ゆるゆる王様生活〜双子の溺愛でおかしくなりそう〜

琴音

文字の大きさ
上 下
49 / 104
三章 イアサント王国の王として

6.自分が嫌だ

しおりを挟む
 とうとう僕の日が来てしまったね……少ないけど僕にも来てて断れないんだ。薄暗い寝室のべっの上で座り、向き合ってお互いすっぽんぽん。

「ルチアーノ様今日はよろしくお願いします」
「うん、あのね?僕アン寄りだからその……セックス上手くないんだけど……」
「ふふっ承知しております。あのお二人を見れば想像は付きますよ」
「はあ……よかった。不安だったんだ」

 僕もアンですのでお互い様ですと微笑んだ。ごめん……僕指定は本当に少ないから聞いてみた。

「ねえなんで二人を指定しなかったの?」
「ああ、父が王にしろと。この国一番の魔力持ち、歳も同い年だしと勧められました」
「ほう、君のお父様は確か……農林省のガストンだよね?」
「はい。熊族のような父ですね。んふふっ」

 そうなんだよ、ガストンは毛深くて黒髪、目は茶色で威圧感半端ないんだけどすっごい優しい人なんだ。人は見た目だとか嘘だよねってくらいモテる人。

「ふふっ父は自分が抱きたかったようですけど」
「ふえ?」
「いつもあなたの話をしていて妖精のような王がああしたこうしたって幸せそうで、母が嫌そうな顔してますよ」

 妖精?はあ?

「そんなふうには見えないけど?」
「そこは年の功ですよ。家ではデレデレに惚気けてます」

 へえ……会議の時に聞こえたあの声はガストンかな?へえ……頬に手が触れ、

「ルチアーノ様……チュッ」
「クレール……」

 僕はいつもされてる事を……抱き寄せてを舌を……

「はあ…ん……んん……気持ちいい……いい匂い……」

 押し倒し首筋から乳首に吸い付きクリクリ……ふるふると震えてかわいい……本当にかわいらしい子だね。

「入れて欲しい……中が変なの……」
「噛んでから入れる?」
「うん」

 うつ伏せにしてガブッと噛んだ。

「あっあっ……うわあ!漏れちゃ……グッ」

 震えながらビクンビクンと勢いよく吹き出す。

「入れてぇ……!我慢できないくらい疼く!なんなの!早く!いやあ!」
「うん」

 腰を掴みズクンッと押し込んだ。体格が近いせいか狭く感じるね。あの二人は僕より一回り以上身体が大きいからも……少し……締め付けが……くっ!

「ぎもぢいい……ルチアーノ様もっと奥を……」

 ズンズンと奥を突いた。感じてるのがすごく伝わる。

「ハァハァ……噛む?」
「いや!もっとルチアーノ様とするの!奥もっと突いて!すごく気持ちい……い……」
「そう、なら!」

 グンッと押し込みステファヌのやり方を真似してみた。しつこいくらい僕の気持ちいい所を責めるあのやり方を。

「あはん……ッ……うん……はあ……も……」
「気持ちいい?」
「や……む…り……僕おしっこ……漏れて……る?」
「ふふっ漏れてない、大丈夫」

 そういや僕結構もってるな……あれ?気持ちいいけど頭も蕩けが弱い?……あうっ!もう!グッ!

「ごめん!出る!」

 奥に押し込みグリグリと。

「うああ!止まんないぃ!……んあぅ……中熱い……うそ?液で?なんでぐあっ!……あふん……」
「クレール?」

 あら飛んじゃったね……さすがステファヌ。なら噛んで妊娠してもらうかな……

 はっ!!何考えた?え?………どうしよう何も感じないよ!番になってしたのに?ヤダよ僕。淡々とセックスとか……こんなの初めてだ。呆然としていると、クレールが目を開けた。

「あ……ルチアーノ様」
「気持ちよかった?」
「うん、番になるってこんなにも……もっと欲しい」
「うん、おいでよ」

 抱き寄せて今までされて気持ちよかったことをクレールに。

「キス気持ちいい……」
「僕も……」

 最大限敬意を払おう。彼も僕とするって事は番はもう持てないんだ。それから何度もイかせ納得の上で噛んだ。お腹に紋がバッチリ現れたのを確認し本人もふふっと微笑んだ。

「ルチアーノ様との赤ちゃんかぁ、どんな子だろう?僕黒髪だから赤いといいな」
「なんで?黒髪きれいだよ?」
「家の家系黒か深い茶色だけだから明るい色が羨ましくて……」
「そうなんだ。赤だといいね」

 うんと頷くと蕩け顔で抱っこと言われた。とてもかわいくて抱き寄せて眠った。


 翌朝食堂で二人がニヤニヤおはようって。何だかムカつく。

「どうだった?クレールはかわいいだろ?熊おっさんガストンの子とは思えないくらいかわいい子だよな」
「うんかわいかったよ」

 それから二人を見つめて頭を下げた。

「あの……ごめんなさい。本当に何も感じなかったんだ。匂いもそんなに興奮しなかったし、それでね……僕ステファヌと同じ事しようとしたの!最低なんだ!」

 あははと二人は大爆笑!クソッホントにムカつく!

「あははだろ?仕事のようにセックスしてしまうんだよ!」
「でもね!僕は最大限敬意を払ったよ!彼はこの先番持てないんだから!」
「そうだな。俺たちも淡々としてるけど気持ちよくはさせてるよ」

 あのなぁとジュスランが、

「向こうもそれが分かってて来てるんだ。親の言いつけだったり当主の責任だったりな。この先本当に好きな相手も出来ず愛妾持っても夜伽と変わんないくらいにしか感じなくなるリスクを負ってでも俺たちの子が欲しいと請うんだよ」
「うん……」

 それがどういう事か分かるか?とステファヌが僕に問う。

「きっと家や自分の血統を少しでも優秀にするためでしょ?」
「そうだ。この先の未来の責任だ。庶民だって当主は同じだろ?少しでもいい環境を財産を残してやりたいってのはさ」
「うん……」

 だからこんな有事の時は特にみんな思うんだよね。私利私欲の人もいるかもだけど家の発展は重要だからなと。

 僕は農家で一人息子なのに跡も継がず好きな事をさせてもらった。家がとか考えた事もなく、責任感に関してはここに来てから感じるようになったくらい。父さんも畑は俺たちで最後でいい、土地は母さんの兄の子にやるからとヨハンとお店開く時言ってくれたんだ。

 なんて僕は恵まれていたんだろう。今の今までそんなこと考えもしなかった……だだ双子といたいだけで……あんなに愛したヨハンすら思い出すことも少なくなっていた。

 人族になって僕の何かが変わった?実は父さんも母さんも城に住むのホントは嫌だった?僕……全部自分中心に物事を考えたのかな。誰かを気遣ってたのも自分本位で相手の気持ちに立って考えてなかったんじゃ……僕は背筋が寒くなり自分の考えなしの傲慢さに震えて奥歯を噛み締めた。

「イレール部屋に戻る」
「え?食べていないですよ?」
「いらなくなった……」

 席を立つと食堂を出た。後ろでなにか二人は叫んでるけど今はほっといて!

「どうされました?さっきま………」

 僕の顔を覗き込んだイレールは黙ってはいとハンカチを差し出してくれた。

「ありがと」
「いいえ」

 悔し涙が溢れる。後ろからバタバタと走ってくる二人の気配が。

「イレール僕に近づけないで」
「はい、ジェレミー、オラース!」
「はっ!」

 二人は物理障壁を張り廊下を塞いだ。

「お早くお部屋へ。私どもでは暫くしか持ちません!」
「分かった。ルチアーノ様参りましょう」
「うん……」

 部屋に入る直前に何かが爆発するような音がした。

 ソファにドスッと座わり頭を抱えた。自己嫌悪でイライラするし自分の浅はかさに胸が苦しい。哀しさを通り越して自分の傲慢さに心底嫌気がさした。

「お茶でもいかがですか?」
「ありがとう……」

 落ち着きますよとカモミールのお茶を入れてくれた。そう……相手を気遣うとはこういう事だ。何も聞かずその人の求めるモノを……クソッ!膝を両手で強く叩いた。

「もうすぐお仕事の時間ですが午前はお休みしますか?」
「うん。悪いけどちょっと気持ちが立て直せない」
「はい。ではレオンスに伝えておきます」

 外では二人の怒鳴り声がしている。僕は部屋に入ると同時に全てのドアに防壁を張っているから入れはしない。

 はあ……ここに来てから二人に、いや全ての人に甘やかされていた。大変だったけど大切にされた上での事だ。僕にはベルンハルトのような覚悟もクレールのような先を見る事も心から思っていた「つもり」だっただけなんだよ。これから戦もあるかもしれないのにこんな上っ面だけの………

「冷めますよ?」
「ああ……ごめん」

 カップを取り少し温くなったイレールの優しさを飲んだ。こんなにも間違いだらけだと認識したにも関わらず両親に甘えたくなる。聞いてって離れの屋敷に行きたくなるんだ。なんて弱いんだ僕は。握りしめた膝の拳に涙が落ちる。

 王族や貴族の人たちはなんでこんなにも強いんだ。漠然と生きて来た僕とは根本が違う。どんなに表面を繕っても僕は………くうっ!

「外に出ませんか?ここに秘密の出口がございます」

 イレールが壁の腰板をトンと叩くと板がくるっと回り廊下が現れた。

「ここを通ると王族の庭ではなくエントランスの庭の横に出ます」
「隠し通路?」
「ええ、これを知っているのは王に仕える者のみです」
「じゃあジュスランは……」

 ふふっと微笑み首を横に振った。

「彼はこの部屋を使いませんでしたから知りません。父上の部屋は嫌だと皇太子の頃からの隣を使っていましたから」

 そうと、返事をして二人で中に入り閉じた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

出来損ないのオメガは貴公子アルファに愛され尽くす エデンの王子様

冬之ゆたんぽ
BL
旧題:エデンの王子様~ぼろぼろアルファを救ったら、貴公子に成長して求愛してくる~ 二次性徴が始まり、オメガと判定されたら収容される、全寮制学園型施設『エデン』。そこで全校のオメガたちを虜にした〝王子様〟キャラクターであるレオンは、卒業後のダンスパーティーで至上のアルファに見初められる。「踊ってください、私の王子様」と言って跪くアルファに、レオンは全てを悟る。〝この美丈夫は立派な見た目と違い、王子様を求めるお姫様志望なのだ〟と。それが、初恋の女の子――誤認識であり実際は少年――の成長した姿だと知らずに。 ■受けが誤解したまま進んでいきますが、攻めの中身は普通にアルファです。 ■表情の薄い黒騎士アルファ(攻め)×ハンサム王子様オメガ(受け)

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!

古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます! 7/15よりレンタル切り替えとなります。 紙書籍版もよろしくお願いします! 妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。 成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた! これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。 「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」 「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」 「んもおおおっ!」 どうなる、俺の一人暮らし! いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど! ※読み直しナッシング書き溜め。 ※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。  

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

既成事実さえあれば大丈夫

ふじの
BL
名家出身のオメガであるサミュエルは、第三王子に婚約を一方的に破棄された。名家とはいえ貧乏な家のためにも新しく誰かと番う必要がある。だがサミュエルは行き遅れなので、もはや選んでいる立場ではない。そうだ、既成事実さえあればどこかに嫁げるだろう。そう考えたサミュエルは、ヒート誘発薬を持って夜会に乗り込んだ。そこで出会った美丈夫のアルファ、ハリムと意気投合したが───。

処理中です...