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The Eraser of Constellation
軌跡(ほし)を辿る-9
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避難先の学校内では様々な再会があった。俺にとってあまり興味がないところからいくと白城くんの昔の知り合いである道端で会った教師、岩村…だったっけ、が同じく白城くんが理研特区で知り合った人と再会していた。どちらも同じ場所で同じ仕事をしていたのにも関わらず今まで会っていなかったことが不思議だがまあ俺には関係のない話だ。
そして次に崩壊した街に帰ってきた際に会った、白城くんにひどい言葉をぶつけていた子どもが慌てた様子で駆けてきた。何やら緊急の用事だったようでゆっくり話す間もなく彼は白城くんをさらっていった。どうやら白城くんの力を使って助けたい人がいるらしいけど、それにしたって彼の意見を聞かず連れ出すのはどうかと思う。実に身勝手なやつだ。
そして一人取り残された俺に声をかけてきたのが…
「聖ちゃん!無事だったんだね!」
「長畑くん…」
「どーしたのさ、”長畑くん”なんて~。トモと呼んでおくれよ~。それにここは”やだな~俺は幽霊さんだから無事に決まってるじゃん~”くらいの返しをするところだろう?」
「あ、ああ…そうだね。でも呼び方に関してはいいんだ。あれは君たち3人の絆を示すものだと思うし。」
「…?別に街の人はみんな僕のことをトモとかトモちゃんとかトムとか呼ぶけど?」
「でもいいんだ。それより無事だったんだね。探したよ。」
「心配してくれてたのかい?ありがとう。」
「君にはお世話になったから。」
「そうかい。ところで白城くんは?一緒じゃないのかい?」
「さっきまで一緒にいたけどさらわれちゃった。」
「えっ、それ大丈夫なの!?」
「うん。なんか剣崎っていう知り合いの子が理由も話さず連れて行っちゃった。」
「剣崎くん…ああ、彼の記憶にあった…」
「まあそのうち帰ってくると思うよ。そうじゃなきゃ許さない。」
「あら、聖ちゃんこわ~い。」
「そりゃあね、彼は俺の大事な人だから。それよりもさ、そっちはどうだった?中峰くんは見かけた?ちょうど時間もあるし色々聞かせてよ。」
「もちろんだよ。…ねぇ、聖ちゃん」
「なに?」
「聖ちゃんはあの子に嫉妬しているのかい?」
「嫉妬?そんなもの俺には…」
華那千代の入り口で剣崎に会った後白城くんに彼は一体何者なのかを聞いた。…どうやら前の旅先である理研特区で2人は共に行動したらしく、なんと瀕死の彼を白城くんが延命させたらしい。白城くん自身が不老不死なだけでなく、他人をも不老不死にできるとは知らなかった。いや、そんなことベラベラと喋るものではないだろうけど…。
それにしても俺は一体何に腹を立てているのだろう。彼がそんな重大な秘密を隠していたこと?あの子ども…剣崎雄が恩を忘れたかのような振る舞いをしていること?それとも俺は助けて貰えなかったこと…?仮に3つ目だったら探偵様の言う通り俺は剣崎雄に嫉妬しているのかもしれない。だが俺が彼に対してよくも自分を見捨てたな、と糾弾するようなことがあるはずがない。あるはずが…
「やはりそんなところだと思ったよ。」
白城はあまり驚いてはいないようだった。それはまあ想定内だ。むしろ俺はしばらくこの病室を訪れていなかったのにあの日から何一つ状況が変わっていないということに驚いた。
「しかし、剣崎お前どうしたんだ。今までのお前ならわざわざ危険な目に遭ってまで他人を助けたりはしないだろ。」
「危険ではないぜ。」
「まあ、今はそうだな。とはいえ柄にもなく人助けなんてな…。それ程宮間が気に入ったか。」
「ほんの気まぐれだよ、気まぐれ。こいつを助けて俺に何のメリットがある。それにお前だって人のことは言えないだろう。」
これはただの気まぐれに決まっている。俺が特に権力や財を持たない一個人に執着する事など有り得ない。…そう、今俺が生きているのが白城の気まぐれのお陰であるように。あの時白城は俺を助けたところで何の利益も無かったはずなのに俺に延命を持ちかけてきた。確かに目の前で人に死なれては気分は良くないとは思うが、たぶん白城は俺のことを厄介なやつとしか思っていなかっただろうし、剣崎家の名もこいつには一切関係の無いものだ。だから今俺が宮間を助けようとしているように、本当に気まぐれで俺を助けたのだろう。…まさかこいつと血を共有する事で俺にもその性格が伝播したのだろうか?それか瀕死の者を助けるのは不老不死者の余裕といったところなのか。
「まさかお前が人の心を持つ日が来るなんてな。まあそのお祝いに力を貸してやってもいいぜ?」
「あ?なんだって?」
「いやいや、何でもねーよ。」
人の心を持つ、か…。それはお前が言うな、って話だ。もし新井さんがまだ生きていたら今の白城を見て人間らしく育って父さん嬉しいぞ、とか実の父でも無いくせに大袈裟に騒ぐのだろう。思えばあの人から聞いた昔の白城なんて俺よりも人間らしさが欠けていた。空っぽの人形のようだったはずだ。俺がこいつを変えたのだとしたらまあ気分は良いな。
「さて、まずは軽く炙ってみるか。」
俺があれこれ考えている横で白城はマッチの火程度の弱い炎を出し、そう言った。
「What!?Oh,カズ!Stop!Stooooop!!」
「Hello,宮間。ようやくお目覚めか。」
What!?と言いたいのは俺の方だ。まず軽く炙ると言ったってまさか本当に人間を炙るやつがいるとは!そしてあれからずっと眠り続けていた宮間がこうも簡単に目を覚ますとは!
「ユウだ!久しぶり!」
「なんだよ…、なんなんだよ…。」
「ユウ、どうしたの?」
今までの俺が阿呆らしくなった。恥ずかしさとやり場のない苛立ちで俺は部屋を飛び出していた。
「Wait!ユウ、待ってよ!」
扉を閉める直前宮間の叫び声が聞こえた。なんだ、元気じゃないか…。
何も言わずに剣崎は出て行った。何やらプライドが傷付けられるようなことでもあったのだろうか。あいつのためにも宮間に尋ねておくか。
「お前どこから聞いていた?」
「どこからって…普通に寝ていただけだし人の話し声が聞こえるなー、くらいで内容は特に。」
「だが目覚める瞬間俺の名前を叫んだじゃないか。」
「他に人を火炙りにする人がいるとでも?」
「うぐ。」
「…外の様子はどうだい?」
「あー…、あまり出ることはおすすめできない感じだな。安心しろ、中峰は生きている。」
「ユウスケ…良かった…!でもきっと万葉は壊滅的な状態なんだろうね。」
「そうだな。あれはとても活気に溢れた街とは言えないな。」
「…トモは?」
「わからない。聖が探しているとは思うが…」
「ああ、そういえばヒジリは一緒じゃないんだ。…君はいつも大変だね。」
「どういうことだ?」
「ユウも今はそうみたいだけど…ほら、君は何があっても死なないだろう?」
「それがどうした?」
「無事の知らせを待つのも誰かに置いてかれるのもいつも君の方だ。カズは何年生きているんだっけ?」
「たぶん100年以上は。…回りくどいぞ、何が言いたい。」
「ユウは慣れてないんだよ。」
「慣れてない?」
「置いてかれることにだよ。俺が二度と目覚めないと思ったんだろうね。…ちょっと悪いことしちゃったな。」
そういえば俺はいつの間にか他人に興味が無くなっていた。それが相手の生死に関わることでも。だが剣崎はまだ不老不死になって日が浅い。自分を置いて誰かが死ぬことに耐性が無いのだろう。
「お前が死んだと思ってショックを受けていたらあっさり目を覚ましてプライドが傷ついたってところか。まあ、しばらくしたら戻ってくるさ。」
「だといいんだけど…」
人への興味か…。剣崎のやつ、利益がどうとか言っていたが内心では損得以外の感情で動いているじゃないか。
避難先の学校内では様々な再会があった。俺にとってあまり興味がないところからいくと白城くんの昔の知り合いである道端で会った教師、岩村…だったっけ、が同じく白城くんが理研特区で知り合った人と再会していた。どちらも同じ場所で同じ仕事をしていたのにも関わらず今まで会っていなかったことが不思議だがまあ俺には関係のない話だ。
そして次に崩壊した街に帰ってきた際に会った、白城くんにひどい言葉をぶつけていた子どもが慌てた様子で駆けてきた。何やら緊急の用事だったようでゆっくり話す間もなく彼は白城くんをさらっていった。どうやら白城くんの力を使って助けたい人がいるらしいけど、それにしたって彼の意見を聞かず連れ出すのはどうかと思う。実に身勝手なやつだ。
そして一人取り残された俺に声をかけてきたのが…
「聖ちゃん!無事だったんだね!」
「長畑くん…」
「どーしたのさ、”長畑くん”なんて~。トモと呼んでおくれよ~。それにここは”やだな~俺は幽霊さんだから無事に決まってるじゃん~”くらいの返しをするところだろう?」
「あ、ああ…そうだね。でも呼び方に関してはいいんだ。あれは君たち3人の絆を示すものだと思うし。」
「…?別に街の人はみんな僕のことをトモとかトモちゃんとかトムとか呼ぶけど?」
「でもいいんだ。それより無事だったんだね。探したよ。」
「心配してくれてたのかい?ありがとう。」
「君にはお世話になったから。」
「そうかい。ところで白城くんは?一緒じゃないのかい?」
「さっきまで一緒にいたけどさらわれちゃった。」
「えっ、それ大丈夫なの!?」
「うん。なんか剣崎っていう知り合いの子が理由も話さず連れて行っちゃった。」
「剣崎くん…ああ、彼の記憶にあった…」
「まあそのうち帰ってくると思うよ。そうじゃなきゃ許さない。」
「あら、聖ちゃんこわ~い。」
「そりゃあね、彼は俺の大事な人だから。それよりもさ、そっちはどうだった?中峰くんは見かけた?ちょうど時間もあるし色々聞かせてよ。」
「もちろんだよ。…ねぇ、聖ちゃん」
「なに?」
「聖ちゃんはあの子に嫉妬しているのかい?」
「嫉妬?そんなもの俺には…」
華那千代の入り口で剣崎に会った後白城くんに彼は一体何者なのかを聞いた。…どうやら前の旅先である理研特区で2人は共に行動したらしく、なんと瀕死の彼を白城くんが延命させたらしい。白城くん自身が不老不死なだけでなく、他人をも不老不死にできるとは知らなかった。いや、そんなことベラベラと喋るものではないだろうけど…。
それにしても俺は一体何に腹を立てているのだろう。彼がそんな重大な秘密を隠していたこと?あの子ども…剣崎雄が恩を忘れたかのような振る舞いをしていること?それとも俺は助けて貰えなかったこと…?仮に3つ目だったら探偵様の言う通り俺は剣崎雄に嫉妬しているのかもしれない。だが俺が彼に対してよくも自分を見捨てたな、と糾弾するようなことがあるはずがない。あるはずが…
「やはりそんなところだと思ったよ。」
白城はあまり驚いてはいないようだった。それはまあ想定内だ。むしろ俺はしばらくこの病室を訪れていなかったのにあの日から何一つ状況が変わっていないということに驚いた。
「しかし、剣崎お前どうしたんだ。今までのお前ならわざわざ危険な目に遭ってまで他人を助けたりはしないだろ。」
「危険ではないぜ。」
「まあ、今はそうだな。とはいえ柄にもなく人助けなんてな…。それ程宮間が気に入ったか。」
「ほんの気まぐれだよ、気まぐれ。こいつを助けて俺に何のメリットがある。それにお前だって人のことは言えないだろう。」
これはただの気まぐれに決まっている。俺が特に権力や財を持たない一個人に執着する事など有り得ない。…そう、今俺が生きているのが白城の気まぐれのお陰であるように。あの時白城は俺を助けたところで何の利益も無かったはずなのに俺に延命を持ちかけてきた。確かに目の前で人に死なれては気分は良くないとは思うが、たぶん白城は俺のことを厄介なやつとしか思っていなかっただろうし、剣崎家の名もこいつには一切関係の無いものだ。だから今俺が宮間を助けようとしているように、本当に気まぐれで俺を助けたのだろう。…まさかこいつと血を共有する事で俺にもその性格が伝播したのだろうか?それか瀕死の者を助けるのは不老不死者の余裕といったところなのか。
「まさかお前が人の心を持つ日が来るなんてな。まあそのお祝いに力を貸してやってもいいぜ?」
「あ?なんだって?」
「いやいや、何でもねーよ。」
人の心を持つ、か…。それはお前が言うな、って話だ。もし新井さんがまだ生きていたら今の白城を見て人間らしく育って父さん嬉しいぞ、とか実の父でも無いくせに大袈裟に騒ぐのだろう。思えばあの人から聞いた昔の白城なんて俺よりも人間らしさが欠けていた。空っぽの人形のようだったはずだ。俺がこいつを変えたのだとしたらまあ気分は良いな。
「さて、まずは軽く炙ってみるか。」
俺があれこれ考えている横で白城はマッチの火程度の弱い炎を出し、そう言った。
「What!?Oh,カズ!Stop!Stooooop!!」
「Hello,宮間。ようやくお目覚めか。」
What!?と言いたいのは俺の方だ。まず軽く炙ると言ったってまさか本当に人間を炙るやつがいるとは!そしてあれからずっと眠り続けていた宮間がこうも簡単に目を覚ますとは!
「ユウだ!久しぶり!」
「なんだよ…、なんなんだよ…。」
「ユウ、どうしたの?」
今までの俺が阿呆らしくなった。恥ずかしさとやり場のない苛立ちで俺は部屋を飛び出していた。
「Wait!ユウ、待ってよ!」
扉を閉める直前宮間の叫び声が聞こえた。なんだ、元気じゃないか…。
何も言わずに剣崎は出て行った。何やらプライドが傷付けられるようなことでもあったのだろうか。あいつのためにも宮間に尋ねておくか。
「お前どこから聞いていた?」
「どこからって…普通に寝ていただけだし人の話し声が聞こえるなー、くらいで内容は特に。」
「だが目覚める瞬間俺の名前を叫んだじゃないか。」
「他に人を火炙りにする人がいるとでも?」
「うぐ。」
「…外の様子はどうだい?」
「あー…、あまり出ることはおすすめできない感じだな。安心しろ、中峰は生きている。」
「ユウスケ…良かった…!でもきっと万葉は壊滅的な状態なんだろうね。」
「そうだな。あれはとても活気に溢れた街とは言えないな。」
「…トモは?」
「わからない。聖が探しているとは思うが…」
「ああ、そういえばヒジリは一緒じゃないんだ。…君はいつも大変だね。」
「どういうことだ?」
「ユウも今はそうみたいだけど…ほら、君は何があっても死なないだろう?」
「それがどうした?」
「無事の知らせを待つのも誰かに置いてかれるのもいつも君の方だ。カズは何年生きているんだっけ?」
「たぶん100年以上は。…回りくどいぞ、何が言いたい。」
「ユウは慣れてないんだよ。」
「慣れてない?」
「置いてかれることにだよ。俺が二度と目覚めないと思ったんだろうね。…ちょっと悪いことしちゃったな。」
そういえば俺はいつの間にか他人に興味が無くなっていた。それが相手の生死に関わることでも。だが剣崎はまだ不老不死になって日が浅い。自分を置いて誰かが死ぬことに耐性が無いのだろう。
「お前が死んだと思ってショックを受けていたらあっさり目を覚ましてプライドが傷ついたってところか。まあ、しばらくしたら戻ってくるさ。」
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