ぐざい

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羊はスマホを手に取ると、ヤモリの番号を着信拒否にした。履歴からも消去する。
ヤモリが羊に向けた感情が、羊には煙のように見えた。ヤモリの感情が煙になって自分にまとわりついてくる。手で払いのけても、形を変えてまた自分にまとわりついてくる。許せなかった。不愉快だ。気持ちが悪い。俺に感情を向けていいのは…、俺に感情を向けていいのは…?

羊はそれ以上考えなかった。
羊は、狼に対してある種の特別な感情が起こっていることを理解していなかった。認めていないというべきか。否定とは違った。羊はそもそも、そういうものを必要としていなかった。傷つきたくなかった。自分が弱いことも認められない。だから強くもない。隠すのは簡単だった。

狼は理解していた。羊は、人を好きになったり愛したりしたら、変わってしまうだろうことに気が付いていた。狼は羊のそういうところが好きだった。どこまでも危なげな、ささいなことで変容してしまう。まるで結晶のような羊を、狼は愛していた。狼を見る羊の目が変わってしまうことを恐れた。だから、羊に触りはしても、つかみはしなかった。できなかった。命綱だったから。
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