蒼緋の焔~The Crisis Hijiri Railway(千年放浪記-本編1)

しらき

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最果て

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これはとても儚い、でもとても大切な夢。彼の存在はいつまでもこの心に留まり続けるのだから。

蒼緋の焔~The Crisis of Hijiri Railway


最果て

 思えば俺の人生は短かった。酸素の中に入れた線香の火のように燃え盛っていたがその分早く終わりが訪れた。満足はしているが未練はある。だがここは現世ではないようだし化けて出る程の未練でもなかったのかもしれない。
 とりあえず起き上がろうとした。これからここで生活するだろうし、いわゆる“あの世”をこの目で見て回ろうと思ったのだ。だが軽く体を動かした途端俺が横たわっていた土台は大きな音をたてて崩れた。死んでいるはずなのに打った腰はそれなりに痛かった。
 悔しかったので先程まで横たわっていた場所を見た。それはガラクタの山だった。そうか冥界はお客様をガラクタ扱いか、と俺は若干腹を立てた。
 「あー、すごい音。目が覚めちゃったよ。あれ、お客さんだ!」
音を聞きつけて突如少年が現れた。ここがどこなのかも知りたいし声をかけてみよう。
「おっ、第1村人発見。へい、ゆー!どぅーゆーはーヴ心臓?」
「はいぃっ!?何故英語!?何故心臓だけ日本語!?そもそも初対面の人に言うセリフじゃないよ、それ!」
「死人の挨拶はこうかなって。」
「死人でも初対面の人に心臓持ってますか?とか普通聞かないからね!そもそも俺は死人じゃないし!」
「え、ここは冥界じゃないの?」
「違う、違う!ここはまだ冥界じゃないよ。」
「まだ?」
「渡り廊下みたいなものだよ。第一君はまだ天国に行くか地獄に行くか決まってないだろう。」
「21世紀のあの世でもザラシュストラの唱えたとおりの形式をとっているのかー。」
「ザラ…?え…?」
「ある宗教の教祖さまだよ。俺は天国に行きたいかな。」
生前“教祖”と呼ばれた俺だが他教の教祖の名前を挙げる。
「行きたいって言って行けるものではないよ…。」
「んーそうだね。で、君は?君はどっちが良い?」
「だから俺は死人じゃないの!」
「えっ、あー…まだここは“あの世”じゃないから?なら俺も死んでないことになるのか。」
「違う違う、君は死人で合ってる。でも俺は死人じゃないの!俺はここの番人なんだから。」
「番人…?なんだそれ。」
「たまに地獄の民がこっちに脱走してきたり外から人間の魂を狙って妖魔が入ってきたりするんだ。ここに来る人々は皆冥界への大事なお客様だからちゃんとお守りしないと審判長に怒られちゃう。」
「えー、君そんな見た目で戦えるの?」
申し訳ないがたぶん俺の方がまだ戦える。いや、アラサーのジジイより見た目10代の若者の方が体力はあるかもしれない。
 もう縁のない老化について考えていたら俺の髪の先端が燃えていた。
「どう?驚いた?ここにいるのは皆厳しい訓練をつんだ魔法使いなのだ。」
「わかった、わかったから!すごいのはわかったからとりあえず火を止めてくれ!」
このままだと華麗なアフロヘアになりかねない。
「ほい、解除。」
「うわー、ちょっと焦げた…。」
「大丈夫、すぐ治るよ。」
「ところでさ、俺も魔法使ってみたい!楽しそう!」
「あー、魔法の素質は人それぞれだから出来るようになるかはわからないけどいいよ、やり方は教えてあげるよ。すぐ近くだし俺の家においで。」
「わーい!あ、ところで君お名前は?」
「申し遅れました、冥界保安庁第7班ミナモトです。よろしく、聖社長。」
俺は名乗った覚えなどなかった。だが冥界のお役人には死人の個人情報は筒抜けなのだろう。…冥界にもプライバシー保護法は適応されないのかな。

 本当にミナモトの家はすぐ近くだった。俺が最初にいたガラクタ山の存在が大きく気付かなかったがそのすぐ裏にあった。
「あの世でもこの世でもないところに家があるなんて不思議。」
「ここの番を任された時に家が欲しいって駄々をごねたら作ってもらえた。」
「あら、冥界の幹部は意外とわがままが通じるのね。」
「冥界は現世よりもホワイトだと思うよ。」
「それ経営者だった俺に言っちゃう?」
経営者といっても大したことはない。20代だった俺に出来ることなど些細なことである。そう、些細な…

 少し昔話をしよう。父の仕事の関係で俺は各地を旅することが多かった。旅の途中俺の故郷若市では見かけたことがない動く鉄の塊と出会った。それは高速で動き人や物を運ぶ。若市に戻った俺は幼いながら数々の資料を漁り、それが「鉄道」というものだと知った。この街にだって電力はある。鉄道はきっとこの街の生活をより良くしてくれる。そう思った俺は鉄道についての技術書を外国から入手し自らの手でこの街に鉄道を走らせることを目標とした。しかし見たこともない、想像もし難いものを信じてくれる人などいなかった。気付けば高校でぼっち。群れるのは好きじゃないのでそれ自体は構わないのだが軍資金を取られるのは勘弁だったな。それに俺の目標は到底1人で達成できるものではない。困り果てたその時に手を差し伸べてくれたのが白城千だ。不老不死という信じ難い体質の彼は面白い話を求めていたらしく俺の夢について真剣に聞いてくれた。そして彼の手助けもあり高校に鉄道研究会を作ることができた。鉄道という未知の技術に興味を持った変わり者たちが何人か入部し彼らが後に会社の主力となったものだ。高校を卒業し俺は本格的に事業を始めた。俺自身機械いじりは得意だったし仲間たちも優秀だった。白城くんが街のお偉いさんと知り合いだったこともあり作業は順調に進んだ。一方で奇妙なことが起きた。鉄道を神がもたらした技術だとし俺を教祖と祭り上げる人々が現れたのだ。通称聖教は瞬く間に広まり会社は宗教団体と化した。正直教祖として祭り上げられるのは複雑な気持ちだったが人を動かすには都合の良い立場だったため俺はこれを利用することにした。そしてその数年後20代の若き社長のもと聖電鉄は見事鉄道を開通させた。俺の最高の友人であり救世主である白城くんも開業セレモニーに招待した。周りの大人たちの中で俺たちだけ浮いていたような気がする。
 だが物事はそう上手くはいかないものだ。若市郊外に住む保守的な妖怪や人間たちが鉄道反対運動を始めた。過激なものだと鉄道爆破事故である。その事故により鉄研時代からの仲間であった運転手を亡くした。一方で德と名乗る台湾という国から来たジャーナリストは鉄道の魅力を世間に訴えかけた。彼のおかげで世間は鉄道という新技術を歓迎する空気になった。ついに鉄道の時代が到来したと喜んでいた30の誕生日、俺は社内に紛れ込んでいたアンチにより殺された。
 …その後聖電鉄がどうなったかわからない。だが俺の同志たちはきっと遺志を継いでくれているだろう。むしろ俺の未練は俺を教祖ではなく“ 三又聖”として見てくれた白城くんに挨拶もせずに死んだことだ。きっと不老不死の彼は人の死などなんとも思わないのだろう。だが俺にとっては大切な人なのだ。彼にもう一度会えるなら幽霊にでもなってやる…というほど意志は強くなかったのだろう、今ここにいるということは。

 「ねえ、ぼーっとしてどうしたの?」
「俺の短い人生を思い出していたのさ。」
「やっぱり未練があるのかい?」
「どうだろう。そうだ、君は現世のことはわかるのかい?」
「まあ少しは…。」
「聖電鉄は倒産してないかい?」
「それは大丈夫。今は…上総って人が社長らしいよ。」
上総は鉄研の最初の部員だった。
「そう…なら大満足だ。未練なんてないよ。」
「ほんとに?感傷に浸るような顔だったよ。」
「冥界人はエスパーなの?…実はもう一度会いたい人がいるんだ。」
「なるほどねぇ。そういうことならいいものがあるよ。」
「冥界はなんでもありなの?」
「なんでもってわけじゃあないよ。山奥にね、現世の人に霊として取り憑くための道具があるんだ。聖くんは魔法を取得したがっていたし修行ついでに行ってみるのはどうだい?」
「でもそれって相手には見えないんじゃないの?」
「大丈夫、ちゃんと現世の人の目に見えるし透けたりもしないよ。背後霊みたいにその人の傍から離れられないなんてこともない。ただし相手が死んだら君もここに戻ってくることになるよ。」
「まるで体の賃貸みたいじゃないか…。」
「どうだい?今日はもう暗くなりそうだし明日出発しようか。」
窓から外を見ると空が赤かった。この世界でも日が沈むのは意外だった。

 さて、その翌日(ここに暦があるかはわからないが日が昇ったので翌日としておこう)から世にも不思議な道具探し兼修行の旅が始まった。水魔法、炎魔法、土魔法、転移魔法、召喚魔法…一通りの魔法を試してはみたがやはり生前普通の経営者だった俺には魔法の才能は無かった。
「うう…やっぱり冥界人はトクベツなんだぁ…」
「そ、そんなことないよ!いや、まさか色々試して全部ダメとは思わなかったけど…。」
「それにしてもこの辺ガラクタ多くない?ここの掃除は冥界の仕事に含まれないの?」
自然豊かな場所だがブラウン管テレビだの自転車だの用済みになった道具が転がっている。もしかしたら道具にとってもここはあの世への待機室なのかもしれない。
「魔法の標的にはちょうどよいと思ったけどねぇ…。」
「あの家電の山とかえいってやって崩せたら面白そうだね。」
魔法を使えないのはわかっていたが力を発するような素振りをした。

 「ほえ?」
突然ガラクタ山にあった壊れかけのテレビの画面が光り、扇風機が回転し始めた。
「ね、ねえミナモトくん…、あれって最初から動いてたっけ…?」
「い、いや…通電してないし動くわけが…」
「ってことは俺が動かした…?俺、魔法を使えるようになったの…!?」
「これは…通電魔法…!?」
通電魔法…そんな魔法があるのか。待て、電気を操る力かもしれない。そう思い電撃攻撃とか出来ないかと試してみたが無理だった。
「ほ、ほんとに通電専門の魔法のようだね…。冥界でも見たことないよ。」
「俺だって現世でそんな魔法聞いたことない…。」
「鉄道会社の社長ならではだね…。そういえば君の出身は若市だろう?生前魔法を覚える機会はなかったのかい?」
「いや魔法なんて1世紀以上前の話だし。未だに辺境には妖怪や魔法使いはいるけど俺は都市部の一般市民だったから。」
「なら通電魔法はアーバンな魔法だね。時代と地域に合ってるよ!」
「もっと強い敵と戦えそうな魔法がよかったぁ…!」
「でもほら、線路がなくても電車を走らせることはできるよ!」
「そんな機能いらない…。」
と言いつつも道無き道を走る鉄道を想像しワクワクした。

 さて、かれこれ10回ほど日が昇った気がする。俺たちはようやく目的の場所に到着した。
「意外とこの空間広いね…。」
「広いどころじゃないよ。端がないんだから。」
「えっ、端がないの!?」
「一瞬で人類が滅びても大丈夫なように設計されているからね。君以外の死人もいるはずだけど広すぎて誰ともすれ違わなかっただろう?」
「た、確かに…。」
「まあそれはさておき、これが目的のマジックアイテム、魂の鏡だ。」
茂みの中に放置されていた桐箱の中には神聖な雰囲気の装飾が施された大きな鏡が入っていた。セキュリティ面の問題は大アリな気がするが冥界人は厳重に守らず適当に放置する方がかえって安全だと考えるのかもしれない。
「あっ、もしかしてセキュリティ面心配したでしょ?大丈夫、呪文を唱えないとただの鏡だから、これ。」
そういう問題でもないような気がするが。
「さて、呪文を唱える前に…聖社長は誰に憑きたい?」
そうか、そういえば現世の誰かに取り憑くシステムだった。どうやら相手は選べるらしい。便利だ。
「誰でもいいの?」
「うん、相手が生きていればね。でもおじいちゃんとかだと数年しか現世を楽しめないかもよ?これが使えるのは一人一回だから後悔のないように選んでね。」
後悔のないように、か…。1度目は早々にリタイアしたものだしできれば長く現世を楽しみたいものだ。というよりそもそも俺の未練は再び彼に会う前に死んだことだ。彼は旅人のようだったしもしかしたら数十年程度じゃ見つけ出せないかもしれない。
「それって相手が不老不死でもおっけー?」
「なんだい、君はそんなに現世が好きかい。」
「いや、冥界にも興味はあったよ。残念ながら厄介な未練のせいで拝めなさそうだけどね。」
「ふーん。で、相手の名は?」
「名前検索が可能なのかい?彼の名は白城千だ。」
「りょーかい。今から呪文を唱えるけど、相手に拒絶されたら君は冥界行きだからね。交渉頑張って。」
そう言うとミナモトは聞きとるのも難解な謎の言語を唱え始めた。久々の再会だが果たして彼は俺を受け入れてくれるだろうか。普通霊になって取り憑かせて欲しいなんて頼まれたら気味悪がるだろう。いや、俺だったら面白そうだから許可するけど。そもそも会社の経営やアンチによるテロ活動の収拾などが忙しくなってからは彼とほとんど話もしていない。きっと俺のことなんて忘れているだろう。いや、色々考えていても意味が無い。もうどうにでもなれ!
 「聖…?聖なのか…?」
鏡の方から懐かしい声がする。
「お前…死んだはずじゃ…」
ああ、鏡に映るのはまさしく彼だ。
「確かに俺は社内に紛れ込んでいたアンチに殺された。でもね、ラッキーなことに現世復帰のチャンスを与えられたわけだ!」
「はあ!?それってつまり生き返るってことか!?」
「正確には君に取り憑く幽霊という形で現世に復帰できるんだ。」
「なるほどな。生き返りだったら不老不死の俺でもびっくり案件だぜ。いや霊に取り憑かれるのも十分びっくり案件だが。…そうか不老不死の俺が言えたことではないが、死人が生き返るなんて…ありえないよな。」
ああ、彼は今までどれほどの人を見送ってきたのだろう。死ねない彼の隣に立てる人間はいない。…それこそ幽霊にでもなって現世に留まらない限りは。
「でさ、俺早々に人生をリタイアしちゃったじゃん?こう…もう一度チャンスをくれないかな?」
「それは俺が承諾すればいいのか?…寿命が縮んだりとかしないよな?」
「縮んだって困らないほどあるでしょ。」
「…それもそうだな。」

 斯くして俺、三又聖はぼっちでも社長でも教祖でもない、普通の人間…いや、幽霊としての長い長い第2の人生の第一歩を踏み出したのである。
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