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第五章
第40話『反撃開始』
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◇
――反撃開始。
……でも、完全に形勢逆転できたわけじゃない。気を抜けば一瞬で壊滅だ。
気を引き締めないといけない状況には変わりない。
「みんな、ヘイト管理は変わらず僕と結月でやる。――行くよ!」
「わかった」
「よし、やったりますかーっ」
簡易的な指示を出し終え、再び前へ――。
「【インスタントヒール】【クイックヒール】――【スタン】!」
――敵の攻撃に集中して回避。そして頭部へ的確に行う。そして――。
『グィィィィイ!』
――寸での回避。次に――。
「結月!」
「てぇぇぇぇい!」
――結月との連携。
更に今では守結と桐吾の攻撃に、魔法スキルによる行動阻害。勝利までそう遠くはないはずだ。
……そして、僕は見逃さなかった。その防御する動作を。
「次の気絶で一斉攻撃!」
そう声を張り、みんなへ指示を飛ばした。
「【スタン】! ――――今だっ!」
三方向からの一斉攻撃。
その剣撃はレンジャーラットに命中――。
『じぃぃぃぃぃゃゃゃゃゃ!!!!!!!!』
――断末魔と共に、爆発四散した。
僕たちは勝った。勝利した。勝利したんだ。
「やっっっったぁー!」
その歓喜の声と共に結月が飛び付いてきた。
「勝ったんだよ! 私たち勝ったんだー! やったやったっ!」
「ちょ、ちょっと結月!」
まるで、小さい子供が初めて大きいぬいぐるみを買ってもらって抱き締めるてきている。それはもう嬉しそうに。
僕も嬉しい。嬉しいけど……いろんなところが当たっている。
それに……。
「ちょっと、なにやってるのよ! しーくんから離れなさーい!」
「み、みんなの前で、そ、そんな! わた――」
と、まあそうなるわけで……。
「あっはは、さっきまでの緊迫感はどこかに飛んで行っちゃったね」
「ひゃー、こちとらずっと酸欠で倒れそうだったのに」
「なんにしても、勝ったんだし、なんでも問題なしっ」
という感じに助けはこない。
「はぁ……そうだ。康太を!」
ため息一つの後、康太を回復させに行こうとすると、
「はいよ。お待たせしましたっと」
目線を向けた先に、康太の姿があった。
「あーあ、もう全部終わっちまったってやつかぁ。はぁ……はぁ……」
背中を丸め肩を落とし、酷く落ち込んでいる。
悔やむ気持ちは僕にもわかる。
前回の僕もそうだった。
油断はなかった。
でも、それだけじゃ補えないこともある。
自分の実力を信じて戦っても、その実力が足らなかった悔しさ。
自分の全力をもってしても勝てないという悔しさ。
そんな気落ちしている康太に、幸恵が近づき、
「何はともあれ私たちは勝ったんだし、そう落ち込むなってーっ」
「まあな。それもそっか。そうだな! 俺たちはは勝ったんだ、やったぜ!」
幸恵の励ましによって、雰囲気がガラッと変わり始めた。
気分の移り変わりの激しさに、こちらが驚くばかりだけど、少し単純すぎじゃないか……?
そんな勝利の余韻に浸っていると、辺りの景色がいつもみる演習場の景色へと戻り始めた――――。
――反撃開始。
……でも、完全に形勢逆転できたわけじゃない。気を抜けば一瞬で壊滅だ。
気を引き締めないといけない状況には変わりない。
「みんな、ヘイト管理は変わらず僕と結月でやる。――行くよ!」
「わかった」
「よし、やったりますかーっ」
簡易的な指示を出し終え、再び前へ――。
「【インスタントヒール】【クイックヒール】――【スタン】!」
――敵の攻撃に集中して回避。そして頭部へ的確に行う。そして――。
『グィィィィイ!』
――寸での回避。次に――。
「結月!」
「てぇぇぇぇい!」
――結月との連携。
更に今では守結と桐吾の攻撃に、魔法スキルによる行動阻害。勝利までそう遠くはないはずだ。
……そして、僕は見逃さなかった。その防御する動作を。
「次の気絶で一斉攻撃!」
そう声を張り、みんなへ指示を飛ばした。
「【スタン】! ――――今だっ!」
三方向からの一斉攻撃。
その剣撃はレンジャーラットに命中――。
『じぃぃぃぃぃゃゃゃゃゃ!!!!!!!!』
――断末魔と共に、爆発四散した。
僕たちは勝った。勝利した。勝利したんだ。
「やっっっったぁー!」
その歓喜の声と共に結月が飛び付いてきた。
「勝ったんだよ! 私たち勝ったんだー! やったやったっ!」
「ちょ、ちょっと結月!」
まるで、小さい子供が初めて大きいぬいぐるみを買ってもらって抱き締めるてきている。それはもう嬉しそうに。
僕も嬉しい。嬉しいけど……いろんなところが当たっている。
それに……。
「ちょっと、なにやってるのよ! しーくんから離れなさーい!」
「み、みんなの前で、そ、そんな! わた――」
と、まあそうなるわけで……。
「あっはは、さっきまでの緊迫感はどこかに飛んで行っちゃったね」
「ひゃー、こちとらずっと酸欠で倒れそうだったのに」
「なんにしても、勝ったんだし、なんでも問題なしっ」
という感じに助けはこない。
「はぁ……そうだ。康太を!」
ため息一つの後、康太を回復させに行こうとすると、
「はいよ。お待たせしましたっと」
目線を向けた先に、康太の姿があった。
「あーあ、もう全部終わっちまったってやつかぁ。はぁ……はぁ……」
背中を丸め肩を落とし、酷く落ち込んでいる。
悔やむ気持ちは僕にもわかる。
前回の僕もそうだった。
油断はなかった。
でも、それだけじゃ補えないこともある。
自分の実力を信じて戦っても、その実力が足らなかった悔しさ。
自分の全力をもってしても勝てないという悔しさ。
そんな気落ちしている康太に、幸恵が近づき、
「何はともあれ私たちは勝ったんだし、そう落ち込むなってーっ」
「まあな。それもそっか。そうだな! 俺たちはは勝ったんだ、やったぜ!」
幸恵の励ましによって、雰囲気がガラッと変わり始めた。
気分の移り変わりの激しさに、こちらが驚くばかりだけど、少し単純すぎじゃないか……?
そんな勝利の余韻に浸っていると、辺りの景色がいつもみる演習場の景色へと戻り始めた――――。
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