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第一章

第七話

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 あの後すぐ体を起こし、傷の具合を確かめる。抉られた脇はしっかりと巻いた布のおかげか酷いことには変わらないが、内臓に影響があるほどでもなく、ポーションをかけてさっさと治療をする。
 折れた右腕は無理やり向きを矯正し、そかしこに散らばる木片の中でマシな枝などを添え木に布とロープで固定し縛る。骨折などは治癒術や聖魔法などでなければ、専用のポーションなどでないと回復はしない。手持ちの中級ポーションでは完治は不可なのだ。

 ついでにやたらめったらに傷をつけてしまった猿狼にもポーションを掛けてやり目と耳だけは治してやる。欠損はどうしても時間がかかるので、回収できる範囲で指などを集め、ポーションをかけて治していく。どうしても二本ばかり指が見つからなかったが、問題ないと言わんばかりに手を振り回す猿狼を見てこんなもんかと治療を終える。

 気配を探れば、大量にあったはずの気配が散り散りになっており、一際強い気配を持っていた個体は既に虫の息であり、恐らくあれがウディム達がさっきだった元凶であろうとあたりをつけ、それ以外の醜豚頭鬼から過食部位を一部と、討伐部位を切り取り回収する。

 殺してしまったウディムからも、猿狼に断りをいれ討伐部位を剥ぎ取り回収する。本来ならば全身持って帰れば一匹で銀貨四枚にはなるのだが、こうして長がいる前で亡骸を持ち去るのは気が引けた。

 もっとも、討伐証明だけでも銀貨一枚は貰えるので、それなりの臨時収入にはなる。もちろん大赤字だが。

 さて、と声を上げ、帰途につこうとだるい身体に鞭を打ち歩き出す。

「じゃぁなァ猿狼。悪かったなァ虐めちまって。まァ、仮にお前さんらが森から出て人を襲うってんならァおィらも今度は容赦はしねぇが、そうでないんならおィらからは何もしやしねぇ。安心して暮らすこった。おめェさんなら当分冒険者にゃやられやせんだろうしなァ」

 そう最後に呟き、新たな木の根を咥えて手を挙げ、猿狼に別れを告げたのだった。

 猿狼は言葉の意味は理解できなかったが、助けられたこと、脅威がさったことを認め、仲間を集めた。そしてよくよく言い聞かせた。

 ーー小さきモノには、手を出すな。

 ーー無論、襲いかかってきたならば応戦せよ。だが、我らから手を出すな。

 こうして、ヌアの森一危険な魔獣、魔猿ウディムは、この日を境に、進んで人を襲うことの無い魔獣となったのだった。


◆◇◆◇◆◇


 【魔銀の刃】の三人は結局九時間の時間をかけ、ようやくギルドへとたどり着いた。

 必死にギルドの職員に説明をし、異常繁殖スタンピードの前兆や、オークキングのことを伝え、またウディム暴れていることも伝えた。

 冒険者はすぐさま行動に移すべきだと装備の準備などを始めたが、受付嬢ジャードがそれに待ったをかけた。

「話は把握出来ました。まず、一時アシュリー様の身柄を拘束させていただきます」

 三人は神妙な顔で頷き、ギルド付きの冒険者により拘束された。

「次にスタンピードですが……確かに動くべき事態ですが、まずは斥候などを放ち、情報の収集が先決です。魔猿が暴れているとのことですので、もしかするとオークキングがウディムにちょっかいをかけている可能性もあります。そうなると、スタンピードの可能性があっても、潰されている場合も考えられますし」

 そういえば、冒険者達も少し思考をめぐらせる。オークキングは確かにオーク……銀級の魔獣よりも遥かに強く、白金級の魔獣である。しかし、ウディムはこのオークキングよりも単体では強いのである。オークキングの厄介な点は同族の士気を高める能力と、群れを纏めあげる能力だが、ウディムは王種がいなくとも、ラウ・ウディムという群れの長が存在し、組織力の上では森の支配者たるウディム達とは根本的に差があるのだ。

「仮にラウ・ウディムを怒らせたのであれば、既にオークキング率いるオークの群れは潰されている可能性があります。今重要なのはスタンピードがあるかどうかの確認であり、同時にヴェロニカ・ダーリ様の安否の確認、並びに捜索、救助です」

 冒険者達はしっかりと頷く。備えることは大事だが、そればかりに懸かり切りではいられない。ジャード嬢の言うことは真っ当であり、そうと決まれば早速と、捜索に参加するもの達が声を上げる。

「皆様の熱意は受け止めますが、今回は適任をギルド側から選ばせていただきます。神鉄級冒険者、マドザ様並びにニコラ様、魔銀級パーティ【イグニス・ブルー】の皆様、同じく魔銀級パーティ【アダマス・キラー】の皆様、この十三名に加え、ギルドから捜索部隊八名を出します」

 告げられた人選に冒険者達は納得し、これならば、死体であっても残っていればあの気前のいい少女のような冒険者は見つかるだろうし、スタンピードが発生するのであれば確実に情報を持ち帰ってくると確信できた。

「おや、これはなんの騒ぎで?」

「ドブネズミの嬢ちゃんが森に置き去りにされたんだと。しかもスタンピードの可能性があるってんで大騒ぎさ」

「ははァ、そいつァ大変で。しかし困りやしたねェ」

「あん?何が困ったって……って、うぉ!?」

 話しかけられた冒険者は怪訝そうに振り向くと大声で思わず叫んでしまった。
 何せ目の前には血と砂埃と汗でドロドロになり、腕を吊った状態の今置き去りにされたと問題に上がっていたドブネズミ本人なのだから。

「いやァ、こりゃ大人しく森で待っておくべきでしたかね?いや、おィらもこんななりじゃぁありやすが、一応女の端っこに居座るもので、こうも汚れちゃ居心地も悪くってですねェ。それに腕も折れちまってポーション程度じゃどうしようもないもんで、早いとこ治癒院なりに世話になりに行きたいんでやすがね、どうしたもんでしょうなァ」

 ポリポリと頭を掻き、視線が集まっているのに気づき、へらっと苦笑を浮かべるのであった。

「えっと、まあ、本人が戻ってきても、スタンピードの確認は以来として出すので、指名された皆さんは準備の後森へ向かってくださいね?」

 というジャード嬢の言葉だけが、虚しく響いていた。


◆◇◆◇◆◇


 ギルドから腕の良い治癒魔法の使い手を紹介され、【魔銀の刃】もちで治療がされる。治癒術師からは

「処置は適切だと言えるが……いや、なんだ、その、骨折した腕を無理やり元の位置に戻すなど、痛みに鈍感なのか?」

 と言われてしまった。痛いものは痛いが耐えられるというだけで、好き好んで骨折などはしたくないと告げ、完治したのを確認しながらゆっくりと体を動かす。

 練技の反動の体のだるさや最後に無理をした左腕がまだ鈍く痛むが、こっちは自然治癒で治すしかないので十分だ。

 ギルド職員用の風呂場を借りてざっと湯で流し汚れを落としていく。ボロボロと血が剥がれ落ち、茶色く濁った泡が落ちていく。風呂なんてのは贅沢品で持ち合わせてはいないから、風呂そのものはすごく久しぶりで、とても気持ちがよかった。

 着替えは下着しか用意がなかったので諦めてドロドロに汚れた服を着直そうと思っていたら、清掃魔法を使えるものが汚れを払っておいてくれららしい。すっかり気分も良くなった。もっとも、攻撃を受けた箇所は破けたりしているので、また新調しないと行けないが。

「さてさて、お仕事のお話と行きやしょう」

 【魔銀の刃】の三人に、ギルドマスターのロクスヴェート、受付嬢のジャードの待つ応接室へと向かう。

「……おぅ、来たかドブネズミ」

「えぇ、いや、助かりやしたぜ。さすがにおィらもあんなに汚れっちまってちゃぁちぃとはしんどいもんでして」

「ふんっ、ネズミ風情にそんな感情の持ち合わせがあったとはな。まあいい」

 腕を組み、厳しい顔でギロリとドブネズミを睨んだ後、さらに険しい、それこそそこらの盗賊の方がまだ可愛げのあるような表情で【魔銀の刃】を睨めつける。可哀想にエリアなんて泣きそうな顔をしている。

「話はジャードから聞いているが……仕事中、臨時パーティを組んだメンバー、銀級冒険者ヴェロニカ・ダーリを背後から攻撃し、負傷させ、その上で負傷者を置き去りにして逃げたとの事だが、間違いないか?」

 少々ニュアンスが違う。確かに背後から弓で射られた。しかしやったのはアシュリーだけであり、残る二人は加担していない。しかも置き去りではなく、ドブネズミの判断でさっさと戻れと指示を出していた。そのことを告げようと声を上げかけた時

「その通りです」

 と、リーダーダルシオが深く頭を下げながら言うのだった。

「いやいやいや!ありゃおィらの指示で逃げろと言ったんですぜ?そりゃァ肩口射抜かれちまったのは事実だがァ、あのまま残られてた方が危険だって思ったからおィらとっとと逃げてくれって言った次第で」

「いや、しかしだ。俺達はアシュリーを止める責任があったし、逃げるにしても、エリアの魔法などで援護はできたはずなんだ」

「責任に関しちゃァその通りかもしんないですがね?こう言っちゃァあれだが、冗談でもなく、あの場で魔法なんぞ使われてたらあんたら死んでやしたぜ?ウディム七匹ってのはァそれくらいやべぇ数なんでさァ」

「そうですね。魔銀級の三人パーティでは、倍数以上のウディムでは前衛を崩されて終わりでしょう」

 すかさずジャード嬢のフォローが入る。別にかばい立てするつもりは無いが、だからといってこっちが言い出したことを責任として擦り付ける気はなかった。

「そういうのならばヴェルンダは銀級冒険者だろう?実力は魔銀級以上なのは今回依頼を共にしたから把握しているが、冒険者にとって階級における責任は絶対だ。少なくとも俺達はお前を守る義務がある」

 確かに、魔銀級冒険者は、その二つ以上下の階級をもつ冒険者を守らなければいけない場合がある。しかし……

「ふむ、少々認識に差があったようだ……。責任問題は事実としてある。ドブネズミの言う通りだったとしても、階級における罰則は受けてもらう必要がある。その上で、だ」

 ギロリと視線でドブネズミを制し、未だ茫然自失なアシュリーに意識を向けるギルドマスター。ビクリ、と俯いていたアシュリーが震え、恐る恐る顔をあげる。

「白金級冒険者アシュリー、貴様の行った行為は冒険者においては裏切り行為であり、戦闘直前であったことからも、殺意があったと考えられる。釈明があるならば聞くが、厳罰は免れない」

「ッ……!」

 ぐっと唇をかみ締め、深く頷くアシュリー。どうやら深い後悔に囚われているらしい。

「まず、【魔銀の刃】三名には三ヶ月間、依頼を受けた際、報酬額を五十パーセント減額する。さらに、冒険者、ヴェロニカの装備、アイテムの代金の支払い、そして半年間の間に最低五十の奉仕依頼を受けるように。ドブネズミ、装備の総額が出せるか?」

「あん?あー、布代と中級ポーション五つ、それとナイフ一本、刺突剣が二本ともダメになったなァ……。後、布鎧と、保存食と水かね?獣避けに魔獣避けはまだ生きてるし。服は別にタダ同然の布キレだしなぁ……」

「ナイフと刺突剣は持っているか?」

「あぁ、もちろんですぜ」

 相棒とも呼べるナイフ二本と折れた刺突剣二本、それから布鎧を出す。

「ジャード、鑑定を」

「かしこまりました」

 片眼鏡をかけたジャード嬢がアイテムを鑑定する。ドブネズミが持つ武器は質がとても良いものという訳ではなく、それこそ刺突剣などは安物の予備の武器だ。

「……こちらの刺突剣は一つ銅貨七枚から八枚と言ったところですね。布鎧の方も、銀貨1枚程度です。ここに中級のポーション五つの相場額、銀貨三十枚、布代が鉄貨三枚。端数切り上げとしましょうか。合計で銀貨三十三枚ですね」

「……そりゃ、また、冒険者の装備にしちゃえらく安モンだな」

「特別な能力や素材もありませんし、ポーションが一番高いですね。ただし」

「ただし?」

「このナイフは別です」

「おィらのナイフがなんかあんのかぃ?」

「え、ご存知なかったのですか……?」

 知るも何も、昔、手に馴染むならくれてやると知り合いの武器商人から二本合わせで銀貨三枚で買ったものだ。ナイフにしちゃそこそこ良い物だろうが、所詮はナイフだろう。

「こちらも特殊な能力などは付与されていませんでした」

「まあ、そうですがァ……」

「しかしこれ、素材が魔鉄とミスリルの合金で、その上から神鉄でコーティングされ、さらにその上に質の良い鋼を被せた逸品です」

 ジャード嬢の言葉に、目を見開くギルドマスター。いや、ドブネズミも【魔銀の刃】の三人も驚いていた。

「柄の部分も凄いです。木材は堅牢さで知られる堅楠けんくす で、そこは普通なんですが、握りやすいように巻かれている革が、なんと魔牛ドドヌスの革です。これ柄だけでも金貨十枚くらいしますね」

「は?」

「刃の部分はもはやナイフ型の魔剣ですね……。一体何をどうすればこのナイフの刃が毀れるんですか?最低でも神鉄以上の強度、硬度を持ったものを切らないとこうはならないですよ?あ、代金はナイフ二本でおそらく……金貨四十枚と言った所でしょうか?一本だけとのことですが、これ両方とも研ぎに出したりすべきですね。手直しだけで……そうですね、神鉄被せ刃が剥がれているので…神鉄を扱える鍛冶師が必要ですね。となると……修理代は金貨五枚から十枚でしょうか?」

「お、おいおい……。ジャード、それは、本当か?」

ギルドマスター震える声で訪ねる。仮にそれが真実だとすれば、この二本のナイフはとんでもない値打ちものである。

「む、失礼ですね。私の鑑定のレベルをご存知でしょう?これでも正式な《鑑定眼》を持つと認可を頂いています。これが魔金剛マギ・アダマス でもない限り、私の目はモノの価値を正確に測れます」

 彼女は物品や素材にのみ有効だが、その結果《鑑定》よりも効果の高い《鑑定眼》という恩恵ベネフィットを授かっている。その能力は鑑定士を生業とする者たちからの正式な認可を受け、本物であることが認められ、二級鑑定士の免許を有している。

 その彼女が言うのだから、間違いはないのだろう。

 さしもの【魔銀の刃】も、予想外の価値に目を瞠るが、どうにか頷き、このあと全額支払うと頷いた。

 ドブネズミは内心とても驚いていた。質の良い武器だとは思っていたが、まさかそんな値打ち物だとは思ってもいなかったし、それ以上にあの猿狼が軽く神鉄以上の強固な体毛を纏っていることに驚いていた。

 結局【魔銀の刃】から金貨十枚と銀貨三十三枚を受け取り、アシュリーへの処罰へと話が変わっていった。ジャード嬢は同僚に鍛冶師の予約を取りに行ってもらうよう頼んでいた。

「アシュリーはまず冒険者ランクの降格だ。現在白金級だが、二つ下の銀級まで下げる。その上でギルドに罰金として金貨五枚、ヴェロニカに金貨十枚の支払いを課す。さらに、更生用の研修を受講の後、試験官とともに再試験を行ってもらう」

 ここで一度区切るギルドマスター。

 しかし思い切ったものだ。冒険者にとってランクの降格とはとても重い罰である。しかし、まだまだ罰はあるようで、水を飲み干したギルドマスターはさらに重い罰を告げる。

「今後一年の間はどんな依頼をこなそうとも、どれだけ依頼をこなしても昇格は認めない。対象が死亡していたならば問答無用で犯罪奴隷として売り飛ばしていたんだがな」

 忌々しそうに告げ、これで処罰は終わりだと退出を促す。改めて後日迎えを寄越すとの事で、ギルドマスタードブネズミ以外は全て退出する。

「さて……」

 深々と溜息をつき、ギロリと強く睨みをきかせるギルドマスター。

 それに対し、ドブネズミは大きく肩をすくませて見せる。

「お前が殺りあった獲物の情報を聞こうか?お前が苦戦するなんざ笑えないぞ」

「その事かィ。あぁ、まあ、おィらとしちゃァ問題は無いとは思うが、まあやりてぇならそっちで対処してくれや」

「お前、まさか見逃したのか?」

「見逃すも何もあそこは元々エテ公どもの住処じゃぁありやせんか。そこのボスが出張ってきたって話ですよ」

「ラウ・ウディム程度に苦戦するたまじゃないだろうが。いや、小娘に肩を射抜かれてたな……。鈍ったんじゃないのか?」

「それは否定できやせんねェ……。長けりゃ一月近く仕事に出向かねぇこともありやすからなァ」

 困ったように頭を掻きながら、射抜かれた肩を撫でさする。今回は自分の失態でもある。少しばかり気が抜けすぎていたのは否めない。

「ふん、ドブに浸かりすぎて腑抜けたか。まあいい、ラウ・ウディム以上のやばい魔獣がいるとなるとあそこの危険度を引き上げたりせねばいかん。正確に情報をよこせ」

「はいよ、まァ、そんな詳しく知ってる訳じゃねぇんですがね?確実に言えることは、おィらが戦ったのはラウ・ウディムの変異種でしたね」

「変異種だと……?強さは?体格や変異部位の詳細を教えろ」

「神鉄以上、金剛クラス下位、ってところでさァね。変わってたのは口元と後ろ足、狼と猿が混じった感じでしたねェ。刃が通らねぇで焦りやしたぜ。無理やり斬りやしたから一本刃が駄目になりかけてて、ちょいと焦りやしたぜ」

「おいおい、大問題じゃないか!」

「半殺しにして治してやったんでとりあえずは大人しくはしてると思いやすがね?銀毛の猿は臆病ってのは、昔っからの事実でさァ」

「そうは言うがな!その猿狼……狼猿?に引っ張られて、変異種や、変異種まで行かなくても亜種などが増えたらどうするんだ!」

「それこそ知ったこっちゃありやせんぜ。こちとら銀級。そもそもウディム七匹に囲まれるのだってしんどかったってのに。手負いで神鉄以上のバケモノ相手にすんのはおィらだって骨が折れるんですぜ?実際折れちまいやしたし」

「くっ……。よそに応援を頼むか……。金剛級のパーティを要請するか……?」

「そこら辺は好きにしてくだせぇ。おィらはもう帰っても?」

「ちっ……ああ、とっとと失せろ。ああいや、近いうちにアシュリーから回収した金を受け取りにこい。それと換金や素材の買取ならとっとと済ませておけ。どうせお前のことだ、七匹のウディム分の素材の一部くらい回収してるだろ」

「あいよ。んじゃぁおィらは飯食いに行くとするよ」

 うまい豚肉も大量に手に入ったしな、とつけ加え、上機嫌に受け付けに顔を出すため応接室をあとにしたのであった。
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