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幕開け
永遠の観測者・外界との接続
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永遠の観測者
永遠不滅で純白の城。その少年、白城の時の流れは止まったまま。さて、今度はどんな物語に出会うのだろうか。
海の聲~WWX
外界との接続
㈠
「いや、そんなことは聞いていない!」
あまりの衝撃に俺は叫んだ。そして手に持っていた工具をロボットの頭部に落とした。だがそんな俺の驚きをよそに松岡は淡々と話を続ける。
「だって言ってないし。だがお前だってニュースで見ただろう。そもそもここの住人としてお前がうちと政府の関係について知らなかったことに俺は驚きだよ。」
「どういうことだ、倉持!松岡は何を言っているんだ!戦争ってなんだよ!?俺はずっとここにいたがそんなものは聞いたこともなかった!」
「お前はテレビを見なければ外出もほとんどしない。さらには社会情勢の授業は全て寝ていただろう。知らないわけだ。国は理研特区のここ、電子工学研究科を潰そうとしている。」
数秒俺は凍りついた。倉持や松岡が言っていることがわからない。外のことに興味を持たないのはよくないとわかったが流石にこれは唐突すぎる。普通じゃない。
「どうせお前らの話はフィクションだろう。でなければ技術向上のために作った組織を何故国が自ら破壊するようなことをするのか。ひとつ考えられる可能性は戦車や軍艦の機能テストだが、それにしては大袈裟過ぎるし明らかに無駄なことだ。」
「信じてくれよ、そうだテレビをつければすぐにわかる。おい、テレビはどこだ!」
「そんなもの俺の部屋にはないよ。」
「そうだった。どうすればいいんだ…、インターネット!インターネットでもニュースが見られる。」
「あっ、タブレット充電中だ。お前ら自分の持ってる?」
「なんでだよ!なんで今充電してんだよ!」
「いや、昨日動画見過ぎて。」
「パソコンは?」
「え、タブレットで全部できる時代だし俺の部屋にはないよ。」
「倉持、あれを見せるしかないよ。」
「そうだな、おい須藤、これを見ろ。もはや疑うこともできまい。」
差し出されたその紙には“招隊状”の文字。招待と軍隊を掛けたのか。謎の趣向はさておき確かにそれは軍への入隊指令であった。
「確かに公式のものだな。このデザインは海軍か?これを見たら俺でも偽物と疑うまい。で、これは誰宛?」
「お前だよ!」
2人はほぼ同時に叫んだ。
「は?え?俺?俺戦うの!?え、死にたくない。」
「なあに、国営海軍の戦力なんてたかが知れてる。すぐに終わるさ。」
何故か倉持は余裕の表情だ。ありえん。
「いやいやいや、そういう問題じゃない!向こうはプロ、こちらはアマチュア!ましてや体力皆無の引き篭もり!大昔の農民一揆よりも圧倒的な戦力差だ!」
「農民一揆は知ってんのか…。それはさておき、俺たちだってど素人じゃあない。大体の軍艦の構造は把握してるだろ?」
「そんなの本やゲームでしか…、ん?ゲーム?」
「そう、俺たちは画面の向こうの数多の敵艦を駆逐してきた。最先端AIに勝る人類なんてめったにいない。戦略性は申し分ないはずだ。」
「そんな簡単な話じゃないと思うが…。ええい!人はどうせ死ぬんだ!最期にリアル戦艦ゲーでもして死のう!本望じゃないか!」
俺は色々と吹っ切れた。だが実際俺は一度本物の戦艦でドンパチやりたいと頭の片隅では考えていた。
工具を落としたことによりロボットの頭部はへこんだ。頭部という重要な部分に大きな打撃を受けたそれは決して完成を迎えることはないだろう。
㈡
翌日から須藤も含め俺たちは理研特区海軍に配属されることになった。そもそも拒否権はなかったようだ。しかし、困ったことに須藤はその体格の良さを裏切るような運動神経しか持ち合わせていない。一体どうなることやらとインドア派なのであまり人のことを言えない俺だが、須藤のこの先を心配していると松岡と共に須藤が帰ってきた。
「倉持、大変だ!理研特区の海軍はおしまいだぞ!」
須藤は慌てた様子だ。
「それはどういうことだ。司令部のトップは…まともな人だったが。主力艦の艦長に任命されたやつが駄目なやつだったのか?」
「まあ…そうだな。」
「本当か、松岡。しかし、一体誰だ?俺も知ってるやつか?」
「すごく…知ってるやつだな。」
「ほう?俺は偵察部隊に任命されたし…。」
「俺もそうだった。」
「と、なると…」
俺は須藤の方を見た。松岡は苦笑いしている。
「なんで俺なんでしょうね…?」
「ほんとなんででしょうね!?」
俺と松岡はほぼ同時に叫んだ。須藤に対するツッコミや驚きになると俺たちの息はぴったりになる。
「理研特区が誇る航空機母艦、レオナルド・ダ・ヴィンチの艦長に任命された。ここの軍艦って昔の学者の名前がついてるようだが沈んだらどうするんだろうな。」
「艦長が沈むとか言うな。」
「ん?レオナルド・ダ・ヴィンチ?俺もその艦に配属されたぞ。」
「倉持も?俺もだけど今からすごく心配だ…。」
「まあ、俺の戦略は素晴らしいからたぶんなんとかなるよ。あ、艦長の俺は隊にとって重要な人物であるから危なくなったら俺の命優先な。」
おそろく松岡も同じことを思っただろう。ここでは艦長の人間性は問われないのか、と。
㈢
数ヶ月の訓練の末、遂に須藤にも出撃の時が来た。
「航空母艦レオナルド・ダ・ヴィンチ、艦長須藤康成。行ってまいります。」
「健闘を祈る。先日の空母、ガリレオ・ガリレイの素晴らしい戦果のお陰でこちらが優勢だ。乗組員の安全を最優先しなさい。」
「はい。では後ほど。」
須藤は振り返り、甲板にいる仲間たちを見た。
「さあ、出撃だ!先に巡洋艦ケプラー、シュレディンガーと駆逐艦が数隻出ている。俺たちの今回の役目は航空支援だ。皆、無理はするなよ。」
艦橋で様子を見ているのは俺と倉持。乗組員たちに指示を出す須藤の姿にはまあ、感心した。
「艦長らしくやってんじゃん。やっぱゲームのおかげ?」
「さてどうだか。あれはあくまで海戦シミュレーションゲームだ。戦略面で少し足しになったとしてもこういう所では全く役に立たないだろう。」
「そうだな。そういえばお前は準備しなくていいのか?」
「あー、一応いつでも出れるようにしておくべきかな。俺が乗るのは偵察機だし。」
「俺はここで見張ってるだけだからなぁ。しっかし砲戦になったら俺即死だろ。」
「いや、俺こそ撃ち落とされたら終わりだ。」
「倉持はまだいいだろ。生きるか死ぬかは操縦能力次第だ。俺なんてこれは完全に運任せだ。逃げたら駄目そうな役割だし。」
「うーん、俺だって飛行機を操縦するのは初めてだよ。お互い長生きしましょう、ってことで。」
「ああ、じゃあ気をつけてな。」
「おう、行ってくる。」
確かに倉持は航空機の構造に詳しい。それにミリタリー分野には明るい。しかしそれだけでただの機械ヲタクの青年が国の軍に勝てるのか。だが先日出撃した顔も知らない仲間たちに被害者は見当たらないため、こちらの技術は想像していたよりも遥かに上だったのかもしれない。俺はいくらか楽観的な気持ちで大海原を眺めた。
その時隣にいた見張り員の1人が目を見開き、ぼんやりしていた俺の肩を揺らした。
「松岡さん、敵艦です!」
その声で俺はハッとした。仕事は唐突に訪れた。
初陣は見張り員たちの気付きの早さもあり、完全勝利に終わった。
「案外あっけないものだな。まだまだ続くんだろうけど。」
「そうだな。これから戦局が悪化する可能性もある、気を引き締めなければ。」
「倉持結局飛んでないだろ。」
「ああ、偵察機を飛ばす必要がなかったらしいな。しかし、松岡お前目がいいな。」
「昔から飛行機を眺めるのが好きだったんだ。遠いものほど良く見える。」
半分本当で半分嘘。飛行機を眺めるのが好きだったからといって遥か果ての物体が見えるはずもない。だが本当のことはとりあえず隠しておく。
「ほう、それは知らなかった。さて、そろそろ艦長のところに行きますかね。」
「そうだな。」
俺と倉持はあまりに快勝過ぎたその戦いを振り返りながら満足げに須藤の元へ向かった。
永遠不滅で純白の城。その少年、白城の時の流れは止まったまま。さて、今度はどんな物語に出会うのだろうか。
海の聲~WWX
外界との接続
㈠
「いや、そんなことは聞いていない!」
あまりの衝撃に俺は叫んだ。そして手に持っていた工具をロボットの頭部に落とした。だがそんな俺の驚きをよそに松岡は淡々と話を続ける。
「だって言ってないし。だがお前だってニュースで見ただろう。そもそもここの住人としてお前がうちと政府の関係について知らなかったことに俺は驚きだよ。」
「どういうことだ、倉持!松岡は何を言っているんだ!戦争ってなんだよ!?俺はずっとここにいたがそんなものは聞いたこともなかった!」
「お前はテレビを見なければ外出もほとんどしない。さらには社会情勢の授業は全て寝ていただろう。知らないわけだ。国は理研特区のここ、電子工学研究科を潰そうとしている。」
数秒俺は凍りついた。倉持や松岡が言っていることがわからない。外のことに興味を持たないのはよくないとわかったが流石にこれは唐突すぎる。普通じゃない。
「どうせお前らの話はフィクションだろう。でなければ技術向上のために作った組織を何故国が自ら破壊するようなことをするのか。ひとつ考えられる可能性は戦車や軍艦の機能テストだが、それにしては大袈裟過ぎるし明らかに無駄なことだ。」
「信じてくれよ、そうだテレビをつければすぐにわかる。おい、テレビはどこだ!」
「そんなもの俺の部屋にはないよ。」
「そうだった。どうすればいいんだ…、インターネット!インターネットでもニュースが見られる。」
「あっ、タブレット充電中だ。お前ら自分の持ってる?」
「なんでだよ!なんで今充電してんだよ!」
「いや、昨日動画見過ぎて。」
「パソコンは?」
「え、タブレットで全部できる時代だし俺の部屋にはないよ。」
「倉持、あれを見せるしかないよ。」
「そうだな、おい須藤、これを見ろ。もはや疑うこともできまい。」
差し出されたその紙には“招隊状”の文字。招待と軍隊を掛けたのか。謎の趣向はさておき確かにそれは軍への入隊指令であった。
「確かに公式のものだな。このデザインは海軍か?これを見たら俺でも偽物と疑うまい。で、これは誰宛?」
「お前だよ!」
2人はほぼ同時に叫んだ。
「は?え?俺?俺戦うの!?え、死にたくない。」
「なあに、国営海軍の戦力なんてたかが知れてる。すぐに終わるさ。」
何故か倉持は余裕の表情だ。ありえん。
「いやいやいや、そういう問題じゃない!向こうはプロ、こちらはアマチュア!ましてや体力皆無の引き篭もり!大昔の農民一揆よりも圧倒的な戦力差だ!」
「農民一揆は知ってんのか…。それはさておき、俺たちだってど素人じゃあない。大体の軍艦の構造は把握してるだろ?」
「そんなの本やゲームでしか…、ん?ゲーム?」
「そう、俺たちは画面の向こうの数多の敵艦を駆逐してきた。最先端AIに勝る人類なんてめったにいない。戦略性は申し分ないはずだ。」
「そんな簡単な話じゃないと思うが…。ええい!人はどうせ死ぬんだ!最期にリアル戦艦ゲーでもして死のう!本望じゃないか!」
俺は色々と吹っ切れた。だが実際俺は一度本物の戦艦でドンパチやりたいと頭の片隅では考えていた。
工具を落としたことによりロボットの頭部はへこんだ。頭部という重要な部分に大きな打撃を受けたそれは決して完成を迎えることはないだろう。
㈡
翌日から須藤も含め俺たちは理研特区海軍に配属されることになった。そもそも拒否権はなかったようだ。しかし、困ったことに須藤はその体格の良さを裏切るような運動神経しか持ち合わせていない。一体どうなることやらとインドア派なのであまり人のことを言えない俺だが、須藤のこの先を心配していると松岡と共に須藤が帰ってきた。
「倉持、大変だ!理研特区の海軍はおしまいだぞ!」
須藤は慌てた様子だ。
「それはどういうことだ。司令部のトップは…まともな人だったが。主力艦の艦長に任命されたやつが駄目なやつだったのか?」
「まあ…そうだな。」
「本当か、松岡。しかし、一体誰だ?俺も知ってるやつか?」
「すごく…知ってるやつだな。」
「ほう?俺は偵察部隊に任命されたし…。」
「俺もそうだった。」
「と、なると…」
俺は須藤の方を見た。松岡は苦笑いしている。
「なんで俺なんでしょうね…?」
「ほんとなんででしょうね!?」
俺と松岡はほぼ同時に叫んだ。須藤に対するツッコミや驚きになると俺たちの息はぴったりになる。
「理研特区が誇る航空機母艦、レオナルド・ダ・ヴィンチの艦長に任命された。ここの軍艦って昔の学者の名前がついてるようだが沈んだらどうするんだろうな。」
「艦長が沈むとか言うな。」
「ん?レオナルド・ダ・ヴィンチ?俺もその艦に配属されたぞ。」
「倉持も?俺もだけど今からすごく心配だ…。」
「まあ、俺の戦略は素晴らしいからたぶんなんとかなるよ。あ、艦長の俺は隊にとって重要な人物であるから危なくなったら俺の命優先な。」
おそろく松岡も同じことを思っただろう。ここでは艦長の人間性は問われないのか、と。
㈢
数ヶ月の訓練の末、遂に須藤にも出撃の時が来た。
「航空母艦レオナルド・ダ・ヴィンチ、艦長須藤康成。行ってまいります。」
「健闘を祈る。先日の空母、ガリレオ・ガリレイの素晴らしい戦果のお陰でこちらが優勢だ。乗組員の安全を最優先しなさい。」
「はい。では後ほど。」
須藤は振り返り、甲板にいる仲間たちを見た。
「さあ、出撃だ!先に巡洋艦ケプラー、シュレディンガーと駆逐艦が数隻出ている。俺たちの今回の役目は航空支援だ。皆、無理はするなよ。」
艦橋で様子を見ているのは俺と倉持。乗組員たちに指示を出す須藤の姿にはまあ、感心した。
「艦長らしくやってんじゃん。やっぱゲームのおかげ?」
「さてどうだか。あれはあくまで海戦シミュレーションゲームだ。戦略面で少し足しになったとしてもこういう所では全く役に立たないだろう。」
「そうだな。そういえばお前は準備しなくていいのか?」
「あー、一応いつでも出れるようにしておくべきかな。俺が乗るのは偵察機だし。」
「俺はここで見張ってるだけだからなぁ。しっかし砲戦になったら俺即死だろ。」
「いや、俺こそ撃ち落とされたら終わりだ。」
「倉持はまだいいだろ。生きるか死ぬかは操縦能力次第だ。俺なんてこれは完全に運任せだ。逃げたら駄目そうな役割だし。」
「うーん、俺だって飛行機を操縦するのは初めてだよ。お互い長生きしましょう、ってことで。」
「ああ、じゃあ気をつけてな。」
「おう、行ってくる。」
確かに倉持は航空機の構造に詳しい。それにミリタリー分野には明るい。しかしそれだけでただの機械ヲタクの青年が国の軍に勝てるのか。だが先日出撃した顔も知らない仲間たちに被害者は見当たらないため、こちらの技術は想像していたよりも遥かに上だったのかもしれない。俺はいくらか楽観的な気持ちで大海原を眺めた。
その時隣にいた見張り員の1人が目を見開き、ぼんやりしていた俺の肩を揺らした。
「松岡さん、敵艦です!」
その声で俺はハッとした。仕事は唐突に訪れた。
初陣は見張り員たちの気付きの早さもあり、完全勝利に終わった。
「案外あっけないものだな。まだまだ続くんだろうけど。」
「そうだな。これから戦局が悪化する可能性もある、気を引き締めなければ。」
「倉持結局飛んでないだろ。」
「ああ、偵察機を飛ばす必要がなかったらしいな。しかし、松岡お前目がいいな。」
「昔から飛行機を眺めるのが好きだったんだ。遠いものほど良く見える。」
半分本当で半分嘘。飛行機を眺めるのが好きだったからといって遥か果ての物体が見えるはずもない。だが本当のことはとりあえず隠しておく。
「ほう、それは知らなかった。さて、そろそろ艦長のところに行きますかね。」
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