エリート上司に完全に落とされるまで

琴音

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三章 和樹しか見えない

10 新婚旅行とお式 中編

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 ドライブは気持ちよかった。車もさっきの高級車ではなく、落ち着いた深いグリーンの高級オープンカー……初めて乗ったよ。
 快晴にも恵まれてキラキラ光る海とヤシの木、本州では見かけない花や木々。見慣れない建築のこちらふうのお家も郊外には残っていて、まさに旅行に来た!って感じ。

「智、ゴールデンウイークまで新婚旅行を待たなかったのは、智の異動もあるんだ。僕は基本残業が嫌い。会社規定の部分以外はしたくない」
「うん知ってる。和樹は時間が来ると帰るもんね」
「お客の都合もあるから難しいけど、出来るだけね」

 和樹が異動先の部署の同期に聞いたところ、年始から三月までは残業が特に多くて、普段も定時は少なめ。まあ、営業もたいして変わらんけど、少し多めだそう。

「役員会議出席に部内ミーティング、資料収集、作成。外部との打ち合わせとか諸々だそうだ」
「ふーん」
「あそこは会社の運営部署だから、時期によっては休みが取りづらいらしいんだよ」

 そっか……今でも二時間とかお互い帰宅がズレるのはよくあるけど……もっとか。

「忙しい時期が違うから、有休をこちらと合わせられるかは不明」
「そう……」

 海岸沿いを風を切って走る。春先のような気持ちいい風と青い空と自然豊かな景色。

「だから今なんだ。本当はもっと早くにとは思ってたけど、式もしたいなあって思ったのが年末」
「あっ指輪もらったくらい?」
「うん」

 ちょうど良さそうな路肩を見つけて停めることにした。

「うーん!」

 俺は背伸びをして海を眺めた。キラキラと波が光ってきれいだ。

「ありがとう和樹。普通の夫婦のような新婚旅行や式とか感謝しかない」
「いいや」
「お金は……帰ったら少しでも払うね」
「いらない。僕がしたかったからだから」

 海岸に降りて砂浜を少し歩いた。本土はまだ寒いくらいでコートは手放せなかったけど、ここは歩いてると半袖でも暑い。

「智がしたいことは言ってくれ。出来るだけ叶えるから」
「うーん。でもないかな。だって思いつかないもん」

 今までも長期の休みは旅行に連れて行ってもらっていた。夏は北海道とか秋は熊野古道とか。あそこは運動不足の俺には拷問だったけどね。四国にも行こうと楽しそうにしてたけど、お遍路の旧道を歩かされそうで不安で「うん」とは言っていない。

「明日の結婚式は朝九時からの予定だ」
「うん……起きれるかな?」
「大丈夫。さすがに抱き潰したりはしないよ」
「なら大丈夫か」

 海水に手を入れると、年末のわりと暖かい日に行ったお台場よりあったかい。沖縄って本当に南国なんだなあ。和樹が少し草の生えてるところに座ろうって。俺はキョロキョロして、よし!人はいない。

「和樹ありがとう。大好き」

 抱きついてチュッ。うんってねろんって舌が…んふぅ…あふっ……

「和樹し過ぎ」
「誰もいないからいいでしょ」

 気持ちよくなり過ぎないうちに和樹にダメ!って言うと、ブスッとしたけどやめてくれた。

「少ないけど車通りかかるから!」
「見えたっていいのに」
「よくない!」

 それから車に戻ってサトウキビ畑もパイナップル畑も見た。ちっちゃいパイナップルが先に付いてて、図鑑と同じだ!と俺感動。テレビや写真でしか見たことなかったものが広がる。

 和樹はナビを見ながら観光地ではないところをドライブしてくれる。「観光地なんかいつでも来れるだろ」ばりに自分が見たいところに運転してるらしい。だから見慣れないものばかりになったけど楽しかった。
 日が落ちて暗くなった頃ホテルに戻り、それからホテル内のレストランで少し豪華にって夕食。披露宴しないからねって。こちらの高級ステーキとかのコースでね。

 食事が終わり部屋に戻って、バーカウンターでお酒を飲みながら明日のこととか話していた。が、突如和樹のエロスイッチオン。もういいだろってひん剥かれた。ジャグジーも完備だから和樹は止まらなかった。

「和樹!」
「なんだよ」
「しすぎない約束は!」
「あ~……ならこれでおしまいにする」

 よかった……今言わないと朝になる!もう三回目だし。これなら起きられるかなって安心してたら股間を強く握られた!出そうなのに!

「い、痛い…ヤバ……ちんこもげるっ」
「僕がイクまで出しちゃだめ」

 すげぇ気持ちいい。痛いのが堪らない快感を呼ぶんだ。痛みで出せないのキツイのに気持ちいい。

「ふえぇ……かずきぃぎもぢいよぉ……おれ…コレぎもぢよすぎでぇ……」
「気持ちいいよね」

 腰をパンパン音がするほど打ち付けて、俺もう出そう……さらに手に力が入る。

「グアッ」
「出しちゃダメって言っただろ」

 俺のを強く握りしめて、気持ちいいところを執拗に責める。

「ほらここ好きだろ?」
「フグっ…待っ……あっ…ああ……いやあっ」

 気持ちよさに脳が痺れてお尻上げらんない……気持ちよすぎ……気持ちいいしか分かんない!

「智はもうムリか」
「ぎもぢい……こわ…い…くら…い……」
「すごい締め付け……ちぎれそう」

 抱えられて押し込まれてふわふわではなくて、痺れるような快感で意識が……途切れぎみ。

「智?」
「は…い……ゔゔ…あっ…いい……ゔぐぅ…」
「こんなに蕩けて……もうダメかな」

 ズンッと奥に押し込まれて手が緩む。
 アーーッ喘ぎは和樹の口で塞がれて苦しくて余計……ガタガタと震えながら床に膝を付いた。朦朧としてお尻は余韻でビクビク。呆然と快感にふわふわしてると、ブツブツ聞こえる?

「……足りない」
「……へ?」
「ハメ外しすぎたな……チッ」

 ジャグジーを背に座り込む俺をイライラした感じで流してくれて、自分も流してスッと膝に手を入れて抱っこでベッドに寝かせてくれた。でも和樹を見るとフル勃起……おいおい三回もしてるんだぞ?二十代のちんこみたいな角度で色もおかしくなっとる!

「か、かずき?」
「ああ。ごめん……」

 奥歯噛み締めてブツブツ……クッあはは!なんてかわいいんだこの人。

「和樹来て。抱いてよ」
「え?」
「ソフトSMみたいのじゃなくて、普通に抱いてくれるならしていいよ」

 ベッドに腰掛けて俺を撫でながら、平静なふりをして俺を気遣ってくれようとしているのが嬉しくて……かわいい。

「いいのか?」
「うん。そんなんじゃ寝られないでしょう?」

 俺は両手を広げて和樹を迎え入れた。なんてかわいいんだろう。ありがとうってすぐに押し込み……クッ我慢し過ぎで太くて硬過ぎ。

「和樹かわいい…大好き」
「僕もだ。愛しくておかしいんだ。欲しくて我慢できない。愛してる」

 和樹は我を忘れたように腰を振ってふたりでドクドク……

「ハァハァ……ごめん」
「いいよ……新婚旅行だもん。今日は初夜でしょ?」
「ありがとう。いやそれは明日かな」
「あ、ああそっか。お式の後だね」

 和樹はさすがに落ち着いた。普段しないセックスと、環境の違いで興奮するのはお互い様。軽く体を流してソファに腰を下ろした。喉乾いたから水飲もうって。

「ごめん……僕この日を心待ちにしてたんだ。智に喜んでもらうんだって……なのに僕が喜んでる……」
「あはは俺も喜んでるから。新婚旅行はセックスしまくりが当たり前だろ?ハネムーンベイビーなんて言葉もあるくらいだしね」
「そうだけど……ここまで理性が吹き飛ぶとは。自分に驚いた」

 落ち込んでる和樹には悪いが、俺はどれだけ愛されてんだろう。この旅行をどんな気持ちで和樹は用意してくれたんだろう。そう思うと、したいだけすればいい。

「和樹、ありがとう。俺本当に嬉しいよ」
「うん……」

 そろそろ寝ようかって抱き合って眠り、翌日迎えに来た係のスタッフに案内されて会場の控室に向かった。
 くそう眠いぞ!そんで腰もお尻周りの筋肉痛も!ちんこ握られるセックスは気持ちいいけど、全身に力が入るせいかダメージが大きい。だが、和樹はそんな素振りも見せずツヤツヤでいつも以上にかっこいい……なんなんだよこの差はよ!




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