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それは一瞬の出来事だった。
地響きが聞こえ、地面から戦車が現れた。


「旦那!お呼びですか」

「また祭りですかい?それともドラゴンを仕留めればいいですか?」


なんていうか迷彩柄の軍服に身を包んだ強面の男性が終結した。

「うむ、本日は特別任務だ。ここにおられるお嬢さんは将来お前達が護衛する姫となる」

「それは…旦那の身内になるってことですか」


「正確には私の甥の嫁だ」


元から怖い顔つきの皆さんの目がさらに怖い。


「そりゃめでてぇ!」

「一生独身を貫くと思ってやした!」

「今日はパーティーだ!血で染めろ!」


「「「おう!」」」


何で地で染まるの?
血の祭りでもする気なのか。


「伯父上!何故彼らを」

「何だ?歓迎会といえば喧嘩祭り、そして男飯だろう」

「宮廷式でよろしいのです」

「私はあんな形だけなのは好かん。それに将来お前の妻となれば、こいつらは護衛となるだろう。今のうちに仲良くしておく方がいい」


話が見えない。
とりあえず皆さんは先帝陛下の部下ということなのよね。


「先生、慣れた方がいいですわ。これから濃厚なお付き合いが始まります。彼らは大伯父様の専属諜報員だったり、機動隊だったりと色々です。ちなみにスキンヘッドの怖い方は母の家庭教師です」

「家庭教師…」

「主に訓練のですが」

「訓練…」


お嬢様の母君は少しお転婆だと聞いていたけど。

これはお転婆で許されるレベルなのかしら?


「姉上は淑女教育の中でも銃の使い方が一族の中で一番上手かった。体術なんて恐ろしいほどだ。趣味は筋トレだ」


「筋トレ…」

「何をしてもまずは体が基本だ!強靭な肉体と精神なくして長生きはできんからな!」


そういいながら先帝陛下は服を脱がれた。
高齢なんて嘘だと思うほどの見事なボディ・マッスルだった。



「だから嫌だったんだ。君を連れてくるのは」

「どうせバレるんますわ。ならば早い段階ですべてをさらけ出した方が楽ですわ。まぁ大伯父様がさらけ出しているのはご自慢のボディですけど」


「面白くないよ。自分の筋肉を自慢したかったんじゃないか?」


「それもありますわね」


「しみじみ言うんじゃない!」



ああ、なんとなく理解したわ。
数多の功績を残しながらも先帝陛下は側妃一人持たない理由。


上皇陛下お一人に一途と言われているが。
並大抵の女性はついていけないかもしれないわね。


ある意味、上皇陛下は女神のような存在ね。


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