幼馴染に良い様に使われた、だから俺は彼女を見返す為にいい女と付き合う事にした。そして出会った女子はモデル活動をしていた隠れ美少女だった。

新名天生

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綾波明日菜の正体

全部私の手のひらの上

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「なるほど……」
 綾波さんを帰し私は直ぐにお兄ちゃん達を見つけた。
 私はそのまま二人の後を追う。

 どうやらお兄ちゃんは買い物に付き合っているだけの様だった。

 でも喫茶店に入って二人の話を聞いていると、少し違和感を感じていた。

 うまいこと二人の後ろの席に座ってじっくりと話を聞いていた私は、この綾っていう芸能人がお兄ちゃんに好意を寄せているって事がわかった。

「冗談めかして言ってるけど……多分……」
 まだそれほど深い感情ではない……でも、むしろお兄ちゃんの恋を押している? 
 自分も好きな癖に? どうして?
 いや問題はそこじゃない……。

「……あれえ? お兄ちゃん……雪乃さん諦めちゃった?」
 うーーん、これは問題だ。
 こっちの方が大問題だ。

 だって……私は……。

「……あ、ヤバい、なんかお兄ちゃん行っちゃう?」
 私はコーヒー飲み干し後を追う準備をする。
 ここまで聞いた話から、お兄ちゃんはどうも、今現在好きになりかけている人がいる……そしてそれは……多分……あいつだ。

「……やっぱ……あのゴスロリ女か……」
 うーーん、どうする? どうする?
 雪乃さんか、最悪この金髪芸能人ならいいかもって、お兄ちゃんに相応しいって思ったのに、よりによってあの女……か。

「まだわからないけど、可愛いかったけど、雪乃さんやこの芸能人に比べるとお兄ちゃんに相応しくない……気がする」
 うちのお兄ちゃんは凄いんだ……昔から……だからお兄ちゃんには相応しい相手が必要。
 でも雪乃さんもお兄ちゃんも二人とも好きな癖に色々考えすぎちゃって、雪乃さんはお兄ちゃんに相応しくなろうとして、お兄ちゃんは雪乃さんに見合わないからって……。

 私はバレない様にそっと席を立つとお兄ちゃん達の後を追った。

 とりあえず今はこの二人だ……今ざっとスマホで調べたけど、この金髪はモデルでインフルエンサー? らしい……。

「面白い組み合わせだけどねえ……」
 でもやっぱりお兄ちゃんは雪乃さんとくっつくのが一番いい……。
 それには、雪乃さんに焦って貰わないと……いけない……かも。


 ……そうか、あのゴスロリ女を当て馬にすれば……。


 ──奥手そうなゴスロリ女と、お兄ちゃん……あの二人なら例え付き合ったとしても進展はしなさそう。
 お兄ちゃんと金髪美女の後を追っていると、スマホにメッセージが。

『楓ちゃん合宿終わったよ~~(*´ω`*)』
 噂をすればなんとやら、雪乃さんからメッセージが入った。

『楓ちゃんに言われた通りにしたら涼ちゃん合宿所まで見に来たけど、私に声をかけないで帰っちゃったよ(;ω;)』
『それになんか最近涼ちゃんと仲良くしてる人が(;゜д゜)ガーン……楓ちゃんに言われた通り、一旦距離を置くように仕向けたけど……本当にこれでよかったのかなあ(´;ω;`)シンパイ』

『大丈夫(v^ー°) でも色々と想定外な事が起きてる。とりあえず今日夜雪乃さんの部屋に行くね』
 私は雪乃さんにそう返信した。

『待ってるうう、あとお土産あるよお(*≧ω≦)』


 「ふふふ……」
 さあ……これからどうするかな……ふふふ。
 雪乃さん、金髪インフルエンサー、ゴスロリ女……。
 やっぱりお兄ちゃんだけあって、高校生なったらお兄ちゃんの周りに凄い美人が集まって来た。
 さあ、誰がお兄ちゃんに相応しいのか? お兄ちゃんの相手は……私が決める……。
 
 面白くなって来たぞ~~!
 
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