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僕そろそろ改名した方が……
しおりを挟む「真ちゃん寂しかったんだ」
「…………うん」
「そか」
「うん…………」
愛真に頭を抱き締められ、段々と落ちつき始める。ううう愛真には弱味を見せたく無かったのに、こいつまた付け上がる……でも今の僕は、そんな事を言える様な精神状態じゃ無かった。
「私も寂しかった、ずっと真ちゃんに合いたかった……」
「うん……」
「でも真ちゃん、私の居ない間に綺麗な妹さんが出来て、可愛いクラスメイトと友達になってた。ズルいよ……本当ズルいって思ったんだよ」
愛真は僕の頭を離し、僕の隣に座る。そして頬を膨らませ僕に少し怒った口調でそう言い始めた。
「ズルいって……」
「ズルいよ、私が真ちゃんの、サイシンの友達なのに、私だけが唯一の友達だったのに!」
「そんな事言われても、泉は親の都合だし、凛ちゃんはついこの間友達になって貰ったばかりだし……今までずっと一人だったし……」
「私だって行きたく無かったんだから、海外になんて行きたく無かった。真ちゃんとずっと一緒に居たかった。なのに真ちゃんと兄妹になったばかりの人と友達になったばかりの人とイチャイチャと、ズルい!」
「イチャイチャなんて」
「私が一番真ちゃんと長く一緒に居たのに、私が真ちゃんの唯一の友達だったのに、あんなに色々話して遊んだのに、私も同列で信用してないとか、酷いよ……」
「だって……だって愛真……言ってくれなかったんだもん……突然外国に行くって言われて、僕もうどうしたら良いのか……」
「だって……突然決まったし。それに言えなかったんだもん、真ちゃんと別れるって事1秒でも忘れていたかったんだもん、最後まで笑顔で遊びたかったんだもん」
「でも……知ってたら、外国に行くって事わかってたら……」
「わかってたら?」
「な、なんでも無い!」
「えーーー」
「とにかく愛真も信用出来ない、皆信用出来ない!!」
「うーーーーん、でも今のままってわけには行かないでしょ?」
「それは……」
「何かあったかだけでも言ってくれないかな? 私の事そこまで信用出来ない?」
「それは……」
「私が今まで真ちゃんの秘密をバラした事ある?」
「僕の秘密って?」
「えーーーー真ちゃんって結構エッチで、ゲームしてた時、どさくさに紛れて私の胸をよく肘でツンツンって」
「あーーーーー! あれはわざとじゃなくて」
「でも、一緒にプールに行った時もずっと私のお尻とかペタペタ触って」
「信用します! もう信用しかない! 愛真信用金庫に僕の全財産預けても良いくらい信用しました!」
「私の事女の子として見ていない~~とか言って、本当真ちゃんって」
「もう勘弁してください、お願いします」
僕のイメージが、最近酷い事になっているのにこれ以上酷くなったら、あのナイスボートされたキャラクター並みになっちゃう。
「じゃあ、話してくれる?」
「う、うん、でも絶対に言わないでよ……本当に誰にも、本人達にも絶対に言わないでよ?」
「言わないよ、もし言ったらなんでも言う事聞いてあげる」
「な、なんでも!?」
「うん、な、ん、で、も、ね?」
「な……」
「あーーーーー真ちゃん顔が真っ赤に! 相変わらずエッチなんだから」
「そ、そんなエッチな事は! ちょっとしたけど……」
「したんだ……」
ちょっとだよ、ちょっと……愛真にあの同人で着せてた、あの凄いメイドの格好で、僕の…………
「うわ……真ちゃん引くほど顔が赤くなってる……なんかまたいやらしい事考えてるんだ、うわーー変態」
「うわあああああああ、と、とにかく内緒だから!」
「ウンウン、わかってるよ~~ほら、お姉さんに言ってごらん?」
僕に顔を近づけてそう言う愛真……昔から噂話とか好きでよく僕が色々話してたよそう言えば……
え? なんで僕がそんな事知ってたかって? えっと僕影薄かったから、皆結構気付かずに僕の近くで色々話すんだよね……ううう……心が痛い……
「あーーもう、またお姉さん面して」
「私の方が早く生まれたんだからお姉さんでしょ!」
「もう泉と言い愛真といい、変わらないじゃ」
「良いからほら!」
僕は悩んだ挙げ句、藁にもすがる気持ちで愛真に今回の事を話した。
ああ、またみかんちゃんの秘密をバラして、こいつなんなのとか思われる……
「うーーーーん」
「ど、どうなんだろ?」
「まあ、そのメイド喫茶の子はライバル関係だからあんまり信用出来ないと思うんだよね」
「うん、端で見ててもやっぱりみかんちゃんの接客って凄かったんだよ」
「女同士って怖いからね~~~」
「そうなの?」
「うん、うちの学校でも結構ドロドロしてるよ、クラスメイト同士で」
「女子高だっけ?」
「うん」
「そか……」
「真ちゃんの学校に編入したかったんだけど、レベル高いから無理、あれから勉強頑張ったんだね」
「うん」
「ところで、真ちゃん……いつからそんなにメイド好きになったの?」
「え?」
「私と遊んでた時そんな趣味一言も言わなかったじゃん!」
「そ、それは……」
小学生でメイド好きって友達に言えるわけ無いよ……
「言ってくれれば着てあげたにのに~~」
「ほ、本当! あの時の愛真のメイド姿か~~小学生メイド……良いかも……」
「うわ引く……真ちゃん、きもーーーーい」
「ああああああああああ、また言ってしまった」
もう駄目だ僕の印象最悪だ。ああ、もう名前、誠にするか……
「まあ、とにかくメイド喫茶の中の話しはちょっと眉唾物だと思うよ、ただ、中学の時の話しはね……」
「……」
「わざわざ虐めってたって嘘をつく必要って無いかな」
「そうなの……かな?……」
「だって遠く離れた見ず知らずの人にあの子は虐めてたって嘘をつく意味は無いからねーー」
「ああ、うん……そうかも」
「でも小学生の時に虐められてたって言ってるし、仕返しとかなのかなぁ?」
「うん、でも……」
「そうだね言い訳にならないね」
「うん……」
「そか……それで真ちゃんはどうしたい?」
「どうって?」
「多分みかん……凛ちゃんは触れてほしく無い事だと思うよ? 遠く離れた学校にわざわざ一人で来たんだから」
「うん……」
「このままそっとしておいて、今まで通りって方法もあると思うよ」
「うん……」
「こっちで虐めをしてるわけじゃないし、今はクラス委員長までして真面目にやってるんだし」
「うん……」
「真ちゃん次第だよ」
「うん…………」
「どうする?」
僕は考えた、どうすれば良いのか、泉に凛ちゃんの事は黙っていてくれとお願いすれば、僕が頭を下げれば聞いてくれるかも知れない。
凛ちゃんも触れられたく無い話に違いないだろうし、折角友達になれたのにこれで絶交されたらって考えたら……
僕は考える、どうしたいか考える。無い頭を使って考える。僕はどうしたいのか……今後凛ちゃんと、そして泉と、愛真とどうなりたいのか……
そして僕は愛真に言った。
「僕は…………」
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