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コーヒーとビスケット
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俺は今テーブルに座っている。
テレビをつけてお気に入りのテレビ
番組を見ながらコンビニで買ってきた
ビスケットを開けコーヒーのお湯が沸くのを待っていた。
「ピー」
(あ、お湯沸いた。)
コップにコーヒーの粉を入れ
お湯を注ぎコーヒーができた。
苦いのが好きなため砂糖は入れない。
ビスケットを食べながらコーヒーを
飲む。
(あっつ… 入れたてだった。)
すると携帯がなった。
友達からの連絡だった。
「今から遊びに行こうぜ。」
「どこに?」
「そうだな~… 今何してる?」
「今は俺にとってのベストタイムだ。」
「は?」
「いや、なんでもない。」
正直コーヒーを飲む時間をベストタイムと呼んでいるのは俺だけだと思う。
みんなそこまでおやつの時間には
こだわってないだろうし、
今時友達から誘いが来て遊びに行かない
奴はいないだろう。
この時の俺はベストタイムを邪魔されるのが嫌で誘いを断った。
「ゴクッ」
「パキッ」
「ボリボリッ」
「ゴクッゴクッ」
ビスケットとコーヒーの音が
部屋中に聞こえる。
俺しかいないからまあ仕方ない。
いつもビスケットを先に食べ終え、
コーヒーだけで最後の一杯を飲むのが
決まりだ。
しかし、今日はたまたまコーヒーの
お湯の方が先に切れてしまった。
(調子狂うな…。)
俺はあと一杯分のお湯を沸かし
それからビスケットを食べた。
「ベストタイム終了」
そう言い終えるといつも昼寝につく。
それがいつもは15時10分。
しかし、今日は5分遅い。
15時15分だった。
(あ、1と5が交互に並んでる。
おもしれ。)
なんてことないことで笑ったのは
いつ以来だろう。
俺は幼い頃に両親を亡くして
去年妹にも先立たれた。
もう笑えないかもしれない。
そう思っていたのに、
時間がずれて数字が交互に並んだ
だけで思わず笑ってしまった。
でもなんだか悪くない気分だ。
これというのも友達が連絡をくれておかげかもしれない。
そう思うと俺は友達に折り返しの電話をかけていた。
「なあ、やっぱり遊びに行こーぜ。」
「お、お前から誘ってくるなんて
珍しいな!
こりゃ明日雪かな?」
笑いながら友達が言った。
「雪か、いいな。降らないかな~。」
「いやいや、雪かき面倒だし
勘弁してくれよ~。」
「雪降るとコーヒーが美味いんだよ。」
俺は笑いながら言った。
「お前の笑い声久しぶりに聞いたよ。」
「まあな。それに、雪もコーヒーも
ビスケットもみんな妹と両親が好きだったんだ。」
「じゃあ、明日雪降ったら喫茶店でも行くか!?」
「ああ。そりゃいい考えだ。
今からてるてる坊主逆にして吊るしておかないとな。」
「それじゃあ雨じゃね?」
「ふふっwいいんだよ。
うちはみんなてるてる坊主も好きだったんだから。」
次の日雪が降り、俺たちは
喫茶店でコーヒーとビスケットを
注文した。
今日のベストタイムは久々に外で
楽しめる。
テレビをつけてお気に入りのテレビ
番組を見ながらコンビニで買ってきた
ビスケットを開けコーヒーのお湯が沸くのを待っていた。
「ピー」
(あ、お湯沸いた。)
コップにコーヒーの粉を入れ
お湯を注ぎコーヒーができた。
苦いのが好きなため砂糖は入れない。
ビスケットを食べながらコーヒーを
飲む。
(あっつ… 入れたてだった。)
すると携帯がなった。
友達からの連絡だった。
「今から遊びに行こうぜ。」
「どこに?」
「そうだな~… 今何してる?」
「今は俺にとってのベストタイムだ。」
「は?」
「いや、なんでもない。」
正直コーヒーを飲む時間をベストタイムと呼んでいるのは俺だけだと思う。
みんなそこまでおやつの時間には
こだわってないだろうし、
今時友達から誘いが来て遊びに行かない
奴はいないだろう。
この時の俺はベストタイムを邪魔されるのが嫌で誘いを断った。
「ゴクッ」
「パキッ」
「ボリボリッ」
「ゴクッゴクッ」
ビスケットとコーヒーの音が
部屋中に聞こえる。
俺しかいないからまあ仕方ない。
いつもビスケットを先に食べ終え、
コーヒーだけで最後の一杯を飲むのが
決まりだ。
しかし、今日はたまたまコーヒーの
お湯の方が先に切れてしまった。
(調子狂うな…。)
俺はあと一杯分のお湯を沸かし
それからビスケットを食べた。
「ベストタイム終了」
そう言い終えるといつも昼寝につく。
それがいつもは15時10分。
しかし、今日は5分遅い。
15時15分だった。
(あ、1と5が交互に並んでる。
おもしれ。)
なんてことないことで笑ったのは
いつ以来だろう。
俺は幼い頃に両親を亡くして
去年妹にも先立たれた。
もう笑えないかもしれない。
そう思っていたのに、
時間がずれて数字が交互に並んだ
だけで思わず笑ってしまった。
でもなんだか悪くない気分だ。
これというのも友達が連絡をくれておかげかもしれない。
そう思うと俺は友達に折り返しの電話をかけていた。
「なあ、やっぱり遊びに行こーぜ。」
「お、お前から誘ってくるなんて
珍しいな!
こりゃ明日雪かな?」
笑いながら友達が言った。
「雪か、いいな。降らないかな~。」
「いやいや、雪かき面倒だし
勘弁してくれよ~。」
「雪降るとコーヒーが美味いんだよ。」
俺は笑いながら言った。
「お前の笑い声久しぶりに聞いたよ。」
「まあな。それに、雪もコーヒーも
ビスケットもみんな妹と両親が好きだったんだ。」
「じゃあ、明日雪降ったら喫茶店でも行くか!?」
「ああ。そりゃいい考えだ。
今からてるてる坊主逆にして吊るしておかないとな。」
「それじゃあ雨じゃね?」
「ふふっwいいんだよ。
うちはみんなてるてる坊主も好きだったんだから。」
次の日雪が降り、俺たちは
喫茶店でコーヒーとビスケットを
注文した。
今日のベストタイムは久々に外で
楽しめる。
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