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1-3 告白の答え
しおりを挟む「みんなおはようーーー」と言いながらクラスに担任が入ってきた。
昨日妹が言っていた若くて美人の教師が来たああああああああ!
って、若い、若いよ、とにかく若い……若いけど……、若すぎない?
妹も大概高校生には見えないけど……
中学生? いや……ちょっと成長の早い小学生?
みんなは昨日見ていただろうから、あまり驚いては居なかった。
と言うかもう馴染んでる、順応早いな……
クラス担任
うちの妹も小柄童顔だが更に小柄
しかもツインテール、もう見た目が中学生か小学生
目鼻立ちはっきりしているので美人は美人だが、その見た目との違和感が半端ねえ
なんか小学生が化粧している様な、なんとも痛々しい印象……
口を開けてガン見している俺を見てにっこり笑う先生
うお! また妹の背中から黒い物が……
気のせい気のせい……
教壇に立つなり先生は自己紹介を始めた
白井里美、年齢内緒の国語教師
ツインテールで見た目中学生、名字は白井でも
「おねーさまー」とも言わないしテレポーテーションも出来ないらしい
ってオタク教師かーーい
可愛いけど
ちなみに
「先生本当の所歳いくつっすかー?」
と後ろの席の奴が聞いていたが
「女性に歳は聞いちゃ駄目だよー」と、めちゃくちゃ優しい声と満面な笑顔だが
人でも殺しそうな目で見つめられ
「ひいっ!」
と変な言葉を発していた。
先生に続きクラスの自己紹介
「俺の左腕には神が宿っている」
なんて中二病的な奴もいなけりゃ、
「ちーーっす恋人募集中でーーす」
なんて軽い乗りの奴もいない普通の自己紹介
勿論おれも普通、普通最高!
そんな普通なホームルームが終わり、休憩時に後ろの席から声をかけられる。
「なあなあ、前の子って同じ長谷川だけど兄妹?」
先ほど担任に目で殺されそうになっていた、体育会系によくいるお調子者、残念イケメン風な奴が声を掛けてきた
「ああよく分かったな」
「双子?にしては似てないなあ」
恒例の質問が飛んで来た、っていうか男女の双子は2卵生だから似ねえよ、こいつそんな事も知らないとはひょっとして……
「いや年子だよ俺が4月生まれで妹は3月生まれ」
ちょっと辟易しながら答える
「可愛いな長谷川の妹、彼氏とか居るのかなー?」
既に友達グループを形成し、前の方の席でおしゃべりをしている妹を見ながら聞いてくる残念イケメン君(名前は覚えていない)
彼氏は俺さ、とは当然言えるわけもなく
「さあ?妹に直接聞いてくれ」
何を勘違いしたのかこの残念は、
「まじか兄貴の許可が出たぜ、俺お前の弟になるかもな! 俺の事は洋一って弟の様に呼んでくれ」
うわやっぱりこいつ残念な奴だ……
そこそこ顔は良いのに……
俺の中の名称残念イケメン君に決定……、そんで真の名前はよういちな、で名字は何だっけこいつ?
「そんでお前名字は?」
とりあえず本人を呼ぶために聞いてみる。
「東出洋一だよさっき聞いてなかったのか?」
男の自己紹介なんざスルー決まってる。
「ああ、すまんなまあ頑張ってくれよ東出」
「いや、よういち…」
ていう声をガン無視し、前を向いて次の授業の準備を始めた。
#####
放課後
妹は相もかわらず、複数の友達と盛り上がり喋っている。
同じクラスは小学生以来、普段見ない姿にちょっと感動するも
いつまでも妹をジロジロ見るわけにも行かず、一緒に帰る話しはしてないし
邪魔するわけにもいかなので、そそくさと教室を出る。
「あーーーゆうぅ帰るのおぉ?一緒にかえるうぅ?」
教室を出たところ、麻紗美が声を掛けてきた
え?一緒に?
あ、まあ公立の同中だし当然近所か
「まあ良いけど方向一緒か?」
「一緒だと思うよおぉ、中学の登校の時にい時々みかけたもおぉん」
「じゃあ途中までな」
「うん」
麻紗美の自宅は、うちの家から5分位の所らしい意外に近いな。
「ゆうってさあぁ、優しいよねえぇ」
「そうか?」
「うん、わたしいぃこんなしゃべり方でしょおぉ、相手があぁイライラしてるのぉわかるんだよねえぇ」
まあ男ならイライラしてるかも知れんが、声も可愛いし舌足らずな所も嫌いではないし、中学の頃から癒し系だなーって、話す度にほのぼのしている
「だからぁ、ゆうといっしょでえぇうれしかったんだあぁ」
「そうだな、俺も友達多い方じゃないし、麻紗美……と妹がいてホッとしたよ」
「あーーそう言えばぁ栞ちゃんもぉ一緒のクラスだったよねえぇ、仲良くぅなれるといいなあぁ」
「大丈夫だよそう言う所は俺と似てるからさ、今度話してみなよ俺と一緒にさ」
「うん」
麻紗美のニッコリ笑った顔に癒されつつ、家の近所で別れた。
#######
妹の靴がある……
先に教室を出たのに家に妹の靴がある。
変な違和感を感じつつリビングに入ると、物凄い目で睨む妹がそこに居た。
「た、ただいま栞…」
「………」
「えーーーっと栞さんなんか怒ってらっしゃる?」
「………」
「私置いて麻紗美ちゃんと帰った……」
リビングの椅子に座り、つり目で俺を睨んでいた目が泣きそうな目に変わる
「いや、栞がみんなとしゃべって」
「白井先生とも、見つめあってた」
俺が言い終わる前に被せてくる。
「見つめあってた訳じゃなくて驚いてたんだよ、てかえーーっと栞、後ろ見えるの?」
「お兄ちゃんが何処で誰を見てるか、見なくてもわかるもん私」
こわ!俺の妹こわ!
「本当は化粧用のコンパクトミラーで見てた」
こわ!もっとこわ!
「白井先生はびっくりして見いっちゃっただけだよ、昨日は栞の事で頭一杯だったから見てなかったんだよ」
「麻紗美さんは?」
「麻紗美は中学で同じクラスだったし、他の友達が何処の高校にいったかとか聞いてたんだよ」
本当にちょっとだけ聞いたぞ
答えは「わかんなあぁい」だったけど
「お兄ちゃん友達居ないじゃん」
「居るわ!!少しは居るわ!!」
ほんとソコはそっとしておいてくれい
益々機嫌が悪くなる妹
「俺は栞と一緒に、おれの、か、彼女と一緒に学校行きたかったし帰りたかったんだよ!」
そう言うと顔を真っ赤にして俯きながら
「私もか、彼氏と帰りたかった、ごめんねお兄ちゃん」
二人で真っ赤になり俯き合う、改めて彼氏彼女と言われると凄く照れる……
「でも今日の様子から登下校に二人きりで一緒はちょっと難しいなー」
「うん知り合い多いよね」
多いのはお前だけだがな
「よし!じゃあ今度の日曜日何処か行くか!」
「ほんと!!!行く!!!」
妹は、子供がおもちゃを買って貰う時の様に目をキラキラさせていた。
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