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⑧
しおりを挟むそれは一瞬の出来事だった。
地響きが聞こえ、地面から戦車が現れた。
「旦那!お呼びですか」
「また祭りですかい?それともドラゴンを仕留めればいいですか?」
なんていうか迷彩柄の軍服に身を包んだ強面の男性が終結した。
「うむ、本日は特別任務だ。ここにおられるお嬢さんは将来お前達が護衛する姫となる」
「それは…旦那の身内になるってことですか」
「正確には私の甥の嫁だ」
元から怖い顔つきの皆さんの目がさらに怖い。
「そりゃめでてぇ!」
「一生独身を貫くと思ってやした!」
「今日はパーティーだ!血で染めろ!」
「「「おう!」」」
何で地で染まるの?
血の祭りでもする気なのか。
「伯父上!何故彼らを」
「何だ?歓迎会といえば喧嘩祭り、そして男飯だろう」
「宮廷式でよろしいのです」
「私はあんな形だけなのは好かん。それに将来お前の妻となれば、こいつらは護衛となるだろう。今のうちに仲良くしておく方がいい」
話が見えない。
とりあえず皆さんは先帝陛下の部下ということなのよね。
「先生、慣れた方がいいですわ。これから濃厚なお付き合いが始まります。彼らは大伯父様の専属諜報員だったり、機動隊だったりと色々です。ちなみにスキンヘッドの怖い方は母の家庭教師です」
「家庭教師…」
「主に訓練のですが」
「訓練…」
お嬢様の母君は少しお転婆だと聞いていたけど。
これはお転婆で許されるレベルなのかしら?
「姉上は淑女教育の中でも銃の使い方が一族の中で一番上手かった。体術なんて恐ろしいほどだ。趣味は筋トレだ」
「筋トレ…」
「何をしてもまずは体が基本だ!強靭な肉体と精神なくして長生きはできんからな!」
そういいながら先帝陛下は服を脱がれた。
高齢なんて嘘だと思うほどの見事なボディ・マッスルだった。
「だから嫌だったんだ。君を連れてくるのは」
「どうせバレるんますわ。ならば早い段階ですべてをさらけ出した方が楽ですわ。まぁ大伯父様がさらけ出しているのはご自慢のボディですけど」
「面白くないよ。自分の筋肉を自慢したかったんじゃないか?」
「それもありますわね」
「しみじみ言うんじゃない!」
ああ、なんとなく理解したわ。
数多の功績を残しながらも先帝陛下は側妃一人持たない理由。
上皇陛下お一人に一途と言われているが。
並大抵の女性はついていけないかもしれないわね。
ある意味、上皇陛下は女神のような存在ね。
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