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番外編モモちゃんの戦い①
しおりを挟む僕の名前はモモ。
巨人族のフレスベルグだ。
僕達フレスベルグは北の大地に住まう白銀の鳥で、翼をはばたかせれば嵐を呼ぶこともできる。
鳥族の中でも神の一角を担うとも呼ばれる高貴なる存在。
普通は東北の地に巣を持っているけど、僕の巣は人間の王国にある。
その理由は。
「モモちゃん?モモちゃん何処?」
「クェー!」
「ああ、ここにいたんだね?桃を貰ったんだけど一緒にどうだい?」
僕のパパが人間だからだ。
巣立ちをしているので普通は親鳥から離れるんだけど、僕のパパはお人好しでっトラブルに巻き込まれる。
だから守ってあげないと。
「モモちゃん。里帰りはどうだった?」
「クー!」
「そうか、そうか…楽しかったんだね。良かったね」
僕の言葉を理解してくれる優しいパパ。
人間は卑怯で残酷で愚かだと言うけどパパは別格だ。
だってこんなにも優しいんだから。
『おいモモ』
僕がパパに頬ずりをしていると庭の大樹には同族のフレスベルグ達が声をかける。
「あれ?モモちゃんのお友達かな?」
『モモ、俺も主の桃を食べたいぞ』
僕の同族でもある彼等は、何故かパパを主と崇めていた。
彼等だけじゃないサンダーバードや他の鳥族もパパを王と呼んでいる。
その理由は雛だった頃にパパに命を救われたり、巣を失った彼等にパパが新しい巣を作ったそうだ。
それで恩を感じて恩返しをしたくてストーカーのように付きまとい図々しくもパパにご飯を強請っている。
「いらっしゃい君達。桃を沢山もらったんだけどどうかな」
「「「ピー!」」」
あざとい声で可愛く泣くな!
僕のパパだぞ!
「いやぁ、魔鳥って肉食と思ったけど。果物が好きなんだね」
違うよパパ。
彼等は他の果物は口にしない。
パパが作った果物には特別な魔力が込められているから。
フレスベルグに限らず魔獣は主との真の契約をすると力を得るんだ。
特に主の強い愛情は僕達の心の栄養分だ。
主の心が美しく愛情深ければ深い程僕達は満たされるんだ。
でも、パパは僕のパパだ。
絶対にあげないからね!
けれど、悪い事ばかりじゃないんだ。
彼等を傍に置くことはすなわち。
『モモ、二時の方向に不審者だ。毒を持っているぞ』
『俺達の御主人を狙っているぞ。匂いで解る…あくどい事を考えている』
この通りパパの命を狙う輩が多すぎる。
だから僕達は同盟を結んだんだ。
なずけてパパ親衛隊!
パパは僕達が守る!
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