幼馴染に良い様に使われた、だから俺は彼女を見返す為にいい女と付き合う事にした。そして出会った女子はモデル活動をしていた隠れ美少女だった。

新名天生

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幼なじみと隣の席の女の子

綾波はあやぽん?

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 学校が終わると俺はダッシュで家に帰った。
 
 そして、あやぽんの出ている雑誌を片っ端から見直した。
 
 「やっぱり……ある」
 殆ど消えているが、顔がアップの写真には右目の横にうっすらと痣が見え隠れしている。
 俺はすぐにパソコンを開き、あやぽんの取材記事、インタビュー記事を漁った。

 何度か読んだ事がある、あやぽんの右目の痣の話しを……。
 俺はもう一度確認するべく、ブックマークから記事読み直す。

『私スッゴク人見知りなんですよ、今でもそうなんですけど……子供の頃ここに痣があったんですけど、それで結構……色々言われちゃって、それ以来ね。だから今でも沢山の人の前では緊張しちゃって、あ、痣は今は殆ど消えてるんですけどね』

「やっぱり……」
 写真にうっすらと写るあやぽんの痣、綾波の痣によく似ている。
 恐らく化粧と修正で、殆どの写真に痣は写っていない。
 俺もそのインタビューの記事を読まなかったら、気が付か無かっただろう。

 でもそれだけで、綾波とあやぽんが同一人物だとは思えない。
 似たような場所に痣のある人は、世の中に一杯いる……。
 それに、今の綾波のあの態度は演技とは思えない。
 あんなに人見知りで本ばかり読んでいる奴に、モデルなんて、務まるとは思えない。
 この間のイベントも普通に喋っていたし……。

 でも、色々と一致はする。
 人見知り、身長、体型、年齢、痣の位置。

 年齢と体型は俺の見た目なんだけど。

「──いや、まさかそんな……あり得ない……」
 そんな漫画みたいな事、そんなラノベみたいな事……。

 あやぽんは読者モデルとして3年程前から活動を始めたらしい。
 そしてその子供の様な見た目、表情からあやぽんと言う愛称が付く。

 去年からSNSを立ち上げると、あっという間にフォロワーが100万を越えた。
 あやぽんが私服姿をアップすれば、そのブランドの売り切れが続出、家で作ったご飯をアップすれば、その食材が品薄になる。

 あやぽんは、世の中に多大な影響を与える、モデル兼トップインフルエンサーに登り詰めた。

 俺はずっと雪乃一筋だった。
 だからあやぽんの存在を知らなかった。

「そう言えば……綾波は昨日休んでいたって……」
 偶然? 1日だけではわからない……。でも、痣や体格体型、昨日休んだ事実……全て鑑みれば……あり得ない話しでは無い。

「いやあり得ないだろ」
 どうしよう、どうすれば……。
 わかったから何だと言うんだ? まさかバラされたく無かったら……なんて綾波に言って……あの同人の様に、あの同人の様に……。

 なんて事が俺に出来るんだったら、雪乃にはっきり言ってる。「俺を利用するな、俺の事どう思ってるか俺は知ってるんだぞ」って……。

 綾波あやぽんだと知って、俺はどうしたいんだ? 知った所で……何も言えない、何も出来ないだろう。

 でも……知りたい、あやぽんの事は何でも知りたい……。
 
 そして俺は思い出す。
 忘れていたわけでは無い、諦めていた事を……。

 そう、週明けから中間試験が始まる。
 あやぽんはその日、沖縄でイベントの予定がある。大手アパレル主宰のイベント……かなりの人が集まる。
 はっきり言ってうちの学校のレベルは高い……。
 試験を休むのはかなりのリスクを背負う。
 だから俺はその日沖縄に行くのを諦めた……。
 
 でも、もしあやぽんが綾波ならば、その日、その試験の日、学校には来られないだろう……いや、来たとしたら、沖縄は欠席となるだろう。

 どちらにしても、そこで確認出来る。
 
 あやぽんがイベントを休めば、現地で観戦しているあやぽんファン達のSNSでわかる。
 そして綾波は俺の隣で試験を受けている筈。

 もしイベントに出演したなら、綾波は試験を休んでいる筈……。

 そこでわかる……綾波が……あやぽんなのか?

 俺は月曜日を待った……そして試験当日

 
 綾波は…………俺の隣で試験を受けている。
 休み時間にSNSを確認すると……あやぽんは沖縄のイベントに…………出演していた。








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