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五章 流れに身をまかす
7 父上にさらわれた
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「ここは……」
無理やり小部屋に連れ込まれて何度か繰り返し、ここで終わりって。
「俺たちの始祖の故郷だ」
「え?ってことはナロス王国ですか?」
「そうだ」
ナロス王国はサーマリク、モンタネールなど近隣の王国の始祖の国のだ。ここの内乱のせいで出奔した貴族や魔法使いが僕らの国を作ってね。出ろと父上に言われて出ると父上の商会の執務室のようだ。
「ナムリス様ごきげんよう。どうなされました?今日は来る予定……あっ!キャル様でしょう!はじめまして!私はルミエールと申します。うわあ、お会い出来て嬉しゅうございます」
「は、はい。こんにちは」
なんて……そっくりですね。噂以上にそっくりだと手を握りブンブンと振る。そこにいた者たちはそれを見て嬉しそうだ。
「ごめん飯がまだなんだ。ここの金くれ」
「ああはい。こちらをどうぞ」
父上が小さな革袋を受け取ると、僕は引きずられて商会を出た。
おお!なんて……サーマリクなんて小さく見えるほどの人、人、人!馬車に騎獣に……あれ?女性がいたのか!と僕が凝視してると、
「あの人たちはアンの男だ。ファッションで昔の女性の絵のドレスを真似て作って着てるんだ。こちらの流行りだな」
「へ、へえ……」
ライリーのような愛らしい風貌の者たちがドレスを着てフリルの日傘を差して歩いていた。あの頃にいた女性たちのマネして楽しんでるのか。庶民の金持ちの道楽だよって。
「女性が生きているのかと……」
「いるわけないだろ。千年以上見かけたことはないよ」
「ですよね」
女性しか罹らない病が流行って全滅……ここもなのか。一瞬嬉しかったんだけど、残念。
千年以上前は「ノルン」と「アン」の男性と女性がいたんだよね。「アン」はとても少なく、特殊な男だったんだ。ある意味嫌われてもいた性別の人たちでね。今はないけど「繁殖期」があって、誘淫の匂いを撒き散らして周りの人を困らせたからだ。今ではノルンと同じくらいで迷惑なんてないけどね。
あたり一面に広がる匂いでノルンの男どもは狂ってね。殆どの子はその時期は香り抑制の魔石を首から下げてたり、薬湯を飲んでるのが普通。たまに予期せず外で発情して、おかしくなった男どもに犯されて亡くなるなんてこともあったそうだ。
だけど、嫌われてる性別の子だからと、誰も可哀想とは思わなかったし、親すらね。そんな悲しい歴史もアンの性別にはある。僕は道行くドレスの人たちを見て、そんなことを思い出していた。
父上は、ここが美味いんだと近くのレストランに僕を連れ込み食事。この国の山にいるイノピーとか言う豚に似た動物のお肉で、甘みがあって野生の臭みもなくて美味しかった。食事が終わりふと、何も持って来てないどころか側近も全部置いて来たことを思い出した。
「こちらで全部用意しているから大丈夫だ」
「はあ……ありがとう存じます」
レストランからブラブラ街を見ながら商会に戻ると、ふたりメイドのような男の子たちが現れて、滞在中お世話係のジャンとミレルですって。
「ああ、お願いね」
「はい!キャル様すてきですね!ね?ジャン!」
「ああ、旦那様の若い頃はこんなだったろうなあって美男です!」
「ありがとう…?」
ふたりに案内されて商会の裏口から外に……なんだこのでかい屋敷。街中に……つい口をついた。
「俺の仕事用の屋敷かな」
「へえ……」
「こっちに来た時に滞在するためのものだ。ここ来るまでに何度か魔法陣通ったろ?」
「はい」
「直は遠すぎるんだよ。直通は魔力使いすぎるんだ」
「ふーん」
なんて聞きながら屋敷に到着。下働きの者からメイドまでが忙しく動き回っていた。急に来るとか言うから迷惑かけてしまったようだね……ごめん。
「ここは仕事が主な屋敷で、メイドと下働きのみ。側仕えはいない」
「はい」
客間に行くとお茶やお菓子がすでに用意されていた。
「キャル様どうぞ。こちらの果物カキと梨です、今が旬で美味しいですよ」
「ありがとう」
うちでは見たことない果物やお菓子が並ぶ。
「お前おかしいから、環境が変われば気持ちも変わるかと思って連れて来たんだ。ここ来たことあるか?」
「ある訳ないですよ。僕の頃は既にサーマリクすら制限がで始めてたんですから」
「そっか」
僕はここに来てほとんど「はあ」「はい」「へえ」とか相づちしか打っていなかった。
「ヘラルドに全部任せてきたからあちらの心配はいらない。なにかあれは連絡がすぐ来るようにはしてある」
「分かりました」
さて風呂入ろうと言われた。え?
「親子で入ろう?」
「はあ……」
なんか分からんがお風呂へ。まだ日が落ち切ってませんが?まあいいや。ジャンたちに案内されて脱衣所で脱がされれて扉を開くと、
「うわあ……露天風呂ですか」
「いいだろ?魔法で外の音は遮断してる」
彼らに体を流してもらって浴槽に浸かる。
「気持ちいいですね」
「だろ?この国はどこ掘っても温泉出るんだ。ただ冷たいから沸かしてるけど」
「へえ……」
かけ流しのトラの首に魔石が嵌めてあるリングあった。あれが温めているだそう。僕は水の流れる音を聞きながら目を閉じた。こうなったら流れに任すしかない。
「右腕上げてくれ」
「え?」
なんのことだと目を開けて腕を上げた。なんでそんなに嬉しそうなの?
「赤ちゃんの頃のアザが残ってる」
「ああそうですね」
僕の右の脇の下には親指くらいの赤いアザがあるんだ。そこからなぜか体を念入りに撫で回されて……
「なんですか?」
「いや、よく似てるなと思ってさ。筋肉の付き方とかな。立ってみろ」
「はい」
並んで比べると確かに体格もそっくり。背丈もほとんど変わらないからね。ただ僕は最近忙しくて鍛えてないから……僕の方が少し細いか。この歳でこの体、ムカつく。
「うわあ……ナムリス様がふたりいるみたいですね」
「だろう?私の息子はかっこいいだろ?」
「ええ!髪の色の違いだけですね」
そう、僕はブラウンで金髪では生まれなかった。ここは母に似たからね。目の色は同じかな。
「ありがとう」
「いいえ」
後は特に会話もなく浸かって体洗ってもらって。
「あの、抜きますか?」
「お願い」
理由なく勃って困るからお願いした。なんで勃つんだよ。
「若いな」
「ゔっ…父上もでしょう」
「ふふっ息子と楽しいなあって思ったからだ」
なんてこんな時に勃つんだよ……あうっ!人の手の方が早いな。あーなんか気分が温泉でちょっと上がったのにちんこのせいで下がった。
それから食堂で夕食を取り、サロンでお酒を飲もうって移動。ジャンたちは支度すると下がりふたりだけ。サロンはこちらふうで華やかだ。明るい基調の調度品ばかりでね。
「珍しいか」
キョロキョロしてたら父上がボソッと。
「ええ、ずいぶん明るい色ばかりだなあと思いまして」
「うむ。こちらは今はまだ暖かいがこちらより冬が長い。雪は少ないが寒さは厳しくてな」
「へえ……」
だから暖色系を好むんだそう。この地方の春の訪れの花がこの国の王家の家紋にもあしらわれているくらい暖かさは貴重なんだよって。
「暖かさはこの国の人にとって楽しい季節なんだ」
「ふーん」
ワインは美味しかった。甘みのある……以前父上の屋敷に行った時に飲んだものに似ているな。
「ワインはお前のために甘めのを用意した。シードルもあるぞ」
「ありがとう存じます」
チーズやナッツとかボリボリ。父上はあまり話しかけては来ない。商会の書類を眺めてサインしたりね。来たついでだから仕事もするそうだ。
「うちは移動に時間がかからないのが利点なんだが、時間が掛かるところはついでも大事だ」
「ええ」
あの装置はすごいと思う。魔力多めの国はサーマリクに教わって自前で作り、国交のある国に商売しに出掛ける。この技術はサーマリクが開発したらしいんだけど、惜しげもなく公開しているんだ。こちらも使えるからって。
「お前の国だけが鎖国状態なだけだ」
「そうですね……」
サーマリクともその他ともほとんど付き合いはなくなっている。それをまずサーマリクからと始めて国は一気に変わった。たった数年でね。外の風は強く激しく国中に吹き荒れた。
「うちの国からもお前の領地以外に出店をし始めたんだ」
「ええ、聞いています」
安く品質のいいものが大量に流れて来て、不正で上乗せしている店には人が行かなくなってしまったんだ。そりゃあ初めの頃は商人に不正を持ちかけたらしいんだけど、ナムリス公爵が始めた流れは当然知ってる。だから彼らは言うこと聞かないし、儲けたい領主は「領民の揉め事は自分たちで」って放置。
だから既存の賄賂大好きなお店は開店休業状態に追い込まれた。そして彼らは諦めて正規の金額にした。
これなら何年もかからず、ナロスやサーマリクのような国ようなになるかもしれないと期待してしまう。そんな話に、
「お前が見本を見せたからだな」
「違いますよ。民が不正は得にならないと気がついただけです」
「きっかけはお前だ」
「まあそうかもですが」
王族の寵愛を受けてる領地の面目躍如だろう?って。
「そうですね。特区にしてもらった分は少しお返し出来たかと思います。王家も物流と人の流れを変えたという実績で、力を取り戻しつつあります。コンラッド様が王になればもっと加速するでしょうね」
「だろうな」
若い世代が正常化に向けて頑張ればいい。お前の味方も、あの三貴族は役に立ってるか?って。
「ええ。私を取り立ててくれますね。だからやり易いのもあります。下級貴族と言えど一票は一票ですから」
「うん」
何の話してるんだよ。よく分からんとグビグビ。そして夜は更けていく。
無理やり小部屋に連れ込まれて何度か繰り返し、ここで終わりって。
「俺たちの始祖の故郷だ」
「え?ってことはナロス王国ですか?」
「そうだ」
ナロス王国はサーマリク、モンタネールなど近隣の王国の始祖の国のだ。ここの内乱のせいで出奔した貴族や魔法使いが僕らの国を作ってね。出ろと父上に言われて出ると父上の商会の執務室のようだ。
「ナムリス様ごきげんよう。どうなされました?今日は来る予定……あっ!キャル様でしょう!はじめまして!私はルミエールと申します。うわあ、お会い出来て嬉しゅうございます」
「は、はい。こんにちは」
なんて……そっくりですね。噂以上にそっくりだと手を握りブンブンと振る。そこにいた者たちはそれを見て嬉しそうだ。
「ごめん飯がまだなんだ。ここの金くれ」
「ああはい。こちらをどうぞ」
父上が小さな革袋を受け取ると、僕は引きずられて商会を出た。
おお!なんて……サーマリクなんて小さく見えるほどの人、人、人!馬車に騎獣に……あれ?女性がいたのか!と僕が凝視してると、
「あの人たちはアンの男だ。ファッションで昔の女性の絵のドレスを真似て作って着てるんだ。こちらの流行りだな」
「へ、へえ……」
ライリーのような愛らしい風貌の者たちがドレスを着てフリルの日傘を差して歩いていた。あの頃にいた女性たちのマネして楽しんでるのか。庶民の金持ちの道楽だよって。
「女性が生きているのかと……」
「いるわけないだろ。千年以上見かけたことはないよ」
「ですよね」
女性しか罹らない病が流行って全滅……ここもなのか。一瞬嬉しかったんだけど、残念。
千年以上前は「ノルン」と「アン」の男性と女性がいたんだよね。「アン」はとても少なく、特殊な男だったんだ。ある意味嫌われてもいた性別の人たちでね。今はないけど「繁殖期」があって、誘淫の匂いを撒き散らして周りの人を困らせたからだ。今ではノルンと同じくらいで迷惑なんてないけどね。
あたり一面に広がる匂いでノルンの男どもは狂ってね。殆どの子はその時期は香り抑制の魔石を首から下げてたり、薬湯を飲んでるのが普通。たまに予期せず外で発情して、おかしくなった男どもに犯されて亡くなるなんてこともあったそうだ。
だけど、嫌われてる性別の子だからと、誰も可哀想とは思わなかったし、親すらね。そんな悲しい歴史もアンの性別にはある。僕は道行くドレスの人たちを見て、そんなことを思い出していた。
父上は、ここが美味いんだと近くのレストランに僕を連れ込み食事。この国の山にいるイノピーとか言う豚に似た動物のお肉で、甘みがあって野生の臭みもなくて美味しかった。食事が終わりふと、何も持って来てないどころか側近も全部置いて来たことを思い出した。
「こちらで全部用意しているから大丈夫だ」
「はあ……ありがとう存じます」
レストランからブラブラ街を見ながら商会に戻ると、ふたりメイドのような男の子たちが現れて、滞在中お世話係のジャンとミレルですって。
「ああ、お願いね」
「はい!キャル様すてきですね!ね?ジャン!」
「ああ、旦那様の若い頃はこんなだったろうなあって美男です!」
「ありがとう…?」
ふたりに案内されて商会の裏口から外に……なんだこのでかい屋敷。街中に……つい口をついた。
「俺の仕事用の屋敷かな」
「へえ……」
「こっちに来た時に滞在するためのものだ。ここ来るまでに何度か魔法陣通ったろ?」
「はい」
「直は遠すぎるんだよ。直通は魔力使いすぎるんだ」
「ふーん」
なんて聞きながら屋敷に到着。下働きの者からメイドまでが忙しく動き回っていた。急に来るとか言うから迷惑かけてしまったようだね……ごめん。
「ここは仕事が主な屋敷で、メイドと下働きのみ。側仕えはいない」
「はい」
客間に行くとお茶やお菓子がすでに用意されていた。
「キャル様どうぞ。こちらの果物カキと梨です、今が旬で美味しいですよ」
「ありがとう」
うちでは見たことない果物やお菓子が並ぶ。
「お前おかしいから、環境が変われば気持ちも変わるかと思って連れて来たんだ。ここ来たことあるか?」
「ある訳ないですよ。僕の頃は既にサーマリクすら制限がで始めてたんですから」
「そっか」
僕はここに来てほとんど「はあ」「はい」「へえ」とか相づちしか打っていなかった。
「ヘラルドに全部任せてきたからあちらの心配はいらない。なにかあれは連絡がすぐ来るようにはしてある」
「分かりました」
さて風呂入ろうと言われた。え?
「親子で入ろう?」
「はあ……」
なんか分からんがお風呂へ。まだ日が落ち切ってませんが?まあいいや。ジャンたちに案内されて脱衣所で脱がされれて扉を開くと、
「うわあ……露天風呂ですか」
「いいだろ?魔法で外の音は遮断してる」
彼らに体を流してもらって浴槽に浸かる。
「気持ちいいですね」
「だろ?この国はどこ掘っても温泉出るんだ。ただ冷たいから沸かしてるけど」
「へえ……」
かけ流しのトラの首に魔石が嵌めてあるリングあった。あれが温めているだそう。僕は水の流れる音を聞きながら目を閉じた。こうなったら流れに任すしかない。
「右腕上げてくれ」
「え?」
なんのことだと目を開けて腕を上げた。なんでそんなに嬉しそうなの?
「赤ちゃんの頃のアザが残ってる」
「ああそうですね」
僕の右の脇の下には親指くらいの赤いアザがあるんだ。そこからなぜか体を念入りに撫で回されて……
「なんですか?」
「いや、よく似てるなと思ってさ。筋肉の付き方とかな。立ってみろ」
「はい」
並んで比べると確かに体格もそっくり。背丈もほとんど変わらないからね。ただ僕は最近忙しくて鍛えてないから……僕の方が少し細いか。この歳でこの体、ムカつく。
「うわあ……ナムリス様がふたりいるみたいですね」
「だろう?私の息子はかっこいいだろ?」
「ええ!髪の色の違いだけですね」
そう、僕はブラウンで金髪では生まれなかった。ここは母に似たからね。目の色は同じかな。
「ありがとう」
「いいえ」
後は特に会話もなく浸かって体洗ってもらって。
「あの、抜きますか?」
「お願い」
理由なく勃って困るからお願いした。なんで勃つんだよ。
「若いな」
「ゔっ…父上もでしょう」
「ふふっ息子と楽しいなあって思ったからだ」
なんてこんな時に勃つんだよ……あうっ!人の手の方が早いな。あーなんか気分が温泉でちょっと上がったのにちんこのせいで下がった。
それから食堂で夕食を取り、サロンでお酒を飲もうって移動。ジャンたちは支度すると下がりふたりだけ。サロンはこちらふうで華やかだ。明るい基調の調度品ばかりでね。
「珍しいか」
キョロキョロしてたら父上がボソッと。
「ええ、ずいぶん明るい色ばかりだなあと思いまして」
「うむ。こちらは今はまだ暖かいがこちらより冬が長い。雪は少ないが寒さは厳しくてな」
「へえ……」
だから暖色系を好むんだそう。この地方の春の訪れの花がこの国の王家の家紋にもあしらわれているくらい暖かさは貴重なんだよって。
「暖かさはこの国の人にとって楽しい季節なんだ」
「ふーん」
ワインは美味しかった。甘みのある……以前父上の屋敷に行った時に飲んだものに似ているな。
「ワインはお前のために甘めのを用意した。シードルもあるぞ」
「ありがとう存じます」
チーズやナッツとかボリボリ。父上はあまり話しかけては来ない。商会の書類を眺めてサインしたりね。来たついでだから仕事もするそうだ。
「うちは移動に時間がかからないのが利点なんだが、時間が掛かるところはついでも大事だ」
「ええ」
あの装置はすごいと思う。魔力多めの国はサーマリクに教わって自前で作り、国交のある国に商売しに出掛ける。この技術はサーマリクが開発したらしいんだけど、惜しげもなく公開しているんだ。こちらも使えるからって。
「お前の国だけが鎖国状態なだけだ」
「そうですね……」
サーマリクともその他ともほとんど付き合いはなくなっている。それをまずサーマリクからと始めて国は一気に変わった。たった数年でね。外の風は強く激しく国中に吹き荒れた。
「うちの国からもお前の領地以外に出店をし始めたんだ」
「ええ、聞いています」
安く品質のいいものが大量に流れて来て、不正で上乗せしている店には人が行かなくなってしまったんだ。そりゃあ初めの頃は商人に不正を持ちかけたらしいんだけど、ナムリス公爵が始めた流れは当然知ってる。だから彼らは言うこと聞かないし、儲けたい領主は「領民の揉め事は自分たちで」って放置。
だから既存の賄賂大好きなお店は開店休業状態に追い込まれた。そして彼らは諦めて正規の金額にした。
これなら何年もかからず、ナロスやサーマリクのような国ようなになるかもしれないと期待してしまう。そんな話に、
「お前が見本を見せたからだな」
「違いますよ。民が不正は得にならないと気がついただけです」
「きっかけはお前だ」
「まあそうかもですが」
王族の寵愛を受けてる領地の面目躍如だろう?って。
「そうですね。特区にしてもらった分は少しお返し出来たかと思います。王家も物流と人の流れを変えたという実績で、力を取り戻しつつあります。コンラッド様が王になればもっと加速するでしょうね」
「だろうな」
若い世代が正常化に向けて頑張ればいい。お前の味方も、あの三貴族は役に立ってるか?って。
「ええ。私を取り立ててくれますね。だからやり易いのもあります。下級貴族と言えど一票は一票ですから」
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