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6-3 これってハーレム展開の序章?
しおりを挟む「うええええええええええ、うええええええええん」
妹は一向に泣き止む気配が無い
オロオロしていた俺は仕方ないと妹を抱き締める
しかしは妹泣き止まない
抱えた手で頭を撫で何とか落ち着かせようと試みる
サラサラとし妹の髪の感触に理性を奪われそうになるのを抑え、ゆっくり解かすように撫でる。
次第に泣く勢いが衰えて来る。
「ひっくひっくおにいちゃああああん」
泣きつつも言葉が発せられるとこまで落ち付き始めた所で
「ごべんなざああああい」
妹は泣きながら謝り始める。
「どうして謝るの」
抱き締めていた妹を一旦放し、頭を撫でながら問いかける。
「ぐすっぐすっ、だっでええ、だっでええお兄ちゃんを無視しちゃったわだじいお兄ちゃんを無視しちゃっでだああ」
「無視なんてしてないよ、大丈夫だよ」
「ごめんなさあああい」
恐らく意識して見ないようにしていたんだろう、その罪悪感、更にそれを俺が指摘してしまった為に泣き始めてしまったのか
我慢強く妹が泣き止むのを待つ
妹は落ち着き始め、ようやく今日の自分の気持ちを語り始める。
「お兄ちゃんがね、麻紗美ちゃんとお菓子食べて、美智瑠ちゃんにご飯を誘われて、生徒会長さんに頭を触られてるのを見てね」
「あ、いや違うあれは」
「ううん、やっぱりお兄ちゃんは凄いなって思ったの」
「へっ」
「周りの人も、誰も、ううん、お兄ちゃん自信も、お兄ちゃんの魅力に気がついていなかったの」
「わかってたのは私だけ、私だけのお兄ちゃんだったの」
俺は黙って妹の話を聞く
「でもそのうち分かっちゃうんだろうなって、大人になればみんなお兄ちゃんの魅力に気が付くんだろうなって」
「今日その事が現実になってね私、嬉しかったの、やっぱりお兄ちゃんは凄いって」
「でも同時に寂しかった、もう私だけのお兄ちゃんじゃないって」
妹は決心したような顔をして更に語り始める。
「そして、私は悪い子お兄ちゃんの優しさを利用したの、お兄ちゃんに付き合ってって言ってOKしてもらえたら、お兄ちゃんは私だけを見てくれる、裏切らない、他の人の好意をはねのけてくれる」
「そう思って覚悟を決めて告白したの、そして今日お兄ちゃんはみんなの好意をはねのけてた、嬉しかったと同時に悲しかった」
「私は、私のエゴでお兄ちゃんを束縛して、私の言葉で封印しているって気が付いちゃったの」
「お兄ちゃんに目を見られたら、そんな私の醜い心を見られちゃう気がして、だから、お兄ちゃんをお兄ちゃんの目を避けてた、お兄ちゃんを無視した」
「こんな素敵な人が、こんな醜い子と付き合ってて良いのか、それがお兄ちゃんの為になるのかって今日ずっと、ううん付き合ってもらえるようになってから無意識に考えてた」
「私は弱い子、お兄ちゃんがいないと生きていけ行けない、でもそれはお兄ちゃんの為にならない、お兄ちゃんが幸せになれない、お兄ちゃんが幸せになれなければ私も幸せになれない!」
「だから、私は強くなるって決めた、お兄ちゃんの幸せの為に努力するって決めた、お兄ちゃんにちゃんと振り向いて、私を見てもらえる、魅力的な女の子になるって決めた!」
「だから、お兄ちゃん、お願いがあります」
妹は俺を見つめ、俺の目を見てまたボロボロ泣きながら言った。
「お兄ちゃん、私と別れてください」
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