43 / 94
正編 第三章
第08話 泣き縋る声は氷を溶かす
しおりを挟む
ギベオン王太子の焦りとは裏腹に、二人の気持ちはすれ違っていき、電話の内容はどんどん悪い方向へと向かっていった。
「……どちらかと言うと、周りの人も一丸となってネフライト君と私に先に纏まって貰ってから、ギベオン王太子と破断して欲しいように感じるわ。私が先に男が出来た設定の方が、王宮関係者達にとっては都合が良いのね」
『別にそこまでは言ってない! ただ、キミの気持ちをたまに確認しておきたいと思っただけで。それとも何か、もうネフライト君と何かあったのか……彼も今年で中学二年生だ。そろそろ……』
ルクリアからするとギベオン王太子が一体、何を確認したいのか本音の部分が分からない。別れたいのなら自分から言い出せばいいものを、まさかまだ十三歳のネフライトを悪者扱いしようとしているのではないかと疑ってしまう。
今日は偶然手を繋ぐ機会があったが、ネフライトは決してルクリアを傷付けるような真似はしない。
大人だった頃の記憶を持つ彼が、子供の身体で真摯に今、出来る限りの愛情表現をしてくれている。自分達のプラトニックな関係が侮辱された気がして、ルクリアは徐々にギベオン王太子を責めるような口調になっていった。
「……以前にも話したけど、ネフライト君はまだ少し子どもなの。貴方が考えるようないやらしい真似が出来るはずないじゃないっ。彼のことを本気で好きになるのは、未だ少しかかるわ。でも、ネフライト君は素敵な人よ、外見だって可愛いくてカッコいいし、このまま大人になれば私だってもっと彼のことが好きになる。でも、今の段階でネフライト君に奪略愛の罪を被せるなんて卑怯だわ!」
本気で好きになるのは時間がかかる、と言うことは既にもうルクリアは、ネフライトのことを好きになりつつあることを肯定したとギベオン王太子は捉えた。
(どうりで二人は、早く纏まってしまうわけだ。自分に気がありそうな財閥の御子息を思わせぶりに誘惑して、いずれ大人になったら自分のものにする気なのか。ルクリアは、そんなに悪い女だったのか。そうだよな……氷の令嬢とか言われているくらいだ。僕を見限って、あの子に走るんだ)
このままもっと好きになるというセリフは、ギベオン王太子からすると婚約者である自分よりも、ネフライトを選ぶと言う確定された未来を突きつけられた気がした。そうだ『未来はもう二人の娘のレンカが登場した時点で、決まってしまったのだ』と、ギベオン王太子の中で抑えていた何かがプッツリと切れた。
『……ああ、そうか。キミはそんなにあの子が大切か。今の段階では、手を出すのはネフライト君からじゃなくてキミの方からだろうしな。それともいずれ、自分の方から手をつけて喰うつもりなのか……僕とは肉体関係を持たないくせにっ』
「ふざけないでよ! 貴方と結婚するまでそう言う関係にならないのは、契約内容にあるからでしょう。それに、自分に責任を持てない学生の立場で、万が一子供でも出来たらどうするのよ」
頭に血が上りどんどん二人の口論は酷くなっていく、本当はこんなことを言い争いたい訳ではないのに。今日のギベオン王太子はいつも以上に、嫌味っぽくて好戦的だ。そしてルクリアも、将来は破断が確定していたとしてもギベオン王太子に未練があったのに、それ以上に彼の許せない部分が見えてしまう。
『だけど、ネフライト君とはそういう関係になるんだろう? 年が若くても、世間の目があっても、万が一子供が出来ても構わないから。いや、むしろキミの方が彼の子を望むようになるんじゃないか』
「ちょっと、ギベオン王太子。貴方、何だか今日……変よ。落ち着いて、落ち着いて話して……」
『……ルクリア、僕は知ってしまったんだ。今日、カルミアのクラスに突然やって来た新入生は、キミとネフライト君の娘なんだってな。未来は隕石衝突の影響で、ひどく荒れて成人年齢は元服まで引き下げられるそうじゃないか。だからって、そんなに早く結婚するということは。それだけ、ネフライト君のことを好きになるということなんだろう?』
ギベオン王太子が未来を知ってしまったと語り始めて、ルクリアは思わず反論を失ってしまった。
隕石衝突後の未来に、ギベオン王太子が存命しているかは謎だ。氷河期の中で永遠の眠りについているということしか情報はなく、それが死を現すのか、カルミアの夢見のチカラで学生時代の夢を永遠に見続けながら眠っているのかは分からない。
だが、ネフライトと夫婦になり、娘が産まれて家族になり、人としての人生を順調に歩んでいくルクリアとは大きく違うことだけは分かっていた。
「ねぇ、ギベオン王太子。私達は今の時間を過ごしているのよ。それに、未来からやって来たという少女の目的が、滅亡するこの国を救う事かも知れないでしょう。どうして、そんなに悲観的になるの。お願い、いつもの優しいギベオン王太子に戻ってよ。言い過ぎたのは謝るから……お願い」
「どうしてって……キミのことが、キミのことが好きだからに決まっていつだろう? ルクリア。キミが……僕と死に別れたのち。将来、僕以外の男に純潔を捧げて抱かれようと、他の男と子を成そうと、キミの心から完全に僕が思い出の中で消え去ってしまうとしても……僕はキミのことが好きだ」
まさか、いつも冷静で大人の対応を貫いていたギベオン王太子が、涙声でまるで『捨てないでくれ』と縋るように、ルクリアに愛を告白するとは思わなかった。ルクリアの中で、勝手に作り上げられていたギベオン王太子の氷像が崩れていく。
彼の内面は、ルクリアの想像よりもずっと熱い情熱を抱いていた。ルクリアの氷を溶かすように。
「……どちらかと言うと、周りの人も一丸となってネフライト君と私に先に纏まって貰ってから、ギベオン王太子と破断して欲しいように感じるわ。私が先に男が出来た設定の方が、王宮関係者達にとっては都合が良いのね」
『別にそこまでは言ってない! ただ、キミの気持ちをたまに確認しておきたいと思っただけで。それとも何か、もうネフライト君と何かあったのか……彼も今年で中学二年生だ。そろそろ……』
ルクリアからするとギベオン王太子が一体、何を確認したいのか本音の部分が分からない。別れたいのなら自分から言い出せばいいものを、まさかまだ十三歳のネフライトを悪者扱いしようとしているのではないかと疑ってしまう。
今日は偶然手を繋ぐ機会があったが、ネフライトは決してルクリアを傷付けるような真似はしない。
大人だった頃の記憶を持つ彼が、子供の身体で真摯に今、出来る限りの愛情表現をしてくれている。自分達のプラトニックな関係が侮辱された気がして、ルクリアは徐々にギベオン王太子を責めるような口調になっていった。
「……以前にも話したけど、ネフライト君はまだ少し子どもなの。貴方が考えるようないやらしい真似が出来るはずないじゃないっ。彼のことを本気で好きになるのは、未だ少しかかるわ。でも、ネフライト君は素敵な人よ、外見だって可愛いくてカッコいいし、このまま大人になれば私だってもっと彼のことが好きになる。でも、今の段階でネフライト君に奪略愛の罪を被せるなんて卑怯だわ!」
本気で好きになるのは時間がかかる、と言うことは既にもうルクリアは、ネフライトのことを好きになりつつあることを肯定したとギベオン王太子は捉えた。
(どうりで二人は、早く纏まってしまうわけだ。自分に気がありそうな財閥の御子息を思わせぶりに誘惑して、いずれ大人になったら自分のものにする気なのか。ルクリアは、そんなに悪い女だったのか。そうだよな……氷の令嬢とか言われているくらいだ。僕を見限って、あの子に走るんだ)
このままもっと好きになるというセリフは、ギベオン王太子からすると婚約者である自分よりも、ネフライトを選ぶと言う確定された未来を突きつけられた気がした。そうだ『未来はもう二人の娘のレンカが登場した時点で、決まってしまったのだ』と、ギベオン王太子の中で抑えていた何かがプッツリと切れた。
『……ああ、そうか。キミはそんなにあの子が大切か。今の段階では、手を出すのはネフライト君からじゃなくてキミの方からだろうしな。それともいずれ、自分の方から手をつけて喰うつもりなのか……僕とは肉体関係を持たないくせにっ』
「ふざけないでよ! 貴方と結婚するまでそう言う関係にならないのは、契約内容にあるからでしょう。それに、自分に責任を持てない学生の立場で、万が一子供でも出来たらどうするのよ」
頭に血が上りどんどん二人の口論は酷くなっていく、本当はこんなことを言い争いたい訳ではないのに。今日のギベオン王太子はいつも以上に、嫌味っぽくて好戦的だ。そしてルクリアも、将来は破断が確定していたとしてもギベオン王太子に未練があったのに、それ以上に彼の許せない部分が見えてしまう。
『だけど、ネフライト君とはそういう関係になるんだろう? 年が若くても、世間の目があっても、万が一子供が出来ても構わないから。いや、むしろキミの方が彼の子を望むようになるんじゃないか』
「ちょっと、ギベオン王太子。貴方、何だか今日……変よ。落ち着いて、落ち着いて話して……」
『……ルクリア、僕は知ってしまったんだ。今日、カルミアのクラスに突然やって来た新入生は、キミとネフライト君の娘なんだってな。未来は隕石衝突の影響で、ひどく荒れて成人年齢は元服まで引き下げられるそうじゃないか。だからって、そんなに早く結婚するということは。それだけ、ネフライト君のことを好きになるということなんだろう?』
ギベオン王太子が未来を知ってしまったと語り始めて、ルクリアは思わず反論を失ってしまった。
隕石衝突後の未来に、ギベオン王太子が存命しているかは謎だ。氷河期の中で永遠の眠りについているということしか情報はなく、それが死を現すのか、カルミアの夢見のチカラで学生時代の夢を永遠に見続けながら眠っているのかは分からない。
だが、ネフライトと夫婦になり、娘が産まれて家族になり、人としての人生を順調に歩んでいくルクリアとは大きく違うことだけは分かっていた。
「ねぇ、ギベオン王太子。私達は今の時間を過ごしているのよ。それに、未来からやって来たという少女の目的が、滅亡するこの国を救う事かも知れないでしょう。どうして、そんなに悲観的になるの。お願い、いつもの優しいギベオン王太子に戻ってよ。言い過ぎたのは謝るから……お願い」
「どうしてって……キミのことが、キミのことが好きだからに決まっていつだろう? ルクリア。キミが……僕と死に別れたのち。将来、僕以外の男に純潔を捧げて抱かれようと、他の男と子を成そうと、キミの心から完全に僕が思い出の中で消え去ってしまうとしても……僕はキミのことが好きだ」
まさか、いつも冷静で大人の対応を貫いていたギベオン王太子が、涙声でまるで『捨てないでくれ』と縋るように、ルクリアに愛を告白するとは思わなかった。ルクリアの中で、勝手に作り上げられていたギベオン王太子の氷像が崩れていく。
彼の内面は、ルクリアの想像よりもずっと熱い情熱を抱いていた。ルクリアの氷を溶かすように。
0
* 断章『地球の葉桜』2024年04月27日更新。* 次章は2024年05月下旬以降を予定しております。* 一旦完結した作品ですが、続きの第二部を連載再開して開始しました。第一部最終話のタイムリープ後の古代地下都市編になります。よろしくお願いします!
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した
基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。
その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。
王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
婚約破棄された聖女は、愛する恋人との思い出を消すことにした。
石河 翠
恋愛
婚約者である王太子に興味がないと評判の聖女ダナは、冷たい女との結婚は無理だと婚約破棄されてしまう。国外追放となった彼女を助けたのは、美貌の魔術師サリバンだった。
やがて恋人同士になった二人。ある夜、改まったサリバンに呼び出され求婚かと期待したが、彼はダナに自分の願いを叶えてほしいと言ってきた。彼は、ダナが大事な思い出と引き換えに願いを叶えることができる聖女だと知っていたのだ。
失望したダナは思い出を捨てるためにサリバンの願いを叶えることにする。ところがサリバンの願いの内容を知った彼女は彼を幸せにするため賭けに出る。
愛するひとの幸せを願ったヒロインと、世界の平和を願ったヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(写真のID:4463267)をお借りしています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
幼馴染がそんなに良いなら、婚約解消いたしましょうか?
ルイス
恋愛
「アーチェ、君は明るいのは良いんだけれど、お淑やかさが足りないと思うんだ。貴族令嬢であれば、もっと気品を持ってだね。例えば、ニーナのような……」
「はあ……なるほどね」
伯爵令嬢のアーチェと伯爵令息のウォーレスは幼馴染であり婚約関係でもあった。
彼らにはもう一人、ニーナという幼馴染が居た。
アーチェはウォーレスが性格面でニーナと比べ過ぎることに辟易し、婚約解消を申し出る。
ウォーレスも納得し、婚約解消は無事に成立したはずだったが……。
ウォーレスはニーナのことを大切にしながらも、アーチェのことも忘れられないと言って来る始末だった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる