38 / 47
街の悪者を退治しよう 1
しおりを挟む俺達4人は森を抜け、この国最北の街までやってきた。
この近隣では別名「魔女の庭」とも言われるらしいこの街は、どうやら魔女の住処に一番近い街らしい。
この世界に来たばかりの始めの街じゃ、おとぎ話か都市伝説のような存在だった魔女も、この街に近づくにつれ確かにいる者として恐れられる存在に変わっていった。
「なんだ、こりゃあ?」
この街も今までの街と同様、城塞のようにぐるりと石垣の塀が周囲を囲っており入り口には門番が控えて、出入りする人をチェックしていた。
でもその立派なはずの塀が――
「塀が溶けてる……」
門のすぐ横に2、3人は通れそうな大穴が空いているのだ。
しかも崩れたわけじゃなくてレンガの端は溶けたチョコレートみたいに爛れている。
魔物が街を襲ったとしてもこんな風にはならないよね?何これ??
っていうか、これじゃ門の意味ないのでは。
「並ぶなんてアホくせえ。こっから抜けて入ろうぜ」
「この阿呆。街の出入りのチェックくらい真面目にやれ。ギルド名簿から除名されるぞ。
サクヤはカローリたちと一緒にこの犬とそこで待っててくれ。俺たちで手続きをしてくる」
犬って。
3人は一緒に行動するようになったものの、未だに言い合いが絶えなかった。
俺の感覚だと子供相手にきつい言葉を掛けるってのはどうも慣れない。最もウィルの方も全く気にしてない様子で言い返してるけど。
この世界の人はなんというか、みんな強いんだよな。
何気なく横の少年を見上げると、意外にも鼻に皺を寄せてしかめっ面をしていた。
あれ?やっぱり傷ついてる!?
「ウィル?」
「うー、くせぇっ。鼻が曲がる!」
「えっ?鼻?」
「あー、サクヤたちはわかんねえか。昨日くらいから微妙に臭かったんだけど、この辺はさらに匂いがひでーんだよ。甘ったるいような薬みたいな、嫌~~~~~~~な匂い」
ウィルを真似て鼻をクンクンさせてみたけど、俺にはさっぱりだ。
「匂い、するかなあ?俺は全然分かんないけど。って、わあっ!いきなり何?」
「いい匂い嗅いで鼻の調子を戻さねーと。ふんふんふん。は~、やっぱりこの匂い最高」
人の匂いを嗅ぐなあああ!
ウィルがおんぶお化けよろしく後ろから抱きつき、俺の首元に顔を埋める。
この数日は野宿で風呂なんて入れてないし絶対臭いでしょ!普通に恥ずかしいよ!
引き剥がそうとジタバタしてるといきなりウィルがギャッと叫んで飛びのいた。
「この駄犬!お前は『待て』も碌にできんのか!
とりあえず手続きは終わった。こんな奴は置いてさっさと街へ入ろう」
「いってえなー!何すんだ、オッサン!言っとくけど、いきなり雷を放ってくる奴のがよっぽどやべーわ!
サクヤ~、こんな乱暴な奴らと無理に一緒にいる必要ある?俺一人で十分守ってやれるぞ?」
う、う~ん。
いきなり街のすぐ外で仲間相手に雷魔法を落とすレイシスさんも相当だけど、それを食らったのに平然として反省の欠片もないウィルも普通じゃない。
何と言っていいか考え込んでいたら、口喧嘩が終わらない二人の横からガロスさんが出て来て俺をひょいっと抱え上げるとさっさと門を潜ってしまった。
「ちょ!二人を止めなくていいんですか?」
「んなもん放っときゃいーんだよ。今回は清算もあるけど、魔女の情報収集もしたいからな。サクヤも一緒にギルドに行こうぜ。
相変わらず軽いな~。へへっ、役得~♪」
このパーティーって、みんなマイペース過ぎない?
◆◆◆
街の中は閑散としていて、何だか物寂しい印象だった。
出歩いている人も少ないし、お店も閉まっている店舗が多かったり。
辺境だからかこんなものなのかな?
そう呑気に思っていた俺と違って、ガロスさんとレイシスさんは眉を潜めて街を見回していた。
ギルドは郊外の街のものだけあって、こじんまりした作りだった。
そしてここも街中と同じく人が少ない。
まずは旅の道中でこなした依頼の清算をするみたいでガロスさんと受付に並んだけど、すぐに順番がやってきた。
「ん?お前は……」
何となく疲れた表情をしていた受付のおじさん。
だけどガロスさんの顔を見た途端、目に表情が戻る。
受付に対応してくれた人はどうもガロスさんの知り合いらしい。
「おお?ギリヤじやねーか」
「ガロスか!久々だな。まだくたばってなかったか」
「ぬかせ。お前こそ、しばらく見かけねえと思ったらこんな国の端に移動させられてるとはな。何かやらかしたんじゃねえのか?」
軽口を叩き合ってるが、どちらも口調は楽しげだ。
フードの隙間から見上げると、おじさんが人好きのしそうな笑顔を浮かべているのが目に入った。
俺がキョトンとしているのが分かったんだろう。ガロスさんが紹介をしてくれる。
「ああ、サクヤ。こいつはギリヤだ。以前は別の街のギルドで働いててな。そん時の顔見知りだ」
「こんにちは」
紹介を受けて慌ててぺこりと頭を下げる。
それにしても違うギルドに移動なんてあるんだ。それぞれのギルドごとに人を雇ったりしてると思った。何でも後から聞いたところによると、ギルドの職員は癒着防止や見聞を広めるためにこういう移動も珍しくないんだそう。大変だな~。
「こりゃ丁寧にどうも。というか、ガロス。俺にはこの子を紹介してくれねぇのかい」
「はぁ?お前みたいな冴えねえ親父を紹介ぃ?百年早いわ」
「ちょっ!何言ってんですか!はじめまして。サクヤです。ガロスさんのパーティのメンバーで、……って言っても俺が一方的にお世話になってる感じなんだけど」
「サクヤちゃんか。お前と組んでるとは思えねえ、礼儀正しい子だな。大丈夫かい?もしかして脅されて無理やり組まされてるなんてことないよな?」
「俺を何だと思ってんだ!」
「俺だってお前を疑いたくはねえが、そんなトラブル山程あるからな。ギルド職員としちゃ見逃せねえ。こんな可愛い女の子とお前が二人旅なんてどう考えても変だろう」
また、ナチュラルに女の子扱いを受けてしまった。
だけどそれより今は誤解を解かないと。
「大丈夫です。元々は危ないところを助けてくれて保護してくれたのがきっかけなんです。それにパーティは俺達二人だけじゃなくって……」
そう説明している途中でギルドの扉が開く音がした。
入ってきたのはレイシスさんとウィルだ。
あれからしばらく時間が経ってるんだけど、もしかして今までずっと口喧嘩をしてたの?
ま、まあ、ツッコむのは止めとこ。
改めてギリヤさんにパーティーメンバーを紹介する。
「まぁ、二人きりじゃないならお前が暴走しても誰かが止めるか。……って、ん?お前はもしかして」
「久しいな。元気そうで何よりだ」
「ああ、レイシスか!そういえば、短期で組むことにしたって聞いたな。俺はその後すぐに移動になっちまったんだが、もしかして今までずっと続いてたのか?
てっきり喧嘩別れにでもなると思ってたが、馬が合ったなら何よりだ。
それにしてもレイシス。お前、雰囲気がちょっと変わったなぁ。一目見ただけじゃ分かんなかったぜ」
「そうか?自分ではよく分からないが」
「前より気安くなったよ。いい変化だと思うぞ。あと、もう一人のあんたは……まだ若そうだが見習いかい?」
ウィルは話しかけられても、むすっとして黙りこんだまま俺の腕にくっついて離れない。
横からツンとつつくと重そうな口がやっと開いた。
「……俺はウィル。パーティには成り行きで入っただけだ。
それよりこの街はどうなってんだ?街中変な臭いが漂ってる。鼻が曲がる!しかも門のところの大穴、あそこは特に臭え!」
「匂い?……もしかしてお前、獣人か!この辺りにゃめったにいねえから知らなかったが、あれが臭いで分かるのか。そりゃあ、この街はつらいな」
ずいっとレイシスさんが前に出た。
「あれは魔女の仕業だろう。俺達は魔女に会うためにここまで来たんだ。何か知っていたら教えてくれないか?」
幸か不幸かギルド内にはちょうど人波が途切れて、俺たち以外には客がいない。
たまたま対応してくれた人が二人の知り合いっていうのも運命を感じる。この人なら詳しい事を何か教えてくれるんじゃないだろうか。
「お願いします!」
俺がガバッとお辞儀したら、ギリヤさんは驚いたようだ。
でも一瞬の沈黙の後、柔らかい苦笑が帰ってきた。
「わかったよ。だけど他所じゃ迂闊に聞くんじゃねえぞ。どこから目を付けられるか分かったもんじゃねえ。
この辺が『魔女の庭』って言われているの知ってるか。文字通り今じゃこの街は奴の遊び場でな。どれだけ勝手されたって誰も文句なんか言えやしねえ。言ったら最後、何をされるか分かんねぇしな。
あの塀の大穴だってそうさ。どうも奴の気まぐれで何でも溶かす薬?の実験とやらであんな風にされたって噂だ。穴を塞ごうとレンガを置いてもおいた傍から溶けちまって直すこともままならねぇ」
「えっ、あの穴を開けたって……、魔女がこの街に来たんですか!?」
思わず勢いよく顔を上げるとフードがひらりと外れた。その途端、こちらに視線が一斉に集まる。
「「あ」」
「! ローブの上から見ても華奢だとは思ったが、こんな美少女だったとは……」
ジーッと見つめてくるギリヤさんの視線を遮るように大きな影が差す。
ガロスさんが俺を隠すように目の前に移動したらしい。
「見るな!減る!サクヤは俺のなんだから!」
「バカ言ってんじゃねー!おっさん!サクヤは俺の嫁って言ってんだろ!」
意味不明な喧嘩をガロスさんとウィルが始める横で、呆然と立ち尽くすギリヤさん。
「な……、どうして君のような人がこんな野蛮人と……?」
「ふ~、その意見には同意する。第一サクヤはガロス、お前のモノではない。だが、こいつがこの子の恋人気取りでいられるのも事情があるからだ。俺達はそのためにここに来た」
「レイシスさん」
「彼なら信用できる。サクヤ、全部話してしまおう」
俺はコクリと頷く。
魔女のことを知るためになりふりなんか構ってられない。
ギリヤさんはいい人そうだし、詳しい事情を話した方がより親身に情報を分けてくれそうだ。
ギリヤさんは一旦受付の奥に行き、他の職員に言付けをすると、二階の応接室に案内してくれた。
そこで今までのことを掻い摘んで全部話した。
俺が異世界から来たってこと、それが魔女の仕業じゃないかと疑ってること、さらに魔女に別の呪いをかけられていてそれを解きたいこと。
ギリヤさんは驚きつつも、納得してくれたようだ。
そして縋るように魔女について尋ねた俺に、ギリヤさんはここ数年の出来事を教えてくれた。
どうも数年前から妙な事件が頻発しているらしい。
いきなり新種の病が発生したり、見たこともないモンスターが街のそばに現れたり、夏なのに大雪が降ったりとめちゃくちゃだ。
門のところの大穴もそのひとつだそう。
そんな事件が起きるうちに街中が噂が流れるようになった。魔女が街の近くに住み着いたんじゃないかって。
ただ意外なことに姿を見た人はいないらしい。
だけど不幸な偶然や自然災害がいくら何でもこんなに一つの街にだけ続くなんてどう考えたっておかしい。
普通の人間には無理だ。魔物ならやりかねない気もするけど、彼らはこんな無意味なイタズラはしないらしい。そうなるとどうしても思い浮かぶのが『魔女』。
さらにそれを裏付けるように、この『イタズラ』を防ごうとしたり解決しようとした者は皆、謎の死を遂げた。
そんなことが続くと誰も何も言えなくなる。
普通だったらそういったトラブルがあれば解決する役割になるのがギルドだ。
でもそんな状況だから魔女の呪いを恐れて皆依頼を出すこともない。依頼がなければ動けない。ギリヤさんはずっとそんな状況を苦く思っていたそうだ。
この街を治める領主も我関せずで、全て放置したまま。
そんな状態が続き、いつの間にかここは『魔女の庭』って呼ばれるようになったんだとか。
ようするに魔女が好き勝手をしてても許される場所ってことだ。
魔女に何らかの恩恵を与るために、領主がこの街を犠牲にしてるんだって。
「うーん、ここってそんなにひどい領主だったか?」
「確かに……。山岳地帯を挟むとはいえ、ここは北の国境の街で国の要所のひとつだ。それなりの賢政が行われていたと記憶しているが」
「数年前に急に代替わりしたんだ。しかもそうして継いだのは息子ではなく、死んだ領主の弟だ」
「は~ん、読めてきたぜ」
「そういうことか……」
「「?」」
ギリヤさんの話しを聞いただけでガロスさん達は納得したようだけど、俺とウィルは話が見えずキョトンと顔を見合わせる。
そんな俺達を見て苦笑しながら、ガロスさんご説明をしてくれた。
「よーするに、弟が権力を握ろうと前の領主を暗殺でもして家を乗っ取ったってことだろ?」
「ええ?弟って、血がつながった兄弟ですよね?」
「サクヤには理解できないだろうな。世の中には自分の欲望のためにどれだけでも愚かになる者もいるのだ」
自分が血の繋がった家族というものに、人より幻想を抱いているのは分かってる。
でもそんなにひどいことが実際にここで行われたかもしれないのか?
想像してゾッとした。
「今の領主は無茶苦茶だ。増税に次ぐ増税。魔女の仕業は全部放置。国からの調査員には多額の賄賂。諫めようとした部下は首にした上、罪をでっちあげられて労役に連れていかれたし。若い女を屋敷に奉公させるように法律まで作りやがった」
「分かりやすいクズだな。でも跡継ぎの子供はどうなったんだ?さっきの話しぶりじゃいないわけじゃねーんだろ?」
「ああ、一人息子がいる。
ただ彼は生まれつき病弱でね。しかも数年前から奇病に掛かってしまって録にベッドから起き上がれない状態らしい。
この国じゃ基本、嫡男相続が基本だ。寝たきりとはいえ生きてるからな。一応弟はその子の後見人という立場をとって好き放題しているんだ」
「一人……他に兄弟もいねえのか?」
「ああ、奥様も早くに亡くなってな。親類も先の隣国との抗争でほとんどいなくなってしまった。ただ一粒種の坊ちゃんは優秀だったし、予定通り世代交代出来てれば問題はなかったんだ。前領主はかなりできる方だったんだが油断があったのか。返す返すも惜しい」
「変わりがいねぇのか。担げる頭がないとなると、無理やり引きずり落とすこともできねーか……」
「ああ、このままでいいとは思わんが打つ手がない。
せめて坊ちゃんがもう少し健康でいてくれれば動きようもあるんだが」
「う~~、モヤモヤするぜ」
「すまん、魔女の話をするはずだったのに余計なことを話してしまったな。この街のゴタゴタは街の人間で解決するさ」
明らかに理不尽なのに領主の血縁ってだけでのさばらせていいのか。
しかも魔女と繋がってるかもしれない奴を?……あ!
「待ってください。
もしその弟が魔女と繋がってるなら、その子の病気も怪しくないですか?」
「!」
俺の発言に皆が目を丸くした。
本当なら誰かが意図的に病気にさせるなんて考えられないけど相手は魔女だ。
しかも奇病に掛かった時期を聞いたら全領主が死んだ数か月後らしい。タイミングが良すぎる。
さっきの魔女のしでかした悪さの中にも新種の病なんてあったし、あながち間違ってないはず。
そんな考えが皆にも過ったのか、全員で視線を合わせてコクリと頷いた。
2
お気に入りに追加
367
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
異世界で王子様な先輩に溺愛されちゃってます
野良猫のらん
BL
手違いで異世界に召喚されてしまったマコトは、元の世界に戻ることもできず異世界で就職した。
得た職は冒険者ギルドの職員だった。
金髪翠眼でチャラい先輩フェリックスに苦手意識を抱くが、元の世界でマコトを散々に扱ったブラック企業の上司とは違い、彼は優しく接してくれた。
マコトはフェリックスを先輩と呼び慕うようになり、お昼を食べるにも何をするにも一緒に行動するようになった。
夜はオススメの飲食店を紹介してもらって一緒に食べにいき、お祭りにも一緒にいき、秋になったらハイキングを……ってあれ、これデートじゃない!? しかもしかも先輩は、実は王子様で……。
以前投稿した『冒険者ギルドで働いてたら親切な先輩に恋しちゃいました』の長編バージョンです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる