苦労性の俺は、異世界でも呪いを受ける。

旅に出ることにしました 4

「んう…」



し、しつこい……。

さっきからずっとしてるキスが一向に終わらないんだけど！どれだけキスが好きなの！？

ガロスさんはキスがうまい、と思う。口の中をくまなく刺激され続け、俺はもうヘロヘロになっていた。

その様子に満足したのか、ずっと合わせていた唇がやっと離れた。ガロスさんのちょっと厚い唇が赤く塗れていて何だか目が離せない。俺は唇が遠のいていくのをぼうっと見つめた。



「ッ……はぁ……はぁ……」



「うわ……、トロットロじゃん…」



「だ、誰のせいだと…ッ」



そもそも俺はエッチなことなんて大して興味はなかったんだ。だからそういうのは好きな人とだけすればいいと思ってる。

なんでこんな事になったんだろう？

旅の道中じゃなかなか自己処理もできないし欲求不満だったのかな？そんなところにこの世界的に華奢な女のような俺が側にいることでムラムラしちゃったのだろうか？でもいくらお世話になってる恩人だからって、それを実行しちゃうのはどうかと思うんだけど！

不満を込めて睨んでみたが、とってもいい笑顔を返されただけだった。

全然効いてない～～～！



「いいね～♪そんな目で見られると余計にグッとくるぜ」



「へ、へんたい…」



「変態上等だぜ。ってか、大抵の男は同じこと考えると思うけどな～。潤んだ目がめちゃくちゃ可愛いもん」



「何言って…んッ！」



体に走った快感にビクッと震えた。

いつの間にかガロスさんの手が裾から入り込み、俺の服を大きくたくし上げていた。そして大きな手は脇腹を撫でながら移動し、そのまま胸の尖りを摘まみ上げたのだ。



「だ、ダメッ」



そこをクリクリ弄られるとそれだけで堪らなくなってしまう。快感を少しでも逃がしたくて身を捩る。俺の下半身は痛いくらいに張り詰めてて先走りでびしょびしょになっていた。

女の子じゃないのに何で胸でこんなに感じるんだ！？

呪いのせいだって分かってはいても、自分の体の反応にショックを受けてしまう。



「んッ」



弄られている内に乳首がさらに大きく立ち上がるのを感じる。それを親指でぐりぐりと押されたかと思えば、今度は優しく捏ねられて発情している俺の体は簡単に翻弄された。



「くくッ。気づいてるか？サクヤ。さっきからチンコめっちゃ擦り付けて来てるぞ？」

「あ！？」



その言葉に自分の体がピタッと動きを止める。完全に無意識だった。

ずっとひどく感じてはいたものの決定的な快感がなくって、イキたいあまりガロスさんの腰に擦り付けていたらしい。人様の体を使ってオナニーしてたの？そんな浅ましい真似を俺がしてたのか！？

恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になる。



「…その顔、可愛すぎんだろ」

「…ッ！ひぃッ…」



耳元で囁かれたかと思ったら、耳を甘く噛まれ体がぶるっと震えた。

そして耳の中をくちゅりと舐められる。濡れた音が響いてまるで脳みそが犯されているみたいだ。



「あっ…あっ…ンぅ…ッ」



再び胸も弄られる。ぐちゅぐちゅっと耳の中を濡れた音が襲いかかる。ガロスさんの顔を見ていられなくって目を瞑っているものだから、余計に音を意識してしまう。

あ…コレ、やばいかも。むずむずした快感がどんどん大きくなっていく。そしてそれはガロスさんの手によって弾けた。



「アッ～～～～～～～～～ッ！」



両方の乳首をきゅうっと引っ張り上げたのだ。本当なら痛いはずなのに…、いや痛みはあるんだ。でもそれ以上に…感じてしまった。

股間に濡れた感触が広がる。俺はさっきの刺激でイッたらしい。直接触らずキスと胸をいじられただけだったのに。…まじか…。



「はぁ、はぁ、はぁ…」



俺がイクだけじゃ発情状態は終わらない。それでもイッた直後で力は抜けてしまい、息を上げながらくたりと体を薄い敷布の上にあずけた。

そんな俺の様子を見てガロスさんがゴクリと喉を鳴らす。



「やべえ。もっと可愛がってやろうと思ったけど、可愛すぎる。もう無理。我慢できねえ」



そう言ったかと思うと自分の服を寛げ、俺の足を抱え上げた。



「まずはきれいにしねえとな」



そうして横の荷物からガサゴソと棒状の何かを取り出したかと思うと、なんと俺のお尻の穴にずぼっと入れてきた。



「！！！」



ちょっと！そりゃ呪いの副産物でたしか順応性が高いとかあったし、自己治癒もできるっぽいからケガしないかもしれないけど乱暴すぎない！？

しかし雑過ぎる彼よりも残念なのが、そんな扱いでもしっかり感じてしまう自分の体だ。

不思議な棒は自らぬめりを出すらしい。太さも指程度なのでさしたる抵抗もなく奥まで入っていく。

腸壁を固いものがゴリゴリ無遠慮に進んでいく刺激に、あそこがまた元気よく勃ち上がってしまった。



「ちょっと待ってな。『浄化』」



ガロスさんがそう言った途端、お腹の中がスッキリする。

彼は確か魔法が使えないはずなので、どうやらこの棒はその代わりになる道具らしい。



「そろそろいいかな」



呟いたかと思ったらガロスさんは入れてた棒をグイっと引き抜いた。お腹の中が捲れそうになる感覚に腰が震えた。

だから動きが雑だってば！非難を込めて見上げると、目の前には血走った眼をして荒い鼻息を抑えきれないガロスさんがいた。

だ、だめだ、コレ…。人の話聞ける状態じゃなくなってる。



「いいよな？確かスキルで身体順応とかあったし、棒刺した時も柔らかかったし。いけるよな？な？」

「え…ッ」



ガロスさんが俺の両足を広げて持ち上げる。全てが丸見えになってしまうこの体勢は正気じゃなくても恥ずかしい。

でも広げた股の向こうに見えた巨砲にそれどころじゃなくなった。

でかい…。知ってたけどやっぱりでかい。レイシスさんも相当だと思ってたけど、それより立派なんじゃないだろうか。

早く呪いを解きたいのは山々だけどコレをいきなりというのは鬼すぎるのでは、と留まってもらうために口を開く。



「ちょっと待ッ」



ズドン！！



聞いてよ！！

だめだ、興奮状態のガロスさんは止められない。そもそも俺も発情してるし止められないのは必然だったのかもしれない。



「ああん…ッ！」



声が出そうになって必死で唇を塞ぐ。レイシスさんに気づかせるわけにはいかない。



「うわッ…すっげえ。体が小さいせいか？すげえ狭いな。でも俺のもしっかり咥え込んで、きゅうきゅう吸い付いてくる…。めちゃくちゃ気持ちいい～～ッ。腰が、止まんねえ…ッ!」



どちゅ、どちゅ、どちゅ！



「ひ…！」



ピストンされる度にコリっとしたところが当たって視界に星が散る。ゆさゆさ揺さぶられるのに合わせるように俺の竿から液体がプシュッと飛んでガロスさんの服を汚した。



「あ…ッあぅ…ッん…！！」



俺は声を抑えるのに必死だ。

呪いのせいでカウパーも粘膜に触れると精液のように感じてしまうのだ。ただそれだと呪いは解けずそのままだ。ぐちゅぐちゅにぬかるむ股ぐらはさっきからきゅんきゅん感じて絶頂を何度も繰り返している。

ま、まだ終わらないの！？

ムリ…。このままじゃ、どうにかなっちゃうよ…。早く、早く終わって。

薄く目を開けてガロスさんを見上げる。いつの間にか涙が溜まっていたようで、ぼんやりした輪郭しか見えない。



「ガ、ガロスさん…」

「！」



すると視線が合ったガロスさんは上体を起こしてずるりと一物を抜いてしまった。

名残惜しげに粘膜が付いていこうと引き攣れてそれにも感じてしまい声を上げる。

あれ…？俺の気持ち、全然通じなかったの？

呆然としていたら、俺の腹にびしゃっと暖かい飛沫がかけられた。



「…え、どうして…」



俺がずっと欲しがってたモノ…。

絶望した気分で、ランプの灯りに映し出される白く光るそれを見つめた。当然中に出されてない俺は未だに発情状態のままだ。



「ふぃーッ、めっちゃ気持ちよかった！危うく中で爆発するとこだったぜ」



「な、なんで…外で…」



「一回だけじゃ俺の実力が分かんねーだろ？レイシスの野郎だって何回もやってたじゃん？もうちょっと楽しませてやらねえと男が廃るからな！」



いらない！そんなサービス精神！

思わず一言物申そうとして、ハタと止まる。

ん？待てよ…。欲しかったものは目の前にある。それならコレを舐めれば治るんじゃ！？

気付くやいなや腹に手を伸ばした。でもその動きに気づいたガロスさんがすかさずその辺の布を掴み、白濁を拭い取ってしまった。

ガーン……。その素早さは、さすがB級冒険者というべきか…。うぅ…。

やばい。情けなさと辛さと快感で本気で泣けてきた。

目じりから涙が零れる。頬を寄せガロスさんがその涙を舐め取っていく。チクチク当たるヒゲが痛い。



「うぅッ…ひっく」



「ごめんごめん。あまりにサクヤがエロくてさっきは全然余裕なかったからな。次はもーっと気持ちよくしてやるし！もう1回だけだから。な？」



「う～～」



納得がいかないものの、逆らえるはずもなく。俺は口元に降りてきた唇を再び受け入れたのだった。





◆◆◆





あの後、すぐにガロスさんが復活して2回戦目に突入した。



一度出したことで余裕が出たのか、ゆっくりした交わりが続いた。

向かい合うように座り彼の上に乗せられる。



「あ…ッ…はあ…ッ…はあ…」



力が入らないからガロスさんに持ち上げられ、強制的に上下運動をさせられている状態だ。

時々下からの突き上げもあり予想のつかない刺激に何度も甘い絶頂を繰り返している。

イキ過ぎてもう何も出てこない俺の竿は、さっきから力なくぷるんぷるん揺れていた。



「～～～～ッ！」



「くっ、すっげえ締め付け。またイッたの？サクヤはほーんと感じやすいなぁ」



レイシスさんにバレばれる訳にはいかない。でもこんな快感に蕩け切っている状態じゃ、口を噛みしめて嬌声を抑えるなんて無理だった。両手で口を塞いでなんとか堪えている状態だ。



「…ガロスさん…」



もう本当に限界だ。期待を込めてガロスさんを見つめる。



「ん～？欲しくなっちゃった？」



「ッ！……ハイ」



その通りだが自分から口にするのはやっぱり恥ずかしい。



「俺は一晩中したいくらいなんだけどなぁ」



口を尖らせそう言いながらアレを抜くと俺を膝立ちにさせる。そして唇を寄せてきたのを見て、俺は反射的に口を開けた。

舌と舌が擦れ合って気持ちいい…。

くちゅくちゅいう音を聞きながらうっとり眼を閉じると、優しく後ろに倒された。

寝転んだ俺にガロスさんが覆い被さる。



にちゅううぅ。



再び俺のお尻に肉棒が突き刺さる。すっかり形に馴染んだそこは当然のように大きなソレを飲み込んでいった。



「んッ！」



どちゅ、どちゅ、どちゅ！

いきなり始まったガンガン貪るような突き上げに頭が真っ白になる。



「んッ…アン…ッ！」



「…ふッ…ふッ！」



やっと終わる！もうそれしか考えられなくなった俺の頭にはプライドなんて残ってない。

ガロスさんの腰に合わせて、俺も必死で腰を揺すった。



ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐっちゅ！



「えっろぉ…」



「ふえ…？」



抽挿のスピードが弱まったことに気づき目を開ける。え、なんで？止めちゃうの？



「ど、どうしたの…？」



「いや～…、また外で出そうかな～、なんて」



悪魔の響きに愕然となる。終わりが見えていただけに絶望が深い。

俺は眉を下げてガロスさんを見上げた。



「そ、そんな…」



「嫌？」



「や、やだ！嫌です…ッ」



当り前じゃないですか！この呪い、めっちゃつらいんですよッ！？

何とか思い直して欲しくて、必死に服の裾を掴んで想いを告げる。それを聞いたガロスさんはニヤ～ッと意地悪そうな笑みを浮かべた。



「じゃあ、お願いしてくれたらその通りにしようかなぁ♪」



「…お願い？」



「そう、サクヤはどうして欲しい？」



「…どうして…？」



ネジが緩んだ頭はオウム返ししかできない。

どうして欲しいって…それは…。快感の波に俺の羞恥心はとうとうどっかに流されてしまったらしい。

心の声がポツリと口から零れ出た。



「…だして…ほしい…」



「ん～？何か言ったか？」



「だ、出してッ」



「出すって何を？ちゃーんと頭のわりぃ俺にも分かるように説明してくれよ」



前にレイシスさんのことをむっつりだって言ってたけど、ガロスさんも相当なエロ親父だと思う。冷静になった後で聞いたらとんでもないお願いをぶっこんできた。

それでももう羞恥心が消えてしまった俺に、もうその罠に気付けない。願いを叶えるために必死で頼み込む。



「お願いします…俺の中に出して…ッ」



「グ…ッ、やべぇなコレ…。ゴホン！んん～？それだけじゃ分かんねえよ？どこに何を出すって？」



「お、俺の…おしりの中でイッて…、それで、中に、せ、精液を出して…ください……も、もう、我慢できないぃ…」



「く～～～～～！！最高！」



そう叫ぶとガロスさんは俺の両脇に手を置き、勢いよく腰を振り始めた。



パンパンパン！！



「あん、あ…ッ、はうッ！」



俺だってもう終わりにしたい！もう外で出されるなんて嫌だ！今度こそは逃さないと両手を伸ばし、汗で滑る太い首に縋りついた。そして両足をガロスさんの腰を挟むように必死に巻き付ける。

声を大にして言いたいが、この時はあくまで呪いのせいで意識が飛んでいたのだ！本能が楽になる方法を求めた結果であって、俺自身が望んだわけじゃ断じてない！絶対ない！

ともかくそのせいで口から手が離れてしまった。当然、抑えようもない嬌声が溢れる。



「はァッあん、あんあん！」



「～～～～～～～～ッく！」



「ああああ～～～～～～～～ッ！！！」



体の奥で熱い何かが弾けるのを感じるや否や、それは俺の脳までびりびりと伝わった。

脳が焼けつくような激しい快感に、足の先がピンと伸びる。



「はぁ、はぁ、はぁ…」

「っふ～～～ッ」



やっと呪いが治まったようだ。頭の中の霧が晴れていく。

しばらく俺をぎゅっと抱え込んでいたが満足したのかガロスさんがゆっくり体を起こす。にゅぽんッと肉棒を抜かれ小さな悲鳴を上げた。駄目だ、体がめちゃくちゃ敏感になってる…。

頭はまともに戻ったもののずっと続いた快感と疲労でぐったり動けない俺と違い、ガロスさんは元気そのもの。

上機嫌で俺に話しかけてきた。



「いや～、ほんっと想像以上だったわ！それこそ俺はいろんな街でプロの姉ちゃん達とも散々ヤッてたんだぜ？でも正直比べモンにならねえくらいマジですごかった。キッツいのに俺のもんもしっかり咥えるくらい柔らかいし！しかも何！？あの吸い付き！？さらにやってる内にどんどんうねってくるし！とんでもない名器じゃん！しかもサクヤがめっちゃ可愛い！それにエロい！！こりゃレイシスが一晩中夢中になったのも納得だな～。つーか、初めてでこんな相手に当たったらもう他の奴なんて勃たなくなるんじゃねーか？」



「あ、あの～…」



「ん？どうしたそんなに怯えて。…あッ！もしかして夕方にサクヤが森で見た怪しい奴か！？」



ガバッとテントの入り口を振り向くガロスさん。

はい、ある意味もっと恐ろしい人物がいます。

そこにはたき火の灯りを逆光に背負い、ド迫力なオーラを撒き散らすレイシスさんがいた。



「…ガロス、何をしている」



「んげ」



そうですよね、最後なんて声全然抑えれてなかったし。

見張りだから周りの物音には敏感になっているだろうし、あのレイシスさんが気付かないはずない。

俺は被害者ではあるんだけど、最終的にあれだけ乱れてしまっただけに何だか居た堪れない気分になる。だって、俺…めちゃくちゃ感じちゃってた…。森の中なのに！側にレイシスさんもいるのに！

いや、もちろんこんなとこでエッチしたいなんて1ミリも思ってなかったからね！？呪いのせいだから！

でも…それでも…正気に戻った後、改めてさっきの自分を思い起こすと…。

顔から本当に火がでるんじゃないかと思うくらい恥ずかしい！！



「うぅ…」



羞恥に耐えるために頭を抱える。

大丈夫。少しくらいの恥がなんだ。生きてりゃ恥なんていくらでも掻くもんだ。

それに理不尽なことが突然起こることなんてよくあることだ。…気にしたら負けだ、うん。



とりあえず終わったんだ。

正直なところ勝手に呪いを発動させたガロスさんを怒りたい気持ちはある。でも今はそれ以上に忘れたい。

よし！疲れたし全部なかったことにして、とりあえず寝ちゃおう！

そうやって俺はひとり何とか気持ちを整理したのだが、横で言い合いをしていた二人の様子が何だかおかしい。どうも会話の雲行きか怪しいような…？



「大体だな、私がどれだけ我慢してると思っているんだ！初めて体を重ねることを覚えたばかりなのに、あの1度きりしかしてないのだぞ！しかも好いた相手が常に近くにいる毎日を過ごしているのにだ！それでもサクヤの体力を考えたら、とてもじゃないが旅の間に無体な真似はできないと堪えていたというのに……」



って、待ったー！レイシスさん！！

旅じゃなければ再戦しようとしてるように聞こえるんですが、そこはもういいです。あえて流します。

旅の途中に野外でそういった行為をしないのは当然です！やっぱり常識人だ。ほっとする！



よし、レイシスさんがガロスさんの手綱を握ってくれれば、また欲求不満が溜まってもこっちに来ることはないはず。そう期待を込めてレイシスさんを見上げると…アレ？目がおかしくない？瞳孔が開いてるんだけど。そのまま笑顔とか怖いんですが！

レイシスさんはメガネをくいッと指で押し上げると、にやりと魔王のような笑顔を浮かべた。



「そんな風にいろいろ考え遠慮をしていた。…だが、こんな光景をみて我慢できるほど私は枯れていない。ガロス」



「そうこなくっちゃ！」



ぽん



「！！！」



解放されたばかりのピンク色の靄が再び頭の中に広がり始める。

さっきまでの激しい言い争いは何だったのかと首を傾げたくなる意志疎通の早さだった。レイシスさんの視線を受けた直後ガロスさんが俺の後頭部を優しく撫でたのだ。



「な…、何するんですかぁ…」



「そんな目で睨まれても可愛いだけだぞ、サクヤ。もう我慢の限界だ。私にも君を可愛がらせてくれ」



「あ……」



そう言ってガロスさんを押しのけると、レイシスさんは俺の顎を取り唇を寄せてきた。



「んぅ…ッ」



って待って！見張りは～～～～！？？



でもそんな反論は、押し寄せる快楽の前に直ぐに消え去った。

そして俺は一晩中二人から攻められ続け、天幕の向こうから薄明かりが差し込んでいる頃になってついに意識を手放した。

唯一の救いは、あれだけ怖がっていた幽霊のことをさっぱり忘れていたことだけど…。二人のおかげとはいえ素直に感謝する気持ちにはなれないのはしょうがないよな。