巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

文字の大きさ
上 下
27 / 79

24.二人の密談~ミハイルside

しおりを挟む



学園の騒動は既に両陛下の耳に入っているだろう。

それでも加害者であるあいつ等は自分の非を認めず、屑男ハルバートに至ってはジゼルの事を悪く言って噂を流し悪女説を流している。

全ては自分の気を引く為の行動だと。


「何所をどう考えたらジゼルががあの馬鹿を好いていると思うのかしら」

「ああ…」

「政略結婚で愛情の欠片もなく、幼少期から酷い仕打ちをされて来たのに。侯爵夫人もジゼルを蔑んできましたのに」

「あれに関しては父も申し訳なく思っていたがな」

本家から追い出され、出世にも縁がない父を蔑み、学問し才能がない魅力のない女だと散々馬鹿にして来た侯爵夫人。

だが逆に言えば彼女にとってコンプレックスなのだろう。
チェイス侯爵夫人は子爵家の二女で、学校も貴族院ではなかった。

対するジゼルは優秀で学問だけならばシャルロット嬢やアンリエット様よりも上だ。
三歳の頃から父上が傍でみっちり学問を教えていたから当然と言えば当然だったからかもしれないが。

「本当に物を知らない方です事。分家筋でありながら多くの資産を有しているのはセオドール様が優秀かつカリスマ性に優れている証拠ですのに」

「そう言って貰えると有難いよ」

父は昔、諜報員として働いていた。
今は現役を退いているが、生活力は極端だった。

富と名声にも興味がないし、大金があれば困っている友人にすべて与えてしまう事がある。
我が家にある確実や薬草も、価値を知らなかったのだが、当初はサンチェスト侯爵夫人が病床で臥していた時に差し入れた果実が病に利いたのですべて差し上げたぐらいだ。

「父上はなんというか…運が良い」

「ご本人は無自覚でしょうに」

そうだ。
見返りを求めることなく与えてしまうから倍になって帰って来るのだ。

サンチェスト侯爵様が父に一目置いているのはそこだろう。
ファミリア辺境伯爵様は根っからの武闘派で学があまりなかった頃に父上が家庭教師をした事で学校を卒業できたと聞く。


「王妃陛下はアルティシア様と親友でいらしたと聞いてますわ」

「今にして考えてみると恐ろしいな」


四大貴族のほとんどは父が握っている。
そして他国とも交流のある王妃陛下の心は亡き母が。


「今まで国盗りをされなかったのが不思議です」

「今さらだがな」


権力に一切執着しない人だからこそ余計に人が集まって来る。


ただし、色々と拗らせた連中だけどな。


「さぁて、これからどうなるか」

「あら?まずはチェイス侯爵家の公開処刑ではございません事?一番の加害者ですもの…新聞部が大々的に書いてくださいますわ。なんせ新聞部部長の実家は王都でも最大のジャーナリストを育てていますもの」

「広告の商売もしているからな?」

タイミングとして最高だな。


まずは学園で孤立するだろう。
そこからじわじわと噂という悪意に怯えなくてはならないだろう。


しおりを挟む
感想 144

あなたにおすすめの小説

結婚しましたが、愛されていません

うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。 彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。 為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……

「いなくても困らない」と言われたから、他国の皇帝妃になってやりました

ネコ
恋愛
「お前はいなくても困らない」。そう告げられた瞬間、私の心は凍りついた。王国一の高貴な婚約者を得たはずなのに、彼の裏切りはあまりにも身勝手だった。かくなる上は、誰もが恐れ多いと敬う帝国の皇帝のもとへ嫁ぐまで。失意の底で誓った決意が、私の運命を大きく変えていく。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

婚約破棄を突き付けてきた貴方なんか助けたくないのですが

夢呼
恋愛
エリーゼ・ミレー侯爵令嬢はこの国の第三王子レオナルドと婚約関係にあったが、当の二人は犬猿の仲。 ある日、とうとうエリーゼはレオナルドから婚約破棄を突き付けられる。 「婚約破棄上等!」 エリーゼは喜んで受け入れるが、その翌日、レオナルドは行方をくらました! 殿下は一体どこに?! ・・・どういうわけか、レオナルドはエリーゼのもとにいた。驚くべき姿で。 殿下、どうして私があなたなんか助けなきゃいけないんですか? 本当に迷惑なんですけど。 ※世界観は非常×2にゆるいです。   文字数が多くなりましたので、短編から長編へ変更しました。申し訳ありません。  カクヨム様にも投稿しております。 レオナルド目線の回は*を付けました。

【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした

miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。 婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。 (ゲーム通りになるとは限らないのかも) ・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。 周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。 馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。 冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。 強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!? ※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

愛すべきマリア

志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。 学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。 家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。 早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。 頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。 その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。 体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。 しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。 他サイトでも掲載しています。 表紙は写真ACより転載しました。

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

アリエール
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

処理中です...