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一章 多分見放された
プロローグ この世界の成り立ち
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この「ゴンドワナ大陸」は獣人の大陸だ。はるか昔に別の大陸から人族が来るまで「魔法」はなかった。
そして初めて人族が移住して作った国が「ドナシアン王国」だ。初代王「ドナシアン」の名がついた小さな国。初期は穏やかに獣人と仲良く過ごしていたが、年月が過ぎ落ち着いた頃、穏やかな獣人を見下す王が立った。そこから戦が多発し、侵略、略奪が始まった。
そして数千年。
ドナシアンの王族は自分の欲のみで国内、国外を問わず荒れた政治を行い、国が嫌で逃げた王族により出来た「イアサント王国」に目を向けた。
その時の王「ルチアーノ」は初めの侵略を阻止したが、自国の民の誘拐、惨殺が減らず心を痛め、ドナシアン王国殲滅を決断。血の登録のあるドナシアン人を殺すことが出来る秘宝「オーブ」を使用し見事に討ち取った………
そんな戦の匂いも薄れた頃から、大陸は獣人の魔力持ちが多数産まれ始め、あっという間に純血種以外の獣人は魔力持ちとなった。
何が起こったのかは定かではないが、東のベトナージュ王国は全ての獣人が魔力持ちだ。長い年月の間に人族との交配で変化していた。その例もあり、この大陸ではその時が来ただけであろうと騒ぎにはなったが、みな受入れ日常はなにも変わらなかった。
ただし、王族は王位継承などの事もあり、問題になった。魔力の多さを優先させるのか、元々の王の資質に由来するのか。先例のベトナージュに相談に行く国、イアサント共和国の王たちに相談する国など様々だったが、その国らしい解決策を導き出し今に至る。
そして、獣人に魔力があろうと「アン=妊娠」「ノルン=種付け」の関係性は変わらなかった。どちらか一つ。王族であろうと片方の属性しか現れなかった。ランベール王国の王だけは、獣人ながら歴代どちらの属性をもち、人族の二重紋と同じ力を有する。
紋とはアンのうなじに発現する魔法陣。アンの印である。ノルンがここを噛むと番が成立。噛みながら種付けすると妊娠確実で、お腹にノルンの魔法陣が浮かび上がる。
これが二重紋の者はどちらも可能で、お互い相手のうなじを噛まないと、番は成立しない。片方だけでは一重の紋と同じにしかならない。
二重紋は他の大陸から来た始祖らから引き継がれており、直系の子孫に発現しやすく、人族の王族は基本皆二重紋だ。その為魔力が濃く多い。しかし獣人の魔力はそこまで多くはなく、移動の騎獣や治療などに活用するのみだ。
そんな世界が大陸の常識になって早五十年が過ぎた。小さな争いはあったが戦などなく、穏やかに人々は過ごしていた。
そして初めて人族が移住して作った国が「ドナシアン王国」だ。初代王「ドナシアン」の名がついた小さな国。初期は穏やかに獣人と仲良く過ごしていたが、年月が過ぎ落ち着いた頃、穏やかな獣人を見下す王が立った。そこから戦が多発し、侵略、略奪が始まった。
そして数千年。
ドナシアンの王族は自分の欲のみで国内、国外を問わず荒れた政治を行い、国が嫌で逃げた王族により出来た「イアサント王国」に目を向けた。
その時の王「ルチアーノ」は初めの侵略を阻止したが、自国の民の誘拐、惨殺が減らず心を痛め、ドナシアン王国殲滅を決断。血の登録のあるドナシアン人を殺すことが出来る秘宝「オーブ」を使用し見事に討ち取った………
そんな戦の匂いも薄れた頃から、大陸は獣人の魔力持ちが多数産まれ始め、あっという間に純血種以外の獣人は魔力持ちとなった。
何が起こったのかは定かではないが、東のベトナージュ王国は全ての獣人が魔力持ちだ。長い年月の間に人族との交配で変化していた。その例もあり、この大陸ではその時が来ただけであろうと騒ぎにはなったが、みな受入れ日常はなにも変わらなかった。
ただし、王族は王位継承などの事もあり、問題になった。魔力の多さを優先させるのか、元々の王の資質に由来するのか。先例のベトナージュに相談に行く国、イアサント共和国の王たちに相談する国など様々だったが、その国らしい解決策を導き出し今に至る。
そして、獣人に魔力があろうと「アン=妊娠」「ノルン=種付け」の関係性は変わらなかった。どちらか一つ。王族であろうと片方の属性しか現れなかった。ランベール王国の王だけは、獣人ながら歴代どちらの属性をもち、人族の二重紋と同じ力を有する。
紋とはアンのうなじに発現する魔法陣。アンの印である。ノルンがここを噛むと番が成立。噛みながら種付けすると妊娠確実で、お腹にノルンの魔法陣が浮かび上がる。
これが二重紋の者はどちらも可能で、お互い相手のうなじを噛まないと、番は成立しない。片方だけでは一重の紋と同じにしかならない。
二重紋は他の大陸から来た始祖らから引き継がれており、直系の子孫に発現しやすく、人族の王族は基本皆二重紋だ。その為魔力が濃く多い。しかし獣人の魔力はそこまで多くはなく、移動の騎獣や治療などに活用するのみだ。
そんな世界が大陸の常識になって早五十年が過ぎた。小さな争いはあったが戦などなく、穏やかに人々は過ごしていた。
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