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一章 〜浄化の聖女×消滅の魔女〜
黒き感情×勇者降臨
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商店街の脇道に逸れ、逃走経路を練りながら息を潜め進むアルル一行。
脇道の奥から伸びてくる影に身構えたが、その正体は追っ手では無かった。
同じく身構えていたロシェを宥める。
「お困りの様だねマイハニー? ボクの力が必要かい?」
「げっ、ナイジェル。今はアンタなんかに構ってる暇ないんだけど」
アルルの目の前に現れたのはバサラーナ商会当主の息子兄弟の弟方、ナイジェル。
アルルに惚れてからというもの、事あるごとに面倒な絡みを仕掛けている男だ。
しかし大抵は双方に利益のある話を持ってくるため、無下にも出来ないというアルルにとってはもどかしい存在である。
「そう邪険に扱わないでくれよマイエンジェル」
アルルの苦言を爽やかな笑顔で受け流すナイジェル。
「相変わらずですねキモ男、アルルお姉さまは渡しませんから」
その爽やかな笑顔に睨みを効かせるフィーレ。
「キミの可愛げの無さも相変わらずだねフィーレ」
やれやれと肩を揺らすナイジェル。
二人の目線の間で花火が散る。
「だから喧嘩してる場合でも無いでしょ! で、何の用?」
さっさと本題に入るのが一番の対策と知っているアルルが話を進める。
「おっといけない、ボクとしたことが。この先に外に繋がる隠し通路がある。そこから逃げるといい」
真面目形態に変わり身を遂げたナイジェルが通路の鍵をアルルに投げ渡し、手で方角を指し示す。
「……いいの?」
「早く行って、口を回すのだけは得意だからさ。追っ手の数人ぐらいは足止め出来ると思う。こんな時ぐらいは格好つけさせてくれ」
頑張っても精々数人が限界だけどね、とナイジェルが悲しげな嘯きを密かに漏らす。
「……ありがとう、ナイジェル。あたし、頑張るから」
「へぇ、キモ男の割には中々カッコ付いてるかもですね。ま、お姉さまの方が百倍はカッコいいですけど」
ナイジェルはその言葉をフィーレなりの最大限の労いと受け入れ、やれやれといった様子で更に二人の背中を押す。
「さ、早く行って。ここにも追っ手が来る」
「うん。じゃあね、落ち着いたらまた顔出しに行く」
振り向くことなく通路へと一直線に向かうアルル一行。
しかし追手の気配は増えるばかり。
そして、ロシェが鼻を鳴らす、刹那。
――魔女が居たぞ! ここだ!
そのがなり声と同時に、四方八方から矢の雨がアルル達の頭上に降り注ぐ。
(ここ住宅街だけど!? 正気の沙汰!?)
杖無しには魔術の詠唱は間に合わない為、矢を打ち消す選択肢は無いに等しい。
素早く物陰に隠れ、フィーレを引き込むアルル。
が、ロシェはそれを拒んだ。
「ちょっとロシェ! なにしてんの!? 早く隠れなさい!」
主を守るべく、矢の嵐に立ち向かう。
両前足、そして両後足の爪までをも駆使し、縦横無尽に矢の嵐を喰い止め続けるロシェ。
三分の一程を叩き落とすも、掠り傷一つ。
連なるようにもう一つ。
更に一つ。
「もうやめてロシェ! ――止めなさいってばっ!」
ロシェが稼いだ二秒を最大限活用したアルルが浄化の聖弾を乱射。
勢いを殺された矢が次々と地に落ちる。
残り三分の一程に差し掛かった、刹那。
アルルの意識外から一本の矢が飛来し。
主を守れないと悟ったロシェの悲痛な叫び声が響く。
「お姉さまッ! ……あ゛、う、かはっ――」
そう、主を守ろうとする者は一人ではなかった。
「フィーレっ! ――ッ!」
地に倒れ込もうとするフィーレをアルルが抱き留める。
その内に、ロシェが残りの矢を捨て身の覚悟で叩き落とした。
「……ぐ、うぅ、これぐらい、だいじょうぶ、ですから」
フィーレの脇腹から痛ましく血が滲み出す。
その現実がアルルに重く圧し掛かる。
――彼女を抱く、その腕が怒りに震える。
(なんで、どうして、フィーレがこんな目に遭わなくちゃいけないの)
「立ち止まれッ! 命が惜しくば速やかに投降せよ!」
矢を穿った兵士一行がアルルのゆく道に立ち塞がった。
「……命乞いをするのはそっちだと思うけど?」
憎しみを胸に。魔力を手に。
杖無しにも火力は十分。
「何を世迷言を……グ、あ、ぁ――すまない、ゆるしてくれ、あぁ……」
発現するは、身体的外傷を及ぼすには至らないものの、犯してきた罪の数々が背中を伝うような錯覚に苛まれ、精神が蝕まれていく魔術。
追手の兵士が地を這い、救いを求めた。
当然、アルルがそれに応える筈も無く。
与えられるは更なる無慈悲。
正義などという大義名分を掲げてはいるが、所詮その心の中には黒い感情が渦巻いている。
辺境伯の兵士は皆、聖女の存在が憎いのだ。
魔物から守ってやってるんだ、喜んで貢げ――などという横暴が通用しない世の中となり、甘い蜜を吸えなくなってしまったのが原因と言える。
(あたし、自分自身を浄化したら、きっと消えちゃうだろうなぁ……)
そう――例え聖女と謳われようと、所詮は一人の人間に過ぎないのだから。
聖女は決して聖人などではないのだから。
人が勝手にそう呼んでいるだけに過ぎないのだから。
聖女にもなり得ると同時に魔女にもなり得る。
それがアルルメイヤという少女。
「お、ねえ、さま、もう……やめ――」
アルルから湧き出す黒い感情を感じ取ったフィーレがそれを窘める。
その一声により、負の感情に囚われていたアルルが冷静を取り戻す。
「……ごめんね、フィーレ」
「い、え」
アルルはフィーレに聖女のような優しい笑みを零す。
後に、這い蹲る兵士の方に向き直す。
「追っかけてきたら消す」
縮こまる兵士に忠告を吐き捨てる。
その昏い目は正に、魔女そのもの。
「ヒイィッ! あ、ああぁ……」
数々のトラウマや汚職を掘り起こされた兵士。
彼らには年端もいかぬ少女に失禁させられたという名誉な箔が付く事だろう。
「フィーレ、もうちょっとだけ我慢して、外に出たらちゃんと治してあげるから」
短くこくりと頷くフィーレ。
最早喋る気力すら消え失せてしまったのだろう。
走りながらフィーレに応急処置を施すアルルの横で、ロシェが周囲への警戒を続ける。
(追っ手は……今は見えない)
それらしい入り口を見つけると、合致する鍵穴を見つけ手早く入り込む。
扉の鍵を閉めなおし、地下に通じる階段を下った先に存在した曲がりくねる一本道を進んでいく。
(光が見えた、もう少しで……)
ロシェが上方を仰いだその刹那。
後方から爆発音が響き、天井が崩れ。
穴から飛び降りる三つの影。
「よぉアルル、ご無沙汰じゃねえか。わりぃがお前はここで終わりだ」
槌の勇者、ガランデ。
「ワタシたち勇者三人を相手に、お荷物を連れてどう戦うおつもりかしら?」
弓の勇者、ゾーラ。
「年貢の納め時だよ、アルル。諦めて首を差し出すことをお勧めする」
火炎の勇者、エンキド。
その三人はアルルが魔王討伐の命を受けた時に選抜されたかつての仲間。
当然、その戦闘力は人間界では常軌を逸している。
「……フィーレ、ごめん、もしかしたら、だめかもしれない。でも、やれるだけ、足掻いて見せるから」
アルルがそう言うと、フィーレは無理矢理に顔を歪め、笑顔を作った。
脇道の奥から伸びてくる影に身構えたが、その正体は追っ手では無かった。
同じく身構えていたロシェを宥める。
「お困りの様だねマイハニー? ボクの力が必要かい?」
「げっ、ナイジェル。今はアンタなんかに構ってる暇ないんだけど」
アルルの目の前に現れたのはバサラーナ商会当主の息子兄弟の弟方、ナイジェル。
アルルに惚れてからというもの、事あるごとに面倒な絡みを仕掛けている男だ。
しかし大抵は双方に利益のある話を持ってくるため、無下にも出来ないというアルルにとってはもどかしい存在である。
「そう邪険に扱わないでくれよマイエンジェル」
アルルの苦言を爽やかな笑顔で受け流すナイジェル。
「相変わらずですねキモ男、アルルお姉さまは渡しませんから」
その爽やかな笑顔に睨みを効かせるフィーレ。
「キミの可愛げの無さも相変わらずだねフィーレ」
やれやれと肩を揺らすナイジェル。
二人の目線の間で花火が散る。
「だから喧嘩してる場合でも無いでしょ! で、何の用?」
さっさと本題に入るのが一番の対策と知っているアルルが話を進める。
「おっといけない、ボクとしたことが。この先に外に繋がる隠し通路がある。そこから逃げるといい」
真面目形態に変わり身を遂げたナイジェルが通路の鍵をアルルに投げ渡し、手で方角を指し示す。
「……いいの?」
「早く行って、口を回すのだけは得意だからさ。追っ手の数人ぐらいは足止め出来ると思う。こんな時ぐらいは格好つけさせてくれ」
頑張っても精々数人が限界だけどね、とナイジェルが悲しげな嘯きを密かに漏らす。
「……ありがとう、ナイジェル。あたし、頑張るから」
「へぇ、キモ男の割には中々カッコ付いてるかもですね。ま、お姉さまの方が百倍はカッコいいですけど」
ナイジェルはその言葉をフィーレなりの最大限の労いと受け入れ、やれやれといった様子で更に二人の背中を押す。
「さ、早く行って。ここにも追っ手が来る」
「うん。じゃあね、落ち着いたらまた顔出しに行く」
振り向くことなく通路へと一直線に向かうアルル一行。
しかし追手の気配は増えるばかり。
そして、ロシェが鼻を鳴らす、刹那。
――魔女が居たぞ! ここだ!
そのがなり声と同時に、四方八方から矢の雨がアルル達の頭上に降り注ぐ。
(ここ住宅街だけど!? 正気の沙汰!?)
杖無しには魔術の詠唱は間に合わない為、矢を打ち消す選択肢は無いに等しい。
素早く物陰に隠れ、フィーレを引き込むアルル。
が、ロシェはそれを拒んだ。
「ちょっとロシェ! なにしてんの!? 早く隠れなさい!」
主を守るべく、矢の嵐に立ち向かう。
両前足、そして両後足の爪までをも駆使し、縦横無尽に矢の嵐を喰い止め続けるロシェ。
三分の一程を叩き落とすも、掠り傷一つ。
連なるようにもう一つ。
更に一つ。
「もうやめてロシェ! ――止めなさいってばっ!」
ロシェが稼いだ二秒を最大限活用したアルルが浄化の聖弾を乱射。
勢いを殺された矢が次々と地に落ちる。
残り三分の一程に差し掛かった、刹那。
アルルの意識外から一本の矢が飛来し。
主を守れないと悟ったロシェの悲痛な叫び声が響く。
「お姉さまッ! ……あ゛、う、かはっ――」
そう、主を守ろうとする者は一人ではなかった。
「フィーレっ! ――ッ!」
地に倒れ込もうとするフィーレをアルルが抱き留める。
その内に、ロシェが残りの矢を捨て身の覚悟で叩き落とした。
「……ぐ、うぅ、これぐらい、だいじょうぶ、ですから」
フィーレの脇腹から痛ましく血が滲み出す。
その現実がアルルに重く圧し掛かる。
――彼女を抱く、その腕が怒りに震える。
(なんで、どうして、フィーレがこんな目に遭わなくちゃいけないの)
「立ち止まれッ! 命が惜しくば速やかに投降せよ!」
矢を穿った兵士一行がアルルのゆく道に立ち塞がった。
「……命乞いをするのはそっちだと思うけど?」
憎しみを胸に。魔力を手に。
杖無しにも火力は十分。
「何を世迷言を……グ、あ、ぁ――すまない、ゆるしてくれ、あぁ……」
発現するは、身体的外傷を及ぼすには至らないものの、犯してきた罪の数々が背中を伝うような錯覚に苛まれ、精神が蝕まれていく魔術。
追手の兵士が地を這い、救いを求めた。
当然、アルルがそれに応える筈も無く。
与えられるは更なる無慈悲。
正義などという大義名分を掲げてはいるが、所詮その心の中には黒い感情が渦巻いている。
辺境伯の兵士は皆、聖女の存在が憎いのだ。
魔物から守ってやってるんだ、喜んで貢げ――などという横暴が通用しない世の中となり、甘い蜜を吸えなくなってしまったのが原因と言える。
(あたし、自分自身を浄化したら、きっと消えちゃうだろうなぁ……)
そう――例え聖女と謳われようと、所詮は一人の人間に過ぎないのだから。
聖女は決して聖人などではないのだから。
人が勝手にそう呼んでいるだけに過ぎないのだから。
聖女にもなり得ると同時に魔女にもなり得る。
それがアルルメイヤという少女。
「お、ねえ、さま、もう……やめ――」
アルルから湧き出す黒い感情を感じ取ったフィーレがそれを窘める。
その一声により、負の感情に囚われていたアルルが冷静を取り戻す。
「……ごめんね、フィーレ」
「い、え」
アルルはフィーレに聖女のような優しい笑みを零す。
後に、這い蹲る兵士の方に向き直す。
「追っかけてきたら消す」
縮こまる兵士に忠告を吐き捨てる。
その昏い目は正に、魔女そのもの。
「ヒイィッ! あ、ああぁ……」
数々のトラウマや汚職を掘り起こされた兵士。
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「フィーレ、もうちょっとだけ我慢して、外に出たらちゃんと治してあげるから」
短くこくりと頷くフィーレ。
最早喋る気力すら消え失せてしまったのだろう。
走りながらフィーレに応急処置を施すアルルの横で、ロシェが周囲への警戒を続ける。
(追っ手は……今は見えない)
それらしい入り口を見つけると、合致する鍵穴を見つけ手早く入り込む。
扉の鍵を閉めなおし、地下に通じる階段を下った先に存在した曲がりくねる一本道を進んでいく。
(光が見えた、もう少しで……)
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後方から爆発音が響き、天井が崩れ。
穴から飛び降りる三つの影。
「よぉアルル、ご無沙汰じゃねえか。わりぃがお前はここで終わりだ」
槌の勇者、ガランデ。
「ワタシたち勇者三人を相手に、お荷物を連れてどう戦うおつもりかしら?」
弓の勇者、ゾーラ。
「年貢の納め時だよ、アルル。諦めて首を差し出すことをお勧めする」
火炎の勇者、エンキド。
その三人はアルルが魔王討伐の命を受けた時に選抜されたかつての仲間。
当然、その戦闘力は人間界では常軌を逸している。
「……フィーレ、ごめん、もしかしたら、だめかもしれない。でも、やれるだけ、足掻いて見せるから」
アルルがそう言うと、フィーレは無理矢理に顔を歪め、笑顔を作った。
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