15 / 63
一章 森の中の国
14 欲の暴走だよね
しおりを挟む
朝になったけど起きられない。疲れた…本気で疲れた。あの後記憶は定かではないけど、乱れて……記憶がなくなったんだ。そして股間を触ればビチョビチョ……まだ漏れてるというか、彼のもあるんだろうけど。恥ずかしいから先にお風呂……ガシッと腕を掴まれた。
「おはようリシャールどこに行く」
「あはは……お風呂に」
「俺も行く」
仕方ないかとふたりでお風呂に。洗い場で体を手早く流した。お股は念入りに!やん漏れる。なにが出てんの?精液じゃないよね?僕の?
「気になるか?」
「はい……」
大人になったと言うか……子を産める体になったんだ。そう言うと抱き寄せられた。
「俺の匂い分かるか」
「え?……あっ甘い匂いがする。果物みたいな……もも?」
「お前もいい匂いがする。森に咲いているユリのような甘い香りだ」
お互い発情期なんだ。これからしたくて頭がおかしくなるらしい。一週間くらいで落ち着くが、それまではアンはこの匂いと尻から漏れ続ける。嘘でしょ!嫉妬もすごくなるから気をつけろと。おおぅ……
「おはようございます。入るならお声を……あっ」
その言葉とともにピシャンと扉が閉められた。なぜに?
「あはは。だからこの期間は自分でだ。今はあんまり感じてないだろうが」
「なに?」
「俺に誰か近づくとお前は嫉妬に狂う」
「は?」
「狂うは言い過ぎだが、とても嫌な気分になるんだ。俺もな」
「ふーん」
なら僕がロベール様を洗うねと、頭を濡らしシャンプーをつけてゴシゴシ。
「上手いな」
「僕たまにひとりで入りたい時があって、自分でしてたんです」
「ふーん」
頭を洗い体を海綿で洗う。なんか楽しい。
「改めてロベール様を見ると、きれいな体ですね」
「そうか?」
「うん」
「俺たち王族は細いからなあ。筋骨隆々とはならないんだ。他所からの血が入ろうともな」
ルーカスの奥方は大きいだろ?でも、子どもはきっと似ない。そんなもんなんだよって。
「ふーん。僕は細いけど両親は大きいからとか思ってたけど、ならロベール様そっくりな子どもが出来ますね」
「ああ」
彼の体を流して自分で頭も体も洗った。手伝うよと言われたけど、彼の目の色がおかしいから拒否。そして浴槽へ。
「したい……」
「ムリ」
お前の匂いが俺を誘うんだ。仕方ないだろって。この一週間はこの匂いをどこまで我慢が出来るか不明だそうだ。おおう……気を確かに持とうと心に誓ったが、あんあんと喘いでいた。
「いい……もっと……」
「ああ」
浴槽の縁でうつ伏せで押し込まれて、朦朧としながら悦んだ。言った先から……アアッ
「我慢なんか出来ないんだ。抑制剤があるからこの後飲もう」
「ハァハァ……うん」
とりあえず出したら落ち着いてお風呂を出た。クオールたちは青い顔して立っていた。
「どうしたの?」
「抑制剤が足りません。今宿屋にお願いしてます」
ここに服とタオルあるからご自分でと言い残し、駆け足で逃げた。なんでじゃ!
「この匂いな。他人にも影響してな」
「え?」
「他の人には他人の発情の香りは催淫剤みたいな効果があるんだ。他の人もしたくなってしまう」
「へ?」
それまずい。匂いをさせてる人を食いたくなるんだ。特にお前。僕?
「ノルンの匂いはアンが嗅ぎつけて抱いてと迫り、アンにはノルンがむらがるんだ。だから発情期は外に出てはならない。出るなら薬飲まないとな」
「へえ……」
お前習ったろと言われたけど、はてさて?勉強に関しては……つか、性に関してのは、中等学園で習ったな。すっかり忘れてたけど。
「お前はぼやぼやし過ぎ!不安だよ」
「ごめんなさい」
バスローブを羽織り部屋に戻った。が、誰もいない。お水とかは用意されてるけど……キョロキョロ見てもおらぬ。
「そのうち来るよ」
「はい」
用意されてるお水を飲んでいると、お待たせしましたと二人が入って来た。騎士も我らも飲みました。はいって小瓶二つ渡された。
「夜まで持ちますからお願いします」
「ああ」
小瓶の中身はヘドロ色ですが?まずそうだなあ。フタを取ってクンクン。グハッ!クサッ鼻もげるッ
「これこんな臭いするのか……」
「酷い臭い」
早よ飲めと二人の目が言っているから、一気に飲んだ。クサッ口の中クサッ毒?毒のようなまずさだ。
「キツイなこれ」
「ええ……毒かと」
水で口をすすぐように飲み込んだ。はあ……魔力も含まれてるのか、スーッと体に馴染むような気がする。おお、変な体の熱が取れたね。
「大丈夫そうですね。では朝食を運ばせます」
「ああ、頼む」
すでに窓全開で風魔法も発動中。そよそよと対流して外に流れているようだ。すごいねえなんて見ていると、ここのメイドさんが食事を並べてくれる。そして、僭越ながらと微笑み、
「おめでとうございます。式から間もなくで発情とは、なんと相性がいいのでしょう。この国の民としても嬉しゅうございます。おふたりのお子様を楽しみにしております」
そう言うと下がった。
「とてもめでたいことですから」
「ええ。お子様が今から楽しみですね!」
そっか、この発情は喜ばしいことなんだね。それもそっか、後継ぎが生まれるかもってことだもんね。
「さあさあ食べましょう」
みんなで席について頂いた。やはり宮中とは味付けも違い新鮮だ。サラダのドレッシング一つにしても違う。美味しい。
「ここから次の宿屋まで昨日より掛かりますから、食事の後すぐに出発です。お昼は途中の町のレストランになります」
「はい」
それと、途中薬屋に寄ります。抑制剤がありませんからねと。
「私どももこんなに早いとは予想外で、別荘には用意してたのですが……」
「ごめんなさい」
いえいえ、全く悪くありません。これだけ愛し合ってるのだから予想すべきだったのですよと、ふたりはこちらこそすみませんと。
「俺はただ嬉しくてすまなかった」
「いいえ。アンの発情はノルンにとってはとても嬉しいことですから、当たり前ですよ」
私も妻の時とても嬉しかったですからと、クオールは微笑んだ。
「こんなに嬉しいとは思わなかったんだ。心が痺れるほどの感動があるんだな」
「それはもう。自分だけの番となるのですから当然です。アンが死ぬまで自分を愛してくれるんですからもうね。この世の天国みたいな気分になります」
「ああ、そうだな」
当然アンもそういった気持ちになるはずなんですが、いかがです?と問われた。
「はい。愛しくて堪らないのはすでに。ですのであんまり変わってないかな?」
ただすごく側にいたい気持ちにはなりました。ずっと触れていたいって……恥ずかしいけど、お側にいたいと。
「その気持ちです。ですので我らはこの期間お二人に触ることはいたしません」
「はい」
抑制剤を飲んでいてもモヤモヤするんですよ。どうも嫌だって気分になる。ですから、ご自分でお風呂に入れるようにして下さいませ、ロベール様と言われている。
「分かった頑張る」
野営訓練はしてるから身支度は出来るはずですので、お願いしますと。そんな話をしてすぐに出発。お昼は町のレストランで食べて、またすぐに出発。途中休憩を取りながら夕方に宿屋に到着。食事をしてまったり寛いでいると、ふたりはおほほほ……と出て行った。
「クンクン……ももの匂いがする」
「うん。ユリの香り……切れたな」
「ええ」
そこから体は熱を持ち、勝手に勃起。欲しくて座ってるだけでハァハァとし出した。お尻濡れてる気がする。
「ロベール様……抱いて」
「ああ……リシャール愛してるよ」
そして一晩中愛し合い、翌日ほとんど寝てない状態で朝が来た。うおぉー……足りない……ロベールもっと……
「ダメだ理性が……」
「奥にッアアッもっと深くにッむぐックサっ」
精液と愛液に塗れて興奮していると、口に毒!おおー……ふたりして悶絶。ぐおぉー……
「おはようございます。朝ですよ」
「ハァハァ……毒かと」
興奮が引いていき冷静に。ふたりで見合ってあははと笑った。これヤバいなって。
「でしょう?ゆるく効くのを夜飲まれた方がいいかもですね。お子様が出来ないお薬だけでは辛いのではないですか?」
「ハァハァ……そうだな。これじゃ寝る時間がなくなる」
「ですね」
ふたりはたぶん五日目くらいが一番キツいはずたと言う。我慢なんて言葉は無意味で、日中の抑制剤も一番強いのを飲まなくてはだめかもと。まあ、そこら辺は別荘に着いてるからいいとして、今日は馬車に乗るまで寝るのは耐えろと言われた。
「ああそうする」
そして宿屋を出て馬車に乗り込むと、支度がされていた。クッションや掛け毛布とか。
「ここからは別荘まで近いですから、着くまでおやすみしてて構いませんよ」
「はい」
でも数時間も寝ると僕は起きてしまい、窓の外を眺めていた。ロベール様に膝枕。よく寝ていて、なんともかわいらしい寝顔だ。少し幼く見えるかな?そして目的地が見えて来た。小高い山をいくつか越えたら海が見えたんだ。
「すごい海だ!僕海に来たことなくてすごーい!ねえ海の水はしょっぱいって本当ですか!」
「ええ」
「うわーっ」
キラキラ波が光ってて、小舟が奥に見える。手前には大きな船もある。すごーい!と騒いたら、ロベール様も起きた。
「ここは我が国の貿易港だ。海からの唯一の場所。この対岸の国との交易ルートになってるんだ。くは~っ」
「へえ……なにが来てるんですか?」
眠そうにしながらも、この先は南の国だから香辛料や綿、砂糖や岩塩などの食料と果物かなって。後はアップルタイザーなどのりんごのジュースとか、カカオ……後なんだ?と、ロベール様は考え込んだ。
「タイルとかガラス製品も来るな」
「へー……すごい!」
東や北は陸路で来るから、この港の一番は塩と砂糖だなあって。ああ、薬草もだ。暑い場所じゃないと育たない物とかだなと。
「リシャールが付与していた魔石なんかを売って、その金で砂糖を輸入してるんだ。我が国では採れないからな。塩は高級品をな」
「へえ……」
「塩は塩田で作れるんだが、岩塩はまた違う」
そんな話をしている内に目の前が海!海だあ!
「あれ?港には行かないの?」
「行きたいのか?なら、明日以降だな」
「はーい!」
港直前で曲がったからね。海岸沿いを馬車で駆け、僕は窓を開けた。うおっ!湿っぽい風というかこれが潮風なんだね!すごーい!
「リシャール。そんなにはしゃぐと疲れるぞ」
「だって!こんなに綺麗なんだよ!空には鳥…カモメ!そうカモメだよね!」
「ああ」
夕方のキラキラした海が美しくて目が離せない。なんて綺麗なんだ。湖や池とは違う。目が奪われる……ほう……感動だ。
「ここまで喜んでくれたなら、ここの別荘は正解だったな」
「はい!」
海岸線を走ってたんだけど、横に曲がり森の中に。そして開けたところに到着すると屋敷があった。赤い屋根の貴族の屋敷くらいのサイズで、玄関が大きく、華やかな門柱と大扉があった。外門をくぐり車止めに馬車は止まる。
「素敵な屋敷ですね」
「ああ、夏によく来るんだが少し早いかな」
馬車の扉が開かれると、初老の執事がニッコリ。
「ロベール様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
「ああ、ギオーク息災か」
「ええ、もちろん」
ロベール様が声を掛けると、ギオーク様は嬉しそうにした。
「奥様のリシャール様ですね。どうぞ」
「はい」
手を引かれて馬車を降りた。おおっここまで潮風がある。そりゃあ屋敷の後ろが海ですからと笑う。
「リシャール中に入るぞ」
「ああ、はい」
クオールたちは後で来るから気にするなと、ふたりで屋敷に入った。中のエントランスホールではメイドさんたちがズラリ。
「ロベール様、リシャール様ご結婚おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」
どうぞこちらにとギオーク様が案内してくれて、客間に通された。すでにお茶の支度などが出来ていて僕らはソファに座る。
「お疲れ様でした。城から馬車ですと遠かったでしょう」
「まあな。ワイバーンなら半日だからな」
「そんなに早いのか。フェニックスと変わらないんだな」
「ほほう。リシャール様は召喚術士でおられるとお聞きしました。こちらまで来たことが?」
「いいえ、フェニックスに聞いたのです。呼び出した時に海まで飛んだんだって話してたので」
ほほうそうでしたかと。ここは城から一番遠い別荘で、直轄地としてはとても小さな領地。港のための領地なのですと説明してくれる。どこかの貴族の持ち物にすると、関税や港の停泊料などの金額が上がるため、国が所有しているんだそうだ。
「前はスキーマ男爵の持ち物だったんだよ。他国に国の分以上に上乗せしてな。問題になって一部直轄地にしたんだ」
「へえ」
ずいぶん昔の話だから今はその男爵はいない。やり過ぎてお取り潰しになった。我が王家は不正には断固とした措置を取る。今も昔もなって。こんな森の中の国でこんな小さな場所しか海に面してない国だ。不正を見逃すと、あっという間に国は滅びの入口に立つようになる。魔素だけが取り柄の国だから貿易は大切で、悪評が立てば他の国に乗り換えられる。それは死活問題になると、ロベール様が説明してくれた。
「うん。僕は付与技師だったからそれはよく知ってます。それを元にした製品で生計を立てている国だと、身を持って感じていましたから」
「ああ、この国が豊かなのはそのお陰なんだ」
ギオーク様、お部屋の準備が整いましたとメイドさん。ではこちらにと二階に移動した。一階は王様専用だそうだ。
「王はお年を召しても移動が楽なように、どの別荘も王のお部屋は一階あります」
「そうなんですね」
「王子様方にはこちらをどうぞ。作りは王と同じですので問題ないはずです」
中に入ると南国!ラタンの家具がある!お友だちの家にあったんだよ。すごーい。全体に他国感たっぷりで、これきっと南国の作りだよね!対岸の国の作りだ!そうだよねって聞けば、うんとロベール様。
「伯爵家はどうなってんだ?お前国を旅行とかしなかったのか?」
「あー……僕だけ行かなかったんです。知らない人が嫌で。メイドさんも違うし、執事も変わる。それが嫌で……あはは」
僕はラタンの背もたれに掴んで俯いた。
「そっか」
ならこれから俺と旅をしよう。夏は忙しく難しいだろうが、秋の終わりから冬に掛けて行こうと。北は少し雪も降るし、ここは冬でも暖かい。きっと楽しいぞって。
「はい。楽しみにしてます。あなたがいれば怖くないですから」
「うん」
ロベール様はほんのり頬を染めてくれる。んふふっ僕も嬉しいけど、あら……ヤバいな。なんかももの匂いする。
「おふたりともこちらをどうぞ。強く発情する時期です。お飲み下さいませ」
「ああ」
ふたりで小瓶を開ける。むわっと苦そうなかおりと、複雑な薬草の甘いような独特な、もう毒の香り……
「これもう少し美味しくならんのかな」
「はあ、私が若い頃からこの匂いと味でしたなあ。後は水分を抜いた錠剤になってるくらいで、味に変化はないですよ」
「錠剤……臭そう」
それはもう臭いですね。水分が抜けてる分香りも味も強烈ですが、持ち運びに便利ですよと。そうだけど僕はちょっと……小瓶を見つめてむーん。瓶の口から湧き上がる毒臭……仕方なく飲んだ。ぐおッ慣れない!この味は慣れないよ!苦くて変な甘さと酸っぱさと薬臭い味!一言毒!
「ハァハァ……鼻から抜けるこの毒……誰か研究して欲しい」
「薬学研究所に頼め」
「そうする……不味すぎ」
ももの香りもユリの香りも部屋から掻き消え、匂いがなくなった代わりに、毒臭が蔓延……
「今のは短時間用ですから、就寝の頃には切れます。穏やかに眠りたいのであれば、こちらの青を追加で、短時間は赤の瓶をお飲み下さい」
「ありがとうございます」
寝室のコンソールの上に置いておきますからねって。私も若い頃はよく飲みましたねえって。妻は発情期が多く、大変でしたと笑う。
「え!人により違うのですか!」
「ええ。年に数度の方もいれば、月一の方も。アンの方の体質でしょうなあ」
「僕は……」
アンが発情しなければノルンは反応せず、発情もしません。ですので奥様の体質にかかっております。母上様に似る方が多いので、お聞きになるとよろしいかと。
「ありがとうございます。聞いてみます!」
「では、また夕食で。失礼いたします」
ギオーク様が部屋を後にすると、クオールとミレーユが入って来た。
「あっ毒臭……薬が切れたのですね」
「お前ら毒臭とか……やめろよ飲みたくなくなるだろ」
「失礼しました。リシャール様が毒毒言うので移りました」
「ごめんなさい」
でも毒と言われても差し支えないくらい、この薬臭いですし不味いですよねと、ふたりもウンウン。お口直しにお茶を淹れましょうと出してくれた。
「これ……なに?」
「紅茶です。宮中で飲まれているのはハーブティですね。これが本当のお茶の葉だそうです」
輸入量が少なく、この地でしか飲まれていないものですよって。美味しい。レモンやミルクとの相性もよく、冷たくしても美味しいですよって。我が国でもお茶の木を育てれば作れそうなのに、民に人気がでず、輸入に頼っているそうだ。そうね、売れなきゃ作らんか。
「お土産屋さんとかに売ってるかな」
「たぶん。でも高いと思います」
僕はサッと横を向いて見上げた。
「ロベール様、少し買ってもよろしいですか?」
「ああ、好きなだけ持ち帰ればいい。気に入ったなら城に卸させればいいさ」
言ってなかったが、お前の生活費として資金はある。そこから買えばいいと。
「え!僕あんまり働かないから少しだよね……どうしよう。どれだけ買えるかな」
三人はブブッと吹き出した。妃殿下の予算は潤沢です。紅茶くらいいくらでも買えますよって。そうなの?
「ああ、俺たちはいずれ東の城を任される。父上の弟ウィリアム様が退位すればそうなる。だから王とほとんど変わらない予算が俺に、お前には王妃同等の予算が組まれているんだ」
「知らなかった……」
「うん。言ってないから」
これは教育では習わない。その時々で変わるんそう。俺ではなく弟が行くようなら、予算は削減する。王の補佐になるからなと。
「まあ、俺だろうけどね」
「へえ……」
お食事ですよとメイドさんが迎えに来たから、話は途中だけど食事に向かった。
「おはようリシャールどこに行く」
「あはは……お風呂に」
「俺も行く」
仕方ないかとふたりでお風呂に。洗い場で体を手早く流した。お股は念入りに!やん漏れる。なにが出てんの?精液じゃないよね?僕の?
「気になるか?」
「はい……」
大人になったと言うか……子を産める体になったんだ。そう言うと抱き寄せられた。
「俺の匂い分かるか」
「え?……あっ甘い匂いがする。果物みたいな……もも?」
「お前もいい匂いがする。森に咲いているユリのような甘い香りだ」
お互い発情期なんだ。これからしたくて頭がおかしくなるらしい。一週間くらいで落ち着くが、それまではアンはこの匂いと尻から漏れ続ける。嘘でしょ!嫉妬もすごくなるから気をつけろと。おおぅ……
「おはようございます。入るならお声を……あっ」
その言葉とともにピシャンと扉が閉められた。なぜに?
「あはは。だからこの期間は自分でだ。今はあんまり感じてないだろうが」
「なに?」
「俺に誰か近づくとお前は嫉妬に狂う」
「は?」
「狂うは言い過ぎだが、とても嫌な気分になるんだ。俺もな」
「ふーん」
なら僕がロベール様を洗うねと、頭を濡らしシャンプーをつけてゴシゴシ。
「上手いな」
「僕たまにひとりで入りたい時があって、自分でしてたんです」
「ふーん」
頭を洗い体を海綿で洗う。なんか楽しい。
「改めてロベール様を見ると、きれいな体ですね」
「そうか?」
「うん」
「俺たち王族は細いからなあ。筋骨隆々とはならないんだ。他所からの血が入ろうともな」
ルーカスの奥方は大きいだろ?でも、子どもはきっと似ない。そんなもんなんだよって。
「ふーん。僕は細いけど両親は大きいからとか思ってたけど、ならロベール様そっくりな子どもが出来ますね」
「ああ」
彼の体を流して自分で頭も体も洗った。手伝うよと言われたけど、彼の目の色がおかしいから拒否。そして浴槽へ。
「したい……」
「ムリ」
お前の匂いが俺を誘うんだ。仕方ないだろって。この一週間はこの匂いをどこまで我慢が出来るか不明だそうだ。おおう……気を確かに持とうと心に誓ったが、あんあんと喘いでいた。
「いい……もっと……」
「ああ」
浴槽の縁でうつ伏せで押し込まれて、朦朧としながら悦んだ。言った先から……アアッ
「我慢なんか出来ないんだ。抑制剤があるからこの後飲もう」
「ハァハァ……うん」
とりあえず出したら落ち着いてお風呂を出た。クオールたちは青い顔して立っていた。
「どうしたの?」
「抑制剤が足りません。今宿屋にお願いしてます」
ここに服とタオルあるからご自分でと言い残し、駆け足で逃げた。なんでじゃ!
「この匂いな。他人にも影響してな」
「え?」
「他の人には他人の発情の香りは催淫剤みたいな効果があるんだ。他の人もしたくなってしまう」
「へ?」
それまずい。匂いをさせてる人を食いたくなるんだ。特にお前。僕?
「ノルンの匂いはアンが嗅ぎつけて抱いてと迫り、アンにはノルンがむらがるんだ。だから発情期は外に出てはならない。出るなら薬飲まないとな」
「へえ……」
お前習ったろと言われたけど、はてさて?勉強に関しては……つか、性に関してのは、中等学園で習ったな。すっかり忘れてたけど。
「お前はぼやぼやし過ぎ!不安だよ」
「ごめんなさい」
バスローブを羽織り部屋に戻った。が、誰もいない。お水とかは用意されてるけど……キョロキョロ見てもおらぬ。
「そのうち来るよ」
「はい」
用意されてるお水を飲んでいると、お待たせしましたと二人が入って来た。騎士も我らも飲みました。はいって小瓶二つ渡された。
「夜まで持ちますからお願いします」
「ああ」
小瓶の中身はヘドロ色ですが?まずそうだなあ。フタを取ってクンクン。グハッ!クサッ鼻もげるッ
「これこんな臭いするのか……」
「酷い臭い」
早よ飲めと二人の目が言っているから、一気に飲んだ。クサッ口の中クサッ毒?毒のようなまずさだ。
「キツイなこれ」
「ええ……毒かと」
水で口をすすぐように飲み込んだ。はあ……魔力も含まれてるのか、スーッと体に馴染むような気がする。おお、変な体の熱が取れたね。
「大丈夫そうですね。では朝食を運ばせます」
「ああ、頼む」
すでに窓全開で風魔法も発動中。そよそよと対流して外に流れているようだ。すごいねえなんて見ていると、ここのメイドさんが食事を並べてくれる。そして、僭越ながらと微笑み、
「おめでとうございます。式から間もなくで発情とは、なんと相性がいいのでしょう。この国の民としても嬉しゅうございます。おふたりのお子様を楽しみにしております」
そう言うと下がった。
「とてもめでたいことですから」
「ええ。お子様が今から楽しみですね!」
そっか、この発情は喜ばしいことなんだね。それもそっか、後継ぎが生まれるかもってことだもんね。
「さあさあ食べましょう」
みんなで席について頂いた。やはり宮中とは味付けも違い新鮮だ。サラダのドレッシング一つにしても違う。美味しい。
「ここから次の宿屋まで昨日より掛かりますから、食事の後すぐに出発です。お昼は途中の町のレストランになります」
「はい」
それと、途中薬屋に寄ります。抑制剤がありませんからねと。
「私どももこんなに早いとは予想外で、別荘には用意してたのですが……」
「ごめんなさい」
いえいえ、全く悪くありません。これだけ愛し合ってるのだから予想すべきだったのですよと、ふたりはこちらこそすみませんと。
「俺はただ嬉しくてすまなかった」
「いいえ。アンの発情はノルンにとってはとても嬉しいことですから、当たり前ですよ」
私も妻の時とても嬉しかったですからと、クオールは微笑んだ。
「こんなに嬉しいとは思わなかったんだ。心が痺れるほどの感動があるんだな」
「それはもう。自分だけの番となるのですから当然です。アンが死ぬまで自分を愛してくれるんですからもうね。この世の天国みたいな気分になります」
「ああ、そうだな」
当然アンもそういった気持ちになるはずなんですが、いかがです?と問われた。
「はい。愛しくて堪らないのはすでに。ですのであんまり変わってないかな?」
ただすごく側にいたい気持ちにはなりました。ずっと触れていたいって……恥ずかしいけど、お側にいたいと。
「その気持ちです。ですので我らはこの期間お二人に触ることはいたしません」
「はい」
抑制剤を飲んでいてもモヤモヤするんですよ。どうも嫌だって気分になる。ですから、ご自分でお風呂に入れるようにして下さいませ、ロベール様と言われている。
「分かった頑張る」
野営訓練はしてるから身支度は出来るはずですので、お願いしますと。そんな話をしてすぐに出発。お昼は町のレストランで食べて、またすぐに出発。途中休憩を取りながら夕方に宿屋に到着。食事をしてまったり寛いでいると、ふたりはおほほほ……と出て行った。
「クンクン……ももの匂いがする」
「うん。ユリの香り……切れたな」
「ええ」
そこから体は熱を持ち、勝手に勃起。欲しくて座ってるだけでハァハァとし出した。お尻濡れてる気がする。
「ロベール様……抱いて」
「ああ……リシャール愛してるよ」
そして一晩中愛し合い、翌日ほとんど寝てない状態で朝が来た。うおぉー……足りない……ロベールもっと……
「ダメだ理性が……」
「奥にッアアッもっと深くにッむぐックサっ」
精液と愛液に塗れて興奮していると、口に毒!おおー……ふたりして悶絶。ぐおぉー……
「おはようございます。朝ですよ」
「ハァハァ……毒かと」
興奮が引いていき冷静に。ふたりで見合ってあははと笑った。これヤバいなって。
「でしょう?ゆるく効くのを夜飲まれた方がいいかもですね。お子様が出来ないお薬だけでは辛いのではないですか?」
「ハァハァ……そうだな。これじゃ寝る時間がなくなる」
「ですね」
ふたりはたぶん五日目くらいが一番キツいはずたと言う。我慢なんて言葉は無意味で、日中の抑制剤も一番強いのを飲まなくてはだめかもと。まあ、そこら辺は別荘に着いてるからいいとして、今日は馬車に乗るまで寝るのは耐えろと言われた。
「ああそうする」
そして宿屋を出て馬車に乗り込むと、支度がされていた。クッションや掛け毛布とか。
「ここからは別荘まで近いですから、着くまでおやすみしてて構いませんよ」
「はい」
でも数時間も寝ると僕は起きてしまい、窓の外を眺めていた。ロベール様に膝枕。よく寝ていて、なんともかわいらしい寝顔だ。少し幼く見えるかな?そして目的地が見えて来た。小高い山をいくつか越えたら海が見えたんだ。
「すごい海だ!僕海に来たことなくてすごーい!ねえ海の水はしょっぱいって本当ですか!」
「ええ」
「うわーっ」
キラキラ波が光ってて、小舟が奥に見える。手前には大きな船もある。すごーい!と騒いたら、ロベール様も起きた。
「ここは我が国の貿易港だ。海からの唯一の場所。この対岸の国との交易ルートになってるんだ。くは~っ」
「へえ……なにが来てるんですか?」
眠そうにしながらも、この先は南の国だから香辛料や綿、砂糖や岩塩などの食料と果物かなって。後はアップルタイザーなどのりんごのジュースとか、カカオ……後なんだ?と、ロベール様は考え込んだ。
「タイルとかガラス製品も来るな」
「へー……すごい!」
東や北は陸路で来るから、この港の一番は塩と砂糖だなあって。ああ、薬草もだ。暑い場所じゃないと育たない物とかだなと。
「リシャールが付与していた魔石なんかを売って、その金で砂糖を輸入してるんだ。我が国では採れないからな。塩は高級品をな」
「へえ……」
「塩は塩田で作れるんだが、岩塩はまた違う」
そんな話をしている内に目の前が海!海だあ!
「あれ?港には行かないの?」
「行きたいのか?なら、明日以降だな」
「はーい!」
港直前で曲がったからね。海岸沿いを馬車で駆け、僕は窓を開けた。うおっ!湿っぽい風というかこれが潮風なんだね!すごーい!
「リシャール。そんなにはしゃぐと疲れるぞ」
「だって!こんなに綺麗なんだよ!空には鳥…カモメ!そうカモメだよね!」
「ああ」
夕方のキラキラした海が美しくて目が離せない。なんて綺麗なんだ。湖や池とは違う。目が奪われる……ほう……感動だ。
「ここまで喜んでくれたなら、ここの別荘は正解だったな」
「はい!」
海岸線を走ってたんだけど、横に曲がり森の中に。そして開けたところに到着すると屋敷があった。赤い屋根の貴族の屋敷くらいのサイズで、玄関が大きく、華やかな門柱と大扉があった。外門をくぐり車止めに馬車は止まる。
「素敵な屋敷ですね」
「ああ、夏によく来るんだが少し早いかな」
馬車の扉が開かれると、初老の執事がニッコリ。
「ロベール様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
「ああ、ギオーク息災か」
「ええ、もちろん」
ロベール様が声を掛けると、ギオーク様は嬉しそうにした。
「奥様のリシャール様ですね。どうぞ」
「はい」
手を引かれて馬車を降りた。おおっここまで潮風がある。そりゃあ屋敷の後ろが海ですからと笑う。
「リシャール中に入るぞ」
「ああ、はい」
クオールたちは後で来るから気にするなと、ふたりで屋敷に入った。中のエントランスホールではメイドさんたちがズラリ。
「ロベール様、リシャール様ご結婚おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」
どうぞこちらにとギオーク様が案内してくれて、客間に通された。すでにお茶の支度などが出来ていて僕らはソファに座る。
「お疲れ様でした。城から馬車ですと遠かったでしょう」
「まあな。ワイバーンなら半日だからな」
「そんなに早いのか。フェニックスと変わらないんだな」
「ほほう。リシャール様は召喚術士でおられるとお聞きしました。こちらまで来たことが?」
「いいえ、フェニックスに聞いたのです。呼び出した時に海まで飛んだんだって話してたので」
ほほうそうでしたかと。ここは城から一番遠い別荘で、直轄地としてはとても小さな領地。港のための領地なのですと説明してくれる。どこかの貴族の持ち物にすると、関税や港の停泊料などの金額が上がるため、国が所有しているんだそうだ。
「前はスキーマ男爵の持ち物だったんだよ。他国に国の分以上に上乗せしてな。問題になって一部直轄地にしたんだ」
「へえ」
ずいぶん昔の話だから今はその男爵はいない。やり過ぎてお取り潰しになった。我が王家は不正には断固とした措置を取る。今も昔もなって。こんな森の中の国でこんな小さな場所しか海に面してない国だ。不正を見逃すと、あっという間に国は滅びの入口に立つようになる。魔素だけが取り柄の国だから貿易は大切で、悪評が立てば他の国に乗り換えられる。それは死活問題になると、ロベール様が説明してくれた。
「うん。僕は付与技師だったからそれはよく知ってます。それを元にした製品で生計を立てている国だと、身を持って感じていましたから」
「ああ、この国が豊かなのはそのお陰なんだ」
ギオーク様、お部屋の準備が整いましたとメイドさん。ではこちらにと二階に移動した。一階は王様専用だそうだ。
「王はお年を召しても移動が楽なように、どの別荘も王のお部屋は一階あります」
「そうなんですね」
「王子様方にはこちらをどうぞ。作りは王と同じですので問題ないはずです」
中に入ると南国!ラタンの家具がある!お友だちの家にあったんだよ。すごーい。全体に他国感たっぷりで、これきっと南国の作りだよね!対岸の国の作りだ!そうだよねって聞けば、うんとロベール様。
「伯爵家はどうなってんだ?お前国を旅行とかしなかったのか?」
「あー……僕だけ行かなかったんです。知らない人が嫌で。メイドさんも違うし、執事も変わる。それが嫌で……あはは」
僕はラタンの背もたれに掴んで俯いた。
「そっか」
ならこれから俺と旅をしよう。夏は忙しく難しいだろうが、秋の終わりから冬に掛けて行こうと。北は少し雪も降るし、ここは冬でも暖かい。きっと楽しいぞって。
「はい。楽しみにしてます。あなたがいれば怖くないですから」
「うん」
ロベール様はほんのり頬を染めてくれる。んふふっ僕も嬉しいけど、あら……ヤバいな。なんかももの匂いする。
「おふたりともこちらをどうぞ。強く発情する時期です。お飲み下さいませ」
「ああ」
ふたりで小瓶を開ける。むわっと苦そうなかおりと、複雑な薬草の甘いような独特な、もう毒の香り……
「これもう少し美味しくならんのかな」
「はあ、私が若い頃からこの匂いと味でしたなあ。後は水分を抜いた錠剤になってるくらいで、味に変化はないですよ」
「錠剤……臭そう」
それはもう臭いですね。水分が抜けてる分香りも味も強烈ですが、持ち運びに便利ですよと。そうだけど僕はちょっと……小瓶を見つめてむーん。瓶の口から湧き上がる毒臭……仕方なく飲んだ。ぐおッ慣れない!この味は慣れないよ!苦くて変な甘さと酸っぱさと薬臭い味!一言毒!
「ハァハァ……鼻から抜けるこの毒……誰か研究して欲しい」
「薬学研究所に頼め」
「そうする……不味すぎ」
ももの香りもユリの香りも部屋から掻き消え、匂いがなくなった代わりに、毒臭が蔓延……
「今のは短時間用ですから、就寝の頃には切れます。穏やかに眠りたいのであれば、こちらの青を追加で、短時間は赤の瓶をお飲み下さい」
「ありがとうございます」
寝室のコンソールの上に置いておきますからねって。私も若い頃はよく飲みましたねえって。妻は発情期が多く、大変でしたと笑う。
「え!人により違うのですか!」
「ええ。年に数度の方もいれば、月一の方も。アンの方の体質でしょうなあ」
「僕は……」
アンが発情しなければノルンは反応せず、発情もしません。ですので奥様の体質にかかっております。母上様に似る方が多いので、お聞きになるとよろしいかと。
「ありがとうございます。聞いてみます!」
「では、また夕食で。失礼いたします」
ギオーク様が部屋を後にすると、クオールとミレーユが入って来た。
「あっ毒臭……薬が切れたのですね」
「お前ら毒臭とか……やめろよ飲みたくなくなるだろ」
「失礼しました。リシャール様が毒毒言うので移りました」
「ごめんなさい」
でも毒と言われても差し支えないくらい、この薬臭いですし不味いですよねと、ふたりもウンウン。お口直しにお茶を淹れましょうと出してくれた。
「これ……なに?」
「紅茶です。宮中で飲まれているのはハーブティですね。これが本当のお茶の葉だそうです」
輸入量が少なく、この地でしか飲まれていないものですよって。美味しい。レモンやミルクとの相性もよく、冷たくしても美味しいですよって。我が国でもお茶の木を育てれば作れそうなのに、民に人気がでず、輸入に頼っているそうだ。そうね、売れなきゃ作らんか。
「お土産屋さんとかに売ってるかな」
「たぶん。でも高いと思います」
僕はサッと横を向いて見上げた。
「ロベール様、少し買ってもよろしいですか?」
「ああ、好きなだけ持ち帰ればいい。気に入ったなら城に卸させればいいさ」
言ってなかったが、お前の生活費として資金はある。そこから買えばいいと。
「え!僕あんまり働かないから少しだよね……どうしよう。どれだけ買えるかな」
三人はブブッと吹き出した。妃殿下の予算は潤沢です。紅茶くらいいくらでも買えますよって。そうなの?
「ああ、俺たちはいずれ東の城を任される。父上の弟ウィリアム様が退位すればそうなる。だから王とほとんど変わらない予算が俺に、お前には王妃同等の予算が組まれているんだ」
「知らなかった……」
「うん。言ってないから」
これは教育では習わない。その時々で変わるんそう。俺ではなく弟が行くようなら、予算は削減する。王の補佐になるからなと。
「まあ、俺だろうけどね」
「へえ……」
お食事ですよとメイドさんが迎えに来たから、話は途中だけど食事に向かった。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。
柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。
頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。
誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。
さくっと読める短編です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした
エウラ
BL
どうしてこうなったのか。
僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。
なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい?
孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。
僕、頑張って大きくなって恩返しするからね!
天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。
突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。
不定期投稿です。
本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる