45 / 79
37.私がヒロイン~ナターシャside④
しおりを挟むこれ見よがしに悪者にしてやろうと思った。
だけど本命は悪役令嬢を追い落とさなくてはならないから呼び出しでは取り巻きを刺激してやった。
後で攻略対象が私を助けに来るように仕組んでおいた。
なのに!
とんだ邪魔が入ったわ!
悪役令嬢の取り巻きが魔法をぶつけようとした時だった。
止めに入った生徒会の一年を庇ってあの女が焼かれた。
「きゃあああ!」
「ちょっと、何しているのよ!」
「だって…ちょっと懲らしめようとして!」
馬鹿な取り巻きは炎を止めようとするも止まらず炎が私に向かって来た。
しかもタイミング悪く。
「ナターシャ!」
ハルバード様達が現れ私を守るべく風の魔法を放った事であの女は切り刻まれた。
「きゃああ!」
「何て事を!」
事態は最悪になる中。
「ジゼル嬢!」
「ウィル様?」
炎の中にウィル様が飛んで行った。
「ハルバート!貴様何をしている!」
「殿下?」
「くそっ!」
後から大慌てで奴て来たアレン様が魔法で風を消したけど、あの女は血だらけだった。
炎の中に飛び込んだウィル様はまるでヒロインをお姫様抱っこして救出する王子様のようで。
あれは王道のイベントだった。
何でよ!
その後私達は事件を起こした事で生徒指導室に呼ばれてしまった。
そこで待っていたのは。
「君達は殺人未遂を起こした。許されない事だ」
「そんな!酷いです…」
涙目で訴えるも。
バァン!
「いい加減にしてくれ。どれだけ周りに迷惑をかければ気が済むんだ。どれだけの人を傷つければ気が済むんだ…ハルバートもだ。ジゼル嬢が気に入らないからといってあのような惨い仕打ちが良くできたな」
「殿下!」
「そんなにナターシャ嬢と一緒になりたいなら誠意を持て。彼女なら婚約解消だってしてくれたはずだ。借金まみれの君を救ってくれた彼女だ…ある程度は情けをかけてくれたはずだ」
借金?
ハルバート様の実家は侯爵家よ?
「元より愛のない政略結婚だったが、先代侯爵家からの願いもあった。君の父親がほとんど脅しに近い形で婚約を強引に進めたのだからな」
「は?」
「ジゼル嬢は君には出来過ぎた。ナターシャ嬢の方が君にお似合いだ」
「待ってください。私は…」
「君達は退学となった後に王都から追放になるだろう。シャーロットは修道院に行くことが決まっているし他の関わった生徒も重い沙汰が下る」
そんな!
ありえない。
「嘘よ私はヒロインよ!こんなのありえない」
「何を言っているんだ?」
だってこんなのハッピーエンドではなくバッドエンドじゃない。
ヒロインは幸せになるはずなのに!
だけど、私の悲劇は始まったばかりだった。
150
お気に入りに追加
6,503
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
結婚しましたが、愛されていません
うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。
彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。
為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
「いなくても困らない」と言われたから、他国の皇帝妃になってやりました
ネコ
恋愛
「お前はいなくても困らない」。そう告げられた瞬間、私の心は凍りついた。王国一の高貴な婚約者を得たはずなのに、彼の裏切りはあまりにも身勝手だった。かくなる上は、誰もが恐れ多いと敬う帝国の皇帝のもとへ嫁ぐまで。失意の底で誓った決意が、私の運命を大きく変えていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄を突き付けてきた貴方なんか助けたくないのですが
夢呼
恋愛
エリーゼ・ミレー侯爵令嬢はこの国の第三王子レオナルドと婚約関係にあったが、当の二人は犬猿の仲。
ある日、とうとうエリーゼはレオナルドから婚約破棄を突き付けられる。
「婚約破棄上等!」
エリーゼは喜んで受け入れるが、その翌日、レオナルドは行方をくらました!
殿下は一体どこに?!
・・・どういうわけか、レオナルドはエリーゼのもとにいた。驚くべき姿で。
殿下、どうして私があなたなんか助けなきゃいけないんですか?
本当に迷惑なんですけど。
※世界観は非常×2にゆるいです。
文字数が多くなりましたので、短編から長編へ変更しました。申し訳ありません。
カクヨム様にも投稿しております。
レオナルド目線の回は*を付けました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
アリエール
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる