22 / 62
幼なじみと隣の席の女の子
おはようの一言が言いたくて
しおりを挟む
「送るぞ、送るぞ!」
夏休み初日の朝……前日の夜からずっと悩んだ挙げ句、俺は遂に綾波にメッセージを送る事にした。
あれから期末試験やらで結局メッセージは送っていない、学校で話しているのにわざわざ送るのってどうなんだろうとか、勉強の邪魔かな? 迷惑かなと考えてしまい送れなかった。
『おはうよう!』
そして考えた挙げ句、もうこれしかないっていう完璧な文面、朝の挨拶というメッセージを、朝を待ち綾波に送った。
誰がヘタレだ、緊張するんだよ! こう言う事を俺は殆どした事ないんだから。
俺はメッセージを送ると、そのままスマホの画面を見つめる……見つめる……見つめ!
メッセージの横に既読マークが付く。
「おお!」
もうそれだけで嬉しい、綾波と繋がっているって事実だけで嬉しい気持ちになる……そして、今起きたのかな? 起こしちゃったかな? どんな格好で寝てるのかな?
等と俺の想像が進む……そして!
『おはよ(*´ω`*)』
綾波からのメッセージが返ってくる。
「ふ、ふおおおおお!」
俺はスマホを持ちながらベットの上で転げ回った。
す、すげえ、綾波と、あの綾波と家で繋がってる。家に居て話せる。夏休みでも話せる。
俺は昨晩考えていた通り、さらにメッセージを送った。
『ごめん起こしちゃった?』
送ると直ぐに既読が付く。
もう俺はこれだけで大興奮状態に。
『だいじょうぶいv(・∀・*)』
可愛い顔文字一緒に返信が来る……俺も、俺も何か顔文字を! そう思い慌てて入力し送信した。
『よかった((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル』
「あああああああ、間違えた! け、消しかたって」
しかし直ぐにまた既読が付いてしまう。
『なぜ震える( ・`д・´)』
『ごめん間違えた(;ω;)慣れてない』
『あはははは(  ̄ー ̄)ノいいって事よ』
ヤバい楽しい、楽しすぎる。
でも、あまり送るのも……でも、やめ時がわからない……既読スルーしないと終わらない、どうすれば良いの?
そう思っていたら綾波がそれを解決するメッセージを送ってくる。
『ごめーーんご飯食べるね』
ウサギが謝っているスタンプがメッセージに続く。
「そうか……成る程」
『いってらっしゃい~~』
俺はそう送ってスマホから目を離し、ベットに寝転び目を瞑った。
「疲れた……でも……楽しかった」
こういう事がずっとやりたかった……実際やってみて何か通じ合う気がした。
雪乃とは恐らくこういう事足りなかったのでは?
だからあんな勘違いを……でも、本当に勘違いだったのか? 俺はあれからずっと悩んでいた。
誰に対しても優しかった雪乃、しかし、極端に揉め事を嫌っていた。
その揉め事を起こさせない様に、平気で嘘もつく……。
だから今回も……そうなのかも知れない……。
なんにせよ、俺は今綾波に夢中なんだ……綾波とのやり取りに……夢中なんだ。
ずっとしたかった……こういう事が、ずっとしたかった。
雪乃には感じないドキドキを、俺は今もの凄く感じている。体感している。
「そうか……ひょっとしたら……これが……恋なのか?」
乙女か! と自分に突っ込む。でも思えば雪乃が好きという俺の気持ちは、家族が好きという気持ちに似ている気がする。大好きなお姉ちゃんとか大好きな妹とずっと一緒にいたい、構って欲しい……という様な……そんな気持ち……。
そこで俺はハッとした。
「そうか……雪乃は俺を……俺の事をそう思っているのか?」
だから俺に頼る……俺を利用する。今までもずっとそうだった……。家族に頼るのと同じ感覚。
雪乃は俺の妹であり姉なんだ……。俺にとって雪乃は家族なんだ……。
そして……雪乃もそう思っている……。
そして──それは……つまりは……。
「──やっぱりあれは、本当の事なんだ……雪乃は俺の事を……キモいって思っている」
俺はそう……確信した。
夏休み初日の朝……前日の夜からずっと悩んだ挙げ句、俺は遂に綾波にメッセージを送る事にした。
あれから期末試験やらで結局メッセージは送っていない、学校で話しているのにわざわざ送るのってどうなんだろうとか、勉強の邪魔かな? 迷惑かなと考えてしまい送れなかった。
『おはうよう!』
そして考えた挙げ句、もうこれしかないっていう完璧な文面、朝の挨拶というメッセージを、朝を待ち綾波に送った。
誰がヘタレだ、緊張するんだよ! こう言う事を俺は殆どした事ないんだから。
俺はメッセージを送ると、そのままスマホの画面を見つめる……見つめる……見つめ!
メッセージの横に既読マークが付く。
「おお!」
もうそれだけで嬉しい、綾波と繋がっているって事実だけで嬉しい気持ちになる……そして、今起きたのかな? 起こしちゃったかな? どんな格好で寝てるのかな?
等と俺の想像が進む……そして!
『おはよ(*´ω`*)』
綾波からのメッセージが返ってくる。
「ふ、ふおおおおお!」
俺はスマホを持ちながらベットの上で転げ回った。
す、すげえ、綾波と、あの綾波と家で繋がってる。家に居て話せる。夏休みでも話せる。
俺は昨晩考えていた通り、さらにメッセージを送った。
『ごめん起こしちゃった?』
送ると直ぐに既読が付く。
もう俺はこれだけで大興奮状態に。
『だいじょうぶいv(・∀・*)』
可愛い顔文字一緒に返信が来る……俺も、俺も何か顔文字を! そう思い慌てて入力し送信した。
『よかった((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル』
「あああああああ、間違えた! け、消しかたって」
しかし直ぐにまた既読が付いてしまう。
『なぜ震える( ・`д・´)』
『ごめん間違えた(;ω;)慣れてない』
『あはははは(  ̄ー ̄)ノいいって事よ』
ヤバい楽しい、楽しすぎる。
でも、あまり送るのも……でも、やめ時がわからない……既読スルーしないと終わらない、どうすれば良いの?
そう思っていたら綾波がそれを解決するメッセージを送ってくる。
『ごめーーんご飯食べるね』
ウサギが謝っているスタンプがメッセージに続く。
「そうか……成る程」
『いってらっしゃい~~』
俺はそう送ってスマホから目を離し、ベットに寝転び目を瞑った。
「疲れた……でも……楽しかった」
こういう事がずっとやりたかった……実際やってみて何か通じ合う気がした。
雪乃とは恐らくこういう事足りなかったのでは?
だからあんな勘違いを……でも、本当に勘違いだったのか? 俺はあれからずっと悩んでいた。
誰に対しても優しかった雪乃、しかし、極端に揉め事を嫌っていた。
その揉め事を起こさせない様に、平気で嘘もつく……。
だから今回も……そうなのかも知れない……。
なんにせよ、俺は今綾波に夢中なんだ……綾波とのやり取りに……夢中なんだ。
ずっとしたかった……こういう事が、ずっとしたかった。
雪乃には感じないドキドキを、俺は今もの凄く感じている。体感している。
「そうか……ひょっとしたら……これが……恋なのか?」
乙女か! と自分に突っ込む。でも思えば雪乃が好きという俺の気持ちは、家族が好きという気持ちに似ている気がする。大好きなお姉ちゃんとか大好きな妹とずっと一緒にいたい、構って欲しい……という様な……そんな気持ち……。
そこで俺はハッとした。
「そうか……雪乃は俺を……俺の事をそう思っているのか?」
だから俺に頼る……俺を利用する。今までもずっとそうだった……。家族に頼るのと同じ感覚。
雪乃は俺の妹であり姉なんだ……。俺にとって雪乃は家族なんだ……。
そして……雪乃もそう思っている……。
そして──それは……つまりは……。
「──やっぱりあれは、本当の事なんだ……雪乃は俺の事を……キモいって思っている」
俺はそう……確信した。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる