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四章 イアサント共和国 筆頭国イアサント王国
3.とうとう来たか
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執務室のドアと激しく開けられた。
「ルチアーノ樣!ドナシアンが攻めてきました!!ランベール対岸カルデロン王国より大船団がこちらに向かったと使者より報告が!港到着までおよそ一日です!」
落ち着いた二ヶ月を過ごしていたある日の執務室。外務省ナタナエルが血相を変えて飛び込んで来た。執務室は入口をみな凝視しザワッとした。
「とうとう来たか」
「うん」
「仕方ないな」
はあと大きく深呼吸をした。僕はいつ来てもいいように心は二ヶ月前に固まっている。皆を見据え立ち上がった。
「戦闘準備にかかれ!全ての国民に命を出し、我は騎士、兵士と共にランベールに向かう!ステファヌとジュスランは国に残り指揮を!ナタナエル全大臣に通達を出せ!」
「かしこまりました!」
バタバタと出て行き、執務室の行政官も戦時体制のため、臨時で設けている司令室に大方走り出て行った。王宮は危機を知らせるカラ~ンコロ~ンと激しく鳴り響く鐘の音。この音で城下町の各国の城門はこれから封鎖されるはずだ。これも既に国中にお触れを出しているから混乱はないはず。
「さてと。僕着替えてランベールに行くね」
「嫌だ俺たちも行く!」
困ったちゃんだね……
「ダメでしょ?僕の帰る所を守ってよ」
「なあ、どちらか一人でも……」
僕は二人を睨み怒鳴った。
「ダメだ!万が一僕に何かあったらあなた達が王だ。今回はベルンハルトもいるし、子供たちを頼む!」
「クソッ分かった」
二人は泣きそうな顔で僕を見る。
「ルチアーノ……」
「決めたことでしょ?ジュスラン、ステファヌ愛してるよ。僕は絶対帰ってくるからね!」
「ああ……必ず帰って来いよ」
二人に軽くキスすると、急いで執務室を出て部屋に戻り騎獣服に着替えた。すぐに隣の子供部屋に向かい、いい子にしててねと抱き締めてカトレア棟の庭から騎獣を出し飛び立った。
「ルチアーノ樣、準備は整っています!」
「よし!行こう!」
正面の庭でサミュエルたち僕の護衛の隊と落ち合い、彼の前に乗り込みランベールに向かった。僕では飛ぶのが遅すぎるからね。そして腰には小さなオーブを下げて。
遅い朝の快晴の中、猛スピードで駆けて行く。息がし辛い。こんなスピードなのか、騎士たちは!クウッ
「ここよりランベール領土、もうすぐ港も見えてくる頃です。連絡より半日、既に船団が見えるやも知れません」
「うん」
サミュエルの腕の中で心臓がバクバクして、ついオーブのかごを握った。かなり純血種が減っているばずだと会議でみんなが言っていた。どこまで効くか不安にオーブを握る手が震える。
「見えました!港です!船団はまだのようですね……間に合った」
「ああ……見えないね」
港に降り立つとランベールの赤の甲冑の騎士を先頭に、五国戦団として揃えた甲冑の戦士が整然と並んていた。その中に一際派手な赤の甲冑を着たベルンハルト。
「よく来たルチアーノ。間に合わないかと思ったよ」
「うん、間に合ってよかった」
彼は頷くとくるりと振り返り皆に叫んだ。
「ドナシアンは内戦、対外的な戦で純血種はどこまで生き残り、参加しているか不明だ!間違えばほとんどオーブの効果がない場合がある!お前ら気合入れろおお!」
「「「おおお!!!」」」
こちらには既に五国で協議した多国籍軍として二万もの戦士と士官クラスの騎士が来ている。陸路側にはエブラールを指揮官として多国籍軍一万の戦士が行っている。遠くから斥候数人の兵士がこちらに向かってくる。
「ベルンハルト樣、船団はかなりの大型船十隻一万、周りの騎獣は約二千の予測です!」
「そんな大型船、内陸のドナシアンはどこに……」
ふんとベルンハルトは鼻を鳴らし、
「どこに隠してたやら。まあドミンクスの入江の陰にでも隠してたんだろうな。あそこは鎖国しているんだ。小国だが国全体に防壁張って他を寄せ付けない何者がいるかすら分からん不気味な国だよ」
サミュエルが補足してくれた。
「ドミンクス王国はあの国だけで完結している不気味な魔力大国です。大陸会議にも陰湿な目付きの宰相が出てくるくらいで発言もせず、我らはどの国にも手を貸さず借りもせぬゆえ好きにせよとしか言わない国で……国全体に防壁張る技術と大量の魔力があると思われます」
「うん、他国の動向には関心がないってことだね?」
「ああ、海に何がいようが気にもしないだろう。攻撃でもされない限りな」
そうか……そんな国があったんだね。僕は付き合いのある国しか知らない。名前くらいの国は勉強すらしていなかったよ。
「すまないベルンハルト。僕はかなり偏った知識しかない。補足を頼む」
「ああ分かった、僕の国は対岸との国交がかなり昔からあるんだ。イアサントと違ってね」
「そうなんだ……」
まあ、漁業が生業の僕らとエブラールくらいだけどね。彼は海を睨みながら話してくれた。エルフたちは砂漠越えでベトナージュ方向が主のようだ。うん、それは知ってた。そんな対岸の説明を聞いていると、
「騎獣隊が見えました!こちらから仕掛けますか?」
「いや、待て」
向こうの斥候が数人隊から離れこちらに近づいて来た。代表の使者であろうか?不遜な態度で声が届く辺りで停止し僕らを見下ろした。
「そちらはランベール王国ベルンハルト、イアサント王国ルチアーノか?」
「ああ、そうだ。大勢で来てくれるって言うから出迎えに来てやったぞ?フフン」
「そうか、ご苦労だな」
敬語も使わないか。僕らはなめられたものだ。
「ではこちらの要求を伝える!直ちに五国全域を明け渡せ。人も物も持ち出すな。要求が通らぬ場合即攻撃する。これがアルベルト王よりの伝達だ!」
羊皮紙をバンッとこちらに向け、騎獣の上から見せつけた。
「その要求を僕らがのむとでも?」
「フン、ドナシアンの隣国のようになりたいか?」
「今や其方らの国ではなかろう」
あれは……一時的なものだ!愚弄するな!と叫んだ。
「ルチアーノ、バカが叫んでますが?」
「事実が受け入れられないんだよ。残念な頭だね」
んふふっと微笑みベルンハルトは宣言した。
「我らイアサント共和国、筆頭イアサント王国ルチアーノ王に従う!お前らいいか!」
「「「おお!!」」」
戦士たちは剣を振り上げ力強く呼応した。ベルンハルトは相手を蔑むように睨んだ。
「だそうだ、使者殿?」
苦虫を噛み潰したようにギリギリと歯ぎしりをした使者は、
「ルチアーノ、よいのか?」
「ああ!そちらの王に伝えるといい。我らは其方らをこちらに一歩も入れる気はない!」
「フン!良かろう!」
使者数人は何かを空に投げてパンッと信号弾を鳴らせた。それと共に騎獣隊がこちらに向かって来るのが見えた。使者が背中を向けると僕は、
「皆さん!防壁に入ってください!血筋に自信が合ってももしやって事もありますから!」
魔術士が一斉に防壁展開し、ニ万もの騎士たちを中に入れた。
「ベルンハルトも入って!」
「ああ!気をつけろよ!」
「うん!サミュエル!」
「はっ!」
僕は騎獣を出し空中へ。船が見える位置まで前進、上昇しながら腰のオーブに魔力を溜めた。そして空中で止まり前を向く。かごに入れてあったオーブを取り出し手のひらに乗せた。虹色にゆらゆら光るオーブを握り見つめ、迫り来る敵の「うおおお!!」って声を聞いていた。僕はこれからたくさんの人を殺す……奥歯を噛み締め前を向いた。範囲は不明ですがここまでが限界です!とサミュエルが叫ぶ。
「サミュエル防壁は張った?」
「はい!」
「よし!……ふう。ピリア!!!」
手の中のオーブからブワッと光が溢れ出し、閃光になり僕を中心にして広がった!
眩しくて目を閉じていたらうわあ!とかおお!!とか声がし、ドボンドボンと落ちる音。光が弱くなり辺りを見回すと……クソッやはり。かなりの人数は落ちたけど四分の一は残った。戦士は寄せ集めだ。
「ルチアーノ戻れ!」
「うん!」
首から下げた通信魔石からのベルンハルトの声に振り返り、全速で戻り防壁の中に入った。
「かなり残ったよ」
「ああ、見ていたがほとんどの船に光は届いていたように見えたぞ。後方にお偉いさんは乗っているはずだ。多分死んだよ」
「うん……」
バシンっと背中を叩かれた。痛い……
「王がそんな情けない顔でどうするんだ!お前が総司令でみんなの命を預かっているんだぞ!」
はっそうだ。僕は下を向いている暇はない!
「はい!斥候は確認に行け!届いてない船があれば報告を急げ!」
「はっ!」
斥候班は飛び立って行った。背中を見送り僕は効果の高さを口にした。
「思っていたよりはイアサントの頃の血が残っていたね」
「うん、それは僕も思った。あんなに粛清大好き国家のわりにね」
ベルンハルトは楽しそうに僕の顔を覗き込んで来た。
「ねぇねぇ、そのオーブ凄いね!あの騎獣隊を蹴散らすには相当の苦労があるはずなのに、二百とちょっとまで減らした。どこで手に入れたの?」
イアサントに貰ったとは言えないから、
「イアサント王国の秘宝だよ。ずっとしまってあったんだ。始祖の頃からあるもので、この辺りの獣人殲滅用だってさ」
「ゲッ!あの頃の遺物か!」
「そう」
うわ~危険なブツを……モノ持ちいいねと苦笑い。マジでイアサントが獣人好きで良かったよと笑う。本当にね。睨む先から斥候が次々戻って来た。
「後方の二隻の大型船が旋回しています!光が届かなかったのかもしれません!」
「よし!もう一度行く!サミュエル隊!護衛をしてくれ!」
「はっ!」
彼らは個人で防壁を張れる、魔力多めの騎士たちで編成した隊を連れて、後方の船を追う。敵の騎獣の姿はもうなく、船に戻ったようだ。上空から眼下を眺めた。いきなりみなが死んでしまって右往左往している、どうにもならない様子が見て取れた。その混乱の中でも我らを見つけ攻撃してくる者がいる!僕の横に魔弾が掠めた。
「サミュエル!」
「はっ!迎撃一班!」
「おう!!」
二十人くらいが船に向かいあの「魔剣」を振り回す!後方からドフン!バフンッ!ぐわあ!とか聞こえたけど、僕は残りと急ぎ後方の船を追いかけた。援軍が来るまで頑張れとサミュエルが叫んだ。
「サミュエルここでいい。皆防壁を!」
「はっ!」
ブワンと防壁を張る音が次々として、
「後方戦闘中の騎士も完了しました!」
「よし!ピリア!!」
先程と同じ様に閃光がブワッと広がった。船の甲板にいる者がバタバタと倒れ始めた。よし!
「ふむ、獣人他が少し残りましたな」
「うん、攫われてきた他国の人かな?」
まあ今はそんな事はどうでもいい。
「残り全て討伐せよ!投降者は捕縛だ。ルチアーノの命である!行け!」
「「「おう!ウオオオォー!」」」
後方のベルンハルトの方にも伝達して、騎獣に相乗りして待機していた自軍が押し寄せ、船に乗り込み斬り伏せていく。騎獣が出せない他国の者と組になっていたからね。
「下がりましょう!ルチアーノ樣」
「ああ」
僕はサミュエルの騎獣に移り全速力で港に戻った。
「よくやった!ルチアーノ!僕らはここでみんなが戻るのを待とう」
「うん」
僕らの護衛に残った戦士は隊の一部のみで後は全員出た。二万の我軍なら余裕だろう。かなり減らしたからね。
「お茶だよ。ほら君が持ち込んだコーヒーとクッキーだ、食べな」
「ありがとう」
う~ん、みんなが心配で味がよく分からん……誰か亡くなったらどうしよう。一緒に訓練した騎士や兵士、魔術士の顔が浮かぶ。ランベールの騎士たちの華やかな顔もリンゲル、エブラールのみんなも……エヴァリスのエルフもドワーフも……みんなの笑顔が浮かんで手が冷たくなっていった。震える手をベルンハルトはギュッと握ってくれた。
「大丈夫さ、君がかなり減らしたんだろ?これだけ訓練したんだ、きっと大丈夫!」
「うん!」
返事だけは元気にしたけど胃がきゅうってする。連絡班の報告を聞きながら対策を練り、港に近い方から船を沈めて行った。何時間経ったのだろうか、あたりは夕日が沈み暗くなった。直近の報告は後三隻ですと傷だらけの連絡班の戦士!
「君は大丈夫?みんな生きてる?ねえ!」
「あはは!ルチアーノ樣、みな覚悟の上です。気になさるな!では!」
「ああ……」
テントを走り出る伝令を見ながらベルンハルトは、気にするなって無理だよね。でもね、王は嘘でもそんな顔したらダメだよルチアーノ。士気が下がるからねと優しく僕の背中を撫でる。
「ごめん」
「分かればいい」
遠くの空が少し明るかったのもなくなり、暗い海を睨んだ。何隻も燃えて遠くが赤く燃え黒煙が上がる。その内頭上にあった三日月は対岸の海に隠れ見えなくなった。段々ポーションでは対応出来ない重傷の戦士が戻り始めた。後方の船は強い者が多く戦況が思わしくないのかも。ここにいてもソワソワするだけだ。
「僕手伝ってくる!」
そう言うと僕は治療テントに走った。
「ルチアーノ待て!……はあ、もう困ったもんだな。お前らルチアーノの護衛を」
「はっ!」
僕は後ろの港に寝かされている傷だらけの戦士を見た……ぐっ!なんと酷い。甲冑着ているのにそれごと切られて……クソッ僕は近くの棒を拾って大きな円を描いた。
「この円の中に軽傷の怪我人を入れて!早く!」
「は、はい!」
負傷兵が何だろうと円の中に入って行った。
「全員は無理でした!」
「いい!」
手を組み魔力を放出してエリアヒール!!……おおっ!と歓声が上がった。魔法陣が展開し円の中の者を光が囲みドンッと光の粒が舞い上がる。ハァハァ……この人数はかなり魔力使うね。
「治った者は円から出て交代してくれ!」
「はい!」
治った者からドワーフの整備兵から甲冑を受け取りまた飛び立って行く。僕は目の前の怪我人を手当たり次第治して行った。ある程度落ち着くと端から悲痛な声が。
「死ぬな!リチャード!おい!聞こえるか!リチャード!!」
治療士が汗だくでヒールをかけているが腹からの血は止まらずゴフッと時々血を吐いている。僕は駆け寄り治療士を蹴り飛ばした。
「どけ!」
怪我人の溢れる腹に手を置きヒール……ぐうぅ……魔力の消費がすごい!死にかけているのか!目に汗が入る!
「ガハッ!ハァハァ……」
「リチャード!」
僕に蹴られれた声を掛けていた戦士が反対側からリチャードと声を掛けた。すると彼は目を開けた。
「返事出来るか?」
「あ、ああ……マキシー……すまないしくじった。ゲホッ」
「いい……そんな事はもう……ううっ」
ハァハァ……これでいいはずだが。
「痛い所ある?」
「ああ……え?ルチアーノ樣……」
「痛い所は!」
「えっと……ゴホッ」
起き上がろうとしたら腕がグニョって!
「ぐわぁ!」
「ごめん!腕もか!」
腕を掴んでむ~ん……これでいいはずだ。
「どう?」
折れた右腕をグーパーして肩回して、
「おお!痛い所はありません!ありがとう存じます!」
「ポーション飲めば失血分の体力ははなんとかなるばずだ。飲め!」
差し出したポーションをゴクゴク飲んでいるリチャードに抱きついて、
「よかったリチャードお前がいなくなるかと……わ~ん!」
「ごめんな、マキシー……」
リチャードがマキシーを抱き寄せ頭を撫でて落ち着けよと。落ち着けるかバカヤロー!さっきまで死にそうだったんだぞと。うふふよかった。
「この二人は番でしてね、良かったですよ。私らでは無理でした。ルチアーノ様は本当によい治療士ですね。魔力も豊富で」
「そんな事は……」
「いいえ、この効果は身体の構造を知ってなくては出来ません。どこで習いました?」
この治療士の話しでは骨や内臓の様子を知らないと治療が上手くいかないと教えてくれた。僕も人体はよくわからないけど、牛、鳥、豚とか家で解体して肉にしていたんだよね。だからなんとなく知っていた。きっと人も同じような感じかなって。
「ははぁそれで。我が国の治療士は罪人を解体して勉強いたします。斬首になった者とかですね。それでも効果は限定的です。私たちの魔力が足りませんから一気には時間がかかり難しい」
「そうなんだ……」
治療士はなんと恐ろしい事をしてるの……
「また来ました!」
「よし!頑張ろう!」
やけど、切り、刺し傷、骨折、見るも無惨に肉を削がれた者らが運ばれる。刺し傷は内臓にも達していて息も絶え絶え血まみれで……血の匂いにむせながら治療をしていく。
「ルチアーノ?」
「あ、ベルンハルト」
「ほらポーション、飲みな」
「ありがとう。ゴクゴク……」
あのなと後二隻だから半分の兵士は戻して食べて寝かせている。君も寝なさいと。
「でも……みんなが」
「君が倒れたら困るの!ほら!」
「ルチアーノ様、寝て下さいませ」
「エルチェ……ダミアンたちまで」
みんなが寝ろと……ならと一段落している重傷者治療のテントを離れた。
「ほら食べて!飲んで!」
「う、うん」
もぐもぐ……
「思ったより船の中は敵兵が残っててね。指揮官クラスは君ので死んじゃったんだけど、国に帰っても死ぬだけだ捕虜にはなりたくない!って投降をしないんだ」
「なんで?ゴクゴク」
ベルンハルトは仕方ないんだろうけどねと。
「ドナシアンは捕虜に拷問するから怖がってさ。僕らもすると思われてて投降しないんだよ」
今持てる全力で攻撃してくるんだ。退路はないと思ってるから怖いんだよ。俗に言う無敵の人ほど怖いものはないんだ。
「誰も投降しないの?」
「いや、多少はしてるみたいだよ。どうせ死ぬら陸がいいって」
いいから食べ終わったなら寝なさいとベッドに押し込まれてチュッ
「安心しておやすみ」
「ベルンハルトも寝てないんじゃ……」
「僕は君が治療してる間に寝てるから大丈夫だよ、ほら!」
「うん……」
目を閉じたら瞬殺で眠りに落ちた。かなり魔力を使ったからポーションでは足りなかったのか目を閉じると身体が重くて………ぐう。
「ルチアーノ樣!ドナシアンが攻めてきました!!ランベール対岸カルデロン王国より大船団がこちらに向かったと使者より報告が!港到着までおよそ一日です!」
落ち着いた二ヶ月を過ごしていたある日の執務室。外務省ナタナエルが血相を変えて飛び込んで来た。執務室は入口をみな凝視しザワッとした。
「とうとう来たか」
「うん」
「仕方ないな」
はあと大きく深呼吸をした。僕はいつ来てもいいように心は二ヶ月前に固まっている。皆を見据え立ち上がった。
「戦闘準備にかかれ!全ての国民に命を出し、我は騎士、兵士と共にランベールに向かう!ステファヌとジュスランは国に残り指揮を!ナタナエル全大臣に通達を出せ!」
「かしこまりました!」
バタバタと出て行き、執務室の行政官も戦時体制のため、臨時で設けている司令室に大方走り出て行った。王宮は危機を知らせるカラ~ンコロ~ンと激しく鳴り響く鐘の音。この音で城下町の各国の城門はこれから封鎖されるはずだ。これも既に国中にお触れを出しているから混乱はないはず。
「さてと。僕着替えてランベールに行くね」
「嫌だ俺たちも行く!」
困ったちゃんだね……
「ダメでしょ?僕の帰る所を守ってよ」
「なあ、どちらか一人でも……」
僕は二人を睨み怒鳴った。
「ダメだ!万が一僕に何かあったらあなた達が王だ。今回はベルンハルトもいるし、子供たちを頼む!」
「クソッ分かった」
二人は泣きそうな顔で僕を見る。
「ルチアーノ……」
「決めたことでしょ?ジュスラン、ステファヌ愛してるよ。僕は絶対帰ってくるからね!」
「ああ……必ず帰って来いよ」
二人に軽くキスすると、急いで執務室を出て部屋に戻り騎獣服に着替えた。すぐに隣の子供部屋に向かい、いい子にしててねと抱き締めてカトレア棟の庭から騎獣を出し飛び立った。
「ルチアーノ樣、準備は整っています!」
「よし!行こう!」
正面の庭でサミュエルたち僕の護衛の隊と落ち合い、彼の前に乗り込みランベールに向かった。僕では飛ぶのが遅すぎるからね。そして腰には小さなオーブを下げて。
遅い朝の快晴の中、猛スピードで駆けて行く。息がし辛い。こんなスピードなのか、騎士たちは!クウッ
「ここよりランベール領土、もうすぐ港も見えてくる頃です。連絡より半日、既に船団が見えるやも知れません」
「うん」
サミュエルの腕の中で心臓がバクバクして、ついオーブのかごを握った。かなり純血種が減っているばずだと会議でみんなが言っていた。どこまで効くか不安にオーブを握る手が震える。
「見えました!港です!船団はまだのようですね……間に合った」
「ああ……見えないね」
港に降り立つとランベールの赤の甲冑の騎士を先頭に、五国戦団として揃えた甲冑の戦士が整然と並んていた。その中に一際派手な赤の甲冑を着たベルンハルト。
「よく来たルチアーノ。間に合わないかと思ったよ」
「うん、間に合ってよかった」
彼は頷くとくるりと振り返り皆に叫んだ。
「ドナシアンは内戦、対外的な戦で純血種はどこまで生き残り、参加しているか不明だ!間違えばほとんどオーブの効果がない場合がある!お前ら気合入れろおお!」
「「「おおお!!!」」」
こちらには既に五国で協議した多国籍軍として二万もの戦士と士官クラスの騎士が来ている。陸路側にはエブラールを指揮官として多国籍軍一万の戦士が行っている。遠くから斥候数人の兵士がこちらに向かってくる。
「ベルンハルト樣、船団はかなりの大型船十隻一万、周りの騎獣は約二千の予測です!」
「そんな大型船、内陸のドナシアンはどこに……」
ふんとベルンハルトは鼻を鳴らし、
「どこに隠してたやら。まあドミンクスの入江の陰にでも隠してたんだろうな。あそこは鎖国しているんだ。小国だが国全体に防壁張って他を寄せ付けない何者がいるかすら分からん不気味な国だよ」
サミュエルが補足してくれた。
「ドミンクス王国はあの国だけで完結している不気味な魔力大国です。大陸会議にも陰湿な目付きの宰相が出てくるくらいで発言もせず、我らはどの国にも手を貸さず借りもせぬゆえ好きにせよとしか言わない国で……国全体に防壁張る技術と大量の魔力があると思われます」
「うん、他国の動向には関心がないってことだね?」
「ああ、海に何がいようが気にもしないだろう。攻撃でもされない限りな」
そうか……そんな国があったんだね。僕は付き合いのある国しか知らない。名前くらいの国は勉強すらしていなかったよ。
「すまないベルンハルト。僕はかなり偏った知識しかない。補足を頼む」
「ああ分かった、僕の国は対岸との国交がかなり昔からあるんだ。イアサントと違ってね」
「そうなんだ……」
まあ、漁業が生業の僕らとエブラールくらいだけどね。彼は海を睨みながら話してくれた。エルフたちは砂漠越えでベトナージュ方向が主のようだ。うん、それは知ってた。そんな対岸の説明を聞いていると、
「騎獣隊が見えました!こちらから仕掛けますか?」
「いや、待て」
向こうの斥候が数人隊から離れこちらに近づいて来た。代表の使者であろうか?不遜な態度で声が届く辺りで停止し僕らを見下ろした。
「そちらはランベール王国ベルンハルト、イアサント王国ルチアーノか?」
「ああ、そうだ。大勢で来てくれるって言うから出迎えに来てやったぞ?フフン」
「そうか、ご苦労だな」
敬語も使わないか。僕らはなめられたものだ。
「ではこちらの要求を伝える!直ちに五国全域を明け渡せ。人も物も持ち出すな。要求が通らぬ場合即攻撃する。これがアルベルト王よりの伝達だ!」
羊皮紙をバンッとこちらに向け、騎獣の上から見せつけた。
「その要求を僕らがのむとでも?」
「フン、ドナシアンの隣国のようになりたいか?」
「今や其方らの国ではなかろう」
あれは……一時的なものだ!愚弄するな!と叫んだ。
「ルチアーノ、バカが叫んでますが?」
「事実が受け入れられないんだよ。残念な頭だね」
んふふっと微笑みベルンハルトは宣言した。
「我らイアサント共和国、筆頭イアサント王国ルチアーノ王に従う!お前らいいか!」
「「「おお!!」」」
戦士たちは剣を振り上げ力強く呼応した。ベルンハルトは相手を蔑むように睨んだ。
「だそうだ、使者殿?」
苦虫を噛み潰したようにギリギリと歯ぎしりをした使者は、
「ルチアーノ、よいのか?」
「ああ!そちらの王に伝えるといい。我らは其方らをこちらに一歩も入れる気はない!」
「フン!良かろう!」
使者数人は何かを空に投げてパンッと信号弾を鳴らせた。それと共に騎獣隊がこちらに向かって来るのが見えた。使者が背中を向けると僕は、
「皆さん!防壁に入ってください!血筋に自信が合ってももしやって事もありますから!」
魔術士が一斉に防壁展開し、ニ万もの騎士たちを中に入れた。
「ベルンハルトも入って!」
「ああ!気をつけろよ!」
「うん!サミュエル!」
「はっ!」
僕は騎獣を出し空中へ。船が見える位置まで前進、上昇しながら腰のオーブに魔力を溜めた。そして空中で止まり前を向く。かごに入れてあったオーブを取り出し手のひらに乗せた。虹色にゆらゆら光るオーブを握り見つめ、迫り来る敵の「うおおお!!」って声を聞いていた。僕はこれからたくさんの人を殺す……奥歯を噛み締め前を向いた。範囲は不明ですがここまでが限界です!とサミュエルが叫ぶ。
「サミュエル防壁は張った?」
「はい!」
「よし!……ふう。ピリア!!!」
手の中のオーブからブワッと光が溢れ出し、閃光になり僕を中心にして広がった!
眩しくて目を閉じていたらうわあ!とかおお!!とか声がし、ドボンドボンと落ちる音。光が弱くなり辺りを見回すと……クソッやはり。かなりの人数は落ちたけど四分の一は残った。戦士は寄せ集めだ。
「ルチアーノ戻れ!」
「うん!」
首から下げた通信魔石からのベルンハルトの声に振り返り、全速で戻り防壁の中に入った。
「かなり残ったよ」
「ああ、見ていたがほとんどの船に光は届いていたように見えたぞ。後方にお偉いさんは乗っているはずだ。多分死んだよ」
「うん……」
バシンっと背中を叩かれた。痛い……
「王がそんな情けない顔でどうするんだ!お前が総司令でみんなの命を預かっているんだぞ!」
はっそうだ。僕は下を向いている暇はない!
「はい!斥候は確認に行け!届いてない船があれば報告を急げ!」
「はっ!」
斥候班は飛び立って行った。背中を見送り僕は効果の高さを口にした。
「思っていたよりはイアサントの頃の血が残っていたね」
「うん、それは僕も思った。あんなに粛清大好き国家のわりにね」
ベルンハルトは楽しそうに僕の顔を覗き込んで来た。
「ねぇねぇ、そのオーブ凄いね!あの騎獣隊を蹴散らすには相当の苦労があるはずなのに、二百とちょっとまで減らした。どこで手に入れたの?」
イアサントに貰ったとは言えないから、
「イアサント王国の秘宝だよ。ずっとしまってあったんだ。始祖の頃からあるもので、この辺りの獣人殲滅用だってさ」
「ゲッ!あの頃の遺物か!」
「そう」
うわ~危険なブツを……モノ持ちいいねと苦笑い。マジでイアサントが獣人好きで良かったよと笑う。本当にね。睨む先から斥候が次々戻って来た。
「後方の二隻の大型船が旋回しています!光が届かなかったのかもしれません!」
「よし!もう一度行く!サミュエル隊!護衛をしてくれ!」
「はっ!」
彼らは個人で防壁を張れる、魔力多めの騎士たちで編成した隊を連れて、後方の船を追う。敵の騎獣の姿はもうなく、船に戻ったようだ。上空から眼下を眺めた。いきなりみなが死んでしまって右往左往している、どうにもならない様子が見て取れた。その混乱の中でも我らを見つけ攻撃してくる者がいる!僕の横に魔弾が掠めた。
「サミュエル!」
「はっ!迎撃一班!」
「おう!!」
二十人くらいが船に向かいあの「魔剣」を振り回す!後方からドフン!バフンッ!ぐわあ!とか聞こえたけど、僕は残りと急ぎ後方の船を追いかけた。援軍が来るまで頑張れとサミュエルが叫んだ。
「サミュエルここでいい。皆防壁を!」
「はっ!」
ブワンと防壁を張る音が次々として、
「後方戦闘中の騎士も完了しました!」
「よし!ピリア!!」
先程と同じ様に閃光がブワッと広がった。船の甲板にいる者がバタバタと倒れ始めた。よし!
「ふむ、獣人他が少し残りましたな」
「うん、攫われてきた他国の人かな?」
まあ今はそんな事はどうでもいい。
「残り全て討伐せよ!投降者は捕縛だ。ルチアーノの命である!行け!」
「「「おう!ウオオオォー!」」」
後方のベルンハルトの方にも伝達して、騎獣に相乗りして待機していた自軍が押し寄せ、船に乗り込み斬り伏せていく。騎獣が出せない他国の者と組になっていたからね。
「下がりましょう!ルチアーノ樣」
「ああ」
僕はサミュエルの騎獣に移り全速力で港に戻った。
「よくやった!ルチアーノ!僕らはここでみんなが戻るのを待とう」
「うん」
僕らの護衛に残った戦士は隊の一部のみで後は全員出た。二万の我軍なら余裕だろう。かなり減らしたからね。
「お茶だよ。ほら君が持ち込んだコーヒーとクッキーだ、食べな」
「ありがとう」
う~ん、みんなが心配で味がよく分からん……誰か亡くなったらどうしよう。一緒に訓練した騎士や兵士、魔術士の顔が浮かぶ。ランベールの騎士たちの華やかな顔もリンゲル、エブラールのみんなも……エヴァリスのエルフもドワーフも……みんなの笑顔が浮かんで手が冷たくなっていった。震える手をベルンハルトはギュッと握ってくれた。
「大丈夫さ、君がかなり減らしたんだろ?これだけ訓練したんだ、きっと大丈夫!」
「うん!」
返事だけは元気にしたけど胃がきゅうってする。連絡班の報告を聞きながら対策を練り、港に近い方から船を沈めて行った。何時間経ったのだろうか、あたりは夕日が沈み暗くなった。直近の報告は後三隻ですと傷だらけの連絡班の戦士!
「君は大丈夫?みんな生きてる?ねえ!」
「あはは!ルチアーノ樣、みな覚悟の上です。気になさるな!では!」
「ああ……」
テントを走り出る伝令を見ながらベルンハルトは、気にするなって無理だよね。でもね、王は嘘でもそんな顔したらダメだよルチアーノ。士気が下がるからねと優しく僕の背中を撫でる。
「ごめん」
「分かればいい」
遠くの空が少し明るかったのもなくなり、暗い海を睨んだ。何隻も燃えて遠くが赤く燃え黒煙が上がる。その内頭上にあった三日月は対岸の海に隠れ見えなくなった。段々ポーションでは対応出来ない重傷の戦士が戻り始めた。後方の船は強い者が多く戦況が思わしくないのかも。ここにいてもソワソワするだけだ。
「僕手伝ってくる!」
そう言うと僕は治療テントに走った。
「ルチアーノ待て!……はあ、もう困ったもんだな。お前らルチアーノの護衛を」
「はっ!」
僕は後ろの港に寝かされている傷だらけの戦士を見た……ぐっ!なんと酷い。甲冑着ているのにそれごと切られて……クソッ僕は近くの棒を拾って大きな円を描いた。
「この円の中に軽傷の怪我人を入れて!早く!」
「は、はい!」
負傷兵が何だろうと円の中に入って行った。
「全員は無理でした!」
「いい!」
手を組み魔力を放出してエリアヒール!!……おおっ!と歓声が上がった。魔法陣が展開し円の中の者を光が囲みドンッと光の粒が舞い上がる。ハァハァ……この人数はかなり魔力使うね。
「治った者は円から出て交代してくれ!」
「はい!」
治った者からドワーフの整備兵から甲冑を受け取りまた飛び立って行く。僕は目の前の怪我人を手当たり次第治して行った。ある程度落ち着くと端から悲痛な声が。
「死ぬな!リチャード!おい!聞こえるか!リチャード!!」
治療士が汗だくでヒールをかけているが腹からの血は止まらずゴフッと時々血を吐いている。僕は駆け寄り治療士を蹴り飛ばした。
「どけ!」
怪我人の溢れる腹に手を置きヒール……ぐうぅ……魔力の消費がすごい!死にかけているのか!目に汗が入る!
「ガハッ!ハァハァ……」
「リチャード!」
僕に蹴られれた声を掛けていた戦士が反対側からリチャードと声を掛けた。すると彼は目を開けた。
「返事出来るか?」
「あ、ああ……マキシー……すまないしくじった。ゲホッ」
「いい……そんな事はもう……ううっ」
ハァハァ……これでいいはずだが。
「痛い所ある?」
「ああ……え?ルチアーノ樣……」
「痛い所は!」
「えっと……ゴホッ」
起き上がろうとしたら腕がグニョって!
「ぐわぁ!」
「ごめん!腕もか!」
腕を掴んでむ~ん……これでいいはずだ。
「どう?」
折れた右腕をグーパーして肩回して、
「おお!痛い所はありません!ありがとう存じます!」
「ポーション飲めば失血分の体力ははなんとかなるばずだ。飲め!」
差し出したポーションをゴクゴク飲んでいるリチャードに抱きついて、
「よかったリチャードお前がいなくなるかと……わ~ん!」
「ごめんな、マキシー……」
リチャードがマキシーを抱き寄せ頭を撫でて落ち着けよと。落ち着けるかバカヤロー!さっきまで死にそうだったんだぞと。うふふよかった。
「この二人は番でしてね、良かったですよ。私らでは無理でした。ルチアーノ様は本当によい治療士ですね。魔力も豊富で」
「そんな事は……」
「いいえ、この効果は身体の構造を知ってなくては出来ません。どこで習いました?」
この治療士の話しでは骨や内臓の様子を知らないと治療が上手くいかないと教えてくれた。僕も人体はよくわからないけど、牛、鳥、豚とか家で解体して肉にしていたんだよね。だからなんとなく知っていた。きっと人も同じような感じかなって。
「ははぁそれで。我が国の治療士は罪人を解体して勉強いたします。斬首になった者とかですね。それでも効果は限定的です。私たちの魔力が足りませんから一気には時間がかかり難しい」
「そうなんだ……」
治療士はなんと恐ろしい事をしてるの……
「また来ました!」
「よし!頑張ろう!」
やけど、切り、刺し傷、骨折、見るも無惨に肉を削がれた者らが運ばれる。刺し傷は内臓にも達していて息も絶え絶え血まみれで……血の匂いにむせながら治療をしていく。
「ルチアーノ?」
「あ、ベルンハルト」
「ほらポーション、飲みな」
「ありがとう。ゴクゴク……」
あのなと後二隻だから半分の兵士は戻して食べて寝かせている。君も寝なさいと。
「でも……みんなが」
「君が倒れたら困るの!ほら!」
「ルチアーノ様、寝て下さいませ」
「エルチェ……ダミアンたちまで」
みんなが寝ろと……ならと一段落している重傷者治療のテントを離れた。
「ほら食べて!飲んで!」
「う、うん」
もぐもぐ……
「思ったより船の中は敵兵が残っててね。指揮官クラスは君ので死んじゃったんだけど、国に帰っても死ぬだけだ捕虜にはなりたくない!って投降をしないんだ」
「なんで?ゴクゴク」
ベルンハルトは仕方ないんだろうけどねと。
「ドナシアンは捕虜に拷問するから怖がってさ。僕らもすると思われてて投降しないんだよ」
今持てる全力で攻撃してくるんだ。退路はないと思ってるから怖いんだよ。俗に言う無敵の人ほど怖いものはないんだ。
「誰も投降しないの?」
「いや、多少はしてるみたいだよ。どうせ死ぬら陸がいいって」
いいから食べ終わったなら寝なさいとベッドに押し込まれてチュッ
「安心しておやすみ」
「ベルンハルトも寝てないんじゃ……」
「僕は君が治療してる間に寝てるから大丈夫だよ、ほら!」
「うん……」
目を閉じたら瞬殺で眠りに落ちた。かなり魔力を使ったからポーションでは足りなかったのか目を閉じると身体が重くて………ぐう。
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