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番外編マリエルの末路③
しおりを挟む朝は明け方に起こされ、水仕事をさせられ。
眠るのは日付が変わるか変わらないかぐらいの時間帯。
この邸では階級に分けられ上級メイドから下級メイドが存在する。
私はメイドですらない立場だった。
仕事は皿洗いや水汲みに洗濯だった。
貴族令嬢である私がこんな下働きのような真似事をさせられる案んてありえないわ。
食事だった肉がほとんどはいってない野菜のシチューにパンはジャムもない。
飲み物はミルクか水だけで温かいお茶すら出てこないなんてどれだけ酷いのかしら。
「食べないのか?」
「こんなまずい食事を取る習慣がないだけですわ。人が食べる物ではないわ」
「そうかい。じゃあアンタの食事は必要ないね」
「は?」
いきなり中年の女は私の食事を奪った。
「悪かったね。不味い飯で…」
「最低ね。ジェルはこの邸の料理人で、私達にも善意で食事を提供してくれているのに」
「なんて罰当たりなの…」
周りの下級メイドは私を見下し、批判した。
何で私が責められなくてはいけないのよ?善意だと言うならもう少しましな食事を用意すべきだわ。
「何様よ?私は…」
「アンタ、いい加減に現実を見たら?もうアンタは貴族でも平民ですらもないわ。罪を犯した奴隷以下よ?ここを追い出された行く当てもないわ…まぁ、アンタみたいなブスを買ってくれる人はいないわね」
「本当よね?例えタダでもアンタみたいな価値のない女を欲しがる旦那様もいないわ…商人だってお金を貰っても引き取らないわ。だって何もできないんだもの!」
「皿洗いは出来ない、井戸の水を汲みに行くにも時間はかかるし、言葉はなってないし文句ばかり」
貴族令嬢の私がそんなのできるわけないでしょ!
大人しくしてあげているだけ喜びなさいよ!私だってやりたくないんだから!
「貴族令嬢って言っても行儀見習いぐらいするんじゃないの?まさか奉公先見つからなかったとか?」
「案外、お邸の旦那様のお世話したんじゃない?それで追い出されたんじゃない?」
「うわぁ阿婆擦れね?だったらお客様の相手でもしたら…でもその体じゃ無理よね」
「本当、だって貧相だもの」
こいつ等、ふざけんじゃないわよ。
貧乏人の癖に。
下級メイドの分際で!
「だまれぇぇ!」
「きゃああ!」
好き放題を言った下級メイドを床に叩きつけ髪の毛を引っ張り引っぱたいてやろうとしたが…
「何をしてんだい!」
厨房のあの女が入って無理矢理抑え込まれてしまった。
私は悪くないのにどうしてよ!
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