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一章 お、おれ?

5 大人になってから気がついた人初めて見た

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 お昼に起きて外に食べに行ってから、お互いを知ろうって話すことにした。俺はこの人のことをどこまで知ってるんだろう。

「僕会社でかなり自分のこと話してるからなあ。それ以外はそうだなあ」

 彼は自分のことをたくさん話す上司だった。聞かれれば何でも答えてくれたんだよね。家族のこと、飼ってるペットのこと、お兄さんとの関係とか。でも恋人の話は聞かれてもはぐらかしていた。

「僕は普通の家の子。親も僕ががゲイだとは途中まで知らないだろうね。バレるような行動もしてこなかったから」
「へえ……すごい」

 俺は早々にバレた。でも親はなかったことにして、それには触れない感じだ。でも兄からの話しでは「娘になったのか?」と聞いていたらしい。いや、ゲイはそうじゃないんだが、テレビの影響かもね。

「僕はね。自分がゲイだと気がつくの遅かったんだ。女性とも普通に付き合ってたから」
「え?」

 知識では知ってたし、多少の違和感はあったけど相手が好きだった。大学に入ってからも彼女はいたんだそうだ。
 彼には仲の良い友だちがいて一緒に行動することが多かった人がいた。ちょうど彼女と別れた頃彼が好きだって言って、友だちの好きじゃなくてと言ってきたそう。

「ど、どうしたの?それで」
「うん……僕もってなぜか思っちゃった。そんで寝たらしっくり来る。男のエロさとセックスの気持ちよさに溺れた」
「あはは」

 女性とは仲良くなるアイテムくらいに思ってたセックスが、したくて堪らなかった。彼の蕩けた顔、女性とは違う締め付けに股間は暴走、お互いの部屋に入浸りだったそう。

「男に欲情する自分に違和感の正体を知った気がしたんだ。でもね、その彼とは長くは続かなかった。彼が大学辞めちゃってね」
「そう……」

 和樹はなんか遠くを見るような目つきになった。そりゃあ恋人との別れだもの、哀しい思い出だよね。

「彼はその時はっきりとは言わなかったけど、家で何かあったみたい。それで彼の地元の大学に編入していった。卒業後は奥さんもらって、今や子煩悩なパパだよ」

 え?なにその人。俺はその人本当にゲイだったのだろうかと考えていると、和樹はふふっと微笑んで頬にチュッ

「彼は……そうだな。バイとは言い切れなくて、好きになった人を愛するタイプ。彼はいいところの跡継ぎ息子で、今や会社の社長で地元の名士。先代の父親が病気で倒れて戻ったんだそうだ」

 俺は大学終わってからでも良さそうなもんだと思ったけど、そうもいかなかったらしい。古いお家だからなんかあったのだろうって。
 それから僕の恋人は男性だと僕を撫でてくれる。

「俺の前の人は?」
「ん~彼は智也とは違った子だったね」
「ふーん」

 熱心に僕にアプローチしてきて、そんなに言うならと付き合った。だけど金遣いは荒いしわがまま。和樹の許容を超えるイヤな言動をしてたそう。それに歳上なんだからかわいがれっていつも責めてくる。どうにも好きになりきれなかったらしい。

「ほうほう」
「僕が疲れたんだ。セックスも相性がよくなかったし」
「そう」

 僕は自分から告白して付き合うことがなかった。勝手に向こうから来るから、来るもの拒まずがスタンダード。そんなもんと思ってたらしい。イケメンすげぇ。

「だから、自分で告白したのは初めてなんだ」
「え?」

 ソファで並んで話してたけど、膝に乗ってって言われて跨って彼に抱きついた。

「なんだろうね。こうしてると肌に馴染むって言うのかな。抱いて確信してね。僕の気持ちは間違ってなかったって」
「ありがと」

 収まりのよさは俺も感じていた。そんなに付き合った人はいないけど、抱かれてるだけでここまで安心する人は初めて。

「俺和樹が好きだと思う。でも掴みどころのない人だなあって前から思ってて、みんなみたいに踏み込めなかった。いつも微笑んでて、表情があるようでなくてさ。和樹なに考えてるか分かんないんだよ」

 よく見てるね。他のスタッフは機嫌がいいとしか思ってないよって。少しは見ててくれたのかと喜んだ。

「でも智也には僕なりにアピールはしてたんだけどな。届かなかったけどね。あはは」
「ごめん」

 抱かれてると俺は寂しかったんだなあって自覚した。あんな別れ方したからかもね。それに甘えるのも好き。抱っこされると愛されてる気がするんだ。

「和樹、キスしていい?」
「うん」

 彼の唇に触れると口を開けてくれて、俺の舌を撫でてくる。んふっ

「んっ……」
「智也かわいいね」
「俺もキス好きで…あん……相手に触れるの好きな……あっ」
「いいよ、もっと甘えてくれて」

 頬を撫でてもらうキスの幸せはない。俺ふわふわして……気持ちいい。

「智也したいの?」
「違う……抱っこも好きなんだ」
「キスも?」
「うん」

 そうって押し倒された。誰かのこの体温と重さがなんか幸せ。俺和樹が好きだ、間違いなく好きだと思う。俺この人が前から好きだったのかな?そんな気にさせるくらいだ。決してセックスの相性だけで好きな訳じゃない。

「僕もうムリかな」
「なにが?」
「なにがじゃないでしょ」
「ん?」

 短パンごとズルッと下げられて、先から漏れたのを塗りつけずぶり。

「か、かずき待って!なにしてんの!」
「僕はね。我慢するのやめたんだ」
「はい?ああーっ!」

 シャツに手を入れて乳首をくりくりと……うっ…勝手にお尻締まる。寸止めみたいなのを楽しむのが俺の趣味なのに!

「智也気持ちいい?中ビクビクだね」
「俺は入れて欲しかったんじゃないんだよ……あっふうっ」
「こんなに硬くしてるのに?」
「ハァハァ……俺の…あん……趣味というか…あーっ」

 俺の脚を広げてパンパンと腰を振ってる。

「ふーん。それ相手には拷問でしかない。蕩けて欲しそうにしてるのに、キスと抱っこだけとか」
「興奮しながら…あっ…うっ…するの好きなの!んあっ……」

 もう……気持良くて趣味はどうでもいい。もっとしてくれ。

「和樹……」
「なに?」
「もっと」
「ふふっうん」

 彼の手の触り方がいい。どこ触られても気持ちいいんだ。

「ここだよね」
「え?あうっ!」

 中のいいところに当たる!そこダメ!あっ…はっ……

「うーっ」
「堪んないでしょ?僕もだよ」
「いやあ…あ…ああ……」
「ダメだ僕も」

 なにこれ……も……あぁ……意識が……快感でおかしくなる……ちんこから漏れる…キスで興奮してた分、体が反応してダメか……んッ

「智也?」
「ハァハァ……あっんっ……っ」

 ガクガクと震えたけど、かろうじて飛ばなかった……か?

「すごく気持ちよさそうだったけど意識ある?」
「あ~あるよ」

 なんだよ、ホントになんなんだ?俺そんなにセックス楽しんでこな……いやしてたけど、意識飛ばしそうになるとか、訳分からん。

「なんなのこれ……」
「なんだろうね。僕のでこんなに気持ちいいって人初めて。相性かな」
「うん。今回初めて抱かれたのに、こんなで恥ずかしい……」

 俺は彼を直視できずに目をそらした。脚広げて抱きついて喘いでさ、派手に乱れたのは分かってたから。

「お前は……僕を煽るの上手い。そんな顔して照れるのは卑怯だ」
「え?」

 視線を戻すとズンッと奥に!カハッなにするんだよ!

「仕事中の爽やか青年はどこかに行って、僕に抱かれてかわいく喘いで」
「待っ……クッ…うッ」

 待つわけもなく、俺は快感に溺れて喘いだ。さっきの精液がぐちゅぐちゅと音を立てる……その音とヌルヌルする感触に興奮して……あうっ

「キスしてぇ」
「ふふっ」

 興奮してる彼のキスは……ダメだ。もう欲しくて堪らない。我慢できないんだ。

「かずき……もっと」
「おねだりかよ。お前はもう……」

 悪い顔になりながらキスをしてくれて……甘イキが何回あったか分からない。奥に先が当たるたびにビクッと漏れた。こんな満足するセックスってあるんだね。前を擦らなくても余裕でイけるんだ。
 和樹とのセックスは依存しそうだなって、あんあん喘ぎながらそんなことを思った。







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