海の聲~WWX(千年放浪記-本編2)

しらき

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反撃

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反撃


 被験者の全体数と減少数からするに俺がまだ生きているのが不思議で仕方ない。艦長を最後まで残しておこうという、いやらしい考えからなのか、そもそも俺が死んだらこの実験はどうなる…誰かが開いた穴を塞ぎ何事も無かったように続くだけだろう。艦長といっても名ばかりで実際誰だっていいのだろう。だとしたらやはり俺がなかなか死なないのは向こう側の性格が悪いからである。俺は見せられている、予知出来なかった最悪の未来を―
 気付けば出撃の時間は迫っていた。また何人もの被験者が処分されても俺はきっと今日も死ぬことは無いのだろう。そう決められているのだ。運命なんてぼんやりとしたものではない、生態研究科による意地の悪い明確な操作によって。…だから剣崎、そんな目をしないでくれ。


 最近の須藤さんは夜通し何かをしている。出撃の予定がある程度決まっていた以前とは異なり今は向こう側の都合に合わせざるを得ない状況だ。にも関わらず出撃前夜には健康的な睡眠をとっていた彼が時には一睡もしない、なんて夜があるというのは異常なことだ。
 こんなゴミ屋敷のような部屋だ。少しくらい漁ったってバレやしないだろう。遅れる振りをして1人部屋に残った俺は“作業場”の近くの山に手を伸ばした。
「これは…手帳?いや、ノート?須藤さんメモはタブレットに保存するタイプじゃなかったっけ…。」
中身を確認しようとした時ドアが開いた。俺は手に持っていたノートをすかさず書類の山に隠した。
「おい、剣崎。いつまでのんびりしているつもりだ。今更海に出たくないとか言い出すなよ。」
「そんなこと言うはずないじゃないですかー!いやぁ、ちょっとヘアスタイルが決まらなくてぇ。」
「その髪型に決まるも何もあるのか…?」
 俺は生態研究科の標的ではない。天に見放されることが無ければ死ぬことは無いだろう。むしろ怖気付くのは処刑台に続く列に並ばざるを得ない須藤さんの方ではなかろうか。だが俺は明るくおどけて話題をかわすことしか出来ないのだ。俺は美しく咲く線香花火に息を吹きかけるような興ざめなことはしない。


 目の前に広がるのは圧倒的な数の敵艦。これほど向こうと戦力差が生じていたとは思いもしなかった。仲間たちも随分減ってしまったようだ。艦橋に立つ度に、敵の姿を捉える度に次は俺だと恐怖に震える。だが今日の震えは恐怖ではなく、むしろ武者震いの類かもしれない。
「そろそろだな…。いいか、打ち合わせ通り行動してくれよ。」
「わかっている。」
「俺緊張してきた…。」
「松岡、本当にこれで俺達は助かるのか?」
「少なくとも今までのようなハプニングは起こらなくなるはずだ。それだけでも充分救いだろう。」
話しながら俺達は待った。敵の砲撃を1発食らったらそれが合図だ。艦長に敵艦発見を知らせるつもりは一切ない。友を裏切ってでも俺は向こうのスパイを排除せねばならないのだ。
 だいぶ敵が近付いてきた。
「この距離なら俺たちじゃなくても敵の姿が見えてくるはずだ。…皆動揺している頃じゃないか?」
「あーあ、後で艦長にこっぴどく叱られるぞ…。」
「そもそも俺達は今日生きて帰れるのか?」
「言うな…。」
「しかし、敵が動かんな。」
「こちらが全く動かないことに警戒しているのだろう。あまり焦らすなよ…。」
 その時、船体が大きく揺れた。致命的ではないにせよ敵弾が命中したようだ。革命の合図だ。だがこちらが動き出す前におそらく艦長直々のものだろう、通信が入った。
「おい、松岡!どういう事だ。お前が敵艦を見逃すはずがない。何があった!」
「敵なら見つけたぜ。」
「なら何故すぐに報告しない!?被害が出てからでは遅いんだぞ!」
「向こうの船のことじゃない。このレオナルド・ダ・ヴィンチの中に敵を見つけたんだよ。」
「は?」
「岩村海翔を処分しろ!それが俺たち乗組員の要求だ!」
「松岡っ、お前何を言って…」
「皆わかってるさ、あいつが来てから全て狂った…。岩村さえいなければ誰も死ぬことはないんだよ!」


 敵は俺たちの目の前にいる。だが一向に報告が来ないことを訝っていると須藤康成自ら、おそらく松岡見張り員に、連絡を入れようとしていた。
「おい、松岡!どういう事だ。お前が敵艦を見逃すはずがない。何があった!」
怒鳴る須藤。当然だ。
「敵なら見つけたぜ。」
平然と返事をする松岡。
「なら何故すぐに報告しない!?…」
松岡の態度でより須藤の苛立ちは増す。だが対する松岡は自分の行動には非がないと言わんが如く淡々と話し続ける。顔は見えないがきっと得意気な表情さえしているかもしれないようだ。
 だが度肝を抜かれたのは次の瞬間であった。
「岩村海翔を処分しろ!それが俺たち乗組員の要求だ!」
場の空気が凍りついた。
「松岡っ、お前何を言って…」
慌てる須藤、突拍子もない発言にハトマメな顔をする剣崎。だが当の岩村自身は意外にも驚いた顔も怯えた顔もせずただ視線を斜め下に向けていた。
 しばらくして落ち着きを取り戻した須藤はおもむろに口を開いた。
「松岡が言っていることは根拠がない。例え岩村がいなくても俺達はこうなっていたかもしれない。…だが今岩村がここにいれば俺達は助からないかもしれない。」
「須藤、正気か!?自ら助けた命を見捨てるつもりか!?」
「…岩村を倉庫に閉じ込めておけ。」
「本気か、須藤!剣崎、お前も何か言えよ!…剣崎?何故黙る剣崎!…確かに艦隊全体の利益を考えれば須藤の判断は正しいかもしれない。だが須藤だけは最後まで岩村を信じるべきだろう。」
「…黙れ白城。俺に口出しするな。海の藻屑になりたいか。」
「須藤…。」
すぐに何人かの乗組員たちにより岩村は倉庫に連れていかれた。だがそんな状況にも関わらず岩村は抵抗もせずただ無口、無表情のままだった。
 松岡らの要求に応えた須藤は報告のため通信機器に手を伸ばした。その間にも敵はこちらへ近付いてくる。
「松岡、俺だ。お前達の要求通り岩村を倉庫に閉じ込めた。速やかに仕事に戻ってくれ。」
「倉庫に閉じ込めただけ?」
「…?ああ。そうだが。」
「俺は処分しろ、と言ったんだ。」
松岡の言葉を聞いてハッとした。そういえば須藤は岩村を閉じ込めるとは言っていたがそれはあくまで松岡や他の乗組員たちを任務に戻らせるため。先の自分の言葉を恥じた。
 こうしているうちに敵は動きを止めた。もしや照準を合わせ始めたのかもしれない。だがレオナルド・ダ・ヴィンチ艦内では海戦は止まっている。
「それはできない。」
「なら俺たちは職務を放棄するまでだ。」
「駄目だ。船上で無駄に死者を出すべきではない。」
「だったら俺たちは動かないよ。」
全くの水掛け論だ。だがやはり須藤は岩村を殺すつもりは無いらしい。
「頼む!このまま誰も動かなければ全滅だ。お前ら死にたいのか!?」
「おかしな能力のせいで死ぬよりはマシだ。」
てっきり松岡を筆頭に見張り員たちのみが反発しているのかと思っていたがどうやら俺や剣崎などの部外者と須藤、そして数少ない乗員を除き全員がストライキを行っているということに気付いた。この艦は無防備に敵の前に立っている。
「そもそも何の罪もない岩村を何故殺す必要がある!?証拠もないんだぞ!?」
「そんなにそいつが大事なの!?」
「岩村は一般人だ!」
「そいつ1人の犠牲で俺たち皆助かるかもしれないんだよ!?」
「助からないかもしれない。」
馬鹿馬鹿しい。こんなくだらない言い争いを繰り返していては本当に誰も助からない。
「だからって…!」
「松岡さん、後ろっ!!!」
「えっ」
通信機の向こうから轟音が聞こえてくると同時に船体が激しく揺れた。
「おい、何があった!返事をしろ、松岡!」
「…」
「…松…岡…?」


 奇跡の帰港だった。だがそれを喜ぶ者は誰もいなかった。僅かに残った隊員たちにもはや覇気は無かった。少ない戦力、少ない人員…これでもまだ戦いは続くのだろう。
 だが俺にはそんなことはどうでもよくただ強い焦りが頭を支配していた。
「あの野郎…一体どこに行ったんだ…!まさか死んではいないだろうな…。」
思い当たるのは…倉庫だ。きっと岩村の様子を見に行ったのだろう。
「…どういうことだ…」
驚くことにそこに岩村の姿は無かった。


 「みんな周りのことなんて見えちゃいない。今のうちだ。」
須藤さんの頼み通り俺は帰港後の混乱を利用して岩村を倉庫から救出した。
「剣崎さん…なんで…」
「なんでって艦長命令だから?いや、あれは艦長としての命令じゃなくて須藤康成としての頼みだって言っていたな。」
「須藤さん…。俺は何も出来ていないどころか迷惑をかけてばっかりなのに…。」
「たぶんそういうのじゃないだろ。損得人間の俺にはさっぱりわからないが。」
「そう…ですか…。」
「あっ、そうそう。これを。」
「これは…?」
「須藤さんからお前にって。」
須藤さんが夜通し書いていたのはこの手記であった。敢えて岩村に託したいのだと。変わっている。
「何故俺に…?」
「さあな。俺が知りたいよ。きっと今回の事件に関することが書いてあるのだろう。失くすなよ。」
「はい。」
「さあ、早く行け。見つかったらお前だけでなく俺や須藤さんも危ない。」
「…すみません。本当に…」
だらしないと思っていたが案外須藤康成は責任感のある人間だったようだ。たぶん俺だったら…。
 「剣崎!こんなところにいたのか!」
「あれ、どうした白城。俺がいなくて寂しくなったのか?」
「姿が見えないから死んだかと思っただろ。」
「俺が死ぬわけないだろう。何故なら俺は天に愛された剣崎様だからだ。」
「理由になってないと思うが…。そういえば岩村は!?」
「逃がした。」
「逃がしただと?」
「須藤さんからの頼みだ。隙があったらあいつを逃がしてやれと。それが最も平和な解決策だと。」
「だからあの時倉庫に閉じ込めただけで殺さなかったのか…。」
さて、岩村がいなくなった今隊員たちの能力を阻害するものはなくなった。だがこちらの戦力は壊滅的だ。俺が死ぬのが先か、全滅を見届けるのが先か…。
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