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四章 僕がこの地の領主なんだ
11 不満はくすぶる
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ヘラルドと騎獣服に着替え、護衛の待つ中庭に向かった。今日は「ミジャン」の街に行く。ここは屋敷のある城下町に接していない街で、マヌル川沿いだ。水に恵まれている薬草の種類の多い豊かな地だ。
「おお……農地はいい感じ」
「ええ、一年前とは大違いですね」
上から農地を見渡すと良く育っていて、緑の色すら違うように感じた。遠くに農夫を見つけてそこに向かって降りて行った。
「どうだ、よく育ってるか?」
せっせと雑草取りをしている農夫に僕は声をかけると彼は顔を上げた。
「へ?あ!キャル様ごきげんよう。ええ育ちはいいですね。以前と土地の力が違いますよ。肥料の量も少なくて今まで以上に育って、なおかつ高品質ですから」
嬉しそうな農夫。肌艶もよくきちんと食事が取れているのが伺えて安心した。
「そうか。困ったことはないか?」
「うーん……特には。読み書きも教わって、店でも衛兵の方が見回ってくれてるから、ぼったくられるようなこともほとんどないですし」
この農夫は奴隷の時とは違い、きちんとした靴、シャツにズボン。土で汚れてはいるが、着古してボロボロな物じゃない。きちんと薬草が買い取りがされている証拠だね。
「何か気がついたことでもいい、あるか?」
畑とは関係ないんですがと前置きして、彼は話し出した。
「……無くはないです。元奴隷と蔑まれることはありますから。嫌がらせを受けることも。ですが気にしないようにしてます」
以前に比べれば天国ですからねって。食事も三食食べられるし、雨風がしのげる立派な家もある。薬草も買い叩かれたりせずにきちんと売れるからと。
「ですが、俺たち農民の開放者より商人のところのやつらの方がきついんじゃないですかね」
「なぜだ?」
彼の話によると、やはり賃金を払ってるんだからとキツい仕事を押し付けられたり、家も住み込みのため、元々領民の従業員の当たりは厳しいらしい。
「外に出ると家賃かかるから耐えてるのか」
「ええ。家族がある者は外に出てますが、ひとり者は家族に仕送りとかしてたりでですね」
「そうか」
彼は苦笑いしながら、意識の変化は難しいですねって。俺たちも未だに怒鳴られたりすると萎縮するし、奴隷根性は簡単に抜けませんから、あちらにしても同じでしょうって。
「もう少し上手く出来ればいいんだが」
「いいえ!キャル様には感謝しています!こんなことは以前に比べれば屁でもないです!ありがたく思ってますから!」
「そうか。なんかあったら言ってくれ」
彼に労いの言葉を掛けて僕らは空に舞う。この畑の様子は美しくはあるが、やはりか。
「キャル様、やはり問題はこの部分ですね」
「うん。商人や町人か」
そのまま空を駆けて街で視察。
店の者たちの中にやせ細ったりはしていないが、荷物の積み下ろしなどの者に疲れ果ててる感じの者が目立つ。この職の者は多少荒くれが多いが、程度ってものはあるはずだ。
「ねえ君、店主はいるかな?」
店先にちょうど出てきた者に声をかけた。
「はい!あっキャル様、ごきげんよう」
「うん。繁盛してる?」
「ええ、それはもう。呼んできますね!」
少しすると体格のいいいかにも問屋の主って感じの男が笑顔で出てきた。
「キャル様!ようこそ視察ですか?」
「ああ、色々見て回ってるんだ。でさ、カールの店はきちんとしてるのは知ってるんだけど、よそはどう?正直なところさ」
あーっと頭を掻いて困った感じになった。告げ口になるからあんまり言いたくはないけどって。
「俺はこの改革は良かったと思ってる口なんであれですが、全員がそう思ってる訳ではないのはキャル樣、分かってますよね?」
「ああ、それはな」
彼はふうと息を吐いて腰に手を当てた。
「そういった店は賃金払ってるんだからと元奴隷にキツい仕事ばかりさせたり、仲間内で嫌がらせなんかも聞きますね」
「そうか……」
「食事させないとかはモロにバレますからそれはないのですが、具合が悪かろうと働かせたりも聞きますね」
賃金を払うことにより純利益が減ってるところもあるんですよ。今までが百なら九十になったりね。人減らしてるところもあります。その分仕事はキツくなったり。その不満はキャル様に向かってますよって。
「サーマリクや他の国も奴隷のいないところはこれが当たり前なんだよ。というか、以前はこの国もそうだったんだよ」
「あはは、それは習ってるから知ってますが、その頃を俺たちは知りませんからね。キャル様もでしょう」
「ああ、だがこれが当たり前と思わないか?」
俺が奴隷だったらと思えば、これはありがたいですね。うちは元々奴隷にも食事は与えてましたし、病気なら休ませていたから、賃金を払ってなかっただけ。買った金があるから、元を取るまではなかったそう。
「その後もたいして払ってなかったら、俺もこの改革で気がついたんですよ。彼らも同じ人なんだってね」
「そうか。お前は奴隷がどこから来ていたか知ってるか?」
「……ええ。俺は、奴隷以外の人はただついていただけだと思ってます」
ですが、この事実を知らない者もいますよ。だから酷い事も平然と出来るんです。自分の子が拐われた家の者さえと彼は奥歯を強く噛んだ。
「うちの身内にも何人か拐われた者がいます。その子がどこかでと始めて真剣に考えた時、胸が痛くなりました。俺がしてたことをされているんだと思うとね」
「そうだな……」
やはりこの部分の周知が必要と思う。自分の子がそんな目にあっていると思えば多少考えが変わるかもしれないな。
それから他の店も視察した。やはり後ろ暗いところはそれを隠そうとしたんだ。
「ねえ君はここで無理してない?」
「え?……あの…」
怯えて言葉が出てこないな。ここ辞めたら食べるのに困ると心配してるんだろう。
「辛く当たられてない?」
「あ……」
店主が睨むものだからなんにも話せないか。
「この子の態度とお前の態度で状況は分かった。どうする?優しい店主のところで働かない?」
「へ?そんな方いるのですか?」
「いるよ。きちんと賃金を払って大切にしてくれるところがさ」
店主はキャル様止めてくれ、人が足りなくなるだろって。
「なら大切にしろ!金払えば何してもいいなんてのは通らないんだよ。彼は奴隷じゃないんだ、買い取りでかかった金は補填してやっただろう。損はないはずだ!」
「え?補填とは……僕に借金があるわけじゃないの?」
え?僕が驚いていると店主が彼を殴った。
「余計なことを言うな!」
「いやあ!やめて!」
護衛が魔法の縄で店主を縛り上げた。
「なにをする!」
「お前が何しているんだよだ!ばかやろう!」
「俺のものに何してもいいだろ!うるせえんだよ!俺はこの改革が嫌だったんだ!売り上げは減るわ奴隷のくせに生意気に何なんだよ!」
そのまま言い返そうとしたが黙った。呼吸を整えて、
「なら出ていけ。僕の領民でいる必要はない」
「え?いや……あの…」
「嫌なんだろ?他ならまだ今までのようにやってるところもあるだろ?この改革の前に僕は言ったはずだ。嫌なら出ろと」
「うっ……」
「店は僕がいい値で買い取るよ」
「でも……」
このやり取りをみんな集まって見ている。元々僕が視察に来ると人は集まるんだよ。
「どうするんだ?」
「少し考えさせて……」
「今すぐ答えろ!」
黙って考えていたが、怒りで真っ赤になっていた。
「やってらんねえ!くれてやるよこんな店!早く金よこせ!」
「おう!今すぐ払ってやろう。ヘラルド見積もれ」
「え?あ、はい」
それから一時間。即店主を騎獣に乗せて屋敷に連れていき即金で支払った。
「今よりあの店に出入りを禁ずる。あれは僕の店だからな」
「え?服とか……」
「全ての査定だ。家族も店から追い出している。好きにしろ」
「え?それはいくらなんでも」
「お前が決めたことだ。知らん」
「うそだろ?」
文句が尽きなかったが衛兵に店の前まで送らせて終わり。従業員たちには説明してどうする?ここを作り変えて別の店にするけど、まだ働く?と聞いたら一部は辞めていった。奴隷と働くのは嫌だと。残ったものには少しここにいて新しくなるのを待てと指示して、サーマリクから店やりたいものはいないかと募集して来てもらい、宿屋と食堂に変身。
「あ!君あの時の!」
「キャル様!ごきげんよう」
「うん。どう?」
「快適ですよ。忙しいのは変わりませんが、いい店主でお休みまでくれます」
「そう!以前とは違う業態だけど慣れたようだね」
「ええ、以前は食堂だけでしたからね。宿屋付きで洗濯物とか大変そうと思ってたんですが、魔法すごいですね!」
「だろ?サーマリクの人はずこいんだ」
元奴隷の仲間も、元々の領民の人も良くしてくれて楽しく働いてますって嬉しそうだ。
「あの元のガゼル様はどうされたのでしょうか」
「あーわかんない。お金は渡したから好きにしてるでしょ。そんな心配はしないで楽しく頑張ってね」
「はい!」
この追い出しに他の店主も怯えてこの街ではずいぶん元奴隷の扱いが良くなった。そして我慢していた者は金くれって来るようにもなった。そしてゆっくりと落ち着いた街に変化していったんだ。
「おお……農地はいい感じ」
「ええ、一年前とは大違いですね」
上から農地を見渡すと良く育っていて、緑の色すら違うように感じた。遠くに農夫を見つけてそこに向かって降りて行った。
「どうだ、よく育ってるか?」
せっせと雑草取りをしている農夫に僕は声をかけると彼は顔を上げた。
「へ?あ!キャル様ごきげんよう。ええ育ちはいいですね。以前と土地の力が違いますよ。肥料の量も少なくて今まで以上に育って、なおかつ高品質ですから」
嬉しそうな農夫。肌艶もよくきちんと食事が取れているのが伺えて安心した。
「そうか。困ったことはないか?」
「うーん……特には。読み書きも教わって、店でも衛兵の方が見回ってくれてるから、ぼったくられるようなこともほとんどないですし」
この農夫は奴隷の時とは違い、きちんとした靴、シャツにズボン。土で汚れてはいるが、着古してボロボロな物じゃない。きちんと薬草が買い取りがされている証拠だね。
「何か気がついたことでもいい、あるか?」
畑とは関係ないんですがと前置きして、彼は話し出した。
「……無くはないです。元奴隷と蔑まれることはありますから。嫌がらせを受けることも。ですが気にしないようにしてます」
以前に比べれば天国ですからねって。食事も三食食べられるし、雨風がしのげる立派な家もある。薬草も買い叩かれたりせずにきちんと売れるからと。
「ですが、俺たち農民の開放者より商人のところのやつらの方がきついんじゃないですかね」
「なぜだ?」
彼の話によると、やはり賃金を払ってるんだからとキツい仕事を押し付けられたり、家も住み込みのため、元々領民の従業員の当たりは厳しいらしい。
「外に出ると家賃かかるから耐えてるのか」
「ええ。家族がある者は外に出てますが、ひとり者は家族に仕送りとかしてたりでですね」
「そうか」
彼は苦笑いしながら、意識の変化は難しいですねって。俺たちも未だに怒鳴られたりすると萎縮するし、奴隷根性は簡単に抜けませんから、あちらにしても同じでしょうって。
「もう少し上手く出来ればいいんだが」
「いいえ!キャル様には感謝しています!こんなことは以前に比べれば屁でもないです!ありがたく思ってますから!」
「そうか。なんかあったら言ってくれ」
彼に労いの言葉を掛けて僕らは空に舞う。この畑の様子は美しくはあるが、やはりか。
「キャル様、やはり問題はこの部分ですね」
「うん。商人や町人か」
そのまま空を駆けて街で視察。
店の者たちの中にやせ細ったりはしていないが、荷物の積み下ろしなどの者に疲れ果ててる感じの者が目立つ。この職の者は多少荒くれが多いが、程度ってものはあるはずだ。
「ねえ君、店主はいるかな?」
店先にちょうど出てきた者に声をかけた。
「はい!あっキャル様、ごきげんよう」
「うん。繁盛してる?」
「ええ、それはもう。呼んできますね!」
少しすると体格のいいいかにも問屋の主って感じの男が笑顔で出てきた。
「キャル様!ようこそ視察ですか?」
「ああ、色々見て回ってるんだ。でさ、カールの店はきちんとしてるのは知ってるんだけど、よそはどう?正直なところさ」
あーっと頭を掻いて困った感じになった。告げ口になるからあんまり言いたくはないけどって。
「俺はこの改革は良かったと思ってる口なんであれですが、全員がそう思ってる訳ではないのはキャル樣、分かってますよね?」
「ああ、それはな」
彼はふうと息を吐いて腰に手を当てた。
「そういった店は賃金払ってるんだからと元奴隷にキツい仕事ばかりさせたり、仲間内で嫌がらせなんかも聞きますね」
「そうか……」
「食事させないとかはモロにバレますからそれはないのですが、具合が悪かろうと働かせたりも聞きますね」
賃金を払うことにより純利益が減ってるところもあるんですよ。今までが百なら九十になったりね。人減らしてるところもあります。その分仕事はキツくなったり。その不満はキャル様に向かってますよって。
「サーマリクや他の国も奴隷のいないところはこれが当たり前なんだよ。というか、以前はこの国もそうだったんだよ」
「あはは、それは習ってるから知ってますが、その頃を俺たちは知りませんからね。キャル様もでしょう」
「ああ、だがこれが当たり前と思わないか?」
俺が奴隷だったらと思えば、これはありがたいですね。うちは元々奴隷にも食事は与えてましたし、病気なら休ませていたから、賃金を払ってなかっただけ。買った金があるから、元を取るまではなかったそう。
「その後もたいして払ってなかったら、俺もこの改革で気がついたんですよ。彼らも同じ人なんだってね」
「そうか。お前は奴隷がどこから来ていたか知ってるか?」
「……ええ。俺は、奴隷以外の人はただついていただけだと思ってます」
ですが、この事実を知らない者もいますよ。だから酷い事も平然と出来るんです。自分の子が拐われた家の者さえと彼は奥歯を強く噛んだ。
「うちの身内にも何人か拐われた者がいます。その子がどこかでと始めて真剣に考えた時、胸が痛くなりました。俺がしてたことをされているんだと思うとね」
「そうだな……」
やはりこの部分の周知が必要と思う。自分の子がそんな目にあっていると思えば多少考えが変わるかもしれないな。
それから他の店も視察した。やはり後ろ暗いところはそれを隠そうとしたんだ。
「ねえ君はここで無理してない?」
「え?……あの…」
怯えて言葉が出てこないな。ここ辞めたら食べるのに困ると心配してるんだろう。
「辛く当たられてない?」
「あ……」
店主が睨むものだからなんにも話せないか。
「この子の態度とお前の態度で状況は分かった。どうする?優しい店主のところで働かない?」
「へ?そんな方いるのですか?」
「いるよ。きちんと賃金を払って大切にしてくれるところがさ」
店主はキャル様止めてくれ、人が足りなくなるだろって。
「なら大切にしろ!金払えば何してもいいなんてのは通らないんだよ。彼は奴隷じゃないんだ、買い取りでかかった金は補填してやっただろう。損はないはずだ!」
「え?補填とは……僕に借金があるわけじゃないの?」
え?僕が驚いていると店主が彼を殴った。
「余計なことを言うな!」
「いやあ!やめて!」
護衛が魔法の縄で店主を縛り上げた。
「なにをする!」
「お前が何しているんだよだ!ばかやろう!」
「俺のものに何してもいいだろ!うるせえんだよ!俺はこの改革が嫌だったんだ!売り上げは減るわ奴隷のくせに生意気に何なんだよ!」
そのまま言い返そうとしたが黙った。呼吸を整えて、
「なら出ていけ。僕の領民でいる必要はない」
「え?いや……あの…」
「嫌なんだろ?他ならまだ今までのようにやってるところもあるだろ?この改革の前に僕は言ったはずだ。嫌なら出ろと」
「うっ……」
「店は僕がいい値で買い取るよ」
「でも……」
このやり取りをみんな集まって見ている。元々僕が視察に来ると人は集まるんだよ。
「どうするんだ?」
「少し考えさせて……」
「今すぐ答えろ!」
黙って考えていたが、怒りで真っ赤になっていた。
「やってらんねえ!くれてやるよこんな店!早く金よこせ!」
「おう!今すぐ払ってやろう。ヘラルド見積もれ」
「え?あ、はい」
それから一時間。即店主を騎獣に乗せて屋敷に連れていき即金で支払った。
「今よりあの店に出入りを禁ずる。あれは僕の店だからな」
「え?服とか……」
「全ての査定だ。家族も店から追い出している。好きにしろ」
「え?それはいくらなんでも」
「お前が決めたことだ。知らん」
「うそだろ?」
文句が尽きなかったが衛兵に店の前まで送らせて終わり。従業員たちには説明してどうする?ここを作り変えて別の店にするけど、まだ働く?と聞いたら一部は辞めていった。奴隷と働くのは嫌だと。残ったものには少しここにいて新しくなるのを待てと指示して、サーマリクから店やりたいものはいないかと募集して来てもらい、宿屋と食堂に変身。
「あ!君あの時の!」
「キャル様!ごきげんよう」
「うん。どう?」
「快適ですよ。忙しいのは変わりませんが、いい店主でお休みまでくれます」
「そう!以前とは違う業態だけど慣れたようだね」
「ええ、以前は食堂だけでしたからね。宿屋付きで洗濯物とか大変そうと思ってたんですが、魔法すごいですね!」
「だろ?サーマリクの人はずこいんだ」
元奴隷の仲間も、元々の領民の人も良くしてくれて楽しく働いてますって嬉しそうだ。
「あの元のガゼル様はどうされたのでしょうか」
「あーわかんない。お金は渡したから好きにしてるでしょ。そんな心配はしないで楽しく頑張ってね」
「はい!」
この追い出しに他の店主も怯えてこの街ではずいぶん元奴隷の扱いが良くなった。そして我慢していた者は金くれって来るようにもなった。そしてゆっくりと落ち着いた街に変化していったんだ。
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