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嫁姑の関係は難しい。
自分の時で嫌というほど実感しているからこそ友人に頼んだのが間違いだった。


とはいえ、当人である息子は厄介な仕事を任され傍に入れなくなった。


事情を後から聞いた息子すぐに戻ってきてくれた。


「母さんごめん」

「私はいいのよ…でも」

明らかに顔色が悪く寄せている息子。
無理もないわ。

今回、辺境地に派遣されたのは、仕えている主の遠縁にあたる貴族のご子息が領地経営がまるでなっておらず、挙句の果てに感染病で、どうにもならい状況だった。

そこに白羽の矢が立ったのが息子だった。
会計士として優秀な息子になんとか領地を立て直せるように支えて欲しいと言われたのだけど、簡単ではなかった。


当初、辺境地に行く際には。


「いやよ!そんな不便な土地!行きたいなら貴方一人で行ってよ!ちゃんと仕送りはしてよね」

「しかし…」

「できないの?妻と息子を守ることもできないなんて!」


婚約した当初は辺境地に行くなんて思わなかった。
だが事情が変わってしまったのだ。

しかも本来辺境地に行くはずだった使用人は事故で寝たきり状態になり息子が行かざる得なかった。
だましたわけではないのにこんな言いよう。


「行きなさい」

「母さん?」

「サンディさんのことは私に任せなさい」


正直、なんとかできる自信はない。
でも、会計士として認められるかの瀬戸際だし、万一一緒に連れて行ってもどうなるか明白。



「母さんごめん」

「ただ、私のできる限りはするけど…私も人づきあいが上手い方じゃないわ」


長年教職をしているけど、決して同性に好かれやすいわけじゃない。
世渡り上手とは言わないけど、なんとかするかしかない。


「でもね…考えて欲しいの」

「え?」

「貴方が選んだ人だから私がどうこう言うのは間違いかもしれない。でも生涯を共にする相手かどうか…一度離れてちゃんと見極めなさい」



正直私はサンディさんと上手くやれる気がしない。

けれど息子の仕事を応援したい。


悩みに悩んだ結果だ。



「お役目をしっかり果たしなさい」


「母さんありがとう…」



こうして私は息子の旅立ちを見送り慣れない同居生活が始まった。


しかし同居生活は精神的にも肉体的にも苦難の日々だった。



「お義母さん!こんな飲み物飲めません!」

「お腹を冷やすでしょう」


まずつわりが酷いので日中のお世話は私がして。
食事に関しても好き嫌いが激しく文句の連続だった。


それでも耐えたのに、サンディさんは隣近所で私の悪口を言い出すようになった。


嫁に厳しすぎるとか、毒親などと言って。
ただ近所の人たちは私の味方で相手にされなかったけど。


予定日になっても子供が生まれず、ストレスがたまる所為だと言われるのにも耐えた。



ようやく孫が生まれたかと思った矢先。


「同居を解消させてください」

「はい?」

「お義母様との生活はもう耐えられません!」


そう言って私を追い出したのだ。


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