味がわからない妹は、俺の顔を見て首をかしげた。

「栞、そうは問屋が卸ろしませんだぞ」
「え?あ!」

「栞でも間違える事はあるんだな」

「それは、当たり前でしょー」

「どうだ俺に負けて悔しいだろー」

「え?私お兄ちゃんにいつも負けてばっかりだよ」

「なに言ってんだよ、勉強だって、運動だって、何もかもお前の方が……」

「ううん、そんなのは大した事じゃないよ、がんばれば良いだけ、お兄ちゃんは私なんかより全然凄いよ、私じゃお兄ちゃんには勝てないの、でもそれが嬉しいの、お兄ちゃんは素敵だなって」

「だから、お前は俺の事、買いかぶり過ぎてるんだよ」

「ううん、大切な事で、私がお兄ちゃんに勝ってる事は、お兄ちゃんの事を好きって気持ちだけ」
「だから、お前またそんな照れる」

「あと、友達の数かな~~~」

「しーーおーーーりーーー、お前、それは言うなって言ってるだろおおおお」

「あはははは」
 妹の頭に軽くチョップをしようとするも、頭を押さえてかわす妹に、さらにチョップを繰り出す。
 笑顔で逃げ回る妹を見ながらふと、3人の事を思い浮かべていた。

 妹と会長と白井先生の事を……







しおりを挟む
Twitterやってます。https://twitter.com/niinaamesyou
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。 果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。  その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。  すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。 「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」  これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。 ※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...