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11-1 俺と銀髪美少女の過去

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「やあ、ようやく君とゆっくり話す機会が出来たね」

 Mのマークで有名な某バーガーショップの一角で、銀髪碧眼の美少女
 美智瑠が制服姿でポテトを啄む。

 ゴールデンウィーク開け、登校の際学校で出くわした時に
「いつになったら僕と昔話をしてくれるんだい?」と言われ、
 横に居た妹を見たところ

「あ、今日私帰りに用があるから、お兄ちゃん美智瑠さんとお話ししてきなよ」と笑顔で言われ今ここに来ている。

 まあ、笑顔と言っても口元がかなりピクピクひきつっていたが。

「さっきのは妹さんだったよな、綺麗になったな、君に全然似ていないが」

「ほっとけや」

「なんか昔も今も僕に対して、怖い感じは変わらないけど」
 ははははは、昔からか…


「さて、何から話すか、まず君の方から何か聞きたいことはあるかい?」

「色々あるがとりあえず」
 俺がコーヒーを一飲みし訪ねる

「うんなんだ?」
 つられて美智瑠もオレンジジュースを一飲み

「美智瑠、お前の名字ってなんだ?」

「ぶふぁっ」

 美智瑠はお約束通りにオレンジジュースを吐き出す。
 慌てて紙ナプキンでテーブルを拭く美智瑠
 俺もテーブルと顔に飛んで来たご褒美、いやオレンジジュースを拭き取る。

「失礼、き、君はしらなかったのかい?」

「ああ、名前もみつるだと思ってたし」

「入学式にいただろう、新入生代表の時に名前を呼ばれていたぞ」

「入学式は前日ちょっとショッキングな事があってな、記憶が飛んでいる」

「ショッキングって何があったんだい?」
 妹に告白されました…っていえるか!

「ああ、ちょっとな」

「まあいい、では改めて」
 美智瑠はこほんと咳払いをし、居住まいをただし

「僕は渡ヶ瀬 美智瑠だ、長谷川 裕君、久しぶりだな」

 小学生の時と同じ顔をして笑ったその満面な笑みにドキドキする。

「わたがせか、普通だなー」

「普通とは失敬だな」

「いや外国人の名字とばっかり思ってたから、ミドルネームとかあったり?」
 渡ヶ瀬スペンサー美智瑠とか?、あ、美智瑠はギターのいとこか

「僕はクオーターだからね、母がロシアのハーフだが日本人だ」

「その容姿で日本人と言われても違和感しかないが」

「仕方ないだろ、これが僕の生まれついての身体なんだから」
 胸に手を当てて、身体を見せ付ける。

 いや、なんというか現実離れしすぎているような、アニメのキャラというような
 白い肌と相まって雪の女王を見ているような感覚になる。

「あ、ごめん、そう言う事を行ったわけじゃないんだが」

「いいさ、分かっているよ、君は僕の容姿に偏見を持ったりしないって事は」

 美智瑠は懐かしむように俺を見つめ思い出していた。

「じゃあちょっと昔話をしようか、君は覚えているかな僕等の出会った時の事を」

 そういうとその頃の事、自分の気持ちを語り始めた。



 ####



「ねえ僕も仲間に入れてくれない?」
 近所の公園でサッカーをしていた子達に勇気を出して言った。

 引っ越してきたばっかりの僕は友達もいない、パパもママも仕事でいつもいなかった。
 家の近くに広い公園が無かったから自転車に乗って練習できる公園を探しに来ていた。

 広い公園に一人で来たらそこで楽しそうにサッカーをしている子達がいた。

 小さな時に女子サッカーを見て憧れ、パパに買って貰ったボールを一人で蹴っていた。
 前の学校ではサッカーをしている女の子はいない、この容姿も相まって男の子には混ざれず、一人で蹴って練習していた。

 引っ越して、サッカーをしている子達をみて、仲間に入りたかった。
 また女の子だと入れて貰えないかもと、髪を短く切り、半ズボンを履き男の子の言葉を使い

「ねえ僕もサッカーをしたいんだ」
 勇気を出して言ってみた。

「えーーーお前何処の子」
「こいつ髪が銀色だぜ不良だ不良こえーー」
「うわ目が青だぜー悪魔だーー」

「これは、おばあちゃんが外国の人だから…」

「外国人かよーー、外国でサッカーやれよーー」

 僕は悔しくて、悔しくて泣きそうになっていた、同じ日本人なのに…

「お前らやめろよ!外国人だっていいじゃん」
 そこに同じ年くらいの男の子が助けに入ってくれた。

「じゃあ、お前らだけでやってろよー」

「ああ、いいよ、いこうぜ君」

 その子は僕の手を引っ張って公園の端に連れて行ってくれた。

 僕は、「良いのかい、君も仲間外れにされちゃう」
 そういうとその子は

「あんな事いう奴なんて、仲間じゃねえよ」
 そういって、ボールをこっちに蹴りだしてきた。

 パパ以外の始めてのサッカー相手
 僕は泣きそうになりながらも、楽しくて、思いっきりボールを蹴った。

「お前名前は?」
 ボールをパスしあいながら聞いてくる。

「え?僕は美智瑠」

 言った瞬間名前で女の子ってばれるって思ったけど、蹴った時に言ったからか君は聞き間違えてくれて

「みつるか、俺はゆうだ、長谷川裕 ゆうでいいよ」

「うん分かったゆうだね、よろしく」

 それが君と僕との出会いだった。







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