ゆるゆる王様生活〜双子の溺愛でおかしくなりそう〜

琴音

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四章 イアサント共和国 筆頭国イアサント王国

22.戦後処理面倒くせぇ

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 まあなんだ、毎日疲れた。セレスタン様の所から帰ってきても変化はなく、午前は執務、午後は貴族の怒号で数日過ぎた。あれほど人とは欲を全面に出せるものなのかと軽く目眩がした。僕は本当の意味で貴族を、人の業を知らな過ぎたと思う。

「でもなんとかなったよな」
「うん……領地の範囲まで変えることになるとは思わなかったけどね」

 結局ドナシアン王国が決めていた領地配分では上手く行かず、全部緑地線を引き直したんだ。エアハルトにあの当時の領地の主な収入源と、人の流れを再確認してね。なら仕方ねえと言わせた。面倒くさかったシクシク。

「だけど、領地の大小で納得させたんだからよしとしようぜ。これから人の大移動が始まるんだ。あちらもこちらも手薄になるから頑張らないとな」
「うん、ベトナージュの戦士もどうにか返せたし」
「あ~あ……あちらの貴族にも種付け行脚が始まるな」

 そう、お金は要らないから種をという取り引きだったんだ。戦死者の保障もいらない、滞在中の実費のみでいいと言われた。なぜならあちらの戦士の層は厚く、二万なんてちょびっとだったそうだ。でも戦死者の家の種付けは優先でとね。あはは……考えるのはやめよう。

「アンセルムたちはいつから行くの?」
「すでに先行隊は行ってます。貴族街、城下町は整いつつありますし、城もセレスタン様仕様に変更しています。ですが数年、子供が成長するまでしかやらぬと言われてますので、私室棟のみでよいと改修はそこまでです」
「そうなのか」

 くそっ……あのジジィもといセレスタン様は代理の王だから遊んで暮らす、いるだけだと宣言してたしね。独り言が聞こえたジュスランは、まあなんだ悪い人ではないよと。

「セレスタン叔父上は頑固で、でも誠実な方だ。父上の弟とは思えないくらいな」
「そうだぞ?俺たちも苦手ではあるけど間違ったことも言わないし、指示も的確。言い方が威圧的なだけだ」

 ステファヌもなんだかんだ文句言いながら、子供たちの誰かが王になる数年は頑張ってくれるさと。

「ならいいけどね」
「そこは俺たちも信頼しているところだよ」
「ふ~ん、でも優しい方なのは確かだと思う」
「ああ、コランタンもあんなに愛されて大変だろうな」

 朝の執務室で書類にサクサクサインして、読んで……おお?恐ろしくお金が消えるね?

「仕方ねえだろ?あちらの国庫を調べたらマジで何もなかったんだから」
「あれは驚いたよね。戦に全振りしてて生活するギリギリとは」

 二人もあそこまでアベラルドがバカだとは思わなかった。ある意味関心すると笑う。ほらこれも見ろと書類を寄こした。

「うん。おお?貴族にお給料払ってなかった?」
「そう!戦でイアサント取ったら払うね!うふっだってさ」
「よくもまあ、みんな我慢したもんだ」
「まあなあ、長年だから洗脳済みなんだろうよ」

 賄賂当たり前の国だったからそれでなんとかしろって意味もあるんだろと、アンセルムも苦笑い。

「エアハルトも副団長だったけどあちらの給料だけではカツカツの生活だったし、たまに不払いでこちらの給料なかったら、戦来る前に死ぬなって時期もあったそうだ」
「あはは……これだけ苦しいとおかしくなるのも分かる気はするね」
「だよなあ」

 書類の内容を読めば読むほど、人の心が失われて行くのは必然かと思わざるを得ない。私利私欲に走らなければ自分が立ち行かないような……それが状態化した国かあ。ペラペラと書類をめくりながら、イヤだねえとしか感想が出てこない。。

「そういやさ、逃げた連中は戻すのか?」

 不意にステファヌが聞いてきた。

「はあ?しないよ。気の毒だとは思うけど、あの荒い気性は昨日今日のものじゃない。なんでうちの貴族にかわいそうな事をしなくちゃならないんだよ」

 んふふっと二人は微笑んだ。なに?

「いやな……以前のお前なら戻して農家にでもすればいいでしょ?なんて言うかなと思ったんだけどな」
「言わないよ。僕の子供がこれから治めるんだよ?それに僕はここの貴族が嫌いじゃないんだ。今回揉めてさ、結局一人ひとりと話す事になったでしょ?話しを聞いたら家が大切で喚いてただけだし」
「ああそうだ。イアサントを慕ってついて来た騎士や戦士の家系だからな。あいつらの家もさ」

 そう。だからいくら政治の腐敗が起ころうがドナシアンの様にはならなかった。国に困った事が起きればイアサントに忠誠を!と立ち上がる……未だに続くイアサントの威光に畏怖の念を感じるよね。でも、オーブのイアサントはそんなふうには見えはしない優しい先祖だ。

「叔父上の所に行くのは明後日かあ」
「うん。ほれ、僕の所に来ている文句たらたらを美しい言葉で飾った召喚命令だよ」

 僕は彼からの手紙を二人に渡した。

「あはは、きれいな文章でこれだけ文句言えるのは叔父上ならではだな。ステファヌも読めよ」
「ああ」

 ふ~んと苦笑い。

「褒めながらボロくそだな」
「でしょう?忙しいのは分かるが頼んだのはお前らだろ、見送りに来いってさ。それにあちらにも定期的に行くことになるだろうね」
「そうだなあ、三人ではムリだが行くしかないな」

 誰かその時動ける者が行くしかない。お願いしている分ご機嫌伺いは大切しね。それにドナシアンが落ち着けば周りの国も安定するだろうし、大使館経由で行けるだろう。

 そうそう!ドナシアンまでの間の国にも大使館を置くことになったんだ。当然あちらの国の人もこちらに設置する。対岸に渡っただけなのに全然文化も獣人の国。王族の純血種がみんな猫とか熊とかだそうでお召もない!そしてみんなの話しを聞くと王はみんなファンダル様みたいで穏やかだそうだ。

 大使館が出来て落ち着いたらドナシアンに行く最初の時に合わせてご挨拶に伺う予定。それはとても楽しみにしている。純粋に訪問だから楽しみすぎる!

「何ニヤニヤしてんだよ」
「ん~?ドナシアンに行く途中の国に僕は行ってないから楽しみだなあって思ってさ」
「ああ、そうだなあ。俺らはカルデロン王国はお前の名代で行ったな。猫族可愛かったよ」
「でしょうとも!アデルがいっぱいとか……うふふ」

 まあ、叔父上訪問は楽しいばかりじゃないだろうから楽しみはあった方がいいわなと、ジュスランは書類を読みながら言う。ステファヌもまだ先だからニヤニヤしないで働け言われ渋々頑張った。

 はあ……机に山のように積まれた書類はいくらやっても追加はいくらでもやって来て減りはしなかった。いやああ!!





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