ゆるゆる王様生活〜双子の溺愛でおかしくなりそう〜

琴音

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四章 イアサント共和国 筆頭国イアサント王国

8.イアサントの癒し

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 よく来たなとイアサントとあれ?アデラールは?

「アデラール様はどこに?」
「ん?気にするな」
「いや、気になるでしょうよ」

 面倒くせえなあという顔を隠しもせず、

「はあ……少し席を外してもらっただけだ。後でくるから心配いらないさ。今な、オーブの中を開拓中なんだ。記憶にある景色を構築中でどこまでいじれるのか遊んでるんだ」

 何してんだかな。でも一人の時は意識がうつらうつらしてて、時間感覚もおぼろで寂しかったって言ってたから楽しいならいいのかな。

「お前を呼んだのは俺の記憶を見せようかと思ってさ。俺はこんなふうに育って戦を乗り越えて爺さんになって死んだんだとね」
「なんで?」

 訳わからなくて不思議そうにしてしまった。

「お前は王族として育ってないだろ?だから陰謀渦巻く世界を知らない。それが心のバランスを崩してるのかなと思ってさ」
「はあ」

 戦の血生臭い世界はな、人の心の醜い欲や闇が前提にあって起こるものなんだ。人の嫌な部分を知れば理解が出来て、立ち向かえるんじゃないかなって俺たちは考えたんだ。嫌でも避けられないと予測は付くからなと優しく説明してくれる。

 確かに僕は王族の権力争いなんかで感じる感情を知らない。それは負い目の部分だ。双子に話しを聞いても実感としては感じられなくてどうしても……

「それをお前に教えるのはジュスランたちが嫌がるから言わなかった。醜さを知らない純粋さを愛しているのを見ていて感じたからな」
「ええ、それは僕も感じていました。だけどそれは負い目でしかないんです」

 だろ?だから少し俺になった気分で見てみろと微笑む。それで何かが解決するならいいのかな?どうなんだろう。う~ん……お尻がすうすうする。え?

「してなかったか……硬いな」
「アッあん……やめて……」
「俺と繋がらないと見せられないんだよ。魂を分離する時と同じでな。俺は他のやり方知らんから」

 ベッドに放り込まれてグチュグチュとうぅん……こんなにされてるのにちんこが勃たないよぉ……

「本当に不能になってるんだな」
「だから本当にや……あう……」
「ここは気持ちいいか?」
「ああ……気持ちいい……けどなんだろ?前より気持ちよくはないかな?」
「感覚も鈍るのか……したい気持ちは?」
「あんまり……」

 ちんこもニギニギして勃たないなと。まあ尻はこんなもんかと抱かれて座位にされ、入れるぞとイアサントのが!ずぷずぷと入ってくる。んああぁ……それなりに気持ちいいかな?俺の記憶を見て来い。その声で意識は薄れ、目の前に見たことのない怖そうなおっさん?だれ?

「イアサントなんだ、まだなにかあるのか」
「いえ……ありません」
「フン相変わらず可愛げのない。下がれ」
「はい、父上」

 一礼して自室に向かった。久しぶりに学園から帰って来た息子のあいさつに、可愛げがない?吐き捨てるように下がれ?はん!可愛がられた記憶もない父にどんな態度を取れと言うのだ!興味がないとはっきりと顔に出ているのはどうかと思うぞ!

「ただいま」
「おかえりなさいませ。イアサント様」
「兄上!おかえりなさい!」

 パタパタと走り抱っこと。

「おお!アデラール来てたのか」

 抱き上げると首に腕を回し兄上大好きと。俺も大好きだと頭を撫でた。アデラールはいくつになったんだっけ?俺がこの休み明けに卒業だから五つか。来年だけか、一緒にいられるのは。ふふっその後はアデラールが学園に行くから共にいられる時間はそうそう作れそうもないな。

「ねぇねぇ、兄上は学園でどんなお勉強をしてるの?」
「ん?社交やこの国の事、他国の情勢や魔術の練習かな」
「じょえせ?まじゅつ?しゃこ?」
「また分からくてもよい。せっかく来たなら兄様と遊ぼう」
「じゃあ騎獣に乗せて下さい!」

 あ~まあいいけど……

「なら庭に出ようか」
「はい!」

 騎獣を出してアデラールを跨がせると、俺も乗り込み低い位置をゆっくりと飛んだ。

「兄上これではつまらないです!兄様の足が地面に付きそうではありませんか!もっと上に!」
「いや……お前が落ちたら怖いんだよ。騎獣服着てる訳じゃないから装備がないからな」
「ええ……ん~じゃあもう少しだけ上に!」

 分かったと二階の窓くらいまでは浮いてみた。

「すごいすごい!!あはは!高いですね!窓からの景色とは違いますね。あははっ風も気持ちいい」
「そうか、もう降りるぞ!」
「やだ!もう少し……ダメ?」

 はあぁ……かわいいな。俺を信頼して笑顔を向けてくれるこの幸せは何にも代えられない。仕方ないと先程より高度を下げ噴水や城壁近くをゆっくりと飛んで入口付近に戻った。

「ありがとう存じます!あちらに母様とのお茶会の迎えが来ました。また来ます兄上!」
「ああ」

 ゆらりと画面が変わった。

「おい!イアサント!兄が呼んでいるんだこっち向けよ!」
「はあ、なんの御用でしょう、兄上」

 肩を掴まれたから仕方なく振り向いた。同じ親からとは思えない醜悪な面相の上の兄二人。父上によく似た目つきは悪いし、性格の悪さもが滲み出ている……な。

「お前は俺たちを押しのけ王になるつもりなのか?」
「はあ……?そんな予定は私にはありません」
「みんなが噂しているんだよ。お前は学園での成績もいいし魔力量も多い。それに社交も上手いとな」
「そんなものは関係ありません。我が国は第一子が皇太子になります。だから第一皇子のエミリアン兄様がなるのが筋でしょう?」

 俺の淡々とした抑揚のない返事が気に入らないのか、エミリアンはグッと歯を食いしばり顔を歪め俺を殴った。

「なにをするんですか!」
「うるさい!お前を見ているとムカつくんだ!」
「は?意味が分かりません!」

 行くぞとイボリートに声をかける。

「イタッ!」
「付け上がるな、イアサント」

 ふふんと笑い俺の足を蹴るイボリート第二皇子、なんと足癖の悪い。そんことがあった日の夕食。ぼんやり食べていたら肉の味がおかしい、苦いような?これは……グフッ!

「どうした?イアサント行儀が悪いぞ!」
「これは……そ、粗相を。急用を思い出しました。退席させて……うぐぅ……」

 あははバカが早く死ね!あははっとあざ笑う声を背に食堂を出た。クソッ!ぼんやりしてて毒に気がつくのが遅れた!急いで部屋に戻り、洗面台で水をがぶ飲みし吐いた。何度も何度も。ダメだ朦朧とする……

「あら、どうなされましたかイアサント様。食事はお済みですか?」
「肉に毒が……」

 側仕えは俺が膝をついて朦朧としているのを見た上で、

「あらまあそれは……では、私の時間は終わりましたので失礼します」
「まて……医者を……」
「私には関係ごさいません。ご自分でどうぞ」

 ムダか……俺にはこの側仕え一人しか付いてはいない。風呂も一人で入るし、当然寝番などいない。兄たちには二人付いていて……グフッ身近な者に死ねばいいと思われている俺が苦しもうがか……なんでだよ。俺が何したって言うんだよ!ぐう……カジミールに連絡を……また場面が歪み、何かの晩餐会のようだ。

「イアサント様はほんに美しいですな!うはは!」
「ありがとう存じます。ですがアブドール様、少々お酒が過ぎては……」
「そんなことはないぞ?ほら!」

 俺のグラスを奪いゴクゴク……

「イアサント様!ほら私はまだいけますぞ!酒は強いんですよ。うはは!うぐぅ……ゲハアッ!」

 グラスを落とすと喉を掻きむしり泡を吹くとコブッと吐血……これは毒だ!私のグラスに仕込まれていた?そのまま彼は崩れ落ちた。

「アブドール様?医者を!早く!何をしている!」
「は、はい!」

 給仕が走っていくと、ニヤニヤと近づいてくる二人の兄。

「ふん、客人に毒見をさせたのか?イアサント」
「そんなことはいたしません!彼が私のグラスを奪って……アブドール様!!アブドール様!」

 バカだろお前はとわははと高笑い。

「その毒は即死レベルだ。お前を華やかな場所で死なせてやろうとこの兄が特別に用意したのに失敗か。ふん!死にぞこないが!」
「悪運が強いな、イアサント」

 あははと笑いながら二人は出口に消えた。またぐにょりと……王の個人的な執務室かな?

「父上!違うのです!兄上たちが!」
「うるさい!アブドール大使は持病の発作で死んだんだ!そのようにあちらの国にも伝えたしこちらの大使館にも言って納得した!蒸し返すな!」
「父上?それはどういう事……」

 虫けらを見るような目をして、

「お前は混乱しかもたらさぬ。上二人が成人した今やお前などなんの役にも立たぬ。揉み消すのに大金も使っただろうが。お前が飲んで死ねば掛からぬ金だったのだ。もうお前に存在価値はない。二度と顔を見せるな!出ていけ!」
「グッ……はい……失礼いたします」

 ドアを締めてその場から足が動かない。どうしてこんな目に俺があわねばならぬのだ!何を俺がしたと言うのだ!悔し涙が止めどなく流れた。俺はもうこの国ではいらぬ皇子なんだな。常に毒殺に不意の事故に怯え、母は既に物心つく頃には殺されたのかおらず、今は何番目の母だ?数えるのもやめた。面と向かっていらぬと言うならば出ていくのみだ!未練などない!

「私の予算をすべて出せ!」
「は?何にお使いで?」
「うるさい!黙って出せ!」

 俺はその足で財務省に出向き、俺の予算を全部出せと迫った。

「は、はい!」
「これでぜ、全部です!」

 はは……俺が自由に出来る金は年間分なのにこれだけしかついていなかったのか。目の前の小さな革袋になんとも……グッ

「これだけか?」
「はい!あなた様は……その、最低限にとの仰せで、王族の体裁が取れるだけで良いと王に……」

 父から直々にか。軽い革袋を掴み自室に向かった。寝室にある仲間専用の通信魔石に話しかけた。

「今夜決行だ!予定の時間に集合場所に来てくれ!」

 俺は何食わぬ顔で側仕えが下がるのを待ち、確実にいないことを確認した。すぐさまタンスから衣服など最低限を袋に詰め込み、庭から騎獣で城の人目の付かない森に急いだ。

「カジミール!ブリアック、エドガールそれに皆もありがとう!」
「なんだよ水くさい。あれだけ作戦を練ったんだ!いつかいつかと待ちわびたぞ!」

 そうだそうだと俺に賛同してくれた幼なじみと、学園からの友の騎士や兵士たち。クソッ視界が滲む……なんといい友を持ったのか。ガサッと藪から、ん?

「兄様……」
「なぜ……アデラールがここにいるんだ!」

 おずおずとしながらも手には大荷物。

「僕もぜひ連れて行って下さいませ!」
「いや……お前は残れ。お前は俺よりも当たりは弱い。降嫁して優しい番に大切にしてもらえ」

 キッと涙目で睨まれ、

「嫌です!兄様と離れるなんて考えられません!それに僕は役に立ちます!この中で一番の光属性の持ち主です!だから連れてけ!」
「アデラールわがままを言うものでは……」

 イアサント連れて行こう。お前を慕っているのは俺たちも知っているんだ。な?とカジミールたちは笑う。

「お前たちがそう言うならまあ。アデラール、二度と城には戻れはしない。いいのか?」
「はい!兄様と一緒ならどこへでも。この国に未練などありません!」

 本当にやめろ。覚悟がなければここにはいないんだ。まあ、実は俺たちが誘ったんだかなとみんなニヤッとした。お前らはもう!

「未練のある者はいないはずだ。行くぞ!!」
「「おう!」」

 皆が騎獣に跨ると、空高くに舞い上がり北を目指し飛び立った。二十名ほどが俺に賛同し国を捨ててくれた。俺は満天の星空の中、滲む視界に幸せを感じていた。

 ぐわんと視界が歪み、頬を赤らめハァハァと喘ぎ僕を抱き締めるイアサント。

「帰って来たか?」
「はい。あなたは……なんという暮らしを……」

 僕は涙を流していたらしく頬が冷たい。

「ふふっどこが見えたんだ?これは俺にも制御は出来なくてな。多分お前に必要な場面が見えたはずだ」
「あなたが学園を卒業する年からこの国に出発するところまでです。グスッ」
「そうか……十年分か」

 あまりに……愛情のかけらもない家族と、常に毒に怯え……兄弟に死を望まれるばかりか親にまで……なんと苦しい生き方を……

「イアサント……あなたはこんな世界に住んでいて、なぜまともでいられたのですか?」
「ん?それはあの世界に染まるのは違うと心の奥底から思えたからだ。あれがまともなはずはないからな」
「戦は見えたか?」
「グスッ見えませんでした」

 そうかと微笑んだ。

「もう俺持たないから射精させてくれ。それから話そう」
「え?あっ繋がってたんだ!」
「そうだ!ほら!」

 ズクン!ぐはぁ……お尻掴んでズクンズクンと押し込まれて……やだぁ……でちゃう……うぐっ!

「よかったな。不能は治ったようだぞ?」
「あふん……え?」

 揺れながら自分を股間を見ると先から漏れて勃起してる……?

「なんで?」
「待て!今は答えられ……ぐうっ!!」
「ああ!イアサント出ちゃうぅ!」
「俺もだ!ルチアーノ!」

 ぎゅうと抱かれて中がドクドクとして、熱く彼のが溢れ出し堪んない快感だけど……疲れる。

「ビクビクが止まらんな?まだするか」
「いえ……ハァハァ……久しぶりなのとここでは魂だけのはずが異様に疲れて……」

 彼の胸に倒れ込んでいると、さわさわと身体中を触りふむと。

「確かに痩せたな。なら少し魔力を分けてやろう。俺の魔力の濃いというか特殊なのを……まあなんだ。多少楽にはなるだろうよ」
「はい」

 お尻からじんわりと暖かくなって身体が楽になった。持ち上げられグチュリと抜け、立膝により掛かり抱かれているとアデラールがふらっと現れた。

「ルチアーノ、見えましたか?」
「はい……あなたもあのようにして育ったのですか?」

 哀しそうに微笑んで、

「ええ、姑息な兄たちでしたから僕は身体中アザだらけでした。顔以外を狙って蹴られたり殴られたり転ばされたり。騎獣に体当たりもありました」
「なんでそんな……」

 なんでと言われてもああいう気質の国なんですよ。いい時は手を組み、いらなくなれば蹴落とすような国です。その中では僕らは異質な存在でした。あの国で「自分よりまともで有能」で「自分の地位を脅かす者」は全て排除すべき対象なんですよと笑う。

「ルチアーノは戦で血まみれの戦士を助け、被害を出さなかったそうですね」
「はい……オーブのお陰で強い敵は初めの内に少なくなりましたから」
「よかった、あれが役に立ったんだね」

 僕らはあの世界を当たり前として生きてきた。双子も似たような世界を父がいた頃見ているはずだとイアサントは言う。

「彼らの話は聞いています。貴族同士も争っていたり、僕には想像も出来ないような希薄な親子関係で、王が死ぬ前あたりは良好とは聞いたけどあれでも僕には少ないです」
「ああそうだな。庶民は愛情豊かに育てるが、王族は親が育てはしないし、乳母が全て賄う……お前は子供たちに愛情を掛けているな」
「はい、庶民並みにとはいきませんが出来るだけ」

 そこまで親の愛を受けた王族の子供はどのように成長するのだろう、先が楽しみだ。俺たちが受けられなかった愛を受けているお前の子供を見ていると羨ましいと心から思うと、二人は微笑んで僕を抱きしめた。

「お前も無理せずゆっくり番に甘えて休め。心は戦だけではなく三年あまり休まず走り続けた反動もあると思うからな」
「はい」

 お前ほど純粋で、本当の意味でかわいいと思えた子孫は初めてだよ。ルチアーノまたなと言われると意識が遠のいた。

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