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森でまた攫われました 3

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「サクヤ……、ありがとう。
師匠だけにはお前は優しく立派な薬師だと誉めて貰えてたが、この数年どの人間にも怯えられ逃げられ、すっかり自信を無くしていた。いや師匠にすら俺の姿は隠したままだったのがずっと胸につかえていた。
俺はやはり醜いオークに過ぎないんじゃないかと、常にその思いから逃げられず、ずっとずっと苦しかった……。こんなに心が晴れたのは生まれて初めてだ」
「ゴードンさん…うわっ」

感極まった彼にぎゅっとハグをされた。
まあ、いいか。それだけ嬉しかったんだろうし。その手伝いができたなら俺の魔法も捨てたもんじゃないな。
基本へっぽこ魔法としか思えないけど、少し救われたようで何だかくすぐったい。

それにしても流石はオークというか、すごい力だ。
きっと彼からしたらすごくそっと触れてくれているんだろうに、俺が身じろぎしようとしてもビクともしない。
ぎこちないハグに微笑ましい気分でされるがままになっていたが、その手が次第に背中から頭に映ろうとした気配を感じて焦る。

「あ、あのゴードンさん?」
「大丈夫だ。サクヤは俺の恩人だ。何もしないと誓う。ただもう少しだけこうしてほしい」
「それはいいんだけど、あの手が……」
「ん?背中は触ってはまずかったか?」
「そうじゃなくて!頭は撫でないで……あ!だめ!」

俺の抵抗むなしく気づけば俺の顔を覆う程の大きな手のひらに優しく頭を撫でられていた。

「あ、あ、あ……」
「? サクヤ、どうした?」
「だ、ダメ……ッ。離れて……」
「! サクヤ、この匂いは……?」

呆然としているゴードンさんから何とか離れてベッドに倒れ込む。

モンスターだからか、ゴードンさんもウィルみたいに匂いで俺の異変を感じとったようだ。

どうしよう、どうしよう、どうしよう。
思考はぐるぐる回るだけで、火照った答えはひとつも出で来ない。

そうこうしているうちにゴードンさんの様子も変わってきた。
息が荒くなり、それに何より……腰に巻いている布を突き上げて巨大なナニカが主張している。

そしてゴードンさんの体から湯気のようなものが立ち上がっているような気がするんだけど気のせい?
俺と彼との距離は1mちょっと。これたけ距離があるのに不思議な匂いを感じる気がして、彼から目が離せない。
オークってもしかして発情するだけで媚薬みたいなフェロモンを出したりするの??
……ありえる。
人間とか相手にするなら相手もその気になった方がずっと効率がいいしなあ。

うう~、だ、だめだ。
ただでさえ魔女のきつい呪いがあるのに、さらに媚薬で頭を塗りたくられ耐えれるもんじゃない。

ベッドを這うように進み、棒立ちになってるゴードンさんの太腿に触れる。
触れた途端、冷水に浴びたかのようにゴードンさんがびくっと体を揺らした。

「ご、ごめんなさい。これ、触らせてください」
「!!!!!」

恐る恐るその巨大なイチモツに指を這わす。

こうなったらもう自力じゃどうにもできない。
それは今までの経験で散々な目に合って自覚してる。
でも、せめてエッチまではさすがに避けたい!
大体そんなことになったら、ゴードンさんにも申し訳ない。なんたって攫っただけで後悔まみれになるような善人なのだ。俺から頼んだとはいえ最後までしてしまっては罪悪感に飲まれて自殺でも図りそうだ。

あくまで手でするだけ!で、出たそれをペロッと舐めさせてもらう。

……うぅ。
そのくらいのことなら抵抗がなくなりつつある自分が怖い。

ちらっと顔を見上げるけどまっかな顔で見降ろすだけで拒否って感じはしない。っていっても表情がよく分かんないけど。
震える手で腰に巻いてあった布を外す。
彼が身に付けていたのはこの布切れ一枚だけだったようで、とんでもない大物がぼろんと飛び出てきた。

で、デカ……。
ええ?人間のメスを狙うって言ってたけどこんな大きいの人間に入るの??
思わずマジマジと見上げてしまう。
それに匂いがすごい………。
今までも十分くらくらしていたが布から飛び出た途端、さらに濃い匂いが立ち込めて、喉がなって仕方ない。
一切触っていないのにもう俺の股の辺りはびしょびしょになってる。

「サクヤが…あんな細い指が、俺のものを…」
「?」

上からブツブツ聞こえるけど何だろう。耳に届くのにもう意味が把握できない。
だって匂いがすごくて……。
ごくり。

気づけば誘われるように口を付けていた。

「…ッ!!!!!」

当然そんな巨大なものが口に収まるわけもない。
先だけを優しく口に含む。

一度舐めたら離れがたくてずっと舌を離さないように舐めしゃぶった。
竿の部分は手を使って擦りあげた。

「ああっ!そんな愛しそうに…はぁあっ…我慢できない!」
「グッ!!?」

頭を掴まれたと思うと、喉に衝撃が襲った。
ゴードンさんが口の中に捻じ込んで来たのだ。
あまりの大きさに顎が外れそうだし、息をどう吸ったらいいのか一瞬分からなくなってパニックになる。
でもそんな俺に構う余裕もないのか、ゴードンさんはさらに腰をへこへこ振り出した。
たぶんなけなしの理性を動員してくれて、かなり気を使ってる控えめな動きなんだと思うんだけどめちゃくちゃ苦しい。
それでもこの先に望んでいるものが待っているって体が覚えているようで、俺は為すがままその動きを受け入れた。
喉の奥がキュッと閉じた途端、口の中のものは喜ぶように大きく膨らんだ。

「ああっ!!」
「ぶ、ぶぐぅっ!!」

げほげほ!口の中に生臭い匂いが広がる。すごい量に咽た。
色んなものでぐちゃぐちゃになった顔を袖で拭う。

はーッ、はーッ。ん……、発情の呪いはとりあえず収まってきたみたい。
被害は最小で済んだな!
俺だっていつも流されてばっかじゃない、少しは成長してるんだ。

ベッドの上で俺がホッと息をついていると、何故か大きな影に覆われていた。
そして、あれ?と思った時には、もうずっしりした巨体に覆い被されていた。

「ゴ、ゴードンさん!?」

あ、あれ?顔に付いている豚型の鼻からすごい勢いで息が出てくるんだけど。
さっきから熱い風が、ぶふーぶふーと出て顔に当たってる。
そして潤んだ目が俺をまっすぐに見降ろしている。
え、えーと、それってどんな表情?動物は好きだけど、豚の表情なんて俺には分からない!

「こ、こんなに可愛らしくお誘いされて何もしないでいるなんて無理だ!だ、だが俺で本当にいいのか?」
「へ?い、いや、違う!それ誤解!さっきのはゴードンさんが俺の頭を撫でたから」
「撫でて欲しいのか?」
「やっ!違――」

慌てて止めようとしたが俺の力が叶う訳もない。ただでさえ呪いの後で体の震えが止まらないのに。
ゴードンさんの大きな手のひらは俺の頭をそれはそれは優しく撫でてきた。
それと共に、俺の中の情欲が無理矢理引きずり出されていく。

「ああ……ッ」
「サクヤ、かわいい……。何度でも撫でてやる……。もちろん優しくする」

そう言って不器用で大きな指が俺の服を剥いでいく。
そうしてゴードンさんが優しい人故の地獄開始宣言が、甘い声で告げられたのだった。
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