15 / 72
幕間
降誕祭の夜に
しおりを挟む
――聖夜の前日。
とある修道院のシスター達は山間の廃城で裏の任務を遂行していた。祈りの魔力と信仰により魔を討伐すること、即ち悪魔祓いである。手には十字架型の杖を持ち、祈りのみならず攻撃魔法も多用して戦う。
「ヒメリア、そっちに大物が行ったわっ」
「任せてっ。忌まわしき悪魔よ、神の威光によりその姿を滅せよっ!」
バシュッ!
『ぎぎゃああああっ!』
『違う、私は魔女じゃないぃいいいいっ』
中央大陸の古城には非業の死を遂げた聖女の念や、魔女狩りの被害に遭った娘達の怨念が未だに渦巻いている。
特に聖夜が近くなると救いの手を差し伸べてくれなかった神への怨みや憎しみの念で、それらが暴走し近隣の住人にまで影響を及ぼすこともしばしば。古城を根城にする怨念が、外部に出るのを防ぐため定期的に討伐作業を行っているのだ。
「可哀想に、きっとかつての魔女狩りの犠牲者だわ。セシル、二人で力を合わせてきちんと天に昇れるように祈りましょう」
「ええ、けどその前に……もう少し悪霊達を祓わないとねっ」
バシュッ!
最初は人数の少ないエクソシストの派遣が間に合わなかった場合の代打だったが、実力者揃いの修道女への信頼が高まり今では直接教会本部から司令が下ることが増えた。
中でも、奇跡の甦りの島として名高い小国ペリメライドからやって来たヒメリア・ルーインことシスターマリアの聖なる力は群を抜いて高く、元諜報部員のセシル・ジャニスことシスター・セシリアとのコンビは教会本部者以上とも囁かれている。
「奇跡の甦りの島の聖女として貴女達の無念を全て浄化しましょう……お逝きなさいっ」
ヒメリアが呪文を唱えると、光の柱と共に悪霊達は天に昇っていった。主人のいない古城は、再び静けさを取り戻している。
「……さてと、これでようやくクリスマスが出来るわね。ヒメリア」
「ふふっ。これからが大変よ、セシル。なんせ、育ち盛りの子供達の面倒を見なきゃいけないんだから」
* * *
『おぉ、従順なる神の子羊達。救世主様が我々の元へと舞い降りたとされるこの日を祈りと共に祝いましょう! では、神に捧げる讃美歌を……』
『ハレルヤ、ハレルヤ。我が主よ、メシアよ、神の導きよ。悪魔から我々を守り給え』
『ハレルヤ、ハレルヤ。奇跡よ、メシアの奇跡を神の導きに。光と共に、アーメン』
――パイプオルガンの音色と老若男女の歌声が聖堂に響く。今宵は特別な清らかな日。
神の御子が地上に生まれたことを祝う降誕祭は、世界の多くで親しまれているイベントの一つだ。救世主伝説を信じる者も普段は信仰と離れた暮らしをする者も、降誕祭の日は讃美の歌を唄い人形モチーフのジンジャークッキーを愉しむ。特に教会や修道院に仕える者にとっては、洗礼者以外と交流を深めるきっかけとなる重要な記念日である。
「さぁ讃美歌の時間の後は、お待ちかねの降誕祭の七面鳥パーティーよ! 孤児院のみんなも今日は神様からのプレゼントを是非受け取ってね。はい、いい子にしてたご褒美のジンジャークッキー」
『わぁい!』
中央大陸のとある女子修道院でも一般参加者や孤児らと共に、歌や祈りによって神への理解を深めていた。
「シスターマリア。悪いけどおやつのジンジャークッキーを配るのが終わったら、談話室で聖書のお話し会を手伝ってくれないかしら? 思ったより多くの子供達が遊びに来たから、部屋を分けることになってね。読み聞かせ係のシスターが足りないのよ」
「分かりました! しばしお待ちを」
昨夜の悪魔祓いの疲れもなんのその、修道女見習いの一人である【洗礼名マリア】こと【ヒメリア・ルーイン】も、今回の降誕祭の手伝いに大忙し。
特に聖書のお話し会や孤児の世話などの小さい子供向けの活動は、教会の奉仕活動というより保母さんのような雰囲気で、神父よりもシスターが役割を引き受けていた。
ヒメリアが指定された部屋に入ると、待機中の子供達の姿。暖炉の側で温まりながらもモミの木の飾り細工にちょっかいを出したり、笑い袋をぶんぶん振り回したりと随分と活発に遊んでいる。
(何ていうか、今夜の子供達はいつもより気分が高揚しているわね。元気なことは良いことだと思うけど)
「はぁい。みんな、メリークリスマスッ。今夜のお話し会を始めるわよ。さっいい子だから、座って頂戴」
「あっ。マリアお姉ちゃんだぁ。ねぇ、今日はマリアお姉ちゃんが聖書のお話し聴かせてくれるの? オレ、クジラのお腹に飲まれる話は飽きちゃったから、別のがいいなぁ」
「まぁ。そうなの? 今ここにあるお話し会用の聖書の本は……定番の【救世主様が生まれた夜のお話】、旧約聖書の【アダムとイヴの楽園追放】、そして飽きちゃったっていう【クジラのお腹に飲まれる話】……か」
本来ならばもっと子供向けの本があるのだが、部屋を分けてお話し会を行うために本も各部屋に分散させてしまった。クジラのお腹に飲まれる話に飽きたということは、選択肢は救世主様誕生のお話しか、アダムとイヴのお話しになるわけだが。
「救世主様のお話しは神父様もさっきしてたし、何か別なのがいいな~」
「あたし、この間セシリアお姉ちゃんから教えてもらったんだけど、マリアお姉ちゃんって楽園ペリメライドからやって来たんだよね。どんなところ?」
「僕も楽園ペリメライドについて、知りたいっ。せっかくだし、今日はマリアお姉ちゃんの故郷のお話しを聴かせてよっ。だってペリメライドって本物の魔法が掛かった世界なんでしょ?」
かつて、シスターマリアは【ヒメリア・ルーイン】として小国ペリメライドのお妃候補とされた伯爵令嬢だった。魔女の呪いによって何度もタイムリープを繰り返していたというその島は、中央大陸の子供達にとってはリアルな御伽の世界。
けれど、伯爵令嬢ヒメリア・ルーインにとっては、断罪されるより早く追放されることを願った悲劇の楽園。そして、いつか再び向き合わなければならない因縁の楽園。
「そう……では、今宵はみんなのリクエストにお応えして。楽園ペリメライドに眠る赤い髪の魔女のお話しを……」
「わぁいっ」
ほんの一瞬だけ、お話しを期待する子供達の姿が、例の魔女に取り憑かれた少女フィオの姿と重なる。
――運命の歯車は、再びヒメリア・ルーインを呼び起こそうとしていた。
とある修道院のシスター達は山間の廃城で裏の任務を遂行していた。祈りの魔力と信仰により魔を討伐すること、即ち悪魔祓いである。手には十字架型の杖を持ち、祈りのみならず攻撃魔法も多用して戦う。
「ヒメリア、そっちに大物が行ったわっ」
「任せてっ。忌まわしき悪魔よ、神の威光によりその姿を滅せよっ!」
バシュッ!
『ぎぎゃああああっ!』
『違う、私は魔女じゃないぃいいいいっ』
中央大陸の古城には非業の死を遂げた聖女の念や、魔女狩りの被害に遭った娘達の怨念が未だに渦巻いている。
特に聖夜が近くなると救いの手を差し伸べてくれなかった神への怨みや憎しみの念で、それらが暴走し近隣の住人にまで影響を及ぼすこともしばしば。古城を根城にする怨念が、外部に出るのを防ぐため定期的に討伐作業を行っているのだ。
「可哀想に、きっとかつての魔女狩りの犠牲者だわ。セシル、二人で力を合わせてきちんと天に昇れるように祈りましょう」
「ええ、けどその前に……もう少し悪霊達を祓わないとねっ」
バシュッ!
最初は人数の少ないエクソシストの派遣が間に合わなかった場合の代打だったが、実力者揃いの修道女への信頼が高まり今では直接教会本部から司令が下ることが増えた。
中でも、奇跡の甦りの島として名高い小国ペリメライドからやって来たヒメリア・ルーインことシスターマリアの聖なる力は群を抜いて高く、元諜報部員のセシル・ジャニスことシスター・セシリアとのコンビは教会本部者以上とも囁かれている。
「奇跡の甦りの島の聖女として貴女達の無念を全て浄化しましょう……お逝きなさいっ」
ヒメリアが呪文を唱えると、光の柱と共に悪霊達は天に昇っていった。主人のいない古城は、再び静けさを取り戻している。
「……さてと、これでようやくクリスマスが出来るわね。ヒメリア」
「ふふっ。これからが大変よ、セシル。なんせ、育ち盛りの子供達の面倒を見なきゃいけないんだから」
* * *
『おぉ、従順なる神の子羊達。救世主様が我々の元へと舞い降りたとされるこの日を祈りと共に祝いましょう! では、神に捧げる讃美歌を……』
『ハレルヤ、ハレルヤ。我が主よ、メシアよ、神の導きよ。悪魔から我々を守り給え』
『ハレルヤ、ハレルヤ。奇跡よ、メシアの奇跡を神の導きに。光と共に、アーメン』
――パイプオルガンの音色と老若男女の歌声が聖堂に響く。今宵は特別な清らかな日。
神の御子が地上に生まれたことを祝う降誕祭は、世界の多くで親しまれているイベントの一つだ。救世主伝説を信じる者も普段は信仰と離れた暮らしをする者も、降誕祭の日は讃美の歌を唄い人形モチーフのジンジャークッキーを愉しむ。特に教会や修道院に仕える者にとっては、洗礼者以外と交流を深めるきっかけとなる重要な記念日である。
「さぁ讃美歌の時間の後は、お待ちかねの降誕祭の七面鳥パーティーよ! 孤児院のみんなも今日は神様からのプレゼントを是非受け取ってね。はい、いい子にしてたご褒美のジンジャークッキー」
『わぁい!』
中央大陸のとある女子修道院でも一般参加者や孤児らと共に、歌や祈りによって神への理解を深めていた。
「シスターマリア。悪いけどおやつのジンジャークッキーを配るのが終わったら、談話室で聖書のお話し会を手伝ってくれないかしら? 思ったより多くの子供達が遊びに来たから、部屋を分けることになってね。読み聞かせ係のシスターが足りないのよ」
「分かりました! しばしお待ちを」
昨夜の悪魔祓いの疲れもなんのその、修道女見習いの一人である【洗礼名マリア】こと【ヒメリア・ルーイン】も、今回の降誕祭の手伝いに大忙し。
特に聖書のお話し会や孤児の世話などの小さい子供向けの活動は、教会の奉仕活動というより保母さんのような雰囲気で、神父よりもシスターが役割を引き受けていた。
ヒメリアが指定された部屋に入ると、待機中の子供達の姿。暖炉の側で温まりながらもモミの木の飾り細工にちょっかいを出したり、笑い袋をぶんぶん振り回したりと随分と活発に遊んでいる。
(何ていうか、今夜の子供達はいつもより気分が高揚しているわね。元気なことは良いことだと思うけど)
「はぁい。みんな、メリークリスマスッ。今夜のお話し会を始めるわよ。さっいい子だから、座って頂戴」
「あっ。マリアお姉ちゃんだぁ。ねぇ、今日はマリアお姉ちゃんが聖書のお話し聴かせてくれるの? オレ、クジラのお腹に飲まれる話は飽きちゃったから、別のがいいなぁ」
「まぁ。そうなの? 今ここにあるお話し会用の聖書の本は……定番の【救世主様が生まれた夜のお話】、旧約聖書の【アダムとイヴの楽園追放】、そして飽きちゃったっていう【クジラのお腹に飲まれる話】……か」
本来ならばもっと子供向けの本があるのだが、部屋を分けてお話し会を行うために本も各部屋に分散させてしまった。クジラのお腹に飲まれる話に飽きたということは、選択肢は救世主様誕生のお話しか、アダムとイヴのお話しになるわけだが。
「救世主様のお話しは神父様もさっきしてたし、何か別なのがいいな~」
「あたし、この間セシリアお姉ちゃんから教えてもらったんだけど、マリアお姉ちゃんって楽園ペリメライドからやって来たんだよね。どんなところ?」
「僕も楽園ペリメライドについて、知りたいっ。せっかくだし、今日はマリアお姉ちゃんの故郷のお話しを聴かせてよっ。だってペリメライドって本物の魔法が掛かった世界なんでしょ?」
かつて、シスターマリアは【ヒメリア・ルーイン】として小国ペリメライドのお妃候補とされた伯爵令嬢だった。魔女の呪いによって何度もタイムリープを繰り返していたというその島は、中央大陸の子供達にとってはリアルな御伽の世界。
けれど、伯爵令嬢ヒメリア・ルーインにとっては、断罪されるより早く追放されることを願った悲劇の楽園。そして、いつか再び向き合わなければならない因縁の楽園。
「そう……では、今宵はみんなのリクエストにお応えして。楽園ペリメライドに眠る赤い髪の魔女のお話しを……」
「わぁいっ」
ほんの一瞬だけ、お話しを期待する子供達の姿が、例の魔女に取り憑かれた少女フィオの姿と重なる。
――運命の歯車は、再びヒメリア・ルーインを呼び起こそうとしていた。
0
お気に入りに追加
929
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました
黎
ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。
そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。
家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。
*短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。
私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?
みおな
ファンタジー
私の妹は、聖女と呼ばれている。
妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。
聖女は一世代にひとりしか現れない。
だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。
「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」
あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら?
それに妹フロラリアはシスコンですわよ?
この国、滅びないとよろしいわね?
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる