64 / 284
第1章:俺の声は何!?
53:真夜中のティータイム
しおりを挟む
----
--------
-----------
「ふーん。これは物凄く油っぽいな。手がベタベタする」
「まぁ、揚げ菓子だからな。なんだ、口に合わなかったか?」
「まぁまぁ」
そう言って、俺の買ってきた揚げ菓子をパクパクと口に入れていくイーサを、俺は丸テーブルに肘をつきながら眺めていた。行儀が悪いとは言わないで欲しい。
なにせ「お茶会に招待」とか「正式な客人」などと仰々しい事を言っておきながら、別にイーサから何か温かいお茶が振る舞われるワケでも何でもなかったのだ。
俺達の真夜中のティータイムに用意されていたのは、俺の買ってきたあの揚げ菓子だけ。そして、イーサから「このお菓子一つあげるね」と言った気遣いの言葉は、当たり前だが無い。つまり、俺は座ってイーサが菓子を食べるのを見ているだけの「お茶会に招待された正式な客人」というワケだ。
「いや、わかっちゃいたけどな。そう仲本聡志は小さく息を吐いた」
「ん?」
「いや、なんでもない」
まぁ、確かにそうだ。百年間も引きこもっていたイーサに、そういったところを期待する事自体が間違っているのだ。
「こんな夜中に一気に食べると、太るぞ」
「太らない。だから、食べる」
「へぇ。そんなに気に入ったのか」
「まぁまぁ」
次から次へと菓子を口の中へと運ぶイーサの姿に、俺は「どこがまぁまぁだよ」と内心独り言ちた。しかし、さすが王族。素手で食べているにも関わらず、その食べ方は、どこまで行っても上品だ。
しかし、だ。
「ほら、落ち着け。髪の毛に粉砂糖がついてるぞ」
「ん」
髪が余りにも長いせいか、イーサが口元に揚げ菓子を運ぶ際、纏っている粉砂糖がイーサの髪の毛についてしまっていた。
しかし、イーサの両手は今、揚げ菓子の油で汚れてしまっている。
「触るぞ」
「ん」
そうするのがさも当然とばかりに、イーサは食べる手を止める事なく、顔だけを此方へと向けてくる。まったく、金持ちのお坊ちゃんが。まぁ、一国の王子だから仕方ないか。
「はい、とれた。もう付けるなよ」
「ごくろう」
「いいえ」
先程までベッドの上で大泣きしていたとは思えないほど、今のイーサはご機嫌な様子だ。王子様のご機嫌が直って何より……なのだが。
「うーん」
先程から絶え間なく此方へと向けられる視線に、俺はチラとイーサの隣へと目を向けた。
「やっぱり、気になる。そう、仲本聡志は視線の先にある、“例の兎”をジッと見つめた」
そこには、どこか憎めない表情のショッキングピンクの兎のぬいぐるみがちょこんとイーサの隣に置かれていた。もちろん、イーサがそうしたのだ。
そう、俺は先程からこのぬいぐるみの視線が気になって仕方がないのである。
憎めない顔。片耳だけ綿が少ないのか、コテンと長い耳が前へと倒れている。
「その子の名前は?」
「ん?」
「その隣の子だよ。随分と大切にしてるみたいだからな。何て名前なのかな、と思ってさ」
「……“あも”だ」
「そっか、あもか」
肘をついた体勢のまま、俺はジッと“あも”を見た。あぁ、きっとイーサが毎晩抱きしめて寝ているせいだろう。
あもの毛は全体的にペタンと寝てしまっており、最早柔らかい毛の手触りなどは一切なさそうだ。しかも、体の綿はあちこちで不均等にダマになってしまっているようで、体全体が歪にへにょりと安定感のない姿になってしまっている。
「かわいいな」
「!!」
そう、俺があもを褒めた瞬間、イーサの表情がパッと明るくなった。
「そうだろう、そうだろう。かわいいだろう!」
「あぁ、かわいいな。それに、名前もよく似合ってる。イーサが付けたのか?」
「その通りだ!」
「そっか。あも。良い名前を付けてもらって。持ち主がイーサで良かったな」
「!!」
終始こちらを見てニコリと笑う兎のぬいぐるみに向かって、俺はぼんやりと口にしていた。少し大きめのあもは、きっと抱き締めるのにちょうど良いのだろう。その体の歪さは、イーサがあもを力いっぱい抱きしめて寝ている証だ。
「サトシ」
「ん?」
「お前には特別に、あもを抱えさせてやろう」
「へ」
言うや否や、イーサは手についていた揚げ菓子の粉砂糖を、舌でペロリと舐めとると、隣に座らせていたあもを抱え俺の所までやってきた。そして――。
「ほら、あもだ」
「……あ、ありがたき幸せ」
気付けば、ショッキングピンク色の兎の抱き枕が、俺の体に押し付けられていた。間抜けな笑顔がドン!と効果音付きで現れる。そして、当たり前のように、あもからは濃いお日様の匂いがした。
「うれしいか?」
「……あ、ああ」
きっと、小さい子が自分の玩具を「はい!」と相手に押し付けて……いや、貸してくれるアレと同じなのだろう。まぁ、子供なりの信愛の証に違いない。
イーサは、その大きな体を屈めると、交互に俺とあもを見ては満足そうに頷いていた。
そして、どのくらいそうしていただろう。あまりにもジッと此方を見つめ続けるイーサに、そろそろ俺の方が限界を迎えた。
「イーサ。そろそろ、あもを返すよ」
「……」
「なぁ、イーサ。あももお前の所に帰りたいって言ってるぞ」
そう、テキトーな事を言ってのける。いくら中身が五歳児だとはいえ、見た目が見た目だ。あまりにもジッと見つめられると、非常に気まずい。ともかく、イーサときたら、顔の造形美が高尚過ぎるのだ。
「なぁ、イー」
「ほう、いいじゃないか」
「っ!」
ちょうど声をかけようとした俺に、イーサの口からそれまでとはまた違った雰囲気の頷きが言葉尻に被さってきた。
また、“あの声”だ。
イーサが一気に“イーサ王”になる時の声。その声色。喋り方。放つオーラ。どれを取っても五歳児のイーサではなくなってしまった。
そして、その視線は、今やあもではなく俺に。もっと言えば、俺の首元へと向けられている。
「ど、どうした?イーサ」
「さすがだ。サトシ」
「な、なんでしょう」
「似合っているじゃないか」
ネックレス。
そう、どこかうっとりとした様子で口にされた言葉に、思わずイーサから目を逸らした。顔と声が絶妙に互いの要素を高め合い、物凄いオーラを作り出している。
強い。強すぎる。こんなの、一般人の俺では目を合わせ続けるのは無理だ。だって、眩し過ぎる。
--------
-----------
「ふーん。これは物凄く油っぽいな。手がベタベタする」
「まぁ、揚げ菓子だからな。なんだ、口に合わなかったか?」
「まぁまぁ」
そう言って、俺の買ってきた揚げ菓子をパクパクと口に入れていくイーサを、俺は丸テーブルに肘をつきながら眺めていた。行儀が悪いとは言わないで欲しい。
なにせ「お茶会に招待」とか「正式な客人」などと仰々しい事を言っておきながら、別にイーサから何か温かいお茶が振る舞われるワケでも何でもなかったのだ。
俺達の真夜中のティータイムに用意されていたのは、俺の買ってきたあの揚げ菓子だけ。そして、イーサから「このお菓子一つあげるね」と言った気遣いの言葉は、当たり前だが無い。つまり、俺は座ってイーサが菓子を食べるのを見ているだけの「お茶会に招待された正式な客人」というワケだ。
「いや、わかっちゃいたけどな。そう仲本聡志は小さく息を吐いた」
「ん?」
「いや、なんでもない」
まぁ、確かにそうだ。百年間も引きこもっていたイーサに、そういったところを期待する事自体が間違っているのだ。
「こんな夜中に一気に食べると、太るぞ」
「太らない。だから、食べる」
「へぇ。そんなに気に入ったのか」
「まぁまぁ」
次から次へと菓子を口の中へと運ぶイーサの姿に、俺は「どこがまぁまぁだよ」と内心独り言ちた。しかし、さすが王族。素手で食べているにも関わらず、その食べ方は、どこまで行っても上品だ。
しかし、だ。
「ほら、落ち着け。髪の毛に粉砂糖がついてるぞ」
「ん」
髪が余りにも長いせいか、イーサが口元に揚げ菓子を運ぶ際、纏っている粉砂糖がイーサの髪の毛についてしまっていた。
しかし、イーサの両手は今、揚げ菓子の油で汚れてしまっている。
「触るぞ」
「ん」
そうするのがさも当然とばかりに、イーサは食べる手を止める事なく、顔だけを此方へと向けてくる。まったく、金持ちのお坊ちゃんが。まぁ、一国の王子だから仕方ないか。
「はい、とれた。もう付けるなよ」
「ごくろう」
「いいえ」
先程までベッドの上で大泣きしていたとは思えないほど、今のイーサはご機嫌な様子だ。王子様のご機嫌が直って何より……なのだが。
「うーん」
先程から絶え間なく此方へと向けられる視線に、俺はチラとイーサの隣へと目を向けた。
「やっぱり、気になる。そう、仲本聡志は視線の先にある、“例の兎”をジッと見つめた」
そこには、どこか憎めない表情のショッキングピンクの兎のぬいぐるみがちょこんとイーサの隣に置かれていた。もちろん、イーサがそうしたのだ。
そう、俺は先程からこのぬいぐるみの視線が気になって仕方がないのである。
憎めない顔。片耳だけ綿が少ないのか、コテンと長い耳が前へと倒れている。
「その子の名前は?」
「ん?」
「その隣の子だよ。随分と大切にしてるみたいだからな。何て名前なのかな、と思ってさ」
「……“あも”だ」
「そっか、あもか」
肘をついた体勢のまま、俺はジッと“あも”を見た。あぁ、きっとイーサが毎晩抱きしめて寝ているせいだろう。
あもの毛は全体的にペタンと寝てしまっており、最早柔らかい毛の手触りなどは一切なさそうだ。しかも、体の綿はあちこちで不均等にダマになってしまっているようで、体全体が歪にへにょりと安定感のない姿になってしまっている。
「かわいいな」
「!!」
そう、俺があもを褒めた瞬間、イーサの表情がパッと明るくなった。
「そうだろう、そうだろう。かわいいだろう!」
「あぁ、かわいいな。それに、名前もよく似合ってる。イーサが付けたのか?」
「その通りだ!」
「そっか。あも。良い名前を付けてもらって。持ち主がイーサで良かったな」
「!!」
終始こちらを見てニコリと笑う兎のぬいぐるみに向かって、俺はぼんやりと口にしていた。少し大きめのあもは、きっと抱き締めるのにちょうど良いのだろう。その体の歪さは、イーサがあもを力いっぱい抱きしめて寝ている証だ。
「サトシ」
「ん?」
「お前には特別に、あもを抱えさせてやろう」
「へ」
言うや否や、イーサは手についていた揚げ菓子の粉砂糖を、舌でペロリと舐めとると、隣に座らせていたあもを抱え俺の所までやってきた。そして――。
「ほら、あもだ」
「……あ、ありがたき幸せ」
気付けば、ショッキングピンク色の兎の抱き枕が、俺の体に押し付けられていた。間抜けな笑顔がドン!と効果音付きで現れる。そして、当たり前のように、あもからは濃いお日様の匂いがした。
「うれしいか?」
「……あ、ああ」
きっと、小さい子が自分の玩具を「はい!」と相手に押し付けて……いや、貸してくれるアレと同じなのだろう。まぁ、子供なりの信愛の証に違いない。
イーサは、その大きな体を屈めると、交互に俺とあもを見ては満足そうに頷いていた。
そして、どのくらいそうしていただろう。あまりにもジッと此方を見つめ続けるイーサに、そろそろ俺の方が限界を迎えた。
「イーサ。そろそろ、あもを返すよ」
「……」
「なぁ、イーサ。あももお前の所に帰りたいって言ってるぞ」
そう、テキトーな事を言ってのける。いくら中身が五歳児だとはいえ、見た目が見た目だ。あまりにもジッと見つめられると、非常に気まずい。ともかく、イーサときたら、顔の造形美が高尚過ぎるのだ。
「なぁ、イー」
「ほう、いいじゃないか」
「っ!」
ちょうど声をかけようとした俺に、イーサの口からそれまでとはまた違った雰囲気の頷きが言葉尻に被さってきた。
また、“あの声”だ。
イーサが一気に“イーサ王”になる時の声。その声色。喋り方。放つオーラ。どれを取っても五歳児のイーサではなくなってしまった。
そして、その視線は、今やあもではなく俺に。もっと言えば、俺の首元へと向けられている。
「ど、どうした?イーサ」
「さすがだ。サトシ」
「な、なんでしょう」
「似合っているじゃないか」
ネックレス。
そう、どこかうっとりとした様子で口にされた言葉に、思わずイーサから目を逸らした。顔と声が絶妙に互いの要素を高め合い、物凄いオーラを作り出している。
強い。強すぎる。こんなの、一般人の俺では目を合わせ続けるのは無理だ。だって、眩し過ぎる。
61
お気に入りに追加
239
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

神は眷属からの溺愛に気付かない
グランラババー
BL
【ラントの眷属たち×神となる主人公ラント】
「聖女様が降臨されたぞ!!」
から始まる異世界生活。
夢にまでみたファンタジー生活を送れると思いきや、一緒に召喚された母であり聖女である母から不要な存在として捨てられる。
ラントは、せめて聖女の思い通りになることを妨ぐため、必死に生きることに。
彼はもう人と交流するのはこりごりだと思い、聖女に捨てられた山の中で生き残ることにする。
そして、必死に生き残って3年。
人に合わないと生活を送れているものの、流石に度が過ぎる生活は寂しい。
今更ながら、人肌が恋しくなってきた。
よし!眷属を作ろう!!
この物語は、のちに神になるラントが偶然森で出会った青年やラントが助けた子たちも共に世界を巻き込んで、なんやかんやあってラントが愛される物語である。
神になったラントがラントの仲間たちに愛され生活を送ります。ラントの立ち位置は、作者がこの小説を書いている時にハマっている漫画や小説に左右されます。
ファンタジー要素にBLを織り込んでいきます。
のんびりとした物語です。
現在二章更新中。
現在三章作成中。(登場人物も増えて、やっとファンタジー小説感がでてきます。)

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

烏木の使いと守護騎士の誓いを破るなんてとんでもない
時雨
BL
いつもの通勤中に猫を助ける為に車道に飛び出し車に轢かれて死んでしまったオレは、気が付けば見知らぬ異世界の道の真ん中に大の字で寝ていた。
通りがかりの騎士風のコスプレをしたお兄さんに偶然助けてもらうが、言葉は全く通じない様子。
黒い髪も瞳もこの世界では珍しいらしいが、なんとか目立たず安心して暮らせる場所を探しつつ、助けてくれた騎士へ恩返しもしたい。
騎士が失踪した大切な女性を捜している道中と知り、手伝いたい……けど、この”恩返し”という名の”人捜し”結構ハードモードじゃない?
◇ブロマンス寄りのふんわりBLです。メインCPは騎士×転移主人公です。
◇異世界転移・騎士・西洋風ファンタジーと好きな物を詰め込んでいます。
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
日給10万の結婚〜性悪男の嫁になりました〜
橘しづき
恋愛
服部舞香は弟と二人で暮らす二十五歳の看護師だ。両親は共に蒸発している。弟の進学費用のために働き、貧乏生活をしながら貯蓄を頑張っていた。 そんなある日、付き合っていた彼氏には二股掛けられていたことが判明し振られる。意気消沈しながら帰宅すれば、身に覚えのない借金を回収しにガラの悪い男たちが居座っていた。どうやら、蒸発した父親が借金を作ったらしかった。
その額、三千万。
到底払えそうにない額に、身を売ることを決意した途端、見知らぬ男が現れ借金の肩代わりを申し出る。
だがその男は、とんでもない仕事を舞香に提案してきて……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる