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⑦
しおりを挟むあくまで第三者の意見として述べられた言葉、そして過去に同じように虐待された赤ん坊がいたことをあげて簡潔に伝えた。
「この写真をよくご覧ください。こちらは保護をしたときに我々が写真を撮りましたが、被害者のミレイ・シンパシーの腕は骨折していました。他にも叩かれた跡がありましたが…ごく最近のものです」
「では、元義妹が暴行を行ったというのは」
「嘘でしょう。彼女がシンパシー家を出た期間、診療所にも通っていたようですが、医師からは特に問題がないと報告を受け、診断書を預かってきました。写真もご覧ください」
皆の前で映し出されたのはリサがミレイを面倒見ていた時の状態だ。
「これは…」
「あまりにも違い過ぎる。やせ細っている…それに目が!」
写真は三枚あった。
一枚は一人で映っているもので二枚目はリサとミレイ、残りの一枚は診療所のもの。
どの写真も笑顔が見られた。
まるで親子のような写真で、二人とも目を合わせている。
「対するこの写真には被害者は怯える表情です。栄養状態も酷く、この写真は被害者である彼女が邸を出た後のものです。聞き込みをしましたが、間違いありません」
この言葉を聞いた私達は確信をした。
「叔父様…」
「ああ、彼女は中立であるが、私達の敵ではない。むしろ…」
味方だと確信をした。
証拠となるものを突き付け確実にシンパシー家を敗北させるために相当の下調べをしてくれているのだと気づいた。
「そんな…」
再三に渡り、注意をされたせいで反論はしなかった。
弁護士の方を見ると表情は読めない。
ここからどうでるか。
この状況をひっくり返そうと考えるならただの馬鹿だ。
そもそもこの裁判であの女を無罪にするこは不可能。
ライアスにも非はあれど、公開裁判を選んだ理由はもう一つある。
ライアスが有利になるように仕組むためだ。
「私はこの場においてお誓いします。ミレイ・シンパシーは元義叔母の手から離れてからまともなお世話をされておりません。一歩間違えれば死んでいてもおかしくないでしょう」
その言葉で中立側だった裁判所側もざわめく。
未だに法律で子供への虐待への処罰は甘いところがある。
虐待した本人ですら罪の意識がなく、悪気がなかった、気づかなかった。
もうこんなことはしないというのだから。
中に厄介な言い回しをするパターンがある。
「裁判長」
「何でしょう」
「発言をお許しください」
彼はどうでるか。
白か黒かこの場で見極めさせてもらうより他ない。
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