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1:99回目の出会い
しおりを挟むこの台詞を聞くのは、これで何度目になるだろう。
「俺の名前はカミュという!お前、強いな!最高じゃないか!!そうだ、村を救ってくれた礼と言ってはなんだが、俺もお前の魔王討伐の旅に同行させてくれ!」
うん、今回も凄い勢いだ。とにかくビックリマークが多い。それに、相も変わらずともかく声がデカい。そして、これまで何度も繰り返してきたお陰で、次に言われる言葉も全部分かっている。
——俺は、お前と共に旅がしたいんだ!
「俺は、お前と共に旅がしたいんだ!」
ほら、やっぱりね!カミュは何度「初めまして」を繰り返しても、同じように仲間になってくれる。すっごく良いヤツ。ずっとずっと良いヤツ!
眩しいほど明るい赤毛が太陽に照らされ、琥珀色の瞳はキラキラと輝いている。若干わざとらしい大仰な口調も変わらずいつも通り。笑った時にチラリと覗く歯は、歯磨き粉のCMにでも起用されそうなほど真っ白だ。
そんなカミュの姿を見ると、俺はやっぱり思ってしまうワケだ。
「俺の名前はループ!これからよろしくな、カミュ!」
今度こそ、絶対にカミュを死なせたりしないぞ!と。
こうして俺は、このゲームの世界に来て九十九回目の「カミュ」との出会いに、心の中で決意を新たにしたのであった。
【頼むから!死亡フラグくらい立ててくれ!】
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