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39.手短な所から
しおりを挟むここ三年程の予算を確認するとやっぱり、金額がおかしいと思った。
微々たるものであるが、教会への寄付金が増えている。
そして、地方の教会に支援するはずの金額が減らされている。
「やつぱり…」
「これは!」
あの後オスカーに頼み過去の帳簿を見せて欲しいと宰相閣下に頼んでもらうと、あることが解った。
「まさか、こんな馬鹿な真似を」
「解らないように細工して、援助金をちょろもなしています。しかも地方の孤児院や教会への支援を減らして」
私腹を増やしているのは聖職者と名ばかりの連中達。
貧しい物に援助をしている彼等は自ら食べる分を削り援助しているのだ。
「しかし、よくわかったな。金銭だけならば気づかなかったぞ」
「まぁ、こういうのは詳しいから」
数字を見れば大体解る。
それに例の問題となる教会は他所から食料を援助してもらっている。
しかも最低な事に。
調べたところによると、その教会の責任者は援助してもらった食料を別の領地で倍の値段で売っていることが解った。
食料が不足している領地等に。
儲けたお金を何に使っているのかも調べてもらい解った。
「これは許されることではありません」
「だが、いきなり援助金を減らせば反発される。どうするんだ…」
「国からの援助の金額はそのまましてください。ようするにこれ以上お金の周りを増やさないようにすればいい」
いくらこちらが数字が合わないと言っても確実な証拠を付きつけなくてはならない。
もし証拠を突きつけてもトップにいる者の所為で火の粉を被るのはその下にいる者だ。
「今最優先で救う人がいる」
「ルイス様…」
「昨年度の余った予算がわずかながらあります。そのお金を援助金にします。勿論焼け石に水、付け焼刃ですが」
一時的な救済処置のようなものだ。
急いですくべきなのは潰れかけた孤児院を立て直すことだ。
しかし、既に孤児院は赤字続きで支援する貴族は少ない。
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待てよ?
そうだ…
「俺がいるじゃないか」
「「は?」」
潰れかけた孤児院の院長に俺がなれないだろうか?
お祖母様は宮廷魔導士時代から、多くの孤児院に援助をしたり、自身が孤児院の院長となっていたこともある。
「今後の国を作るのは子供…俺が子供達を援助すればいんんだ!」
「殿下!お待ちください…」
「いくらなんでも無理です!」
金銭的な事もあるからすぐには無理でもまずは手短な事からすればいいんじゃないか?
食料の調達をして、まずは改善をすればいい。
そうだ。
そうしよう。
俺は彼のママになろう!
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