【本篇完結】無能だと言われて婚約破棄に追放されましたが、女王陛下に見初められました!

ユウ

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20.王家の血筋

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長い間俺は知らずにいた。
ずっとお祖父様の力で守られて生きてきた事を。


そんな俺を見て、お祖父様は困った表情をした。




「男が情けない顔をするでない」

泣きそうな顔でお祖父様を見るも叱られてしまうが、俺への愛情を強く感じた。


一時でも疑った自分が恥ずかしい。
お祖父様は冷たい人ではないと解っていたのに、解っていなかったんだ。

そんな最中、女王陛下はリディア王女に向き直った。




「リディアよ、そなは女王となれば得られるものはあまりない。だが、どうしても必要な者は手放してはならぬ。唯一と思う物は手を伸ばせ…私が夫をシュヴァンも私は手放すことはなかった」

「えっ…ですが」


「私はシュヴァンを手に入れる為にあらゆる権力を使った。子ができにくい体であった所為でシュヴァンと離婚を突きつけられたが許さなかった…シュヴァンだけは奪われるまいとな」


女王陛下、かなり過激だったんですね。
俺の目からは仲睦まじい夫婦関係だと思っていたけど。

「ここで聞こう、ルイスを手放して良いのか?他の女を抱くルイスを見て耐えられようか?」

「女王陛下!」

「お前は黙っておれ!リディア女王陛下…ルイスの婚約者候補は多くおりますぞ」

は?
多くいるって何?
領地では俺の価値は百害あって一利無しとか言われていたのに。

意味が解りません。


「お前が知らないだけだ。隣国の王女殿下に、同盟国の公国にお前の祖母の祖国の皇族も…」

何で全部王族か皇族?
極端すぎないのかと言いたくなるのだが…。


「この場で宣言しますわ。私。リディア・マリー・ウィンディアはルイス・フェンネルを夫として迎えることを宣言します!」


声高らかに告げるリディア王女に会場は声を上げる。
いくら何でも身分違いだと思う声が多いだろうと思った矢先だった。


「突然の事で驚くかもしれぬ。しかし、ルイス殿の母君は隣国のヴァルハラ王国の王妃殿下の妹君だ!」

「なっ…」

「ヴァルハラ王国とは…あの!」

「王妃殿下は先代国王の妹君のご令嬢ではないか!」


ヴァルハラ王国って…確か。
十数年前に新たな王があらゆる改革をして、現在は東帝国と同盟を結んでいるあの!


国王の母君は元皇女殿下であり、政略的な理由で降嫁したが数年後離婚して爵位を与えられたとか。

とても優秀で今は女性の庇護をしておられ、聖女のように崇拝されているとか。
名をヴィオレッタ様と。


俺はとんでもない人と親戚だったの!



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