巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

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37.私がヒロイン~ナターシャside④

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これ見よがしに悪者にしてやろうと思った。
だけど本命は悪役令嬢を追い落とさなくてはならないから呼び出しでは取り巻きを刺激してやった。


後で攻略対象が私を助けに来るように仕組んでおいた。


なのに!
とんだ邪魔が入ったわ!

悪役令嬢の取り巻きが魔法をぶつけようとした時だった。

止めに入った生徒会の一年を庇ってあの女が焼かれた。


「きゃあああ!」

「ちょっと、何しているのよ!」

「だって…ちょっと懲らしめようとして!」


馬鹿な取り巻きは炎を止めようとするも止まらず炎が私に向かって来た。

しかもタイミング悪く。

「ナターシャ!」

ハルバード様達が現れ私を守るべく風の魔法を放った事であの女は切り刻まれた。


「きゃああ!」

「何て事を!」


事態は最悪になる中。


「ジゼル嬢!」

「ウィル様?」


炎の中にウィル様が飛んで行った。


「ハルバート!貴様何をしている!」

「殿下?」

「くそっ!」


後から大慌てで奴て来たアレン様が魔法で風を消したけど、あの女は血だらけだった。


炎の中に飛び込んだウィル様はまるでヒロインをお姫様抱っこして救出する王子様のようで。


あれは王道のイベントだった。


何でよ!


その後私達は事件を起こした事で生徒指導室に呼ばれてしまった。



そこで待っていたのは。


「君達は殺人未遂を起こした。許されない事だ」

「そんな!酷いです…」


涙目で訴えるも。

バァン!


「いい加減にしてくれ。どれだけ周りに迷惑をかければ気が済むんだ。どれだけの人を傷つければ気が済むんだ…ハルバートもだ。ジゼル嬢が気に入らないからといってあのような惨い仕打ちが良くできたな」

「殿下!」

「そんなにナターシャ嬢と一緒になりたいなら誠意を持て。彼女なら婚約解消だってしてくれたはずだ。借金まみれの君を救ってくれた彼女だ…ある程度は情けをかけてくれたはずだ」


借金?
ハルバート様の実家は侯爵家よ?


「元より愛のない政略結婚だったが、先代侯爵家からの願いもあった。君の父親がほとんど脅しに近い形で婚約を強引に進めたのだからな」

「は?」

「ジゼル嬢は君には出来過ぎた。ナターシャ嬢の方が君にお似合いだ」

「待ってください。私は…」

「君達は退学となった後に王都から追放になるだろう。シャーロットは修道院に行くことが決まっているし他の関わった生徒も重い沙汰が下る」


そんな!

ありえない。

「嘘よ私はヒロインよ!こんなのありえない」

「何を言っているんだ?」

だってこんなのハッピーエンドではなくバッドエンドじゃない。
ヒロインは幸せになるはずなのに!


だけど、私の悲劇は始まったばかりだった。

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