ぐざい

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身体の大きい羊の服を着た狼は、ソファの上で手足を投げ出し、もそもそとスマホを眺めていた。なにを見るというわけでもない。連絡が来なくなった女の名前を消したり、サイトの閲覧履歴を眺めたりした。顔をあげると羊がノートパソコンのモニタに見入っている。眼鏡越しに羊の目が見える。視線を落とす羊の目を狼は見る。真剣な表情。普段はうつろに見えるが仕事の時は違う。一見ぼんやりして見える羊だが、まわりに興味がないだけなのを狼は気が付いていた。
みんな羊をダサいとかかっこ悪いとか、しまいにはやばそうだとか、好き勝手なことを言うが、狼は羊がかなりイケメンなのを知っていた。あのだらしない髪型を変えるだけでも印象が変わるだろうなと思いつつも、あの髪型を変えてほしくもなかった。他の誰かが羊をかっこいいと気付くのは嫌だったし、なによりあのぼさぼさとだらしなくしたままの髪はつかみやすい。あれがなくなったら、つかまる場所がなくなってしまう。狼にとって羊の髪は綱だった。命綱。あるいは、蜘蛛の糸。
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