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エピローグ クルトとアンジェのその後

2 ここまで来て仕事かよ!

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 お城に到着。でけえ!そして煌びやかだ。キルステンとかとはまた違う本当に塔の上が丸く金色。遠目からも見えたけどインドとも東欧かなとも思うようなお城だった。門番の衛兵はイギリスの騎馬兵?みたい。庭は馬鹿みたいにでかくて広い。

「こちらへ」

 アブドーラに着いてみんなで階段を上がり中に。くわーっ贅沢三昧の作りだ。白と金のヨーロッパの教会のよう。虎や獅子、鷹の彫刻、それに大きな絵画。足元は大理石。これ魔法じゃ出来ないんだ。運び込んだのを加工するから。木もなんでもそうなんだ。枠の白い石膏色の石だけが魔法で作られる。これをこの量を運び入れるとか……おお……経済力にめまいがする。

 カツンカツンと靴音を鳴らしながらこちらでお待ちをと客間に通された。そして勧められてソファに座ると、メイドさんがお茶を用意してくれる。クンクン。おうっ嗅いだことある香りコーヒー!

「うわー懐かしい香り」
「クルト知ってるのか?」

 テーブルに置かれる黒い液体。みんな不気味だと見てるけどね。

「うん。前世で飲んでた。僕は好きで毎日デスクに置いてたなあ」

 僕はミルクも砂糖もいらないと一口。ああ……同じ味だ。少し酸味のあるコクと苦みがいい。でも酸味は本当はいらない。ス◯バが好きだったから。

「不思議な味がしますが美味しい」
「うん」

 見た目がなんだかですが美味しいですねってみんなウンウンて。こちらもどうぞと砂糖菓子が出された。これは琥珀糖!砂糖を贅沢に使うお菓子だ。つか、砂糖の塊だよね。なんて裕福な国なんだろうとみんな食べながらすげぇと口から漏れた。

 お待たせしましたと扉が開いて……浅黒いアンジェ……ええ?あちらも驚いて動けず。アンジェもコーヒーの手がそのままで動けない。先にあちらが正気になった。

「ああ……すまない。自分がいるのかと。失礼した。私がユグドラシルの王、ヤコブ・アレクセイだ」

 アンジェもああと名乗り僕らも次々にあいさつ。王様は非公式だからまあ座れと言われて座り直した。

「ようこそユグドラシルへ。そちらの王ハルトムート様に書簡を頂き、うちの白と黒のの賢者が滞在するのでよろしくと」
「こちらこそ。王自らお目にかかれて恐悦至極でございます」

 まあ堅苦しいあいさつはいらぬ。そちらも旅行で来たのであろう?始祖の国が見たいとのことだそうだなって王様は笑う。そうなんだよ、ここに来る予定は入っておりませんです。はい。

「おい」
「ハッ」

 お付きの文官がススっと前に出て、親書が来たのはこれ幸いと……いえ…と少し慌てた。すると取り繕っても仕方あるまい。話せとヤコブ様。あれ?なんか変だぞ。みんなおかしいと感じたのか顔が引き締まった。

「こちらに来る時に世界樹をご覧になられたかと思います。それが枯れかけております」
「え?」

 そんな感じはしなかったよなあってみんな。実はここ数年葉が落ちて来たそうだ。理由は分かっていて、自分たちでは対処出来なかったそうだ。

「あの木はこの一帯の水源なのです。あの木があるからこの乾燥した場所でも暮らしていける」

 ほう。大昔の女王が植えて今にいたるそう。すげぇ!何千年もあのまんまか。

「あの樹の下には核になる大きな魔石があります。歴代の王が魔力を注ぎ維持してきました」

 ですがと王の言葉が止まった。なんだろ?王は苦々しい顔になり説明してた文官も目を伏せてどうしようかなって顔。

「我らは五百年前女王の血を復権させようと戦を仕掛け、この地を取り戻した。私はその頃の民の血を引く者」
「はあ……」

 この国を奪った王はユグドラシルの血を引く民を優先的に国に迎い入れ、この国を再建し今にいたったが、木の維持の仕方が途絶えた。

 あの樹はユグドラシルだけではなく、近隣の水源ともなっている。もう外周の国は井戸が枯れ始め、川も水が干上がったところもある。ここは中央だから見た目は変わらないが、川の水は減り続けて周りの砂漠が村に侵食を始めているそうだ。

「干ばつに見舞われて農作物に影響が出始めています。魔法で誤魔化してもここは乾燥地帯。水分は無からは湧き出しません」

 そうなんだよ。水魔法は空気中にある水分を集めて術にする。火はまた違うんだけど水はそうだと、僕はヘルテルに祝賀で行った時に気がついたんだ。乾燥地帯をなんとか出来ないかとヨルク様に言われてね。同じように術を発動したけど自国のようには水が出て来なかったんだ。それで気がついた。

「飢えるのも時間の問題で近隣で、助け合っていますがいつまで持つやら」

 この国がここまで栄えているのはこの大樹のおかげ。有り余る水の都なのですと。するとアンジェは我らになにをさせたいのだ?と険しい顔で問う。

「簡潔に申しますとあなた方の魔力を欲しております。我らは女王の民の力が弱く、魔石は我らの魔力を受け付けません。相当血が薄まってしまっているのですよ」
「ああ。なるほど」

 王は書簡のやり取りを僕らが来る前から何度かしていたそう。そこで恥を忍んでそちらの王族や民はどの時代にそちらに行ったのかと聞いたら、女王が討たれてすぐと言う。それに……と僕をジーッと見つめた。え?

「あなたは女王の白の賢者の末裔とお聞きしました。あなたならばきっと。当然皆さんも受け入れられるはずです」

 いやぁってラムジーとギーは困り顔。俺たちはもっと後の時代の国ですから無理かなあって。この四人だけでしょうと。ゔっ……クラネストに押し付ける気だな?

「魔力の報酬もお出ししますし、城に滞在して下さって問題ありません。国賓としてもてなしますからどうかお力をお貸し下さいませんか」

 アンジェはゲンナリって顔を隠さなかった。俺はやっと大臣を子に引き継ぎ、念願の愛妻と旅行に来たのに仕事とか……なんでだよって。うん、その通りだけどね。でもさ、困ってる人は助けようよって僕は声を掛けた。

「しないとは言ってない。お前がこういうことをみて見ぬふり出来ないのも承知。俺の気持ちの問題だ」
「ありがとうアンジェ」
「うん」

 よかったと王と文官、いつの間にかいた宰相ハロルド様は胸を撫で下ろしている。

「我らも葉が落ち初めて気がついたことなのです。我らはこの地を離れていた時間が長すぎて記録も焼失。ここを奪った王は全てを焼き払い、以前の王族、それに関わる物全てを無にした」
「してはならぬ物まで全てでした」

 王と宰相様は眉間にシワで苦悶の表情だ。ですが、最初の王は女王の民でもない者がここを支配していたことが許せず、その記録すら憎くかったのでしょうと王。

 あーあと僕らも呆れてしまった。その滅亡させるやり方は大切な物までなくすんだ。憎くても記録は残すべきだと我らの地域は書物などは残す。だからシュタルクの記録はゼェメは処分せず残している。その地の記録だからね。

「ですから平定後から近隣の王国より資料をお借りして補完したが、この大樹の維持の記録はなかった。王族の秘密となっていたようですね」
「そうですか」

 以前の王は水で近隣を支配していたようですと宰相様。ですが、コントロールなど出来るものではなかったそうだ。この大樹の範囲が女王の支配地域だったから。どこどこだけ水源を切るなと出来ないんですよって。
 解決策も遠い国、女王の国あたりの小さな村みたいな国で見つけたそうだ。ユグドラシルが出来て安定してから、やはり生まれ育った国が捨てきれないと戻った者たちの、王都しかない小さな国でね。

「あの……いつからお願い出来ますでしょうか?」
「ああ、そちらが整い次第で結構ですよ。ひと月は滞在予定で来てますから」
「そうですか!でしたら荷物もこちらに移動させますし部屋を。おい!」

 壁際にいた文官に指示を出すと素早く消えた。宰相様はすぐにお持ちしますからねとニコニコ。では、夕食を共にいたしましょう。メイドに客間に案内させます。ホラホラお前たち動きなさいって。楽しそうに指示を出している。

「ではまた夕食でお会いしましょう」
「ええ」

 そう言い残し王と宰相のお二人は気分良さげに部屋を後にした。僕らはお泊り用の客間に移動。僕らは夫婦だから一緒で、後はバラバラ。

「いえ!私たちは側仕えです!ふたりでいいです!」
「いいのですか?アンとノルンが同じ部屋は……」
「あ……ですね。では別々で」

 なんかローベルトたちは揉めてたけど、そう言えばそうねと。屋敷では気にしてなくてついとふたりだったなと苦笑い。この旅の間もふたりでいいって普通に同じ部屋でね。ギーとラムジーもふたりでいいって。まあこちらはノルン同士だからまあ。間違いが起きるような年齢でもないしベッドはいつもふたつあったからなあって。

「お荷物をお持ちしました。後ワイバーンも連れてきました。猫の厩舎で預かってます」
「ああ、ありがとう」

 メイドさんたちが竜が怖かったとボソリ。猫の方がいいとヒソヒソ。あれ目がギョロリとして怖いよねって。硬いし甲冑の鞍がいかつすぎとかね。この国は大らかなのかメイドさんは私語が多かった。

「アンジェ猫欲しい!」
「ああ?無理だろ?」

 荷物を運び入れていたメイドさんのひとりが、調教されている猫が近くで売ってますよって。

「アンジェ!」
「一代限りになるだろ。それにワイバーンがいるしあれもかわいいだろ」
「そっか……慣れればかわいい……ね」

 諦めきれなくて、ちなみに猫の寿命は?と聞くと五十年くらいで稼働は四十年くらい。後は牧場で飼うとかペットかな?でも退役後は基本食べる。最後まで飼うことはありません。味は柔らかい牛みたいですよって。

「アンジェ!僕専用で!」
「ええ……マジか」

 ならば私がワイバーンに乗って帰りますよってギーが言ってくれた。よし!

「アンジェ~欲しいぃ~ねえ~高かったら諦めるから」
「たぶん王様に言えばくれますよ」

 メイドさんナイス!アンジェは嫌そうに目を閉じた。

「お前が乗ってれば欲しがる人が出る。ここまで買い付けに来るのか……はあ……」
「あ、そっか……」

 初めにたくさん買えば後は勝手に繁殖しますよ。年に二~三匹産みますし、こちらで騎士団や牧場の調教師に聞けば飼い方も教えてくれます。獣魔士がいれば強制出来るから楽ですよって。
 あれは魔獣ではなく大型の猫。獅子ではないので扱いも楽。かわいいしよく懐くそうだ。年取って仕事に使えなくなっても食べれば美味いから牛の代わりにもなる。無駄のない生き物だそう。俄然欲しい。アンジェ~と説明を聞きながらガン見していた。

「最初にここまで来る費用が掛かりますが、その後は楽です。番で五組も買えば楽勝です」
「ほほう。アンジェ~」

 む~んと悩みキスしてって。あ?まあいいとチュッ

「お前が管理して事業化しろ。リーンハルトたちは手一杯だからな。ちゃんと収益化してから引き継げよ」
「やったありがとう!僕ひまだから頑張る!」

 そう、アンジェは退官はしたけど魔法省の相談役となっている。三子のエミールはクヌート様の子、副大臣と頑張ってるけど、まあ若いから討伐の編成とか上手く行かなくてねえ。騎士団から苦情が来たりでそれの指導をしてるんだ。まあ時々だけどね。

「俺も手伝うけど主体はお前だ。お前が欲しがったんだからな。ヴィルフラムにもキチンと伝えろよ」
「うん!」

 猫!僕大好きなんだ。この世界には猫いるらしいけど、うちの近くは魔獣だったんだ。飼えるのは従魔士くらい。残念だったんだ。やっほー!

 そんな楽しい気分で夕食会に出席。明日の午後からお願いと言われた。遊びに来てるなら早く終わらせる方が良かろうと。それは当然。まだなにもこの国堪能してないもん。

「ではまた明日よろしく」
「ええ。こちらこそよろしくお願いします」

 和やかに夕食会は終わり、アンジェといたして楽しみ就寝。僕は仕事の後の猫で頭いっぱいだった。明日のことなどそっちのけで、お腹もふもふだよねとか、そんなことばかり考えていた




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