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The Encounter of Blue and Scarlet
End
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End
剣崎との久しぶりの再会は最悪な形だった。
「なんで反対側にいるんだよ!お前がいればあいつは…!」
「…。」
瓦礫の山となった万葉の街でかれこれ1時間くらい罵声、文句、怒号の類を聞いている。まさか突然あの竜が街を襲うなんて誰が想像できただろうか。いや、長畑はなんとなくこの展開を読めていたのではないか。
「ねえ、君もいい加減にしなよ。白城くんは別にこの街を守るヒーローでもないんだしさ、彼にばかり責任を押し付けるのは違うでしょ。」
「聖、やめてくれ。」
「でも…。」
不老不死になってから剣崎は今まで以上に他人を見下しているようだと聞いていたが、どうやらここで心を許せる友人ができたらしい。普通ならそれは良いことだと思うが、“俺たち”にとっては違う。“俺たち”は人間と深く関わるべきではない。
「そういえば彼はどこにいるんだろう。」
「長畑のことか?確かに姿が見えないな。…無事だといいが。」
「…なんだ、お前もここで人と関わってるじゃないか。誰も守れなくて残念だったな!」
「おい、剣崎!待てっ…」
それにしても剣崎が言っていた“あいつ”とは一体どんなやつだったのだろうか。1人で戦ったということは余程の大馬鹿野郎か、実力者か…
「ふん、自分が戦えないくせに。白城くん、あんなやつの言うこと気にしなくていいんだからね。」
「ああ…。…ん?あいつは…」
騒ぎ立てる剣崎に気を取られて全く気付かなかったが、おどおどとこちらの様子をうかがう中峰と目が合った。
「中峰。長畑とは一緒じゃないのか。」
「無事でよかった。でもごめんね、宮間くんもドラゴンも見つけられなかったよ。」
「…いえ、謝るのは僕の方です。街がこんなことになったのも全部僕のせいなんです。」
「どういうことだ?」
「一目見てわかりました。あれは以前僕の魔法が暴走した時に召喚されたものです。だから全部僕のせいなんです…」
「なっ…!」
「そんなことって…!」
蒼緋の焔~The Eraser of Constellationに続く
剣崎との久しぶりの再会は最悪な形だった。
「なんで反対側にいるんだよ!お前がいればあいつは…!」
「…。」
瓦礫の山となった万葉の街でかれこれ1時間くらい罵声、文句、怒号の類を聞いている。まさか突然あの竜が街を襲うなんて誰が想像できただろうか。いや、長畑はなんとなくこの展開を読めていたのではないか。
「ねえ、君もいい加減にしなよ。白城くんは別にこの街を守るヒーローでもないんだしさ、彼にばかり責任を押し付けるのは違うでしょ。」
「聖、やめてくれ。」
「でも…。」
不老不死になってから剣崎は今まで以上に他人を見下しているようだと聞いていたが、どうやらここで心を許せる友人ができたらしい。普通ならそれは良いことだと思うが、“俺たち”にとっては違う。“俺たち”は人間と深く関わるべきではない。
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「長畑のことか?確かに姿が見えないな。…無事だといいが。」
「…なんだ、お前もここで人と関わってるじゃないか。誰も守れなくて残念だったな!」
「おい、剣崎!待てっ…」
それにしても剣崎が言っていた“あいつ”とは一体どんなやつだったのだろうか。1人で戦ったということは余程の大馬鹿野郎か、実力者か…
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「ああ…。…ん?あいつは…」
騒ぎ立てる剣崎に気を取られて全く気付かなかったが、おどおどとこちらの様子をうかがう中峰と目が合った。
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「無事でよかった。でもごめんね、宮間くんもドラゴンも見つけられなかったよ。」
「…いえ、謝るのは僕の方です。街がこんなことになったのも全部僕のせいなんです。」
「どういうことだ?」
「一目見てわかりました。あれは以前僕の魔法が暴走した時に召喚されたものです。だから全部僕のせいなんです…」
「なっ…!」
「そんなことって…!」
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