8 / 255
0-2 妹の告白
しおりを挟む栞の妄想は続くて……
「どうしよおおおおおお」
「お母さんに相談? お兄ちゃんに相談? 友達に相談?、な、なにを言ってるの私……駄目に決まってるじゃない」
「前に呆サイトにお兄ちゃんが好きで堪りません、どうすればいいですか? って質問したら」
「釣り乙、結婚すれ、ggれカスなんて返事しか来なかった」
「私……どうすればああああ」
ひとりぶつぶつと喋る栞、だいぶ追い込まれていた。
「よし、とりあえずお兄ちゃん成分を補給しに行こう!」
さっきそっと覗いたらお兄ちゃん、お風呂に浸かっていた。
お兄ちゃんはシャワーだと早いけど、お風呂に浸かると長風呂だから当分お部屋には戻らない、今のうちにちょっとお兄ちゃん成分を補充しに行こう……
それはストーカーと不法侵入、あと覗きだと誰か突っ込んでくれるわけもなく兄の部屋に入る栞……
「はあああ、お兄ちゃんの匂い、あ、高校の制服、これを着たお兄ちゃん、きゃあああああ格好いい」
「中学校の制服何処かな? ボタン貰っちゃおうかな!、あ、どうせもう着ないんだからまるごと私の部屋に飾って置くとか、えっと……額縁っていくらかなー?」
もう限界を越えて変態になっている栞……
栞は兄のベットで戯れながら、ふと目の前の戸棚を見る、そこにはラノベが数十冊あるのに気付く
「そう言えばラノベ? に兄妹で付き合うって話があったなー、確か妹が可愛すぎるとかなんとかって」
「可愛すぎる……お兄ちゃんの好みってどんなだろう」
栞はベットのマットレスの下に手を入れ、そこから本を取り出す。
パラパラっとめくるそれ系の本
「お兄ちゃんやっぱりおっぱい大きい方がいいのかなー?」
そう言って自分の胸を見そして麻紗美って娘の事を思い出す。
そして栞の目から涙が……
「泣きながらお兄ちゃんの部屋で、エッチな本を読む中学生って」
少し我に帰って涙を拭い、本を閉じ元の場所にしまうとマットレスの端にちらっと見えた漫画……栞はそれを取り出し再びパラパラと読み出す。
「え、え、これって」
「兄妹で!?」
全てを元通りに戻しお兄ちゃんが風呂から出る前にそーっと部屋から出る。
自室に戻ると机に座り最後に見たマンガの事を考えていた……
最後に見た漫画……兄と妹が○○しちゃう素晴らしい漫画。
全部がそういった内容じゃなかったのでお兄ちゃんにそんな素敵な趣味があるとは思えない、思えないが、もしかしたらそんな可能性はあるのかも……
栞はパソコン向かって調べ物と本の注文をし始めた。
『兄妹 ラノベ』と検索を掛ける。
出るわ出るわ実妹、義妹、悪魔に妖怪に神様
適当に何冊かポチリと購入する。
続いて『兄妹 恋人』と検索
これも出るわ出るわ、その結果に栞のテンションが再び上がる。
「え? 相思相愛、一生恋人で? お互いの気持ちが大事? きゃああああああ!」
ちなみにネガティブ情報は脳内削除した。
翌日到着したラノベを一気に読む。
「お兄様? 兄貴? 兄さん?」
魔法も使えないし、モデルでもない、魔王でもないし、絵も書けない
そんな私をお兄ちゃんは好きになってくれるだろうか?
「すべてはお互いの気持ち……」
「お兄ちゃんの気持ち……」
「わたしの気持ち……」
お兄ちゃんはわたしの事どう思っているんだろ?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
252
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる