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番外編1:ケインとケイン(1)
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≪前書き≫
【本編】直後。
ケインとラティが一緒にお風呂に入ります。
本番描写は温いですがR18です。
ケインがラティにやらせている事が、そこそこオッサン臭いです。
あと、ケインがケインに嫉妬しています。
意味が分からないでしょうが、ともかくどうぞ。
--------------
僕はラティ。ただのラティです。
シャラ、シャラ、シャラ。
僕が歩く度に、僕の首輪にくっついている鉄の鎖が音を立てて付いて来ます。その鎖はとても長いです。なにせ、この広いケインの部屋の中を十分行ったり来たりするのに、一度も首が引っかかった事はありません。
少しだけ重さを含んだ鎖は僕の背中を、どこまでもどこまでも追いかけてきます。
最初は首輪にも鎖の重さにも慣れなかったけれど、今となっては全部が僕の体の一部みたいな気持ちです。お風呂に入る時にケインに取って貰うんですけれど、そうするとむしろ寂しくなってしまいます。首元もスースーするし、軽すぎて変な感じ。でも、水に濡れると首輪も鎖も悪くなってしまうので、そういう時は少しサヨナラします。
シャラ、シャラ、シャラ。
「ふふ、ケイン。今日は機嫌が良いね」
僕はシャラシャラと付いてくる鎖に話しかけました。ええ、今ここにはケインは居ません。僕一人です。なにせケインは、お昼間は訓練をしたり、公務をしたり。ともかく僕と違って忙しいのです。
なので、昼間は僕一人。昔は僕も“王太子のラティ”として、色々と忙しい毎日を過ごしていたのですが、今は“ただのラティ”なので、何も忙しくありません。日がな一日のんびりしています。
「ケイン、聞いて。今日は昨日の続きから読むからね」
ともかく、人間のケインは居ないので僕が今口にした「ケイン」は人間のケインではありません。僕が話しかけているのは「鎖」のケインです。毎日一緒に居て、ずっと僕に付いて来てくれるのが可愛くて、僕は鎖に「ケイン」と名付けました。
一応、人間のケインにも「この子にケインの名前を付けていい?」と尋ねました。そうしたら、ケインはとても困ったような顔で言いました。
『……鎖に?いや、日記じゃダメなのか?』
僕は、日記はもう付けない事にしたのです。なので、もう一度『付けたらダメ?』と尋ねました。すると、ケインは、僕が今まで見た事の無いような顔で『……まぁ、いいけど』と頷いてくれました。きっと、鎖に名前を付けるなんて、ラティは本当に変なヤツだなぁと思っているに違いりません。
シャラ、シャラ、シャラ。
「ケイン、君はとっても綺麗な音を奏でるね。さすがケインだよ」
僕は本を広げながら、ベッドの上に足を伸ばして座りました。ケインが僕の体にぴったりと絡みつくように寄り添ってくれます。ひんやりして、とても気持ち良いです。
「……くぁ、ごめんね。やっぱり本は後でね。君があんまりひにんやりして気持ち良いから眠くなってきた。一緒にお昼寝をしようか。ケイン」
シャラリ。
僕はケインをわざと僕に絡みつけて横になると、ケインは嬉しそうにシャラシャラ言いました。鉄の鎖は骨に当たると少し痛いけど、僕はケインが大好きです。だって、ケインと眠ると悪夢を見ませんから。
「おやすみ、ケイン」
僕はケインに「おやすみ」の挨拶をすると、昼間の明るい陽射しに包まれながらドップリと深い眠りの中へと落ちて行きました。
【本編】直後。
ケインとラティが一緒にお風呂に入ります。
本番描写は温いですがR18です。
ケインがラティにやらせている事が、そこそこオッサン臭いです。
あと、ケインがケインに嫉妬しています。
意味が分からないでしょうが、ともかくどうぞ。
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僕はラティ。ただのラティです。
シャラ、シャラ、シャラ。
僕が歩く度に、僕の首輪にくっついている鉄の鎖が音を立てて付いて来ます。その鎖はとても長いです。なにせ、この広いケインの部屋の中を十分行ったり来たりするのに、一度も首が引っかかった事はありません。
少しだけ重さを含んだ鎖は僕の背中を、どこまでもどこまでも追いかけてきます。
最初は首輪にも鎖の重さにも慣れなかったけれど、今となっては全部が僕の体の一部みたいな気持ちです。お風呂に入る時にケインに取って貰うんですけれど、そうするとむしろ寂しくなってしまいます。首元もスースーするし、軽すぎて変な感じ。でも、水に濡れると首輪も鎖も悪くなってしまうので、そういう時は少しサヨナラします。
シャラ、シャラ、シャラ。
「ふふ、ケイン。今日は機嫌が良いね」
僕はシャラシャラと付いてくる鎖に話しかけました。ええ、今ここにはケインは居ません。僕一人です。なにせケインは、お昼間は訓練をしたり、公務をしたり。ともかく僕と違って忙しいのです。
なので、昼間は僕一人。昔は僕も“王太子のラティ”として、色々と忙しい毎日を過ごしていたのですが、今は“ただのラティ”なので、何も忙しくありません。日がな一日のんびりしています。
「ケイン、聞いて。今日は昨日の続きから読むからね」
ともかく、人間のケインは居ないので僕が今口にした「ケイン」は人間のケインではありません。僕が話しかけているのは「鎖」のケインです。毎日一緒に居て、ずっと僕に付いて来てくれるのが可愛くて、僕は鎖に「ケイン」と名付けました。
一応、人間のケインにも「この子にケインの名前を付けていい?」と尋ねました。そうしたら、ケインはとても困ったような顔で言いました。
『……鎖に?いや、日記じゃダメなのか?』
僕は、日記はもう付けない事にしたのです。なので、もう一度『付けたらダメ?』と尋ねました。すると、ケインは、僕が今まで見た事の無いような顔で『……まぁ、いいけど』と頷いてくれました。きっと、鎖に名前を付けるなんて、ラティは本当に変なヤツだなぁと思っているに違いりません。
シャラ、シャラ、シャラ。
「ケイン、君はとっても綺麗な音を奏でるね。さすがケインだよ」
僕は本を広げながら、ベッドの上に足を伸ばして座りました。ケインが僕の体にぴったりと絡みつくように寄り添ってくれます。ひんやりして、とても気持ち良いです。
「……くぁ、ごめんね。やっぱり本は後でね。君があんまりひにんやりして気持ち良いから眠くなってきた。一緒にお昼寝をしようか。ケイン」
シャラリ。
僕はケインをわざと僕に絡みつけて横になると、ケインは嬉しそうにシャラシャラ言いました。鉄の鎖は骨に当たると少し痛いけど、僕はケインが大好きです。だって、ケインと眠ると悪夢を見ませんから。
「おやすみ、ケイン」
僕はケインに「おやすみ」の挨拶をすると、昼間の明るい陽射しに包まれながらドップリと深い眠りの中へと落ちて行きました。
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